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大企業でもクラウドPBXは有力な選択肢ですが、単に「利用人数が多くても使えるか」だけで判断するのは十分ではありません。複数拠点をまとめて運用する場合は、拠点数・利用ID数・同時通話数・管理権限・段階移行・冗長化・セキュリティ・サポート体制まで確認して選ぶ必要があります。
特に、既存PBXや電話番号を残しながら段階的に切り替えたい企業や、本社・支社・営業所で異なる運用をしている企業では、現在の電話環境を整理してから導入方法を検討した方がスムーズです。
この記事では、大企業がクラウドPBXを導入するメリットと、サービス選定時に確認したい7つのポイント、全社展開までの流れを解説します。
「クラウドPBXを大規模環境でどう使えばよいのか」「既存PBXから一度に切り替えて問題ないのか」と迷っている方は、自社の導入条件を整理する際の参考にしてください。
監修者
登 雄三(のぼり ゆうぞう)
保有資格:工事担任者(AI・DD総合種)/電気工事士
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国各地でビジネスフォン・複合機・防犯機器などのOA機器の販売や電話工事、電気工事、LAN配線工事、VPN構築を主に手掛ける。2023年には名古屋へ拠点進出。
大企業でクラウドPBXを検討するときは、まず仕組みとオンプレミス型PBXとの違いを押さえたうえで、自社の規模や既存設備に合う運用ができるかを確認します。
クラウドPBXは大企業でも利用できますが、収容できるID数や同時通話数などの上限はサービスによって異なります。拠点や利用者が多くなるほど、管理方法やネットワーク、切り替え方法まで含めた設計が必要です。
クラウドPBXは、PBXの機能をクラウド上で利用する法人向けの電話システムです。
従来のビジネスフォンでは、オフィス内に設置したPBXや主装置を使って外線・内線を制御します。一方、クラウドPBXではサービス提供事業者側のクラウド基盤を利用し、ネットワークを介して電話機やスマートフォン、パソコンなどを接続します。
対応する端末や利用できる機能はサービスによって異なるものの、社員がオフィス外でも会社の電話環境を利用したり、離れた拠点を同じ内線環境にまとめたりしやすい点が特徴です。
クラウドPBXの構成や基本的な仕組みを詳しく確認したい方は、クラウドPBXの仕組みを基礎から解説した記事をご覧ください。
クラウドPBXとオンプレミス型PBXの大きな違いは、PBXを自社側に設置して管理するか、クラウドサービスとして利用するかという点です。
大企業では、クラウドかオンプレミスかを一律に決めるのではなく、既存設備や拠点構成、社内の運用ルールによって判断します。すでに大規模なPBX環境がある場合は、すべてを一度に廃止せず、一部を残しながら段階的にクラウド化する方法も選択肢です。
両者の違いを費用や運用方法まで含めて確認したい方は、クラウドPBXとオンプレミス型PBXの比較記事も参考にしてください。
大企業でクラウドPBXを検討する場合は、「何人まで使えるか」だけでサービスを選ばないことがポイントです。
たとえば、社員数が多くても電話を使う人数は限られている企業と、コールセンターや営業部門などで同時に多くの電話を使う企業では、必要な構成が異なります。また、本社で設定を一元管理したい企業と、各拠点に管理者を置きたい企業でも求められる管理機能は変わります。
大企業では「利用人数」だけでなく、拠点数・同時通話数・権限管理・段階移行・障害対策まで含めて導入条件を整理しましょう。
業種や企業規模によってクラウドPBXの活用方法がどう変わるか確認したい方は、親記事のクラウドPBXの導入事例・業種別活用を解説した記事をご覧ください。
大企業でクラウドPBXを利用するメリットは、電話をスマートフォンで使えることだけではありません。複数拠点の運用をまとめやすく、組織変更や拠点追加にも対応しやすいことが、大規模組織にとって大きな利点です。
クラウドPBXは、本社・支社・営業所など離れた拠点の電話環境をまとめて構成しやすい点がメリットです。
従来のPBXでは、拠点ごとに設備を設置し、それぞれで設定や保守を行っている企業もあります。拠点数が増えるほど管理する設備や契約が増え、組織変更や移転時の調整にも手間がかかります。
クラウドPBXでは、サービスの仕様や構成によって差はあるものの、複数拠点を同じ電話環境として管理できるため、電話システムの運用を整理しやすくなります。
スマートフォンやパソコンなどに対応するクラウドPBXであれば、オフィス以外から会社の電話環境を利用しやすくなります。
本社・支社だけでなく、在宅勤務者や外出の多い営業担当者も同じ電話環境に組み込めるため、着信のためだけに特定の拠点へ出社する必要性を減らせます。
一方、利用できる端末や外出先での発着信方法はサービスによって異なります。全社員へ一律に導入するのではなく、電話を使う部署や働き方を整理して必要な端末を決めると無駄を抑えやすくなります。
クラウドPBXでは、同じ電話システムに登録した拠点や社員間を内線として運用できるサービスがあります。
本社と支社、外出中の社員、在宅勤務者など、離れた場所にいる社員同士でも内線で連絡できる構成にすれば、社員間の電話連絡を効率化しやすくなります。
ただし、内線通話の対象範囲や料金体系はサービス・契約内容によって異なります。「拠点間ならすべて無料」と考えず、内線として扱われる条件を契約前に確認してください。
人員の増減や組織変更が多い大企業では、端末やIDを追加・削除しやすいこともクラウドPBXのメリットです。
新しい支社や営業所を開設するときも、既存の電話環境と同じ構成へ追加できれば、拠点ごとに新たなPBX環境を一から構築するより運用を統一しやすくなります。
一方で、契約できるID数や増減方法、変更が反映されるまでの手順はサービスによって異なります。現在必要な人数だけでなく、数年後の増員や拠点統廃合も想定して確認しましょう。
電話設備を特定のオフィスだけに依存しない構成にすることで、災害や拠点への出社が難しい状況でも電話業務を継続する選択肢を持ちやすくなります。
ただし、クラウドPBXであれば障害や停電の影響を受けないわけではありません。インターネット回線、社内ネットワーク、利用端末、サービス提供側の設備など、複数の要素が電話利用に関係します。
大企業では、単にクラウドへ移行するだけでなく、回線の冗長化や代替連絡手段、障害時の運用ルールまで含めてBCPを設計することがポイントです。
停電・災害時のクラウドPBX利用について詳しく確認したい方は、クラウドPBXのBCP対策と緊急時の電話運用を解説した記事も参考にしてください。
大企業向けのクラウドPBX選びでは、料金や知名度だけではなく、自社の電話環境を大規模でも無理なく運用できるかを確認します。
既存のPBXや電話番号を使用している大企業では、現在の設備をどこまで残し、どの単位でクラウドPBXへ切り替えるかを最初に確認します。
全社・全拠点を一度に切り替えると、設定変更や社員教育、トラブル発生時の影響範囲も大きくなります。そのため、既存PBXを残しながら新拠点や一部部署からクラウドPBXへ移行し、段階的に対象を広げる方法も検討できます。
既存PBXとの併用方法については、クラウドPBXと既存PBXを併用する方法を解説した記事をご覧ください。
また、現在の電話番号を継続できるかどうかは、番号の種類や契約状況、利用するサービスなどによって判断が変わります。番号継続の条件は、クラウドPBXで電話番号をそのまま使う方法で詳しく解説しています。
大企業では、現在必要なID数だけでなく、将来的な増員・組織変更・新拠点開設まで考慮してサービスを選ぶ必要があります。
たとえば、社員数が数千人いても全員が電話を使うとは限りません。代表電話を扱う部署、営業担当者、受付、コールセンターなど、実際に電話機能が必要な利用者を整理したうえでID数を算出します。
また、本社と各拠点で同じ契約にまとめられるのか、拠点追加時にどのような手続きが必要なのかも確認しておくと、導入後の拡張がスムーズです。
ID数と同時通話数は同じではありません。ID数は「利用するユーザー・端末数」、同時通話数は「同時に接続できる通話数」の目安として分けて考えます。大企業では利用者数だけでなく、ピーク時に何人が同時に外線通話するのかを確認してください。
たとえば、営業担当者が多い企業や問い合わせ窓口を持つ企業では、始業直後やキャンペーン期間など特定の時間帯に着信・発信が集中することがあります。
必要な同時通話数を下回る構成では、利用者数分のIDがあっても電話を受けられない・発信できない状況につながる可能性があります。通常時だけでなく、繁忙時間帯の最大利用を想定して確認しましょう。
拠点や部門が多い企業では、誰がどこまで電話設定を変更できるかという管理権限も確認したいポイントです。
すべての設定を本社の管理部門だけで行う方法もあれば、拠点単位で管理者を置き、内線や着信設定など一部の操作を任せる方法もあります。
大規模組織では、設定変更を簡単にできることだけでなく、不要な権限を与えず、誰が変更したのかを管理できるかという視点も必要です。管理できる範囲や権限の分け方はサービスによって異なるため、現在の社内ルールに合う管理機能があるか確認しましょう。
クラウドPBXはネットワークを利用するため、サービス側の性能だけでなく、各拠点のインターネット環境や社内ネットワークも通話品質に関係します。
少人数で問題なく利用できても、同じネットワーク上で多くの社員がWeb会議や大容量データ通信を行うと、利用状況によっては音声へ影響が出る可能性があります。
大企業では、本社だけでテストして判断せず、利用人数や通信環境が異なる拠点でも確認します。また、主要回線に障害が起きた場合の予備回線や代替運用についても検討しておくと安心です。
なお、110・119・118などの緊急通報に対応できるかは、サービスや端末、発信経路によって異なります。緊急通報が必要な拠点では、クラウドPBX経由で発信できるかを確認し、対応していない場合は携帯電話などの代替手段も決めておきましょう。
音声が途切れる原因や確認方法については、クラウドPBXの音質・通話品質を解説した記事も参考にしてください。
大企業でクラウドPBXを導入するときは、サービス提供側のセキュリティ対策だけでなく、自社の情報セキュリティポリシーに沿って運用できるかを確認します。
特に、スマートフォンやパソコンを電話端末として使う場合は、端末管理、アカウント管理、認証情報の取り扱い、退職・異動時のID削除など、社内側の運用も必要です。
また、管理画面を操作できる担当者を限定するなど、権限管理と合わせて考えると運用ルールを整理しやすくなります。
クラウドPBXで想定されるリスクや対策については、クラウドPBXのセキュリティ対策を解説した記事をご覧ください。
大企業では、サービスの機能だけでなく、導入前から運用開始後までどのようなサポートを受けられるかも確認しておきたいポイントです。
利用者が多いほど、初期設定や端末登録、拠点追加、設定変更などの作業量も増えます。社内担当者だけで対応するのか、導入事業者やサービス提供元へ相談できるのかによって、必要な社内体制も変わります。
また、電話が使えない状態は業務への影響が大きいため、障害が起きた際の問い合わせ方法や切り分け範囲も事前に確認しておきましょう。
登(のぼり)
大規模なクラウドPBX導入では、社員数だけを伝えてサービスを選ぶのではなく、拠点数、必要なID数、ピーク時の同時通話数、現在のPBXや電話回線まで整理しておくと構成を検討しやすくなります。全社一括で切り替えるか、拠点・部署単位で段階移行するかも早い段階で決めておきましょう。
大企業では、一度に全社を切り替えるよりも、現状把握→検証→運用ルール策定→段階移行→全社運用の順で進めると、切り替え時の影響範囲を抑えやすくなります。
最初に、現在使っている電話環境と、クラウドPBX導入後に実現したい運用を整理します。
ここを整理せずサービス比較から始めると、「契約後に必要な同時通話数が足りない」「既存番号を想定どおり継続できない」といった問題につながりやすくなります。
候補を絞ったら、可能な範囲で実際の利用環境に近い条件で品質や操作性を確認します。
サービスによっては試用環境や事前検証が用意されている場合もありますが、提供条件は異なります。トライアルの有無だけでなく、一部の部署・拠点へ先行導入できるかも確認するとよいでしょう。
検証時は、管理部門だけでなく、代表電話を受ける部署や営業部門など実際に電話を使う社員にも参加してもらい、音声、操作性、着信方法、保留・転送など日常業務で必要な動作を確認します。
導入前に、誰が管理画面を操作するのか、ID追加や設定変更をどのように申請するのかなど、社内ルールを決めます。
スマートフォンを利用する場合は、会社支給端末と私物端末のどちらを認めるか、端末紛失時にどう対応するかといった運用も整理が必要です。
特に大企業では、本社管理部門・情報システム部門・各拠点の担当者の役割を事前に分けておくと、導入後の設定変更や問い合わせが集中するのを防ぎやすくなります。
大規模な電話環境では、全社一斉に切り替える方法だけでなく、既存PBXを残しながら一部の拠点・部署から段階的にクラウドPBXへ移す方法も検討できます。
たとえば、新しく開設する拠点からクラウドPBXを導入し、運用に問題がないことを確認して既存拠点へ広げる方法があります。既存PBXのリースや保守契約が残っている場合も、更新時期を見ながら移行計画を立てると設備を無駄にしにくくなります。
ただし、既存PBXとの併用可否や構成は利用サービス・現在の回線環境によって異なります。移行前に現在の設備構成を確認してください。
クラウドPBXは導入して終わりではありません。全社展開後は、IDの追加・削除、組織変更、拠点追加、端末交換、問い合わせ対応などの運用が継続します。
特に人事異動が多い企業では、退職者や異動者のIDをどのタイミングで変更するのかをルール化しておくと、管理漏れを防ぎやすくなります。
また、障害が発生した際に「サービス側」「インターネット回線」「社内ネットワーク」「利用端末」のどこを確認するのかを決めておけば、原因の切り分けや復旧対応も進めやすくなります。
大企業向けのクラウドPBXを比較するときは、サービス名や料金だけでなく、自社で必要な規模・運用・移行条件を満たせるかで判断します。
利用ID数が多いサービスでも、必要な同時通話数や管理権限に対応できなければ、自社の電話環境には適しません。反対に、高機能なサービスでも、使わない機能が多ければ費用や管理負担が増える可能性があります。
各サービスを比較したい方は、クラウドPBXのおすすめサービス・比較記事をご覧ください。
また、導入費用や月額費用を比較する場合は、現在の人数だけではなく将来的な増員や拠点追加も含めた総額で判断します。料金の考え方は、クラウドPBXの料金・月額費用を解説した記事で詳しく紹介しています。
大企業のクラウドPBX導入では、単に利用人数を伝えてサービスを選ぶのではなく、現在の電話環境と将来の運用まで整理したうえで構成を検討する必要があります。
OFFICE110へご相談いただく際は、次のような情報が分かる範囲で整理されていると、導入条件を確認しやすくなります。
既存PBXを残して段階的に切り替えたい場合や、電話番号を継続できるか分からない場合も、現在の設備や契約内容を確認しながら導入方法を検討できます。
「どのクラウドPBXを選ぶか」だけでなく、「自社の電話環境をどう切り替えるか」から整理したい場合は、まず現在の状況をご相談ください。
ご相談・見積依頼
大企業でもクラウドPBXは有力な選択肢ですが、利用人数や料金だけでサービスを決めると、自社の電話運用に合わない可能性があります。
特に、拠点数・ID数・同時通話数・管理権限・段階移行・ネットワーク・冗長化・セキュリティ・サポートは、大規模導入の前に整理しておきたいポイントです。
すでにPBXや電話回線を運用している場合は、既存設備をすべて一度に廃止する必要があるとは限りません。現在の契約や設備を確認し、一部拠点・部署から段階的に切り替える方法も含めて検討しましょう。
OFFICE110では、現在の電話番号、必要な端末・ID数、同時通話数、既存PBX・主装置との併用、電話回線やインターネット環境などを確認しながら、クラウドPBXの導入についてご相談いただけます。自社に合う構成を判断しにくい場合は、お問い合わせください。
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