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クラウドPBXは、災害や出社困難時にも電話対応する場所を分散しやすく、電話業務のBCP対策に役立つ仕組みです。
ただし、停電や通信障害が起きても必ず使えるわけではありません。クラウドPBXを非常時にも活用するには、インターネット回線だけでなく、ルーターなどの通信機器や端末の電源、代替回線、緊急時の運用方法まで含めて備える必要があります。
この記事では、クラウドPBXがBCP対策に役立つ理由と、停電・災害時に電話業務を継続するために確認しておきたいポイントを解説します。
「災害時にも会社の電話を止めたくない」「出社できない状況でも代表電話へ対応したい」という方は、自社の電話環境を見直す際の参考にしてください。
監修者
登 雄三(のぼり ゆうぞう)
保有資格:工事担任者(AI・DD総合種)/電気工事士
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国各地でビジネスフォン・複合機・防犯機器などのOA機器の販売や電話工事、電気工事、LAN配線工事、VPN構築を主に手掛ける。2023年には名古屋へ拠点進出。
クラウドPBXがBCP対策に役立つ理由を理解するには、まずBCPとクラウドPBXそれぞれの役割を整理しておく必要があります。BCPでは、災害そのものを防ぐだけでなく、緊急時にも重要な業務を続けられる体制を準備しておくことがポイントです。
BCP(事業継続計画)とは、自然災害や事故などの緊急事態が発生した際にも、重要な業務を継続し、停止した場合には早期復旧できるようあらかじめ対応を整理しておく考え方です。
中小企業庁のBCP策定運用指針でも、緊急事態における中核事業の継続や早期復旧に向けて、平常時の活動や緊急時の方法・手段をあらかじめ定めておくことが示されています。
地震や台風、水害などが発生すると、建物や設備だけでなく、電気・通信・交通などのインフラにも影響が及ぶ可能性があります。オフィスへ出社できなくなれば、通常どおりの電話対応を続けることも難しくなるでしょう。
そのため電話業務のBCPでは、「オフィスへ行けない場合に誰が電話を受けるのか」「現在の拠点や電話設備が使えない場合にどう切り替えるのか」まで事前に考えておく必要があります。
クラウドPBXは、従来オフィス内に設置して主装置が担っていたPBX機能をクラウド上で提供し、インターネットを介して電話を利用する仕組みです。
サービスや構成によって利用できる端末は異なりますが、スマートフォンやPCなどを電話端末として利用できるクラウドPBXであれば、オフィス以外の場所から電話業務を行える場合があります。
つまり、電話対応を特定のオフィスや固定電話機だけに依存しない体制を作りやすいことが、BCP対策との相性がよい理由です。
クラウドPBXそのものの構成や従来型PBXとの違いについては、クラウドPBXの仕組みを詳しく解説した記事をご覧ください。
クラウドPBXを活用すると、電話対応する場所を分散できるため、オフィスが利用できない状況でも電話業務を継続しやすくなります。
BCP対策として特に注目したいのは、次の4点です。
クラウドPBXは、オフィス以外でも利用できる通信環境と端末を確保できれば、電話対応する場所を分散しやすいのが特長です。
たとえば災害によって本社へ出社できない場合でも、自宅や別拠点から利用できる環境をあらかじめ整えておけば、電話業務を別の場所へ切り替えられる可能性があります。
ただし、クラウドPBXそのものが利用可能でも、端末側でインターネットへ接続できなければ通話できません。災害時は固定回線・モバイル回線の両方に影響が出る可能性があるため、非常時の通信手段まで含めて準備しておく必要があります。
クラウドPBXでは、利用するサービスや電話番号の条件が合えば、オフィス以外の場所から会社番号で発着信できる構成を作れます。
災害時に本社へ出社できなくても、自宅や別拠点にいる担当者が会社への着信へ対応できれば、顧客や取引先との連絡を維持しやすくなります。
一方、現在の電話番号をそのまま利用できるか、どの端末で着信できるかは、契約中の電話番号や回線、クラウドPBXのサービスによって異なります。BCPを目的に導入する場合は、平常時の使いやすさだけでなく、緊急時にどの番号を誰が受けられるのかまで確認しておきましょう。
会社の代表電話をクラウドPBXで運用する方法については、クラウドPBXで代表電話を運用する方法を解説した記事も参考にしてください。
クラウドPBXではPBX機能をクラウド側に置くため、オフィス内に設置したPBX本体だけに電話システムを依存しない構成を作れます。
従来型PBXでは、オフィス内の主装置が被災して故障すると、復旧や交換が完了するまで電話を利用できなくなる可能性があります。クラウドPBXではPBX機能そのものをオフィス外に置けるため、主装置の被災による影響を抑えやすくなります。
ただし、クラウドPBXでも構成によってはルーターやONU(光回線終端装置)、ゲートウェイ、電話端末などの機器をオフィス内で利用します。「クラウドPBXならオフィス側の設備被害を一切受けない」とは限りません。
クラウドPBXは、固定された電話席に依存しにくいため、緊急時に電話対応する場所や担当者を変更しやすい点もBCP対策に役立ちます。
災害によって一部の拠点が利用できなくなった場合でも、利用できる拠点や自宅勤務中の担当者へ対応を振り分ける運用を準備しておけば、一か所へ電話業務が集中するリスクを抑えられます。
ただし、端末を用意すれば無条件で対応人数を増やせるわけではありません。利用できるID数やライセンス、同時通話数、着信設定などはサービスごとに異なるため、非常時に必要な対応人数を想定した構成を確認しておきましょう。
ご相談・見積依頼
クラウドPBXを導入しただけで、電話業務のBCP対策が完了するわけではありません。
非常時にも電話を利用できるようにするには、電源・通信回線・サービス側の障害対策・社内運用まで含めて準備しておく必要があります。
停電時にクラウドPBXを利用するには、電話端末だけでなく、通信に必要な機器の電源も確認しておきましょう。
スマートフォンに充電が残っていても、固定インターネット回線を利用する構成では、ルーターやONUなどへの電源供給が止まると通信できない場合があります。構成によってはゲートウェイなど別の機器も電源を必要とします。
UPSやモバイルバッテリーなどを利用する場合も、何時間程度の運用を想定するのかによって必要な容量は変わります。BCPでは「停電したらどうするか」だけでなく、どの機器へ、どの程度の時間電源を供給するのかまで整理しておくと判断しやすくなります。
電話業務を継続するには、クラウドPBXへ接続するための通信手段も必要です。
固定インターネット回線だけに依存していると、その回線に障害が発生した場合に電話対応を続けられない可能性があります。利用環境に応じて、モバイル回線や別拠点の回線など、異なる接続手段へ切り替えられる体制を検討しましょう。
ただし、災害時にはモバイル通信にも障害や混雑が発生する可能性があります。複数の通信手段を用意していても、すべての状況で利用できるとは限らないため、電話以外の連絡方法も合わせて準備しておくことが現実的です。
BCP対策としてクラウドPBXを選ぶ場合は、自社側の電源や回線だけでなく、サービスを提供する事業者側の障害対策も確認します。
たとえば、システムや設備の冗長化、障害発生時の復旧体制、稼働状況の案内方法、サポート窓口などは、非常時の電話継続を考えるうえで確認しておきたい項目です。
「クラウド型だから災害に強い」と名称だけで判断せず、どのような障害を想定し、どのような対策が用意されているかをサービスごとに確認しましょう。
クラウドPBX全体の安全性やセキュリティ対策については、クラウドPBXのセキュリティと安全対策を詳しく解説した記事もあわせてご覧ください。
BCPでは、クラウドPBXが利用できる前提だけでなく、電話そのものを利用できない状況も想定しておく必要があります。
災害時にその場で判断しようとすると、誰が電話対応するのか、どの拠点へ切り替えるのかが決まらず、復旧までに時間がかかる可能性があります。
クラウドPBXはBCPを支える手段の一つです。サービスを導入すること自体を目的にせず、緊急時に誰がどのように電話業務を続けるのかまで決めておくことで、BCP対策として活用しやすくなります。
BCP対策としてクラウドPBXを検討する際は、サービスの機能だけでなく、現在利用している電話番号や回線、既存PBX、ネットワーク環境、緊急時の運用方法までまとめて確認する必要があります。
OFFICE110では、クラウドPBX「OFFICE PHONE」の導入をはじめ、電話環境の見直しについてご相談いただけます。自社の場合にどのような構成を検討すべきか分からない場合は、現在の利用環境や非常時に想定している運用を整理したうえでご相談ください。
「災害時にも代表電話へ対応できるようにしたい」「現在の電話設備をどこまで残せるか確認したい」といった段階でも、まずは現在の環境から整理することができます。
クラウドPBXは、電話対応を特定のオフィスや固定電話機だけに依存しない環境を作りやすく、電話業務のBCP対策に役立ちます。
一方で、停電や通信障害が起きても無条件で利用できるわけではありません。端末や通信機器の電源、代替となる通信手段、クラウドPBX事業者側の障害対策、緊急時の社内運用まで含めて準備しておく必要があります。
BCP対策としてクラウドPBXを検討している場合は、現在の電話番号・回線・既存PBX・必要な端末数・同時通話数などを整理し、非常時にどのような電話運用を続けたいのかを明確にしておきましょう。
OFFICE110では、クラウドPBXのサービス内容や導入についてご相談いただけます。まずはクラウドPBXでどのような電話環境を構築できるのか確認したい方は、以下のページもご覧ください。
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