複合機の「ボックス保存」機能とは？使い方やトラブル時の対処法も解説

「知っておきたい便利機能紹介」記事一覧 更新日: 2025年11月13日

複合機の「ボックス保存」機能とは？使い方やトラブル時の対処法も解説

複合機の「ボックス保存」機能について、こんな疑問はありませんか？

ボックス保存機能とは、スキャンデータなどを複合機本体に保存しておける機能です。うまく活用すれば、データを効率的かつ安全に管理でき、業務効率化やペーパーレス化にもつながります。

そこでこの記事では、ボックス保存機能の基礎知識・主なメリット・基本的な使い方を分かりやすく整理し、よくあるトラブル例と対処法もあわせて解説します。ボックス保存をきちんと使いこなしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

複合機の「ボックス保存」機能とは？

ボックス保存とは、複合機に内蔵されたハードディスクドライブ（HDD）に文書をデータとして保存する機能のことです。プリントやFAXのデータを複合機本体に残しておけるため、何度も同じデータを送信し直す手間を減らせます。

たとえば、次のような使い方ができます。

このように、ボックス保存機能を使うことで印刷のタイミングを柔軟に調整でき、無駄なプリントの削減にもつながります。まずは、このボックス保存の特徴について見ていきましょう。

複合機のボックス保存機能の特徴

「ボックス保存機能」とは、複合機本体にデータを保存する機能のことです。スキャンしたデータや受信したFAX、パソコンから送信した印刷データを複合機のHDDに保管しておけます。

ボックス保存機能を活用すれば、スキャンデータをパソコンやスマートフォンを介さずに保存したり、複合機の操作パネルから直接印刷したりできます。ネットワーク環境が不安定なときでも、本体内に保存したデータからスムーズに印刷できる点もメリットです。

ボックス保存機能は、具体的には次のような場面で活用できます。

ボックス保存は、主要メーカーの大半の複合機に搭載されている機能です。ただし、「ボックス保存」は富士フイルムやコニカミノルタの複合機での製品名であり、販売しているメーカーによって名称や細かな仕様は若干異なります。

作成できるボックス数は機種によって異なりますが、大半の機種は100〜1,000個程度のボックスを保存できます。部署ごと・業務ごとにボックスを分けておくと、誰がどのデータを使うか整理しやすくなります。

主要メーカーのボックス保存機能一覧

主要メーカーごとに名称は異なりますが、いずれも複合機本体内に文書データを保存し、共有・再印刷しやすくするための機能です。

「ボックス保存」は、富士フイルムやコニカミノルタの複合機での製品名であり、その他のメーカーでは別の名称が使われています。主要メーカーをいくつかピックアップすると、次のような違いがあります。

機能そのものに大きな違いはありませんが、メーカーによって名称やセキュリティ機能、ボックス数の上限などは異なります。導入時には、自社の運用やセキュリティ要件に合っているかを確認しておくと安心です。

ボックス保存機能を活用するメリット

複合機のボックス保存機能を活用すると、文書の保管・共有・印刷がスムーズになり、オフィスの業務効率化とペーパーレスの推進に役立ちます。

ボックス保存機能を使えば、紙の書類をそのまま保管するのではなく、複合機内にデータとして保存して運用できます。紙の山を減らしつつ、必要なときにすぐ文書を呼び出せるようになるため、日々の事務作業の負担を軽減できます。

このセクションでは、ボックス保存機能を使うことで得られる主なメリットを、具体的なシーンとあわせてご紹介します。

文書をデータ化してペーパーレス＆オフィスを省スペース化できる

ボックス保存機能で文書をデータ化して複合機内に保管すると、ペーパーレス化とオフィスの省スペース化を同時に進められます。

ボックス保存機能を使用しない場合、受信したFAX用紙などはすべて自動的に印刷され、紙の書類として積み上がっていきます。紙のまま保管しようとすると、書類を種類ごとに分類するための棚やキャビネットなど、かなり広いスペースが必要です。

また、不要になった書類を処分する際にも、一時的とはいえ多くのスペースが必要になり、廃棄作業の手間もかかります。

ボックス保存機能を使って文書をデータ化しておけば、こうした物理的な保管スペースが大幅に減らせます。必要な書類は複合機のボックスから検索・呼び出しができるため、紙の束の中から探す時間も削減できます。

ペーパーレス化と合わせて運用することで、書類管理のムダを減らし、オフィスの省スペース化と業務効率化を同時に目指せる点が大きなメリットです。

文書データを安全に保管しメンバーと共有できる

ボックス保存機能は、パスワードやアクセス権限を設定することで、文書データを安全に保管しながら必要なメンバーだけで共有できます。

機種によって若干仕様は異なりますが、多くの複合機では個人ボックスや共有ボックスなどの区分に加え、パスワード設定などでアクセスできるメンバーを制限できます。誰がどのボックスを利用できるかを細かく分けられるため、機密性の高い書類も扱いやすくなります。

こうしたパスワードやアクセス権限の設定は、情報のセキュリティ向上につながります。

詳しくはこちら：【保存版】複合機のセキュリティリスクと6つの対策を徹底解説

また、ボックス内のデータは安全性を確保しながら共有することも可能です。共有ボックスに保存されたデータであれば、メンバー全員が閲覧したりプリントアウトしたりできます。

データをあらかじめ共有しておけば、本人が不在の際でもほかのメンバーが文書をすぐに確認できます。パスワードやアクセス権限の管理によって安全に共有できるため、特に緊急時や災害時など、担当者以外が対応しなければならない場面でも役立ちます。

必要なデータをパソコン操作不要で印刷できる

ボックス保存機能を使えば、パソコンを立ち上げなくても複合機本体から必要なデータを呼び出して、その場で印刷できます。

一般的な運用では、文書を保存・編集して印刷するたびにパソコンを操作する必要があります。データの編集や転送作業が発生する場合はパソコンの方が効率的ですが、単純に登録済みの文書を印刷するだけであれば、毎回パソコンを介すのは手間です。

ボックス保存を利用すれば、あらかじめ複合機内のボックスに文書データを保存しておき、必要なときに操作パネルから呼び出して印刷できます。

また、スタッフが使用しているパソコンにはそれぞれパスワードロックがかかっているため、本人不在時には操作できないケースもあります。ボックス保存で文書を共有しておけば、複合機にアクセスできるメンバーであれば誰でも印刷できるため、そのような事態も避けやすくなるでしょう。

複合機のボックス保存の設定方法・使い方を解説

複合機のボックス保存の設定方法や使い方とは、基本の手順を押さえておくことで、文書の登録・保存・印刷・取り出しを迷わず行える状態にしておくことです。

ボックス保存機能は、メーカーや機種によって画面表示や操作手順が少しずつ異なります。そのため、まずは具体的な操作イメージをつかんでおくことが大切です。

ここでは、代表例として「富士フイルム」の複合機を使い、ボックスの登録・スキャン保存・プリント・パソコンへの取り出しまでの基本的な使い方を順番に解説します。

ボックス保存の登録・設定方法

ボックス保存を利用するには、最初に複合機本体で親展ボックスを登録し、名称やアクセス制限などの基本設定を済ませておく必要があります。

ボックス保存の登録・設定の一連の流れは、以下のとおりです。

詳しくはこちら：富士フイルム公式マニュアル

一部補足をしておくと、手順3では数字ボタンで3桁の番号を入力すると、指定した親展ボックスが画面の一番上に表示されるようになります。

また手順8では、［仕様設定］以降または［登録/変更］以降の機能を設定したあとで［メニュー］ボタンを押すと、1回でメニュー画面に戻れます。

富士フイルムの複合機の場合、ボックスは200個まで登録が可能で、ボックスに保存文書がある場合は〈データ〉ランプが点灯します。

また、次のような場合はボックスにデータを保存できないため注意が必要です。

文書をスキャンしてボックスに保存する方法

引用：富士フイルム

紙の文書をスキャンしてボックスに保存すると、紙を配ったりファイリングしたりしなくても、複合機内からいつでも同じデータを呼び出せるようになります。

文書をスキャンしてボックスに保存する方法は、次のとおりです。

スキャンする文書をセットする際は、原稿ガラスにまっすぐセットすることが基本です。

こうした原稿は紙詰まりの原因になりやすいため、できるだけ避けるか、使用する場合は少量でテストしてから本番のスキャンを行うと安心です。

ボックスに保存した文書をプリントする方法

ボックスに保存した文書は、複合機本体の操作だけで呼び出してプリントできるため、パソコンが手元にない場面でもすぐに出力できます。

ボックスに保存した文書をプリントする方法の手順は、以下のとおりです。

詳しくはこちら：富士フイルム公式マニュアル

親展ボックスに保存されたプリント文書を出力する場合、プリンタードライバーで指定した機能はほとんど無効になります。一方で、操作パネルやCentreWare Internet Servicesで指定した設定は有効にできます。

ただし、「まとめて1枚」「プリント位置調整」「白紙節約」については、プリンタードライバーでの指定が有効です。

ボックス内の文書をパソコンで取り出す方法

TCP/IP環境が利用できる場合は、インターネットサービスからボックス内の文書データをパソコンにダウンロードし、ファイルとして保存・活用できます。

TCP/IP環境が利用できる場合の手順は次のとおりです。

なお、複合機側で「文書の自動削除」の設定をしていても、インターネットサービスでパソコンに取り込んだ画像データが自動的に削除されることはありません。

必要な文書は早めに取り出しておくことで、ボックス容量の圧迫も防ぎやすくなります。

複合機のボックス保存機能のトラブル例と対処法

複合機のボックス保存でエラーや保存失敗が起きても、多くは原因を切り分ければ自社で対処できるトラブルです。

複合機のボックス保存は、基本的には難しい操作を必要としませんが、ときどき「ボックスにファイルを保存できない」「パソコンに取り出せない」といったトラブルが発生することがあります。原因は、容量の上限やネットワーク環境、設定の不備など、身近なところにあるケースがほとんどです。

ここでは、ボックス保存まわりでよくあるトラブルと、そのときに確認したいポイント・対処法を順番に解説します。

トラブル①ボックスにファイルを保存できない

ボックスにファイルを保存できないときは、まず容量や保存数の上限に達していないかを確認し、不要な文書を削除することが基本の対処です。法

発生しやすいトラブルの一つが、ボックスにファイルを保存できないケースです。原因として特に多いのが、「ボックス容量がいっぱいになっている」「保存できるファイル数の上限を超えている」というパターンです。

便利なボックス保存ですが、保存できる容量や文書数には必ず上限があります。もし上限に達していた場合は、不要なファイルを削除してから、再度保存を試してみましょう。

それでも解消しない場合は、根本的に「ネットワーク設定や接続に問題がある」可能性も考えられます。容量に十分な余裕があるのに保存できないときは、ネットワークの状態や設定もあわせて確認してみるとよいでしょう。

トラブル②保存文書をパソコンに取り出しできない

スキャンした保存文書をパソコンに取り出せない場合は、最初にエラーコードを確認し、原因を特定してから対処法を絞り込むことが重要です。

「スキャンした文書（保存文書）をパソコンに取り出しできない」というご相談も、非常に多く聞かれるトラブル事例です。

パソコンに保存文書を取り出しできないときには、まず「エラーコードを確認する」ことから始めましょう。スキャン文書をパソコンのフォルダに保存するためには、複合機側の宛先設定と、パソコンやサーバ側の共有設定など、双方の準備が必要になります。

そのため、エラーコードを確認すると「どの設定に問題があるのか」が絞り込みやすくなり、対処法もスムーズに調べられます。

エラーコードを確認する主な方法は、次の3つです。

エラーコードが分かったら、使用しているメーカーの取扱説明書で該当箇所を確認し、指示に従って設定を見直してください。

原因となるエラーコードが把握できていれば、メーカーのカスタマーセンターに問い合わせて、具体的な対処方法を相談するのも有効です。

トラブル③スキャン・PC保存ができない時がある

スキャンやPC保存が「できるときとできないときがある」場合は、ネットワーク環境・パソコン側の状態・宛先登録の3点を順番に確認することがポイントです。

スキャンやPC保存が不安定な場合、主な原因としては次の3つが考えられます。

より詳しい切り分け手順については、次の記事も参考になります。

参考記事: 複合機（コピー機）でスキャンできない！送れない！8つの原因と対処法

不測のトラブルが起きるとつい慌ててしまいがちですが、エラー内容と原因を整理していけば、多くのケースは比較的シンプルな対処で解決できます。

自社での対応が難しいと感じた場合は、早めにカスタマーセンターや販売店に相談しましょう。

複合機の使い方や入れ替えの相談はOFFICE110へ！

オフィスの複合機・コピー機のことは、導入前のご相談から入れ替え・運用まで、私たちOFFICE110にまとめてお任せください。

「ボックス保存」は複合機に搭載されている便利機能の一つです。こうした便利機能をうまく活用できれば、コスト削減や業務効率化につながりますが、実際には機能が使いこなされていなかったり、そもそも機能の存在自体が知られていなかったりするケースも少なくありません。

自社に最適な複合機を導入し、ボックス保存をはじめとした機能をしっかり活用したい場合は、複合機の販売店に相談して、環境に合った機種や設定を一緒に検討するのがおすすめです。

「OFFICE110」では、全メーカーのオフィス機器の販売・工事を全国対応で展開しています。主要メーカーの複合機を幅広く取り扱い、お客様のご希望や用途、印刷枚数、オフィス環境に合わせて、最適な機種や構成をご提案してきました。

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まとめ

複合機のボックス保存機能とは、文書を複合機内にデータとして保存し、必要なときにすぐ呼び出して印刷・共有できる便利な機能です。

「ボックス保存」は富士フイルムやコニカミノルタの複合機における機能名称で、ほかのメーカーでも名称は異なるものの、同様に本体内に文書を保存できる機能が搭載されています。

目立つ派手な機能ではありませんが、受信FAXの自動印刷を減らしてペーパーレス化を進めたいときや、よく使う帳票や社内資料を繰り返し印刷したいときなどにとても役立ちます。適切に設定・運用すれば、業務効率化・コスト削減・オフィスの省スペース化に大きく貢献する機能です。

ボックス保存の詳しい設定方法や、複合機の入れ替え・機種選定まで含めて見直したい場合は、ぜひ私たちOFFICE110にご相談ください。お客様の業務内容やご予算に合わせて、最適な複合機選びと活用方法をご提案します。

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