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オフィス業務に欠かせない複合機ですが、ネットワークにつながる現在ではPCと同じようにサイバー攻撃や情報漏えいの標的になり得る機器です。
万が一情報が流出すると、社会的信用の失墜や知的財産の損失、個人情報保護法違反といった重大なトラブルに発展する可能性があります。見落としがちな設定や運用のスキも含めて、早めに対策を講じておくことが重要です。
この記事では、複合機に潜む6つのセキュリティリスクとその被害事例、そしてリスク別の具体的な対策をわかりやすく整理します。
複合機をこれから導入する方も、すでに運用中の環境を見直したい方も、自社のセキュリティレベルを確認し、「今どこから対策すべきか」を整理するヒントとして読み進めてみてください。
なお、複合機のセキュリティ対策を短時間で把握したい方は、以下の動画もあわせてご覧ください。
監修者
千々波 一博(ちぢわ かずひろ)
保有資格:Webリテラシー/.com Master Advance/ITパスポート/生成AIパスポート/個人情報保護士/ビジネスマネジャー検定
2004年から通信業界で5年間営業として従事。その後、起業して他業種に進出。OFFICE110に営業で入社し、月40~60件ほどビジネスホン・複合機・法人携帯などを案内。現在は既存のお客様のコンサルティングとして従事。
オフィスで日常的に使っている複合機は、印刷・コピー・スキャン・FAXなどあらゆる情報が集まる機器であり、適切な対策をしていないと社内外への情報漏えいの起点になってしまうリスクがあります。
最近の複合機は、PCやサーバーとネットワーク接続されているだけでなく、USBメモリやSDカードなどの外部記憶媒体の利用、クラウドサービスとの連携、Webサーバー機能などを備えた多機能なモデルが一般的です。
これらの機能が不正アクセスや不適切な設定・運用によって悪用されると、複合機に接続されたPC内のデータや、複合機で読み取った原稿データが外部に流出するおそれがあります。
こうした背景から、複合機はプリンターというよりも「ネットワーク機器」「情報システム」の一部と考え、包括的な情報漏えい対策を行うことが不可欠です。
複合機は日々進化しており、オフィス内だけでなくリモート環境やインターネット経由で利用できる機種も増えています。国内ではIPA(情報処理推進機構)がデジタル複合機向けのセキュリティ要件を公表しており、国際標準に基づいた対策の重要性が指摘されています。
もし現在、パスワード管理やアクセス制御、ログ管理などの基本的な対策が十分でない場合は、まず自社の複合機の利用状況と設定を棚卸しし、放置されがちなリスクから順に対策を始めることが重要です。
複合機まわりのセキュリティリスクは、大きく分けると6つのパターンに整理できます。
どれも「よくある使い方」の延長で起こりやすく、ひとたび事故になると取引停止や賠償対応など、ビジネスへの影響が長期化する点が厄介です。
ここではまず、代表的な6つのリスクの全体像を確認してから、起こり方と事例を見ていきます。
ネットワーク接続された複合機は便利な一方で、インターネット経由の不正アクセスや盗聴・改ざんの入口にもなり得ます。
最近の複合機はPCやスマホ、クラウドと連携してデータの送受信ができるため、設定次第では社外から管理画面にアクセスされたり、通信途中の情報を盗み見られたりするリスクがあります。
特に、管理画面のID・パスワードを初期値のまま使っていたり、「000000」「password」といった推測しやすい文字列にしていたりすると、外部から簡単にログインされてしまう可能性があります。
セキュリティと聞くとまず「ウイルス感染」を思い浮かべる方も多いでしょう。
複合機の制御にはメーカー独自のOSが使われることが多く、一般的なPCに比べると狙われにくい側面はありますが、ファームウェアの脆弱性を突いた攻撃が報告されているのも事実です。
また、複合機そのものが標的にならなくても、複合機に搭載されたサーバ機能を「踏み台」にして社内PCへ侵入されるリスクがあります。
なお、複合機のウイルス対策について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
FAX機能付きの複合機は電話回線とつながっているため、設定や機種によっては電話回線側から不正アクセスされるリスクがあります。
悪意ある第三者に乗っ取られると、国際電話への不正発信で高額請求を受けたり、FAX経由で社内ネットワークに侵入されたりする可能性があります。
現在販売されている主要メーカーの製品は、FAX回線から社内LANに直接アクセスできないよう配慮されていますが、古い機種や、詳細不明な中古機を使っている場合は注意が必要です。
社内の人しか触らないからといって油断していると、操作パネルからの不正操作で機密情報が簡単に閲覧・持ち出しされてしまう場合があります。
ユーザー認証や機能制限を行っていない複合機では、誰でも保存ボックスやアドレス帳にアクセスできてしまい、本来権限のない社員が機密文書をコピー・FAX送信することも技術的には可能です。
そのため、利用者ごとにアクセス権限を設定し、保存ボックスやアドレス帳、FAX送信などの機能を必要な範囲に制限することが重要です。
多くの複合機にはHDDやSSDといった記憶媒体が搭載されており、そこにスキャンデータや印刷ジョブ、FAX履歴などが保存されます。
もし何らかの形で記憶媒体が持ち出されたり、廃棄・返却時に中身が消去されていなかったりすると、保存されていた顧客情報・社内資料がまとめて漏えいする危険があります。
そのため、記憶媒体の暗号化やデータ消去機能を活用し、複合機の廃棄・返却時にはデータが残っていないことを確認することが重要です。
もっとも身近で、発生頻度が高いのが「紙からの情報漏えい」です。
印刷した資料をトレイに置きっぱなしにしたり、一時的に席を外したりすると、その隙に第三者に見られたり、写真を撮られたり、最悪そのまま持ち去られたりする可能性があります。
そのため、重要書類の印刷は必要最小限にとどめ、可能な範囲でペーパーレス化を進めることで、紙媒体からの情報漏えいリスクを抑えることが可能です。
なお、ペーパーレス化について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
最後は、システムの脆弱性ではなく「人の操作ミス」が原因となるリスクです。
FAX番号や宛先を1桁間違えただけでも、本来送るはずのない相手に機密情報を送信してしまうことがあり、回収不能な形で情報が外部に出てしまう点が大きな問題です。
そのため、FAX番号の二重確認や宛先確認画面、番号の再入力機能を活用し、人的ミスが起こることを前提とした送信ルールを整えることが重要です。
ここまで見てきたように、複合機の情報漏えいは、外部からの不正アクセスだけでなく、保存データや出力紙、FAXの誤送信など、さまざまな経路から発生する可能性があります。
そのため、こうしたリスクを抑えるには、日常の運用ルールを整えるだけでなく、ユーザー認証やアクセス制御、データ暗号化、誤送信防止機能などを備えた複合機を選ぶことも重要です。
「現在の複合機で対策が十分か分からない」「セキュリティを重視して入れ替えたいが、どの機種を選ぶべきか判断できない」という場合は、OFFICE110へご相談ください。情報漏えい対策に配慮した最適な複合機をご提案します。
ご相談・見積依頼
前章では、複合機に潜む6つのセキュリティリスクについて説明しました。情報漏えいを防ぐには、リスクを把握するだけでなく、発生経路に合わせて具体的な対策を講じることが重要です。
ここからは、「現実的にまず何をすればよいのか」という視点から、6つのリスク別に実践的なセキュリティ対策を解説します。
複合機を社内ネットワークに接続している以上、「どこから誰がアクセスできるか」をコントロールすることが最優先です。
ネットワーク対応複合機は、PCやサーバと同じようにIPアドレス(識別番号)を持っています。 これを活用して、「このIPからのアクセスだけ許可する」というIPフィルタリング設定を行うことで、想定外の端末からの通信をシャットアウトできます。
ファイアーウォールは、インターネットからの不正アクセスやサイバー攻撃をブロックする「防火壁」の役割を担う機能です。
複合機単体で備えている場合もありますが、ファイアーウォール機能付きルーターやゲートウェイを導入し、社内ネットワーク全体を守る構成にしておくと安心です。
UTM(Unified Threat Management)は、ファイアーウォール・IDS/IPS・アンチウイルスなど、複数のセキュリティ機能を1台に集約した機器です。
ウイルス・不正侵入・スパム・DoS攻撃などを包括的に監視・防御できるため、複合機だけでなく社内PCもまとめて守りたい場合に有効です。
複合機の管理画面やスキャンデータ共有機能には、ユーザー名+パスワードでログインさせる認証機能が用意されています。
なお、複合機の初期パスワードを確認する方法や、管理者パスワードの変更手順、パスワードを忘れた場合の対処法について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
複合機のログ(利用記録)には、印刷・スキャン・送信の履歴やアクセス元などが残ります。
ログを定期的に確認・保管しておけば、トラブル発生時に原因を追跡しやすくなるほか、「記録されている」という事実自体が不正利用の抑止力になります。
FAX機能付きの複合機は電話回線につながっており、古い機種や設定では、ここが思わぬ侵入口になることがあります。
基本的に、現在の主要メーカー製品はFAX回線から社内LANに直接アクセスできない設計になっていますが、古いモデルをお使いの場合は次の点を確認しましょう。
なお、IP電話網を使うFAX機能(インターネットFAXなど)の場合は、ネットワーク側のセキュリティ(ファイアーウォール・UTMなど)もセットで見直しておくと安心です。
操作パネルからの不正操作は、「社内の誰でも自由に使える状態」であるほど起こりやすくなります。
そのため、権限のない社員が機密文書にアクセスできないよう、複合機側のアクセス制御を必ず設定しておきましょう。
社員証や交通系ICカードなどを使って、ICカードをかざした人だけが複合機を操作できるようにする方法です。
ユーザー名とパスワードでログインさせ、ユーザーごとに使える機能や保存ボックスを制限することも有効です。
なお、複合機のICカード認証機能について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
複合機内部のHDD/SSDには、印刷ジョブ・スキャンデータ・FAX履歴など、さまざまな情報が一時保存されます。
ここからの情報流出を防ぐには、「運用ルール」と「機能設定」の両面で対策することが重要です。
機密文書を扱うときは、印刷や送信が終わったデータを複合機内に残さない運用を徹底します。
具体的な複合機のデータ消去方法をあらかじめ把握し、誰が消去作業を行うのかも決めておくと運用がスムーズになります。
なお、データ消去の方法について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
記憶媒体に蓄積されるデータを暗号化+上書き消去しておけば、万が一HDDが持ち出されても簡単には内容を復元できません。
主要メーカーはハードディスク暗号化や残存データの自動上書き機能を提供しているため、導入時に「有効になっているか」を必ず確認しておきましょう。
複合機の記憶媒体を取り外すには、本体のカバーを開けるなど、第三者が機器へ物理的に接触して操作する必要があります。
そのため、来訪者や不特定多数の人が複合機へ自由に近づけないよう、設置場所や入室権限を見直す「物理的なセキュリティ」も有効です。
紙からの情報漏えいは、複合機の設定変更や大がかりな設備の導入を必要とせず、「今日からすぐにでも対策できる」分野です。
印刷時の運用ルールと複合機に搭載されているセキュリティ機能を組み合わせて、出力紙の放置・盗み見・社外への持ち出しを防ぎましょう。
操作パネルであらかじめ設定したパスワードを入力し、本人確認ができた人だけが印刷を実行できる機能です。
印刷ジョブだけを先に複合機へ送信し、本人が操作パネルで認証するまで紙が出力されないため、機密文書がトレイに放置されるのを防げます。
また、出力後の文書が不正にコピーされるリスクを抑えたい場合は、複写時に「コピー禁止」などの文字を浮かび上がらせる地紋印字機能も有効です。
複合機の地紋印字機能のメリットや設定・操作方法について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
複合機の置き場所や日常の使い方を少し工夫するだけでも、紙からの情報漏えいリスクは大きく減らせます。
「出力した紙を長時間放置しない」「共有スペースに置きっぱなしにしない」といった基本ルールを、社内規程や研修を通じて繰り返し周知し、従業員が日常業務の中で確実に実践できる運用へ落とし込んでいくことが大事です。
なお、紙からの情報漏えいを防ぐための具体的な対策や、社内で整備すべき運用ルールについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
FAX誤送信は、システムの問題ではなく「人のうっかり」から起こるため、ゼロにすることは難しいリスクです。
そのぶん、ミスを前提にした仕組みづくりが重要になります。
送信履歴から選ぶと楽な一方で、似た名称の取引先を誤って選ぶリスクもあります。
重要度の高い文書については、履歴ではなくアドレス帳や手入力+確認で送るなど、運用ルールを決めておくと安心です。
最近の複合機には、次のような誤送信対策機能が搭載されているものもあります。
FAXの利用頻度が高い場合は、メール+暗号化ZIPやクラウドストレージなど、より安全な手段に徐々に切り替えていくことも、中長期的な対策として検討する価値があります。
複合機のセキュリティ対策は、管理者パスワードの変更やアクセス権限の設定、出力紙の管理など、日常の運用を見直すことから始められます。
しかし、実際に必要な対策は、使用している複合機の機種やネットワーク構成、取り扱う情報、利用人数によって異なります。また、ユーザー認証やデータ暗号化、誤送信防止機能なども機種ごとに差があるため、自社だけでは判断しづらい場合があります。
そのため、現在の複合機のセキュリティに不安がある場合や、情報漏えい対策に配慮した機種へ入れ替えたい場合は、OFFICE110にまとめてご相談ください。
弊社では、お客様の利用環境や印刷枚数、ネットワーク構成、必要なセキュリティ機能、予算などを丁寧に確認したうえで、業務の利便性とセキュリティの両方に配慮した複合機をご提案します。
さらに、OFFICE110では対象の新品コピー機が最大80%OFF、中古コピー機が大特価になるなど、導入コストを抑えやすいキャンペーンも実施しています。 現在のセキュリティ対策に不安がある場合や、情報漏えい対策に配慮した複合機を導入したい場合は、OFFICE110までお気軽にお問い合わせください。
複合機のセキュリティを強化するには、本体の機能だけに頼らず、機器の設定・社内の運用ルール・従業員への周知を組み合わせることが大切です。
まずは、管理者パスワードやアクセス権限が適切に設定されているか、ファームウェアが更新されているか、不要なデータが残っていないかを確認しましょう。あわせて、印刷物の放置やFAXの誤送信を防ぐルールを整えることで、日常に潜むリスクも抑えやすくなります。
実際に、複合機から顧客情報や機密文書が流出すると、取引先からの信用低下や損害賠償、業務停止などにつながる可能性があります。事故が起きてから対応するのではなく、現在の設定や使い方を定期的に確認し、リスクを未然に防ぐ体制を整えましょう。
なお、現在の複合機で必要なセキュリティ機能を満たしているか判断できない場合や、安全性に配慮した機種へ入れ替えたい場合は、OFFICE110までご相談ください。利用環境や予算を確認したうえで、業務に適した複合機の選定から設置・設定・保守までご提案します。
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