本のコピーのやり方ガイド｜見開き分割・ブックコピー・綺麗に写すコツ

「知っておきたい便利機能紹介」記事一覧 更新日: 2025年11月21日

本のコピーのやり方ガイド｜見開き分割・ブックコピー・綺麗に写すコツ

本や雑誌をコピーしたいけれど、「うまくきれいに写せない」と感じていませんか？

本のコピーは、原稿の置き方やコピー機のモード選びを少し間違えるだけで、影・モアレ・かすれが目立ち、資料として使いにくい仕上がりになってしまいます。

だからこそ、本をきれいに複写するには、1セット2コピーやブックコピーなどの本向け機能の特徴を理解し、自分の用途に合ったやり方を選ぶことが大切です。

そこでこの記事では、本のコピーをきれいに仕上げるための準備・設定・モードの使い分けと、影・モアレ・かすれを減らすための具体的なコツを、手順に沿って分かりやすく解説します。

さらに著作権法上の「私的複製」の考え方や、業務でコピーを使うときの注意点も整理しますので、オフィスで本や雑誌を安全かつきれいにコピーしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

本のコピーをきれいに仕上げる基本と注意点

原稿の置き方とコピー機の設定を最初にきちんと整えることが重要です。

特に分厚い本や雑誌は、背表紙の影やページの湾曲、文字の欠けが起こりやすく、そのままコピーすると読みづらい資料になってしまいます。

そこでまずはじめに、よくある失敗例と注意ポイント、著作権上の最低限のルールを押さえながら、業務で安心して使える本のコピーの考え方を整理します。

こうした整理をしてから作業に入ることで、ムダな刷り直しを減らしながら、きれいで安心して使える本のコピーを作りやすくなります。

本のコピーでよくある失敗例

本のコピーでは、背表紙の影や文字欠け、ページの傾きといったトラブルが起こりやすいです。
分厚い本や開きづらい本をそのまま原稿台に置くと、中央が黒くつぶれたり、端の文字が切れてしまい、資料として配布しづらい仕上がりになります。

見開きの2ページをそのまま1枚に縮小してコピーしてしまい、文字が小さくて読みにくくなるケースもよくあります。
また、本を強く押さえつけた結果、ページが大きく湾曲してコピーされ、図表や罫線がゆがんで見えることも珍しくありません。

こうした失敗は、事前に「どのような状態がNGなのか」をイメージしておくだけでも、ある程度は避けられます。
主な失敗パターンを、ざっと頭に入れておきましょう。

こうした失敗は、原稿の置き方やコピーサイズ、本のコピーのモード選びを少し工夫するだけで減らせますので、「どこが崩れやすいか」を意識しながら設定を決めることが大切です。

本のコピーをするときに気をつけたいポイント

本のコピーのやり方で迷ったときは、原稿の置き方・用紙サイズと倍率・濃度設定の三つを順番に見直し、必要に応じて少ない枚数で試し刷りをするのがおすすめです。

まずは本の置き方です。
背表紙側をコピー機のガラス面の中央に合わせ、本を必要以上に強く押さえつけないようにします。強く押さえすぎるとページが大きく湾曲し、中央付近の文字や図形がゆがんでしまう原因になります。

次に、用紙サイズと倍率です。
見開き2ページをA4用紙2枚に分けるのか、見開きのまま1枚に収めるのかによって適切なモードが変わります。左右のページを自動で分割したい場合は、後半で紹介する1セット2コピー機能などを活用すると、位置合わせの手間を減らせます。

濃度やモードの選び方も重要です。
文字中心のページならやや濃いめに、写真や網かけが多いページではモアレ低減機能や写真向けモードを選ぶことで、薄すぎず、黒つぶれしすぎない画質を狙えます。

このようにポイントを決めて確認しておくと、限られた枚数のテストで「ちょうどよい」本のコピーの設定にたどり着きやすくなります。

▼ コピー用紙の種類とサイズの選び方を詳しく知りたい方はこちら

著作権と私的複製の基本ルール

本や雑誌をコピーするときは、どこまでが「私的複製」の範囲に含まれるかを理解しておくことが重要です。
技術的にきれいにコピーできても、使い方によっては著作権侵害になってしまうおそれがあるためです。

日本の著作権法では、原則として本や雑誌の内容をコピーするには著作権者の許諾が必要です。
一方で、個人が自分や家族などごく限定された範囲で利用する目的であれば、「私的使用のための複製」として、許諾なしでコピーが認められる場合があります。
ただし、この範囲には職場や学校、塾などでの配布用途は含まれません。

たとえば、自分が購入した専門書の一部をコピーして自宅で読みやすくする、といった使い方は、一般的に私的複製に含まれるケースが多いと考えられます。
しかし、同じ本の章を丸ごとコピーして社内メンバーに配布したり、研修用の資料として大量に複写したりする場合は、著作権者の許諾が必要になる可能性が高いと考えるべきです。

ここでの説明は、著作権法の考え方を一般的に整理したものであり、個別ケースについての法律判断を行うものではありません。
実務で迷う場面が出てきた場合は、出版社や権利者、または社内の法務・総務部門などに確認し、あいまいな状態で本のコピーを業務利用しないことを心がけてください。

本をコピーする前準備と複合機の基本設定のやり方

本や雑誌をきれいにコピーするには、コピーを始める前の準備で原稿と設定の方向性をそろえておくことが大切です。
なんとなくコピーを始めてしまうと、サイズや向きが合わずに刷り直しが増え、時間も用紙もムダになりがちです。
ここでは、本のコピーを想定しながら、原稿の置き方・用紙サイズと倍率・濃度設定の三つの基本を整理します。

事前に「どのページを、どのサイズの用紙に、どのような向きで出したいか」を決めておくと、コピー機のブックコピー機能や1セット2コピー機能も活かしやすくなります。

▼ スキャンしてPDFで保存する手順を詳しく知りたい方はこちら

原稿台に本を置く向きと押さえ方

原稿台に本を置くときは、背表紙をガラス面の基準線にまっすぐ合わせ、押さえつけすぎないことが基本です。
本が斜めになったり、無理に押し広げたりすると、影やゆがみの原因になり、読みづらいコピーになってしまいます。

まず、本を開いた状態で原稿台に置き、背表紙側をガラス面の目盛りや角の基準マークに合わせます。
このとき、上下もそろえておくと、穴あけや製本をしても見栄えが整いやすくなります。
フタを閉めるときは、片手で軽く本を支える程度にし、本の重みとフタの重さで自然に密着させるイメージで押さえましょう。

分厚い本で中央に影が出やすい場合は、後から枠消去やブックコピー機能を使って補正することを前提にし、力まかせに押しつぶさないようにするのが安全です。

この基本を守っておくだけでも、傾きや文字欠けを大きく減らせる土台が作れます。

紙サイズ・倍率・片面／両面の設定

紙サイズや倍率、片面／両面の選び方は、「どう配るか」「どこまで読みやすさを優先するか」を決めてから考えるのがコツです。
読みやすさを優先するなら、見開きを無理に1枚に詰め込まず、ページごとに分けてコピーするほうが安心です。

紙サイズは、会議資料など一般的な用途であればA4を基本にし、図表が多く細かい情報を残したい場合はA3を検討します。
見開き2ページをそのままA3に収めるのか、1セット2コピー機能などを使って左右をA4×2枚に分けるのかで、倍率設定も変わってきます。

片面／両面については、あとから綴じる予定があるかどうかで決めます。
両面にすると紙の節約にはなりますが、ページを追いながら読むときに前後の対応が分かりづらくなる場合もあるため、用途に応じて選びましょう。

このように「サイズ → 倍率 → 片面／両面」の順で考えると、仕上がりイメージに近い設定を短時間で決めやすくなります。

濃度・解像度のおすすめ設定

濃度や解像度の設定は、文字中心のページか、図版や写真が多いページかで変えるのがポイントです。
すべて同じ設定でコピーしてしまうと、文字は読めても写真がつぶれたり、その逆になったりします。

文字が中心のページでは、標準より少し濃いめに設定すると、小さな文字や細い罫線も読みやすくなります。
一方、写真や網かけが多いページでは、写真モードやモアレ低減機能を選び、細かい模様やグラデーションがざらつかないようにすることが大切です。

解像度は、通常の資料であれば機種の標準値で問題ないケースがほとんどです。
原図を拡大してコピーする場合や、細かい図面に近い内容を扱う場合は、高精細モードを試し刷りして確認すると安心です。

最初から完璧な設定を目指すのではなく、1〜2枚の試し刷りで様子を見ながら微調整するイメージで進めると、無理なく品質とコストのバランスを取りやすくなります。

▼ 印刷解像度の考え方と設定の目安を押さえたい方はこちら

見開きの本を2枚に分割コピーするやり方（1セット2コピー）

見開きのページをきれいにコピーしたいときは、1セット2コピー機能を使って左右のページを別々の用紙に分けて出力するのがおすすめです。
1枚に無理やり縮小して印刷するよりも文字が大きくなり、読みやすい資料を作りやすくなります。

このセクションでは、1セット2コピー機能の基本操作と、枠消去を組み合わせて影を減らすコツを整理します。

メーカーによって機能名は「1セット2コピー」「見開き分割コピー」「見開き→2枚」など表現が異なりますが、基本的な考え方はどれも同じです。
まずは操作の流れを押さえたうえで、分厚い本ならではの影や黒フチを減らす設定を確認していきましょう。

1セット2コピー機能の基本操作手順

1セット2コピー機能を使うと、見開き2ページを自動で左右に分割して2枚の用紙に出力できます。
毎回手動で位置を調整する必要がなく、同じようなページを続けてコピーしたいときにも効率的です。

基本的な流れは次のイメージです（機種によってボタン名は異なりますが、手順はほぼ共通です）。

慣れるまでは1セットだけ試し刷りし、左右のページが想定どおりの向きとサイズで出力されているかを確認してから本番をまとめてコピーするのが安心です。

分厚い本をきれいに写すための枠消去の使い方

分厚い本をコピーするときは、背表紙の近くに影が出やすいため、枠消去機能を組み合わせて余分な黒フチを消しておくと仕上がりがすっきりします。
1セット2コピーと併用することで、左右それぞれのページを資料として使いやすい見た目に整えやすくなります。

枠消去機能の名称は「枠消去」「ふち消去」「余白消去」など機種によって違いがありますが、基本的には「コピーで印刷しない部分（余白）」を指定する機能です。

最初から広い範囲を消そうとすると、ページ端の行やページ番号まで消えてしまうことがあります。
まずは少しだけ枠を狭めに設定し、試し刷りを見ながら「影は消えるが文字は残る」バランスを探すのがコツです。

端の黒い影を減らすためのポイント

端の黒い影を減らすには、コピー機の機能だけでなく、原稿の置き方と余白の取り方も合わせて調整することが大切です。
設定だけで何とかしようとするのではなく、「置き方 → 余白 → 機能」の順で見直していくとスムーズです。

まず、背表紙を無理に押し広げず、自然に開いた状態で原稿台に置きます。
本の外側（小口側）に少し余白をとるように位置を調整すると、穴あけや製本をしても文字が切れにくくなります。
それでも中央付近に影が出る場合は、枠消去や「地色除去」「背景除去」といった機能を併用して、紙の地色だけを薄くするイメージで調整します。

一度に完璧を目指すよりも、少しずつ調整しながら様子を見ることで、読みやすさと見た目のきれいさのバランスが取れた本のコピーに近づけやすくなります。

本コピーモードで見開きどおりにコピーするやり方（ブックコピー）

見開きページをそのままのレイアウトで残したいときは、ブックコピー（本コピーモード）を使って見開きどおりのレイアウトを1枚にまとめるのが便利です。
雑誌のデザインや図版の位置関係をそのまま確認したいときなど、左右を分割する1セット2コピーとは目的が少し異なります。
このセクションでは、ブックコピーを使って見開きページをきれいに残す基本的な流れを整理しながら、影や湾曲を目立たせないコツを解説します。

事前に「レイアウト重視か、読みやすさ重視か」を決めておくと、1セット2コピーとブックコピーを使い分けやすくなります。

この前提を押さえておくと、「どのコピー機能を使うべきか」を迷わず選びやすくなります。

ブックコピー／本コピーモードの設定手順

ブックコピー（本コピーモード）は、見開き原稿を1枚の用紙におさまるよう自動で整えて出力する機能です。
機種によって名称は異なりますが、設定の考え方はほとんど共通しています。

操作の流れは、おおまかに次のようなイメージです。

冊子のように中とじを想定する場合は、用紙サイズと向きを先に決めてからブックコピーを設定すると、後で製本したときの仕上がりイメージがつかみやすくなります。

背表紙の影を自動で減らす補正機能

分厚い本を見開きでコピーすると、どうしても背表紙の付近に影が出やすくなります。
多くの複合機には、こうした影を目立ちにくくするための自動補正（地色除去・影軽減などの機能が用意されています。

機能名は「ブック影除去」「地色除去」「背景除去」などさまざまですが、いずれも「紙の地色や背表紙の影を薄くする」イメージで使います。
ブックコピーと組み合わせることで、背表紙付近が真っ黒になってしまうのを防ぎ、文字や図形だけを見やすく残せます。

一度設定を強くしすぎて文字がかすんでしまうと、どの程度戻せばよいか分かりづらくなります。
最初は控えめな補正から試し、「影を消しつつ、文字は残る」バランスを段階的に探ると調整しやすくなります。

本の湾曲を目立たせないコピーのコツ

本を強く押さえつけるとページが大きく湾曲し、コピーしたときに文字や罫線が波打ったように見えてしまうことがあります。
ブックコピーをきれいに仕上げるには、「押さえすぎない」「余白をうまく使う」ことがポイントです。

まず、本は無理に開ききらず、自然に開く範囲で原稿台に置きます。
どうしても中央が浮いてしまう場合は、片手で軽く背表紙付近を支え、もう片方の手でフタを静かに閉じる程度の力加減にとどめます。
周囲の余白を少し広めにとる設定にすると、文字や図形が紙のギリギリまで寄りすぎず、波打って見えにくくなる場合もあります。

機種によっては、「自動傾き補正」「自動ゆがみ補正」などの機能が用意されていることもあります。
これらをオンにしておくと、ページ全体の傾きや軽いゆがみを自動で整えてくれるため、ブックコピーとの相性が良い機能です。

こうした点を意識しておくだけでも、ブックコピーで見開きページをそのまま残しつつ、読みやすさも両立したコピーを作りやすくなります。

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影・モアレ・かすれを減らして本のコピーをきれいにするやり方

本や雑誌をコピーするときは、影・モアレ・かすれを抑えることで一段読みやすいコピーに仕上げられます。
とくに写真が多い雑誌や、細かい網かけが入った資料は、そのままコピーするとざらついたり、文字が薄くなったりしやすいのが特徴です。
ここでは、モアレ低減機能・濃度/コントラスト調整・写真向け設定の基本的な使い方を整理します。

影やモアレは「原稿そのものの状態」と「コピー機の設定」の両方が影響します。
原因をざっくり理解しておくと、設定を変えるときの判断がしやすくなります。

こうした原因を踏まえたうえで、機能側で調整できる部分から順番に整えていくイメージで設定していきましょう。

モアレ低減機能の使い方と効果

雑誌の写真やカタログの網かけ部分をコピーしたとき、細かい模様が波打つように見えることがあります。
この「縞模様・うねり」のようなノイズがモアレで、印刷物に使われている細かい網点と、コピー機の読み取りパターンがぶつかることで発生します。

モアレ低減機能は、この干渉を和らげてざらつきを抑えるための機能です。
名称は「モアレ低減」「網点除去」「写真モード」など機種ごとに違いますが、基本的には写真や網かけに強いモードを選ぶことで効果が出ます。

モアレ低減は、強くかけすぎると写真が柔らかくなりすぎたり、文字の輪郭が少し甘く見えたりすることがあります。
まずは標準レベルから試し刷りを行い、「ざらつきが気になるときだけ一段階効きを強くする」くらいの感覚で調整するのが安心です。

▼ スキャン画像のノイズやモアレを減らしたい方はこちら

濃度・コントラスト調整で文字をくっきりさせる方法

文字が中心のページをコピーするときは、濃度とコントラストの調整で文字だけをくっきり、背景はできるだけ白く仕上げるのが理想です。
元原稿の紙がやや黄ばんでいる場合や、細かい文字が多い場合は、標準設定のままだと読みにくく感じることがあります。

基本的には、文字中心のページでは「文字モード」や「テキスト優先」のような設定に切り替えたうえで、濃度を少しだけ上げて試し刷りを行います。
それでも背景がグレーっぽくなってしまうときは、地色除去や背景除去のレベルを弱めに設定して、紙の色だけを少し薄くするイメージで調整します。

一度に複数の設定を大きく変えると、どの変更が効いているのか分からなくなります。
まずは濃度だけ、次に地色除去……というように、一つずつ小さく動かしながら試し刷りを見ていくと調整しやすくなります。

図版や写真ページをきれいにコピーするコツ

図版や写真が多いページは、文字だけのページとは設定の考え方を変える必要があります。
細い線やグラフの網かけ、写真のグラデーションなどが多いため、「つぶさず・飛ばさず・ざらつかせない」バランスが重要です。

まず、図や写真が主体のページでは「写真」「文字＋写真」などの原稿タイプを選択します。
そのうえで、モアレ低減機能をオンにし、濃度は標準〜やや薄めから試すと、写真の暗部がつぶれにくくなります。

図版や写真が多いページは、どうしても1回でベストな設定を見つけにくい場面が出てきます。
そのため、「文字ページ用の設定」と「写真ページ用の設定」を分けて考え、ページの性質に合わせてコピーすることが、全体の見やすさを保つうえで役立ちます。

本・雑誌をコピーするときの法律上の注意点

本や雑誌をコピーするときは、画質の工夫だけでなく「どこまでなら法律上許されるか」を意識しておくことが大切です。
とくに業務で使う資料や社内配布用のコピーでは、良かれと思って行った複製が、結果的に著作権侵害とみなされるリスクもゼロではありません。
ここでは、日本の著作権法における「私的複製」の考え方を踏まえながら、業務で本のコピーを使うときに注意しておきたい一般的なポイントを整理します。

以下はあくまで一般的な考え方であり、個別のケースについての法的な判断を行うものではありません。
迷う場合は、権利者や出版社、社内の法務・総務部門などに相談し、必要に応じて専門家に確認することを前提にしてください。

私的複製で認められる本のコピーの範囲

「私的複製」とは、著作権者の許諾を得ずにコピーできる例外として、個人的に、またはきわめて限られた範囲で利用するための複製を認める考え方です。
日本の著作権法では、一般的に「家庭内」またはこれに準ずる、ごく限られた範囲での利用が想定されています。

たとえば、自分で購入した本の一部をコピーして、自宅で読みやすく整理する、といった使い方は、私的複製に含まれるケースが多いと考えられます。
また、家族の範囲で共有する程度であれば、「家庭内での利用」にとどまるイメージに近いといえるでしょう。

一方で、職場や学校、塾、サークルなど、複数人が参加する組織での利用は、たとえ身近なメンバーであっても、一般的な「家庭内」のイメージからは外れやすいと考えられます。

ここでの説明は一般的なイメージに過ぎず、具体的にどこまでが私的複製に当たるかは、最終的には個別の事情によって判断される点に注意が必要です。

禁止されるコピーの例（配布・ネット公開など）

本や雑誌のコピーが問題になりやすいのは、「第三者への配布」や「ネット上での公開」といった場面です。
たとえ原本を正規に購入していても、複製したものを広く利用してもらう形になると、著作権者の利益を害する可能性が高くなります。

典型的には、次のようなケースでは権利者の許諾が必要になる可能性が高いと考えられます。

また、教材や資料として反復継続的に利用する場合や、コピーした内容を使って対価を得るようなサービスの一部に組み込む場合も、権利者の許諾が前提になると考えるのが安全です。

インターネット上にアップロードする行為は、実際に何人が閲覧したかにかかわらず、不特定多数がアクセスできる状態を作ることになるため、原則として許諾が必要な利用と考えておくのが無難です。

安心して本のコピーをするためのチェックポイント

業務で本や雑誌をコピーするときは、実際にコピーを取る前に「これは私的複製の範囲を超えていないか」を確認する習慣をつけておくと安心です。
とくに社内共有や対外的な配布が絡む場合は、一度立ち止まって判断することが重要です。

迷いやすい場面では、次のような観点からチェックしてみると整理しやすくなります。

ここでの説明は、日本の著作権法の一般的な考え方を分かりやすく整理したものです。
最終的な判断は個別の事情によって変わるため、少しでも迷いがある場合は権利者や社内の担当部署に相談し、独断で大量コピーや配布を行わないことをおすすめします。

コピー機選びや設定で迷ったらOFFICE110へ

オフィスのコピー機・複合機について「どの機種が合うのか」「本のコピーに向いた設定が分からない」と感じたときは、私たちOFFICE110にまとめてご相談ください。

私たちは、本体価格だけでなく保守料金やランニングコストも含めて、お客様ごとの業務内容に合ったコピー機の選び方と運用方法をご提案します。
本・雑誌のコピーをよく行うオフィスに向いた機能や、1セット2コピー・ブックコピーなどの使い方のコツも、導入時に分かりやすくお伝えします。

新品・中古の比較や、リース・購入・レンタルの違いなども含めて、「自社にはどの組み合わせが合うのか」を一緒に検討できるパートナーとしてお手伝いします。
コピー機選びや設定で迷ったときは、まずはお気軽にOFFICE110までご相談ください。

まとめ

この記事で紹介したポイントを意識することで、本や雑誌のコピーをきれいで読みやすい資料に仕上げやすくなります。
本の置き方や用紙サイズの決め方、1セット2コピーやブックコピーなどのモードを使い分けることで、見開きページも効率よくコピーできます。

また、モアレ低減機能や濃度・コントラスト調整を活用すれば、文字中心のページと図版・写真中心のページそれぞれに合った画質を選べます。
一方で、私的複製の範囲を意識し、配布やネット公開を伴うコピーでは著作権への配慮を欠かさないことも重要です。

最後に、コピー機の選び方や本のコピー設定で迷ったときは、自社の使い方やコストのイメージを整理したうえでOFFICE110に相談することで、実務に合った機種・運用方法を検討しやすくなります。