グループダイヤリングとは？機能・料金・特徴をまとめて解説

グループダイヤリングは、NTTの『ひかり電話オフィスA（エース）』のオプションサービスです。
このサービスの導入により、短縮番号を使って他拠点へ簡単に内線通話をかけられます。

手軽に導入でき、業務効率化やコスト削減につながるため、複数の拠点を持つ企業にとって魅力的です。

本記事では、グループダイヤリングの機能・料金・設定方法についてわかりやすく解説。
また、事前知識として、ひかり電話オフィスAについてもご紹介していきます。

複数拠点の電話通信で、コスト節約や業務効率化を図りたい方は、ぜひご一読ください。

グループダイヤリングサービスとは？

グループダイヤリングとは、NTTが提供している便利な発信サービスです。

NTTのオフィス向け光電話サービス『ひかり電話オフィスA（エース）』のオプションとして提供されており、導入することで発信操作を簡略化できます。
※『ひかり電話オフィスタイプ』の契約では利用不可。

それでは、本サービスの特徴や仕組み・メリットについて見ていきましょう。

グループダイヤリングの特徴

グループダイヤリングの特徴は、他の事業所に簡単に電話をかけられることです。

通常、他事業所に電話するときは、市外局番などを含め10桁の番号を入力する必要があります。
※市内に電話する場合は市外局番を省略可能。

しかし、グループダイヤリングを使うと、最小2桁の電話番号で発信可能です。
たとえば、「20」をプッシュしたらA支店に、20-20ならA支店の営業部に設定すれば、簡単に目的の呼び出し先へ電話をかけられます。

このように、グループダイヤリングは少ないボタン操作で、スムーズに電話を発信できるのが特徴です。

グループダイヤリングの仕組み

グループダイヤリングで使われる電話番号は、「事業所番号」+「内線番号」の組み合わせで構成されています。
事業所番号は2～4桁、内線番号は0～6桁で自由に設定できます。
※同一回線内なら、最大10個の事業所番号を利用可能。

設定例は以下の通りです。

【本社の企画部に電話したい場合】
20（事業所番号）+2000（内線）

【支社の営業部へ電話したい場合】
30（事業所番号）+3000（内線）

グループダイヤリングを使った発信プロセスを図解すると、以下のようになります。

本社企画部の事業所番号が20で内線番号が2000で、支社営業部の事業所番号は30で内線番号は3000です。
それぞれ市外局番を含む10桁の電話番号を持っていますが、グループダイヤリングでは上記の「省略番号」を利用できます。

上記の例では、本社の営業部から支社の営業部まで、短縮番号「30-3000」を使って電話をかけられます。
一方、支社の営業部から本社の営業部には、「20-2000」を使って電話をかけられます。

グループダイヤリングのメリット

グループダイヤリングのメリットとして以下の点が挙げられます。

■スピーディーに他拠点へ連絡可能
少ない桁数での発信ができるため、手早く他事業所の内線番号を呼び出せます。

■簡単なオプション契約で利用可能
すでにひかり電話オフィスAに契約している方は、特別な設備投資は必要なく、オプションの契約のみで利用できます。
導入ハードルが低いため、複数の拠点を抱えている企業にとっては重宝されるでしょう。また、複数拠点との連絡が頻繁にある自治体等でも活躍する機能です。

■通話料金が無料
本サービスはひかり電話オフィスAの基本サービス『グループ通話定額』と連携します。
そのため、グループ登録された事業所間での音声通話は無料です。

ひかり電話オフィスAについて

グループダイヤリングは、NTTの光電話サービス「ひかり電話オフィスA」のオプションサービスです。

ここからは、本サービスの概要や料金などについて基本ポイントをまとめます。
すでに契約済みの方など、「説明が不要」な方は、グループダイヤリングの導入費用・利用料金から続きをお読みください。

ひかり電話オフィスAのサービス概要

ひかり電話オフィスAは、法人向けのひかり電話サービスです。
NTTが提供するひかり電話サービスは数タイプありますが、本サービスは規模が大きい事業者向けになります。

なお、ひかり電話オフィスAは光回線をベースにしたサービスのため、フレッツ光の光回線に契約する必要があります。

ひかり電話オフィスAの基本サービス・オプション

ひかり電話オフィスAは、最大チャネル数（最大同時通話数）300、最大電話番号数7,000と、主に大規模事業者向けのサービスです。

基本サービスには、以下のサービスが含まれます。

契約内容によっては最大同時通話数300と豊富なチャネル数を確保できるほか、7,000もの電話番号の割り当てが可能です。

また、ひかり電話オフィスAのオプションサービスとしては、以下のサービスが挙げられます。

ひかり電話オフィスAの料金

ひかり電話オフィスAの料金例は、以下のとおりです。

■工事費	■基本額（1工事）： ・8,250円（派遣工事ありの場合） ・2,200円（派遣工事なしの場合） ※フレッツ光を同時工事する場合は無料 ■交換機等工事費（基本機能）：1,100円 ■同番以降工事費：2,200円
月額料金	1,210円～ チャネル数や番号数などによって異なります
オプション料金	・一括転送機能 1,100円 ・故障・回復通知機能 1,100円 ・着信お知らせメール 1,100円 ・特定番号通知機能 1,100円 ・グループダイヤリング 1,100円 など

※上記はすべて税込価格です。
※工事費は時間帯や時刻帯指定の有無などにより、割増料金・加算料金が発生する場合あります。

光回線を契約していない場合、NTTの回線契約が必要となり、別途工事費が発生します。
なお、同時工事の場合は一部工事費が減額されるケースもあります。

グループダイヤリングを利用する場合のトータルコストは、以下の通りです。

月額料金については、ひかり電話オフィスAとは別に光回線の月額料金も必要ですので、その点にご留意ください。

ひかり電話オフィスタイプとは？違い・料金・導入方法【初心者向け】

グループダイヤリングの導入費用・利用料金

ここからは、グループダイヤリングの導入費用と利用料金を項目別にご紹介します。

複数の事業者と頻繁に連絡を取る方は、料金体系を参考にして、コストパフォーマンスの良いサービスかどうかを判断してください。

グループダイヤリングの初期費用

グループダイヤリングの初期費用としては、以下の料金が発生します。

※すべて税込み価格です。

いずれの工事費についても、ひかり電話オフィスAと同時工事する場合は不要です。
なお、導入費用については、NTTの光回線とひかり電話オフィスAを契約中の方は、グループダイヤリングの導入費用のみが発生します。

一方、これらのサービスに契約していない方は、グループダイヤリングとは別に上記の導入費用が発生しますのでご注意ください。

グループダイヤリングの月額料金

グループダイヤリングの月額料金は、以下のとおりです。

※すべて税込み価格です。

グループダイヤリングを契約すると、通常1契約で1事業所番号が付与されます。
状況に応じて、1契約につき最大9つの番号を追加可能です。

たとえば、事業所Aに8事業所番号、Bに5事業所番号、Cに10事業所番号のように申し込みできます。※それぞれ別契約

グループダイヤリングの料金シミュレーション

料金の把握をしやすくするために、グループダイヤリングの料金シミュレーションをしてみましょう。

たとえば、ある企業が4つの事業所を展開しているケースで、それぞれの拠点に1つの事業所番号を割り当てたい場合、月額料金は以下のとおりです。

※すべて税込み価格です。
※ひかり電話オフィスAの月額料金はチャネル数や番号数などによって異なります。

上記の料金に加えて、ひかり電話オフィスAの月額料金（1,210円～）と、光回線の月額料金がプラスされます。

光回線の月額料金はプランにより異なりますが、たとえばフレッツ光ネクスト・ファミリー・スーパーハイスピードタイプ隼であれば5,940円です。

グループダイヤリングの利用に関する注意点

ここからは、グループダイヤリングを導入する際の5つの注意点について解説していきます。

「グループ通話定額」のグループ登録が必要

グループダイヤリングを使うには、「グループ通話定額」でのグループ登録が必要です。
※グループ通話定額は、ひかり電話オフィスに標準装備されています（無料で利用可能）。

グループダイヤリングは、「グループ通話定額」と連携します。
そのため、利用するにはあらかじめグループ通話定額で複数の事業所を登録してグループ形成しなければなりません。

グループ通話定額に登録することで内線通話として利用でき、通話が無料になります。

一部の事業所番号や内線番号は利用できない

事業所番号は任意に設定できますが、一部以下のような制限があります。

したがって、「00-0000」「01-0300」「10-0010」などの番号は設定できません。

全ての拠点で本サービスの対応機器が必要

グループダイヤリングを使うには、関係する全ての事業所で、ひかり電話オフィスA（エース）対応機器が必要です。
対応機器の例を以下に挙げます。

対応機器に関する詳しい情報は、NTT東西やビジネスフォン業者にお尋ねください。

利用にはPBX／ビジネスフォンの設定が必要

グループダイヤリングを利用するには、PBXやビジネスフォンの設定が必要です。

最初に利用を開始する場合や、設定番号（事業所番号＋内線番号）を変更する場合も同様ですが、ひかり電話オフィスA（エース）の対応機器やPBX、ビジネスフォンの設定変更が必要になることがあります。

無駄な出費を避けるためには、事前に適切な計画を立てて番号の設定を行うことが大切です。

NTT東西をまたぐと通常の県間通話料がかかる

NTT東西をまたぐ通話では、通常の県間通話料がかかります。
ただし、グループダイヤリングはNTT東西で提供されており、東西の管轄地域に複数拠点を持つ企業は、「東西間接続メニュー」を使うことで日本全国で利用できます。

こちらのメニューはグループダイヤリングの基本サービスに含まれており、東西間をまたがっても追加料金はかかりません。

ただし、通話料金は県間通話料金が適用されます。そのため、通話料金の節約には制限がありますのでご注意ください。

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まとめ

グループダイヤリングは、複数拠点での発信操作を簡略化する便利な機能です。

導入により、最小2桁の短縮番号入力だけで、手早く他拠点の内線に発信できます。拠点間の通話も無料になるため、コスト削減にもつながります。

この機能は、NTTの「ひかり電話オフィスA(エース)」のオプションサービスとして提供されています。ひかり電話オフィスAの契約者であれば、簡単な手続きで導入が可能です。

複数の事業所を抱え、拠点間の連絡が多い企業や自治体では、グループダイヤリングの導入が業務効率化に大きく貢献するでしょう。

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