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クラウドPBXの利用そのものが、一律に禁止・制限されているわけではありません。ただし、03や06などの固定電話番号を使った発信転送・着信転送が「固定電話番号を使用する電話転送役務」に該当する場合は、総務省の電気通信番号制度に基づく条件があります。
また、110・118・119への緊急通報は、クラウドPBXなら必ず使える、または必ず使えないというものではありません。サービスや設備構成によって対応が異なるため、契約前の確認が必要です。
この記事では、クラウドPBXに関係する規制・制度と、固定電話番号や緊急通報を利用するときの確認ポイントを、総務省の現在の制度に沿って解説します。
監修者
登 雄三(のぼり ゆうぞう)
保有資格:工事担任者(AI・DD総合種)/電気工事士
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国各地でビジネスフォン・複合機・防犯機器などのOA機器の販売や電話工事、電気工事、LAN配線工事、VPN構築を主に手掛ける。2023年には名古屋へ拠点進出。
クラウドPBXに関係する制度を確認するときは、クラウドPBXそのものに一律の「3つの規制」があると考えるのではなく、固定電話番号を使用する電話転送役務にどのような条件が設けられているかを見ることがポイントです。
総務省の手引きでは、固定電話番号を使用する電話転送役務について、緊急通報の取扱い、本人確認・拠点確認、拠点への設備設置確認、品質確認などの条件が整理されています。
これらの条件は主に、固定電話番号を使用して電話転送役務を提供する電気通信事業者に課されるものです。利用者側にも、事業者が制度上の条件を満たすため、本人確認や活動拠点の確認などを求められる場合があります。
なお、サービスの仕組みや講じられている代替措置によっては、一部の条件が適用されないケースもあります。自社が検討しているクラウドPBXがどの条件に該当するかは、サービス提供事業者へ確認してください。
ここでいう電話転送役務には、固定電話番号への着信を別の電話番号などへ自動転送するサービスや、別の端末から発信した通話で固定電話番号を発信元として使用する仕組みなどが含まれる場合があります。
制度の対象や必要な手続きについては、総務省「電気通信番号を使用するための手続」でも確認できます。
クラウドPBXから110・118・119へ発信できるかどうかは、サービスや設備構成によって異なります。
警察への110、海上保安機関への118、消防・救急への119は緊急通報です。特に固定電話番号を使用する発信転送では、緊急機関へ通知される位置情報と実際の通報者の位置が異なると、通報者の特定やコールバックに支障が生じる可能性があります。
そのため総務省の制度では、固定電話番号を使用する発信転送で、緊急通報の利用者を誤認させるおそれがある場合、緊急通報を不可能とする措置や代替手段の確保、利用者への説明などが求められています。
一方、正しい位置情報を緊急機関へ通知できるなど、緊急通報の利用者を誤認させるおそれがない場合には、緊急通報を不可能にする措置等を講じる必要はありません。
クラウドPBXを導入するときは「110・118・119へ発信できるか」だけでなく、利用できない場合にどの通信手段で緊急通報するのかまで確認しておきましょう。
固定電話番号を使用する電話転送役務に該当するサービスでは、原則として利用者本人の確認に加えて、利用者の活動拠点が対象となる番号区画内に存在することの確認が求められます。
「番号区画」とは、市外局番などに応じて定められている区域です。そのため、「東京都内ならすべて03を利用できる」「千葉県内ならすべて047を利用できる」と都道府県単位だけで判断することはできません。
また、総務省の手引きでは、法人登記がされている所在地であっても、実際に活動できる空間がないバーチャルオフィスや、常時利用を想定していない貸し会議室などは、電話転送役務における「活動の拠点」とみなせない例として示されています。
現在使用している固定電話番号をクラウドPBXへ引き継ぎたい場合は、制度上の条件だけでなく、利用中の回線やサービス、番号ポータビリティへの対応状況なども確認する必要があります。詳しくは、クラウドPBXで現在の電話番号を引き継ぐ条件を解説した記事をご覧ください。
固定電話番号を使用する電話転送役務に該当するサービスの契約では、原則として最終利用者の本人確認が行われます。
総務省の手引きでは、自然人の場合は氏名・住居・生年月日、法人の場合は名称・本店または主たる事務所の所在地などを本人特定事項として確認することが示されています。
ここで注意したいのは、制度上の本人確認と、各クラウドPBX事業者が独自に行う契約・支払審査は同じものではないことです。
事業者によっては契約にあたり独自の審査を行う場合がありますが、その確認項目や所要時間までを「総務省が定めたクラウドPBXの規制」と考えるのは適切ではありません。
申し込み前には、制度上の本人確認に必要なものと、契約するサービス独自の提出書類・審査条件を分けて確認しましょう。
固定電話番号を使用する電話転送役務では、原則として利用者の本人確認だけでなく、サービスを提供する設備や音声品質にも条件があります。
総務省の手引きでは、番号区画内の最終利用者の活動拠点に固定端末系伝送路設備の一端が設置されていることを確認する「設備設置確認」や、一定の通話品質を確保するための条件などが示されています。
これらは主にサービス提供事業者側が確保する条件ですが、利用者にとっても「希望する番号をどのような仕組みで利用するサービスなのか」を確認する判断材料になります。
固定電話番号を利用できると案内されているサービスでも、利用場所や設備構成、サービスの方式によって条件が変わる可能性があるため、番号だけでサービスを選ばないようにしましょう。
固定電話番号を使う電話転送サービスに条件が設けられている背景には、固定電話番号が持つ地域性や社会的信頼性を守ることと、緊急通報時の誤認を防ぐことがあります。
規制を単なる「クラウドPBXを使いにくくするもの」と捉えるのではなく、なぜ確認が必要なのかを理解しておくと、契約時の手続きや事業者からの説明も判断しやすくなります。
本人確認や活動拠点の確認が求められる理由の一つは、固定電話番号が持つ地理的識別性や社会的信頼性を維持するためです。
固定電話番号は、市外局番などから発信元・着信先の地域を推測できるという性質があります。しかし電話転送サービスを利用すると、実際には別の場所や携帯端末から発着信していても、相手には固定電話番号が表示される場合があります。
利用場所と固定電話番号の地域的な関係がなくなれば、番号から所在地を判断できるという従来の性質が損なわれ、不適切な利用にもつながりかねません。
そのため、固定電話番号を使用する電話転送役務では、原則として本人確認とともに、活動拠点が番号区画内にあることなどが確認されます。
緊急通報では、緊急機関へ通知される情報と実際の通報者の位置にずれが生じないことが重要です。
固定電話では、電話番号や回線と設置場所が結び付いていることがあります。一方、転送を利用して別の場所から発信した場合、緊急機関へ通知される位置情報と実際の通報位置が一致しない可能性があります。
こうした誤認によって通報者情報の確認やコールバックが難しくなることを避けるため、固定電話番号を使った発信転送には緊急通報に関する条件が設けられています。
なお、ここで扱っているのは電話番号制度や緊急通報に関する安全性です。不正アクセスや認証、端末管理などクラウドPBX全般の安全対策については、クラウドPBXのセキュリティと安全対策を詳しく解説をご確認ください。
固定電話番号を使用する電話転送役務に該当するサービスでは、原則として利用者の本人確認が必要です。ただし、実際に提出する書類や確認方法は、法人・個人の違いだけでなく、契約するサービスによっても異なります。
「クラウドPBXなら必ずこの書類が必要」と一律に判断せず、申込先から案内された最新の必要書類と確認方法を確認してください。
法人では、名称と本店または主たる事務所の所在地など、法人の本人特定事項が確認されます。
実際に提出する書類や本人確認の方法、有効期限などの条件は契約先によって異なるため、申込前に最新の案内を確認してください。
法人契約では、事前に「必要な書類」「発行日などの条件」「オンライン提出の可否」を確認しておくと、申し込み時の手戻りを減らせます。
個人事業主など自然人として契約する場合は、氏名・住居・生年月日などの本人特定事項が確認されます。
本人確認に利用する書類や確認方法は契約先によって異なります。利用できる書類や、追加の確認が必要になる条件などは、申込先の最新案内を確認してください。
固定電話番号を使用する電話転送役務に該当する場合は、原則として本人であることだけでなく、対象となる番号区画内に実態のある活動拠点があるかも確認されます。
「本人確認書類を提出できれば希望する固定電話番号を必ず利用できる」という意味ではありません。番号区画や活動拠点、サービス側の設備条件などもあわせて確認しましょう。
制度の内容をすべて理解してからクラウドPBXを選ぶ必要はありません。利用したい電話番号や拠点、緊急通報への対応など、自社に関係する条件を整理したうえで事業者へ確認することが現実的です。
まずは、現在の電話環境と、クラウドPBX導入後に利用したい番号を整理しましょう。
特に市外局番付きの固定電話番号を利用したい場合は、会社の登記上の住所だけで判断せず、実際の活動拠点と対象となる番号区画の関係を確認してください。
複数拠点で同じ電話環境を構築したい場合も、どの拠点でどの番号を使用するのかを先に整理しておくと、必要な構成を確認しやすくなります。
クラウドPBXを選ぶ際は、料金や機能だけでなく、自社が利用したい電話番号や緊急通報について、条件を具体的に説明してもらえるかも確認しましょう。
契約前に確認しておきたい内容には、次のようなものがあります。
「クラウドPBXだから使える」「クラウドPBXだから使えない」とサービス種別だけで判断せず、自社の利用条件を伝えたうえで確認することがポイントです。
クラウドPBXを検討していても、「現在の番号をそのまま使えるのか」「希望する市外局番を利用できるのか」「緊急通報はどうなるのか」まで自社だけで判断するのは簡単ではありません。
OFFICE110が提供するクラウドPBX「OFFICE PHONE」についても、現在の電話環境や利用条件を確認しながら導入をご相談いただけます。
利用したい電話番号や現在の電話環境が分かれば、確認すべき条件を整理しやすくなります。番号を変更したくない場合や複数拠点で利用したい場合も、まずは現在の構成をお知らせください。
ご相談・見積依頼
クラウドPBXの利用そのものが、一律に禁止・制限されているわけではありません。
一方、固定電話番号を使用する電話転送役務に該当するサービスでは、固定電話番号の地理的識別性や社会的信頼性を守るため、原則として本人確認・活動拠点確認・設備設置確認・品質確認などの条件があります。また、固定電話番号を使用する発信転送では、実際の通報位置とのずれによって緊急通報の利用者を誤認させないための対応が求められます。
クラウドPBXを選ぶときは、規制の数を覚えるよりも、自社が利用したい電話番号・活動拠点・緊急通報への対応を具体的に確認することがポイントです。
現在の電話番号を継続できるか、希望する市外局番を利用できるか、既存PBXや電話回線を含めてどのように切り替えるべきか分からない場合は、OFFICE110へご相談ください。
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