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高圧縮PDFは、複合機で原稿をスキャンするときに、文字の読みやすさを保ちながらPDFのファイルサイズを抑えやすくする機能です。メール添付やクラウド共有、文書保管でPDFの容量が気になる場合に役立ちます。
一般的なPDF圧縮ツールとは異なり、複合機の高圧縮PDFはスキャン時に文字や背景を判別しながらデータを圧縮するのが特徴です。そのため、文書を電子化する段階から容量を抑えたい場合に適しています。
ただし、高圧縮PDFの名称や設定方法、OCRとの組み合わせ、対応する原稿や画質はメーカー・機種によって異なります。設置できる機種かどうかだけでなく、実際のスキャン用途に合う機能まで確認することが重要です。
この記事では、高圧縮PDFの仕組みや通常PDFとの違い、メリット・デメリット、メーカー別の使い方、高圧縮PDFに対応した複合機まで分かりやすく解説します。
監修者
千々波 一博(ちぢわ かずひろ)
保有資格:Webリテラシー/.com Master Advance/ITパスポート/生成AIパスポート/個人情報保護士/ビジネスマネジャー検定
2004年から通信業界で5年間営業として従事。その後、起業して他業種に進出。OFFICE110に営業で入社し、月40~60件ほどビジネスホン・複合機・法人携帯などを案内。現在は既存のお客様のコンサルティングとして従事。
高圧縮PDFは、文字などの前景を見やすく保ちながら、背景を効率的に圧縮してファイル容量を抑えるスキャン形式です。
一般的なPDF圧縮サービスは作成済みのPDFを後から圧縮するのに対し、複合機の高圧縮PDFは原稿をスキャンする段階でデータを最適化します。メール添付やクラウド共有、長期保管に使う文書を軽量化したい場合に便利です。
ここでは、高圧縮PDFの仕組みと通常のPDFとの違いについて解説します。
高圧縮PDFでは、複合機でスキャンした画像を「前景(文字・線)」と「背景(写真・網点)」などに分け、それぞれに適した処理を施して1つのPDFへまとめます。
一般的にMRC(Mixed Raster Content)と呼ばれる技術が使われ、文字や線の情報は見やすさを保ちながら、背景部分を効率よく圧縮します。原稿や設定、機種によって効果は異なりますが、容量を抑えながら可読性を確保しやすいのが特徴です。
そのため、契約書や議事録、マニュアルなど、文字を中心とした文書を電子化して共有・保管する用途に適しています。具体的には、次のような文書や用途で活用できます。
ただし、圧縮効果や画像の見え方は、原稿の内容や設定、機種によって異なります。画質が気になる場合は、実際の原稿を数ページ試しにスキャンして確認すると安心です。
複合機でPDF保存する基本的な流れから確認したい方は、コピー機(複合機)のスキャンのやり方とPDF保存方法もあわせてご確認ください。
高圧縮PDFと通常のスキャンPDFの主な違いは、ファイルサイズと文字の読みやすさを両立しやすいかどうかです。
通常のPDFは、解像度を下げれば容量を減らせますが、文字や細い線までぼやけることがあります。高圧縮PDFは前景と背景を分けて処理するため、文書の可読性を保ちながら容量を抑えやすいのが特徴です。
使い分ける際は、文字主体の資料は高圧縮PDF、写真や細かな画像を重視する資料は通常PDFや高画質設定を候補にすると判断しやすくなります。
また、原稿によっては背景の模様や細かな網点にざらつきが見えることもあります。重要な資料は数ページを試しにスキャンし、文字の読みやすさと画像の見え方を確認してから運用することが大切です。
高圧縮PDFを利用すると、ファイルサイズを抑えながら文書の読みやすさを保ちやすくなり、共有・保管の負担を軽減できます。
特に、紙文書を日常的にスキャンしてメールやクラウドで共有するオフィスでは、ファイル容量を抑えることで送受信や保管を進めやすくなります。また、OCRと組み合わせれば、検索性を高めることも可能です。
ここでは、ファイルサイズの削減、データの鮮明さ、ペーパーレス化・業務効率化という3つのメリットについて解説します。
高圧縮PDFの大きなメリットは、文字の読みやすさを保ちながらファイルサイズを抑えやすいことです。
容量が小さくなれば、メールやチャットへ添付しやすくなるほか、クラウドストレージやファイルサーバーへ保存する際の容量負担も軽減できます。PDFを開いたり転送したりするときの待ち時間を抑えやすい点もメリットです。
文書を継続的に電子化する環境では、1ファイルごとの差が積み重なるため、日常的な共有や保管の効率にもつながります。
このように、容量が原因となる送信エラーや保存容量の増加を抑えたい場合は、高圧縮PDFを活用するメリットがあります。
高圧縮PDFは、単純に解像度を下げる方法と比べて、文字や線の見やすさを保ちながら容量を抑えやすいのが特徴です。
契約書・議事録・申請書など文字主体の資料では、前景の情報を残しながら背景を圧縮することで、軽量化と可読性の両立がしやすくなります。
引用:文字がくっきりと見える高圧縮PDF変換技術(32ページ 図4)
このように、圧縮後も文書として必要な情報を確認しやすいため、メール送付やクラウド共有、社内での文書保管など、ファイル容量を抑えて扱いたい場面で活用できます。
ただし、写真や細かな図版を多く含む原稿では見え方が変わる場合があるため、文書の内容や用途に合わせて高圧縮PDFと通常PDFを使い分けることが大切です。
紙文書を高圧縮PDFで保存すると、ストレージ容量の増加を抑えながらペーパーレス化を進めやすくなります。
さらにOCRと組み合わせれば、スキャンしたPDFへ文字情報を付加できるため、ファイル内のキーワード検索や文書の再利用がしやすくなります。紙のまま保管する場合と比べて、必要な資料を探す手間も抑えられます。
高圧縮PDFとOCRを併用する場合は、保存先やファイル名の付け方までルール化しておくと、部署内で文書を共有しやすくなります。
OCRの仕組みや活用方法については、複合機のOCR機能とは?仕組み・メリット・おすすめ機種を解説!で詳しく紹介しています。
高圧縮PDFとOCRを用途に合わせて組み合わせることで、文書の保管と検索の両方を効率化できます。
高圧縮PDFはファイル容量を抑えやすい一方で、原稿や設定によっては画質が低下したり、一部の閲覧環境で互換性に影響したりする点に注意が必要です。
特に、写真や細かな網点・線が多い原稿では、文字主体の文書と同じ設定が適しているとは限りません。外部へ送付するPDFでは、相手側の閲覧環境も確認しておくと安心です。
ここでは、画質が低下する場合と、PDFの互換性に影響する場合について解説します。
写真・網点・細い線が多い原稿では、圧縮の影響でざらつきや色味の変化が見える場合があります。
文字と背景を分けて圧縮する処理が原稿に合わなかったり、写真部分の圧縮が強かったりすると、細部が見えにくくなることがあります。ポスターや製版用データなど、画質を優先したい資料では通常PDFや高画質設定も候補にしましょう。
重要な原稿は、本番前に数ページを試しにスキャンし、文字・写真・細線の見え方を確認しておくと安心です。
画質を優先する資料では高圧縮PDFだけに固定せず、原稿の内容に合わせて通常PDFと使い分けることが重要です。
高圧縮PDFは一般的なPDF閲覧ソフトで扱えますが、古い閲覧ソフトや一部の環境では正しく表示できない場合があります。
メーカーのマニュアルでも、高圧縮PDFについて古いAdobe Acrobat Reader/Adobe Readerとの互換性に制限があると案内されている機種があります。現在の一般的な閲覧環境では問題になりにくいものの、古い端末や専用システムへ送付する場合は確認が必要です。
外部共有が多い場合は、相手先で問題なく開けるかを確認し、必要に応じて通常PDFやPDF/Aなど、用途に合う形式を選びましょう。
外部へ送る文書は、容量だけでなく相手側で問題なく閲覧できることまで確認して保存形式を選ぶことが大切です。
高圧縮PDFの基本的な使い方は、スキャン画面でファイル形式をPDFに設定し、高圧縮の項目を選んで読み取るという流れです。
ただし、画面上の名称や設定できる解像度、OCRの利用可否はメーカー・機種・オプション構成によって異なります。実際に操作する際は、お使いの機種のマニュアルも確認してください。
ここでは、キヤノン・富士フイルム・リコーの複合機で高圧縮PDFを設定する基本的な流れについて解説します。
キヤノンのimageRUNNER ADVANCEシリーズでは、「スキャンして送信」などの画面からファイル形式をPDFにし、「高圧縮」を選択します。
高圧縮PDFを選択すると、機種によっては解像度やカラーモードに条件があります。OCR(文字認識)を利用できる機種・構成では、高圧縮PDFと組み合わせて検索しやすいPDFを作成できます。
日常的に同じ条件でスキャンする場合は、高圧縮PDFやOCRなどの設定をショートカットやカスタムメニューへ登録しておくと、毎回の操作を減らせます。
文字中心の資料を繰り返し電子化する場合は、画質を確認したうえでよく使う設定を登録しておくと運用しやすくなります。
富士フイルムの複合機では、スキャンの出力ファイル形式でPDFを選び、詳細設定から「高圧縮(MRC)」を有効にするのが基本です。
高圧縮(MRC)を設定した場合、対応できる解像度やカラーモードには機種ごとの条件があります。DocuCentre-VI C2271では、PC保存・メール送信・ボックス保存などで高圧縮PDFに対応しています。
高圧縮(MRC)を利用できる解像度は機種によって異なります。DocuCentre-VI C2271シリーズでは、200dpiまたは300dpiが設定対象となるため、文字主体の文書では300dpiを基準に見え方を確認すると判断しやすくなります。
保存先や解像度を固定せず、実際の原稿と運用方法に合わせて高圧縮(MRC)の設定を調整しましょう。
リコーの複合機では、スキャナーの送信設定や「ファイル形式/ファイル名」から「高圧縮PDF」を選択します。
画面構成は機種によって異なりますが、高圧縮PDFを選んだあとに必要な読み取り条件やOCRを設定し、宛先を指定してスキャンするのが基本です。
高圧縮PDFは、機種によってグレースケールまたはフルカラー、対応解像度、倍率などに設定条件があります。OCRを利用する場合は、別途オプションが必要な機種もあるため確認が必要です。
よく使うスキャン条件が決まっている場合は、部署内で設定をそろえておくと操作ミスを減らしやすくなります。
高圧縮PDFを日常的に使いたい場合は、対応機種かどうかに加えて、OCRや保存先、スキャン速度まで含めて比較すると選びやすくなります。具体的な機種や費用を確認したい方は、以下からご相談ください。
高圧縮PDFを活用したい場合は、高圧縮PDFへの対応だけでなく、印刷速度・対応用紙サイズ・スキャン性能・利用する業務まで確認して機種を選ぶことが大切です。
ここで紹介する3機種は、OFFICE110に商品ページがあり、高圧縮PDFに対応している複合機です。在庫や取扱状況は変わるため、導入前に最新の販売状況をご確認ください。
ここでは、キヤノン・富士フイルム・リコーの高圧縮PDF対応複合機3機種について解説します。
詳しくはこちら
キヤノンのiR-ADV C5535Fは、カラー・モノクロともに35枚/分で印刷できるA3カラー複合機です。
高圧縮PDFに対応しているため、契約書や申請書などの紙文書をスキャンし、容量を抑えながら共有・保管したい場合に活用できます。両面スキャンにも対応しており、複数ページの文書をまとめて電子化しやすい点も特徴です。
OFFICE110では月3,000〜5,000枚程度の印刷を行うオフィスにも紹介しており、日常的な印刷量が多い環境でも候補になります。
高圧縮PDFによる文書の電子化と、日常的なA3カラー印刷の両方を重視する小〜中規模オフィスに適した機種です。
富士フイルムのDocuCentre-VI C2271 PFSは、カラー・モノクロともに25枚/分で印刷できるA3カラー複合機です。
PC保存やメール送信などで高圧縮PDFに対応しているため、スキャンした文書の容量を抑えながら社内外へ共有したい場合に活用できます。フルカラー・グレースケールの文書を高圧縮PDFで扱える点も特徴です。
印刷速度は標準的で、資料の印刷と紙文書の電子化をバランスよく行いたいオフィスで使いやすい構成です。
日常的なA3印刷に加えて、スキャンしたPDFの共有・保管を効率化したいオフィスに適した機種です。
リコーのMP CW1201は、A0サイズまで対応する大判複合機です。図面や大判資料をコピー・スキャンする業務に向いています。
高圧縮PDFに対応しているため、容量が大きくなりやすい大判原稿も、共有・保管しやすいPDFへ変換できます。10.1インチの大型タッチパネルを搭載しており、スキャン設定も画面を確認しながら操作できます。
なお、RICOH MP CW1201はメーカーでは販売終了品として案内されています。OFFICE110の商品ページでは新品・中古として掲載されていますが、導入する場合は在庫や保守対応を事前に確認してください。
建設・設計・不動産など、A0図面を高圧縮PDFで電子化して共有・保管したい業務に適した機種です。
高圧縮PDFに対応している複合機でも、利用できる機能やスキャン性能は機種によって異なります。
そのため、導入する際は高圧縮PDFに対応しているかだけでなく、普段の印刷枚数やスキャンの使い方、必要な機能、予算まで含めて比較することが大切です。
なお、複数の機種を比較しても、自社に必要な条件を整理しきれず判断に迷う場合は、OFFICE110にまとめてご相談ください。
弊社では、お客様の印刷枚数や利用人数、スキャンする原稿、保存方法、必要な機能、ご予算などを丁寧にヒアリングしたうえで、業務内容に合う複合機をご提案します。
さらに、OFFICE110では新品コピー機が最大80%OFF、中古コピー機も大特価でご案内しています。高圧縮PDFを含む必要な機能と予算を整理しながら、自社に合う複合機を選びたい場合はOFFICE110までご相談ください。
ご相談・見積依頼
高圧縮PDFは、文字や線などの前景と背景を分けて圧縮することで、文書の読みやすさを保ちながらファイルサイズを抑えやすくするスキャン形式です。メール添付やクラウド共有、文書保管の容量を抑えたい場合に役立ちます。
活用する際は、ファイルサイズ・文字の読みやすさ・原稿の種類・互換性を確認し、通常PDFも含めて使い分けることが重要です。
また、高圧縮PDFの設定方法やOCRとの組み合わせ、対応できる解像度はメーカー・機種によって異なります。導入前には、普段スキャンする原稿や保存先まで想定して機種を比較しましょう。
なお、高圧縮PDFを活用できる複合機を比較しても自社に適した機種を判断しにくい場合は、OFFICE110へご相談ください。利用人数・印刷枚数・スキャン用途・必要な機能・ご予算を確認したうえで、用途に合う複合機をご提案します。
お問い合わせ後、内容のヒアリング
見積書・保守契約の説明各種資料の提出
納品日の日程調整
設置工事~完了