経費を計上する個人事業主は知っておきたい!ぜひ押さえること
個人事業主と会社員の違いは何でしょうか?個人事業主になると「確定申告をしなくてはいけない」、「会社員と比べて自由」ということが挙げられます。
実は個人事業主になると、事業から得た利益から仕事で使う道具代や、セミナー代を経費として計上できます。
しかし、経費の上限はどこまでなのか気になりますよね。
何が経費になるのか、経費はどれくらいまで計上ができるのか気になりませんか?
そこで、どんな物が経費になるのか、経費の上限はどこまでなのかといった疑問について見ていこうと思います。
1.個人事業主が経費に計上するために必要なもの
個人事業主が経費を計上するためには必要なことがいくつかあります。
どういった物が必要になるのでしょうか?
必要になるものは以下の4つのものになります。
- 領収書、レシート
- 出金伝票
- クレジットカード利用伝票
- ATMの振込明細書、通帳の記録 など
それでは一つずつ見ていきましょう。
領収書、レシート
これは何を買ったのかを証明するためのものになります。
領収書、レシートが経費に計上するために、必要な証拠として確定申告時に必要です。
ただし、事業で必要な商品を買ったときの日付、支払った人の名前・会社名が記入されていないと証明として使えないので注意しましょう。
出金伝票は企業が支払った証拠として、利用が可能です。
きちんとした書式、日付、誰が支払ったのかなどが記入されていると、経費に計上するための証拠となります。
クレジットカード伝票
クレジットカード伝票とは、クレジットカードで支払った後に発行される伝票のことです。
伝票は2種類に分けられます。
- 利用明細
- 請求明細
利用明細とは、支払ったお店から受け取れるものです。
請求明細とはクレジットカードを使った店名、利用日時、金額などが表示された明細です。
どちらも保管する必要があり、税務署からの調査があった時の証拠となります。
WEBで明細書が出てくるので、早めに印刷して保管しておきましょう。
クレジットカード伝票は領収書・レシート、出金伝票と同じように「誰が、いつ購入したか」という証明ができます。
ただし、個人事業主が経費として計上する場合、クレジットカード伝票は利用明細と請求明細を揃えることによって証明が可能です。
ATMの振込明細書、通帳の記録
振込明細書と通帳の記録に、日付や支払った人の名前が掲載されているので、経費の計上の証拠として利用できます。
例えば、振込手数料などを経費として計上したいときの証拠として利用可能です。
同様に通帳の記録も振込明細書と同様に利用可能です。
経費の計算が面倒と感じる方には、経費計算ができるアプリが無料で提供されています。
2.個人事業主が経費を計上できるメリット
個人事業主になったら経費を計上できると言われますが、どういうことでしょうか?
実は利益を出すのに使った書籍やセミナー代、交通費などを経費として計上できます。
個人事業主が1年間、事業であげた利益から経費の一部をひくことができ、その引いた分を利益として確定申告を行うことが可能です。
経費として計上すると、確定申告後の支払う税金が安くなるので、結果として節税につながります。
会社員は、副業で所得を得るまでに使ったセミナー代金などが経費として計上できます。
一方の個人事業主が経費として計上できるものは、上記のものに加えて仕事で使う道具の費用、セミナー代など会社員と比べて経費として計上できるものが多いです。
経費に計上すると税金が安くなることが分かりましたが、経費に計上しすぎるとどのようなデメリットが出てくるのでしょうか?
3.経費にしすぎると起こるデメリット
経費にすると節税になるというのがメリットになりますが、やりすぎは逆にデメリットになります。
ではどんなデメリットがあるのでしょうか?
- 税務署からペナルティを受ける可能性がある
- 税務署からペナルティを受けると銀行の融資が受けにくくなってしまう
経費にできるからといって経費にしすぎると、税務署から目をつけられる可能性もあります。
どこまでを経費にできるのか、あらかじめ税理士に確認をとっておきましょう。
経費が適切に計上されていないと、税務署からペナルティを課せられてしまいます。
税務署からのペナルティをもらうと、より多くの税金を課せられることになっていまします。
本来納めるべき税金よりも安く納めた場合は、未納分に10パーセントの税金がかかってきます。
納付すべき税金があったにもかかわらず、税金を納めていない場合は50万円以下なら15パーセントの税金が、50万円以上なら20パーセントの税金の課税です。
このように税務署からペナルティを受けると、銀行からの融資を受けづらくなってしまうというデメリットもあります。
適切に経費を計上することはもちろんのこと、きちんと経費にすべきものと、そうでないものの区別をつけておきましょう。
それでは経費にできるものについて見ていきたいと思います。
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4.実はこれ経費に計上できるんです!
実は個人事業主は使ったもの全てを経費に計上できるわけではありません。
ここから経費に計上できるものと、経費に計上できないものをお伝えしていきます。
実は経費として計上できるもの
- 仕事で使う道具、セミナー代などの勉強代
- 事務所として使っている家の家賃、光熱費
- 仕事で使う車両の車体代金、維持費
- 仕事で使うスマートフォンなどの通信機器
仕事で使う道具、セミナー代などの勉強代
仕事で使う道具、セミナー代などの勉強代は経費として計上することが可能です。
セミナーに行くために電車やバスを使った場合は「交通費」として計上ができます。
仕事で使う道具として、個人事業主が仕事でスーツを購入する際は「消耗品費」もしくは、「福利厚生費」としての計上が可能です。
仕事で使う文房具は「消耗品費」、業務中のお菓子は「福利厚生費」として経費として認められます。
個人事業主が仕事に関係するセミナーに参加した場合は「教育訓練費」もしくは、「福利厚生費」として計上が可能です。
事務所として使っている家の家賃、光熱費
自宅を事務所として利用している場合は経費として認められるケースがありますが、持ち家の場合は家賃が発生しないため経費が発生しません。
しかし賃貸の場合、家賃が発生するため経費に計上ができます。
賃貸の場合は「自宅に仕事場を設置して経費とする場合」と「作業時間で経費にする場合」の2種類に分けられます。
「自宅に仕事場を設置して経費とする場合」は「家事関連費」としての計上ができます。
自宅で作業を行う場合は、「作業時間で経費にする場合」は事業として使う分と、普段の生活で使う時間を計算して計上しなくてはなりません。
事業で使った分と普段の生活で使った分とを分けて、経費がどれくらいになるかを計算することを家事按分(かじあんぶん)と言います。
例えば家賃の場合だと、作業を行うのに自宅の表面積をどれくらい利用しているのか、電気代なら使用時間などを計算しなくてはなりません。
経費の計算が面倒という方は、無料で経費計算ができるアプリが提供されています。
経理作業を行うために開発されたアプリで、スマートフォンでも家事按配(かじあんばい)の計算が行えます。
使い方は領収書を写真で撮るだけで、計算を行ってくれるものになります。
仕事で使うスマートフォンなどの電子機器
次は、仕事で使うスマートフォンなどの通信機器になります。
スマートフォンに限らず、パソコンなどの電子機器も経費に計上可能です。
この場合のスマートフォンですが、購入は「消耗品費」、使用料金は「通信費」として計上できます。
パソコンの場合は値段によって変わってきます。
パソコンの値段が10万円未満の場合はそのまま「消耗品費」もしくは、「事務用品費」として計上可能です。
パソコンの値段が10万円以上20万円未満の場合、「減価償却処理」もしくは「一括減価償却処理」が必要になります。
20万円未満のパソコンなら資産として、一度計上する必要があります。
30万円以上のパソコンの場合、減価償却処理を行う必要があります。
一括減価償却処理はできないので注意です。
減価償却処理とは、購入費用を使用している期間に分割して、購入費用を計上する処理のことです。
これを「資産計上」と呼び、そのあとで減価償却する必要があります。
このようにパソコンは値段によって計上のやり方が変わってきますので注意です。
次は経費に計上できないものについて見ていこうと思います。
5.注意!これは経費に計上できません
個人事業主は様々なものを経費に計上することができますが、実は経費に計上できないものもあります。
なんでも経費に計上することができるというわけではありません。
さらに、経費にするにも限度があるので、そのあたりも注意が必要です。
経費として計上できないものは以下の通りです。
- 事業とは無関係のもの
- 事業主の給料
- 眼鏡など日常で使うもの、保険等
事業とは無関係のもの
経費として計上できないのは、事業とは無関係のものになります。
例えば、個人事業主の趣味や事業に使わない車両などは経費にすることができません。
スーツは経費に計上できるということを書きましたが、職種によってスーツが必要と認められた場合や、一定の種類や品質・数量を必要とする職種と認められた場合に計上が可能です。
個人事業主が展開している事業と関係があると認められない場合は、経費に計上ができないので注意です。
もちろん知人へのプレゼント代、お小遣いもプライベートとみなされ、経費に計上することができません。
事業主の給料
事業主の給料は、経費に計上することができません。
事業主が1年の所得から生活費を受け取った場合には、「事業主貸」という勘定科目になります。
同様に家族や親族に仕事を手伝ってもらい、その分の対価として給料を支払った場合も経費として認められないので注意です。
経費として認められる方法として家族や親族の給料を経費にできるケースが2つあります。
そのケースとは「例外が適用される条件をそろえること」、「個人事業を法人化する方法」の2つです。
1つ目は「15歳以上で半年以上事業主と一緒に働いており、収入がその事業のみで、配偶者控除、扶養控除外」であることが条件となっております。
「事業貸主」は経費に計上ができません。
2つ目の方法は個人事業を法人化して、家族や親族を従業員として雇ったときの給料の分を経費にする方法です。
従業員の給料や諸手当は「給料賃金」という勘定科目になり、経費扱いで大丈夫です。
家族や親族が従業員という立場になったときに、給料を経費に計上することができます。
眼鏡など日常で使うもの、保険等
眼鏡など、仕事だけでなく普段も使うものも経費に計上できません。
こちらの場合も事業で使うものであったとしても、プライベートとの線引きが難しいためとされております。
眼鏡だけでなく、健康維持のためのスポーツクラブの料金や、生命保険等も経費になりません。
このほかにも、家のローンや家庭のために支払われたものなども経費できないです。
このように業務用とプライベート用との線引きが難しい場合には、経費として認められないケースが多いので押さえておくといいでしょう。
迷った場合は税理士さんに確認をとってみることをおすすめします。
6.まとめ
個人事業主は会社員とは違い、利益から経費を差し引くという形によって節税できます。
しかし、なんでも経費にできるというわけではなく、経費にできるものが決まっています。
また経費にしすぎると、税務署からペナルティーが課せられるので注意が必要です。
経費にできるかどうかは仕事で使うものであるか、プライベートとの線引きができるのかどうかを確かめてみましょう。
プライベートとの線引きが難しい場合は、経費にできない可能性があります。
「これは経費になるのかな?」と思ったら税理士さんに聞いてみるのも1つの手です。
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