納品日:2019-12-26
都道府県:東京
メーカー:FUJIFILM
機種名:DocuCentre-VI C2264
コピー機や複合機は日常業務で当たり前のように使われていますが、いつ発明され、どのような技術の積み重ねで今の姿になったのかを意識する機会は意外と少ないのではないでしょうか。
しかし、コピー機の歴史やしくみ、代表的なメーカーそれぞれの特長を知っておくと、自社に合った複合機を選ぶときの判断材料として大いに役立ちます。「なぜこの機能が必要なのか」「どこにコストをかけるべきか」が見えやすくなるからです。
コピー機・複合機について、こんな疑問はありませんか:
そこでこの記事では、コピー機の誕生から現在の複合機に至る歴史と、代表的な複合機メーカーの特徴、導入時に押さえておきたいポイントをわかりやすく解説します。
コピー機・複合機の歴史と現在地を一度整理しておくことで、これからの機種選びや入れ替えの場面でも納得して判断しやすくなりますので、気になるところから読み進めてみてください。

監修者
千々波 一博
(ちぢわ かずひろ)
保有資格:Webリテラシー/.com Master Advance/ITパスポート/個人情報保護士/ビジネスマネージャー検定
2004年から通信業界で5年間営業として従事。その後、起業して他業種に進出。OFFICE110に営業で入社し、月40~60件ほどビジネスホン・複合機・法人携帯などを案内。現在は既存のお客様のコンサルティングとして従事。
2004年から通信業界で5年間営業として従事。その後、起業して他業種に進出。OFFICE110に営業で入社し、月40~60件ほどビジネスホン・複合機・法人携帯などを案内。現在は既存のお客様のコンサルティングとして従事。
コピー機の歴史は、18世紀後半にさかのぼる約250年にわたる複写技術の進歩の積み重ねです。
現在のような電気を使うコピー機が登場するはるか前から、書類を効率よく複写するための仕組みは工夫されてきました。どのような技術の変遷があって今のコピー機につながっているのかを知ると、オフィス機器としての位置づけもよりクリアに見えてきます。
ここでは、コピー機の歴史を次の3つの区分に分けて整理して解説します。
コピー機の歴史の3つの区分:
コピー機の歴史を押さえておくと、現在の複合機がどのような技術を土台に発展してきたのかも理解しやすくなります。
コピー機の起源は、1779年に蒸気機関の発明で知られるジェームズ・ワットが考案した複写の仕組みにさかのぼります。
ワットが発明した仕組みはとてもシンプルで、薄い紙とインクを使って文字を転写するものでした。裏側にまでインクが染み込むほどの非常に薄い紙を用意し、その紙と別の紙を重ねて押し付けることで文字をコピーします。
この方法は機械を使わず、紙とインクだけで同じ内容を複製できる画期的な技術でした。当時のビジネス文書の控えや記録に広く使われ、なんと20世紀に入るころまで長く活躍し続けました。
このワットの仕組みは、「原稿を効率よく複写する」というコピー機の基本発想を形にした最初の技術だといえます。
1951年になると、ドイツで「ジアゾ式複写機」と呼ばれる新しいタイプのコピー機が開発されました。
ジアゾ式は、ジアゾ化合物(窒素化合物)を用いたコピー方式で、紫外線を照射して感光させることで複写を行います。つまり、化学反応を利用して原稿の濃淡を写し取る複写方法です。
ジアゾ式には湿式・乾式・熱式など複数のタイプがありますが、一般的だったのは現像液が塗られた紙を使う湿式タイプです。この方式ではコピー紙の発色が主に青色になるため、「青焼き複写機」とも呼ばれていました。
現在では古いコピー方式に思われがちですが、設計図面などの大判図面を扱う用途では、今でもジアゾ式複写機が生産・利用されています。
ジアゾ式複写機の登場によって、図面や設計資料を短時間で大量に複写できる環境が整い、製造業や建設業の現場では欠かせない存在になりました。
1959年には、アメリカで「PPC複写機」と呼ばれる、現在のコピー機に直結する方式が登場しました。
PPC複写機は、ジアゾ式が「青焼き複写機」と呼ばれるのに対し、普通紙に出力できることから「白焼き複写機」と呼ばれることもある複写方式です。この複写機は、電気の力で画像記録を行う「ゼログラフィ」という技術をもとに開発されました。
発売されたコピー機は『ゼロックス』という製品名で、欧米では現在でもコピー機のことを「ゼロックス」と呼ぶことがあるほど、ブランド名が一般名詞化しています。※『ゼロックス』は、米国のハロイド社(のちのゼロックス社)が開発した製品です。
PPC複写機は、それまでの方式とは異なり、薬品を塗った特別な用紙を使う必要がなく、普通紙にそのままコピーできるという大きなメリットがありました。さらに、コピーするときに拡大・縮小ができるなど、利便性の高い機能が充実していたことも特徴です。
現在主流のオフィス向けコピー機は、このPPC複写機の技術をベースに進化してきました。なお、大手メーカーである富士フイルム(旧富士ゼロックス)は、米国ゼロックス社と日本の富士フイルムの提携を経て発展してきたメーカーとして知られています。
PPC複写機の登場により、「普通紙に高速・高品質で出力できるコピー機」が実現し、現在の複合機へとつながる大きな転換点が生まれました。
コピー機の技術が発展するなかで、1980年代になるとコピー以外の機能も1台にまとめた「複合機」が登場しました。
当初はコピー機能にFAX機能が追加され、その後プリンター機能やスキャン機能なども加わり、1台でさまざまな業務をこなせるようになりました。オフィススペースの有効活用や配線の簡素化にもつながり、複合機は多くの企業で標準的な設備になっています。
このセクションでは、複合機がどのように誕生し、現在どのような機能を備えた機器になっているのかを整理して解説します。

現在のコピー機(複合機)は、コピー・プリント・FAX・スキャンといった複数の機能を1台に集約したオールインワン機器として、オフィスの情報処理を支えています。
基本の4機能に加えて、用途に応じたさまざまなオプション機能を搭載した機種も増えており、業務内容に合わせて柔軟に機能構成を選べるのが複合機の大きな特長です。
ここでは、現在市場に出回っている複合機の代表的な機能として、次の5つの機能を取り上げて解説します。
複合機で代表的な5つの機能:
複合機の主な機能を整理して理解しておくと、自社にとって本当に必要な機能を見極めやすくなり、ムダのない機種選びにつながります。
コピー機能は、原稿のテキストや画像などを紙の上で複製するための基本機能です。
会社の契約書や見積書、身分証、設計図、イラストなど、さまざまな種類の原稿をそのまま、もしくは編集しながら複写できます。
単にオリジナル原稿を同じサイズでコピーするだけでなく、次のような編集を加えたコピーも可能です。
コピー機能でよく使われる編集例:
こうした編集機能を活用することで、会議資料や配布物を見やすいレイアウトでまとめたり、紙の使用量を抑えたりといった工夫がしやすくなります。
プリント機能は、PCやモバイル端末(スマホ・タブレットなど)に保存されたデータを紙に出力する機能です。
PDFやWord、Excelなど、業務でよく使われる形式のデータを簡単に印刷して紙の資料として活用できます。メールで受け取った資料をそのままプリントしたり、社内で作成した文書を会議用に印刷したりする場面で重宝します。
データはデジタルのまま共有することもできますが、紙に出力するとメモを書き込んだり、対面の打ち合わせで資料として配布したりしやすくなります。プリント機能を上手に使うことで、デジタルと紙を組み合わせた柔軟な情報活用が可能になります。
FAX機能は、文書や図面などの画像データを電話回線やネットワーク回線を通じて送受信する機能です。
基本的な使い方としては、受信したFAXデータを紙に印刷して確認したり、紙の原稿を読み取って相手先に送信したりします。依然としてFAXでのやり取りが主流の取引先が多い業種では、欠かせない機能です。
近年はFAX機能も進化しており、必ずしも紙を使う必要はありません。たとえば、PCから複合機に直接送信指示を出し、そのまま相手先にFAXデータを送信できます。つまり、「PCから一度プリントしてから読み取って送信」という手間を省いて送信できるようになりました。
また、FAXを受信する際も、紙にプリントアウトせずにPCやモバイル端末へメール転送したり、コピー機本体にデータとして保存したりすることが可能です。紙に出力しなければ、ペーパーレス化と消耗品コストの削減にもつなげられます。
FAX関連機能としてはそのほか、複合機のパネル上で内容を確認できるプレビュー機能や、宛先の確認機能など、誤送信やムダな印刷を防ぐための便利な機能も搭載されています。
▼ コピー機のFAXの送り方や注意点を詳しく知りたい方はこちら
スキャン機能は、紙の原稿を読み込んでデジタルデータとして保存する機能です。
紙の文書や写真、図面などをスキャンしてPCやモバイル端末に保存すれば、社内での共有やバックアップがしやすくなり、必要なときにすぐ検索して取り出せるようになります。クラウドストレージに保存すれば、外出先や在宅勤務の環境からでも閲覧可能です。
紙のままファイル保管しておくと、紛失や汚損のリスクがありますが、デジタル化しておけば保管スペースの削減にもつながります。なかには、スキャンしたデータをPDFだけでなく、WordやExcelといった編集可能な形式に変換できる複合機もあります。
こうした機能を活用することで、紙の書類をデータベース化し、業務のペーパーレス化と情報の一元管理を進めやすくなります。
オプション機能とは、基本機能に加えて業務に合わせて追加できる便利な拡張機能のことです。
標準のコピー・プリント・FAX・スキャン機能だけでなく、原稿の自動読み取りや製本、仕分けなど、作業効率を大きく高める機能を追加できます。
主なオプション機能には、次のようなものがあります。
複合機で代表的なオプション機能:
たとえば、ページ数の多い資料を大量に印刷する場合でも、フィニッシャーやブックレットフォルダーを使えば人手を介さずにホチキス留めや中綴じまで自動化できます。
オプション機能を上手に活用することで、印刷物を扱う作業時間を大幅に削減し、バックオフィス業務の省力化やミス削減につなげることが可能です。
複合機を導入するときは、メーカーごとの特長を理解しておくことで自社の業務に合った1台を選びやすくなります。
ここからは、オフィス向け複合機でよく選ばれている次の3社について、代表的な特長を整理してご紹介します。
本記事で紹介する主な複合機メーカー:
メーカーごとの強みを押さえておくことで、画質・価格・操作性など重視したいポイントに合うメーカーを比較しやすくなります。

FUJIFILM(富士フイルム)の複合機は、高画質なプリントと優れた耐久性を両立したい企業に選ばれているメーカーです。
富士フイルムは、『Apeos』シリーズで知られる大手メーカーで、白黒基調のシンプルなデザインがオフィスに自然になじむ点も評価されています。外観だけでなく、印刷品質や信頼性の高さも大きな特長です。
FUJIFILMの複合機は画像プリントアウトの技術に優れており、色彩再現性は業界でもトップクラスといえるレベルです。
微細なトナー粒子を採用しているため、風景写真や人物の肌色、細かなグラフや線画などもなめらかで自然な仕上がりになります。プレゼン資料やカタログなど、画質にこだわりたい印刷物が多い企業に向いています。
FUJIFILMの複合機は、全国各地のセブンイレブンに設置されているマルチコピー機としても採用されています。
日々多くのユーザーが利用するコンビニエンスストアで稼働していることから、高い稼働率にも耐えられる堅牢性と安定した印刷品質が実証されているといえます。
複合機は高額な設備のため、長期間にわたって安心して使い続けられる耐久性が重要です。
FUJIFILMの複合機には、内部パーツの状態をチェックする異常検知センサーが組み込まれており、重大なトラブルになる前に異常を察知して対処しやすい設計になっています。
FUJIFILMは、J.D. パワー「2022年カラー複合機顧客満足度調査」で、「商品」「保守サービス」「営業対応」「コスト」の4項目において高い評価を獲得しています。
初めて複合機を導入する企業にとっても、品質・サポート・コストのバランスが良いメーカーとして安心して検討しやすいでしょう。
注意点としては、中古品に対するメーカー保守には基本的に対応していないため、中古機を導入する場合は販売店独自の保守やメンテナンス体制を事前に確認しておくことが大切です。
富士フイルムの複合機を選ぶ際は、高画質と耐久性、そして中古導入時の保守体制まで含めてトータルで比較するようにしましょう。

SHARP(シャープ)の複合機は、導入コストを抑えつつ使い勝手の良い複合機を導入したい企業に向いたメーカーです。
SHARP(シャープ)は、デジタルフルカラーの『BP-○○C』シリーズやモノクロの『BP-○○M』シリーズ、A4複合機の『MX』シリーズなど、用途に応じて選べる幅広いラインナップを展開しています。
SHARPのコピー機は、本体価格が比較的リーズナブルなのが大きな特長です。フルカラー複合機でも100万円を切るクラスの製品があり、A4複合機なら約60万円前後のモデルもあります。
また中古品の流通量も多く、市場価格がこなれているため、状態の良い中古機なら10万円以下で導入できるケースも珍しくありません。初期費用を抑えたい小規模オフィスやスタートアップにも検討しやすいメーカーです。
SHARPの複合機は、全国に店舗網を持つローソンとファミリーマートのマルチコピー機として採用されています。
コンビニでの24時間稼働を支える必要があるため、信頼性と耐久性、使いやすさのバランスが取れた複合機として評価されていることがうかがえます。
SHARPの強みのひとつが、中古品であっても保守点検サービスの対象になるケースが多い点です。
新品だけでなく中古品でもメーカーやサービスパートナーのサポートを受けられるため、予算の都合で中古導入を検討している企業にとっても安心です。
さらに、『MX』シリーズはコンパクトな筐体が多く、オフィスの限られたスペースにも設置しやすい点も魅力です。A3デジタル複合機の複数シリーズが「2022年度グッドデザイン賞」を受賞しており、スタイリッシュなデザインも高く評価されています。
SHARPの複合機を検討するときは、「導入コスト」「デザイン性」「中古導入時の保守対応」の3点を軸に、他メーカーと比較してみるとよいでしょう。

Canon(キヤノン)の複合機は、高い印刷品質と充実した機能性を、直感的な操作性で使いたい企業におすすめのメーカーです。
Canon(キヤノン)は、『imageRUNNER』シリーズで知られる複合機メーカーで、カメラメーカーとして培った映像技術を活かした画質の高さにも定評があります。
Canonの複合機は、カメラメーカーとしての強みを活かした高精細なカラー印刷が大きな特長です。
細かい線やグラデーションも忠実に再現できるため、写真を多用する資料やカラーカタログなどを大量印刷する場面でも安定した品質が期待できます。薄めの用紙を使っても裏写りしにくく、社外配布用の資料にも適しています。
ラインナップのなかには、業務効率を高めるための機能が豊富に搭載されたモデルもあります。
たとえば、事前に設定したルールにもとづき自動でファイル名を付与したりフォルダー分けを行ったりする「ファイリングアシスト」、一度の通紙で原稿の両面を読み取れる「両面同時読み取りADF」など、日々の作業を省力化できる機能が充実しています。
Canonの複合機は、大型で視認性の高いタッチパネルを搭載し、直感的な操作で必要な機能にアクセスしやすいUIを採用しています。
ユーザーごとに画面レイアウトをカスタマイズしたり、よく使う機能をトップ画面にまとめて表示したりできるため、操作に不慣れな方でも使いこなしやすい点がメリットです。
一方で、本体価格は他メーカーと比べてやや高めで、中古機の流通量もそれほど多くない傾向があります。ただし、耐久性が高く動作が安定しているため、長期的な運用を前提にするとコストパフォーマンスは十分見合うケースが多いといえます。
Canonの複合機を選ぶ際は、初期費用だけでなく、印刷品質や業務効率化の効果も含めた「長期視点のコストパフォーマンス」で比較するのがおすすめです。
なお、以下の記事では本記事で紹介した3社を含め、主要な複合機メーカーを比較していますので、メーカー選びに悩んでいる方はあわせてご確認ください。

オフィスのコピー機・複合機について検討するときは、機種選定から保守までまとめて相談できるパートナーがいると安心です。
コピー機選びでよくあるお悩み:
コピー機選びや購入でお悩みなら、『OFFICE110』にぜひご相談ください。OFFICE110は、オフィス機器販売から各種工事・保守までを一貫してサポートするサービスです。
全国12万社以上とのお取引実績を持つ私たちは、コピー機(複合機)のご要望を丁寧にヒアリングし、企業ごとに最適な導入プランをご提案します。
OFFICE110の特徴
コスト面と機能面の両方でバランスの取れた製品のなかから、お客さまの予算・業務内容・設置環境に合わせて最適な1台を一緒にお選びします。販売後は専門のメーカースタッフが定期的なメンテナンスやトラブル対応に伺うため、長期間にわたって安定した運用が可能です。
オフィスに導入する高機能・低コストのコピー機をお探しの方は、まずはご相談だけでも構いませんので、コピー機・複合機のプロである私たちOFFICE110にお気軽にお問い合わせください。

コピー機の歴史は、18世紀の複写技術から現在の複合機に至るまでおよそ250年にわたる進化の積み重ねです。
ジェームズ・ワットによる複写の仕組みから始まり、ジアゾ式複写機やPPC複写機の登場を経て、コピー機は普通紙への高速・高画質な出力を実現してきました。その流れのなかで、コピー・プリント・FAX・スキャンなど複数の機能を1台に集約した「複合機」が主流となり、オフィスの情報処理を支える中心的な存在になっています。
現在は、各メーカーが業務効率化やペーパーレス化、セキュリティ対策などを意識した多彩な機能を搭載しており、自社の業務に合った複合機を選べるかどうかが、生産性やコストに大きく影響します。
コピー機・複合機を導入するときは、歴史や仕組み、メーカーごとの特長を踏まえたうえで、印刷枚数・利用シーン・予算・保守体制などの条件を整理しながら比較検討することが大切です。
どの機種が自社に合うのか迷ったときは、複合機選びに詳しいパートナーに相談しながら、自社の業務にフィットする1台を一緒に見つけていきましょう。


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