納品日:2019-12-26
都道府県:東京
メーカー:FUJIFILM
機種名:DocuCentre-VI C2264
オフィス業務に欠かせない複合機ですが、ネットワークにつながる現在ではPCと同じようにサイバー攻撃や情報漏えいの標的になり得る機器です。
万が一情報が流出すると、社会的信用の失墜や知的財産の損失、個人情報保護法違反といった重大なトラブルに発展する可能性があります。見落としがちな設定や運用のスキも含めて、早めに対策を講じておくことが重要です。
そこでこの記事では、複合機に潜む6つのセキュリティリスクとその被害事例、そしてリスク別の具体的な対策をわかりやすく整理します。
この記事でわかること:
複合機をこれから導入する方も、すでに運用中の環境を見直したい方も、自社のセキュリティレベルを確認し「今どこから対策すべきか」を整理するヒントとして読み進めてみてください。

監修者
千々波 一博
(ちぢわ かずひろ)
保有資格:Webリテラシー/.com Master Advance/ITパスポート/個人情報保護士/ビジネスマネージャー検定
2004年から通信業界で5年間営業として従事。その後、起業して他業種に進出。OFFICE110に営業で入社し、月40~60件ほどビジネスホン・複合機・法人携帯などを案内。現在は既存のお客様のコンサルティングとして従事。
2004年から通信業界で5年間営業として従事。その後、起業して他業種に進出。OFFICE110に営業で入社し、月40~60件ほどビジネスホン・複合機・法人携帯などを案内。現在は既存のお客様のコンサルティングとして従事。

オフィスで日常的に使っている複合機は、印刷・コピー・スキャン・FAXなどあらゆる情報が集まる機器であり、適切な対策をしていないと社内外への情報漏えいの起点になってしまうリスクがあります。
最近の複合機は、PCやサーバーとネットワーク接続されているだけでなく、USBメモリやSDカードなどの外部記憶媒体の利用、クラウドサービスとの連携、Webサーバー機能などを備えた多機能なモデルが一般的です。
これらの機能が不正アクセスや不適切な設定・運用によって悪用されると、複合機に接続されたPC内のデータや、複合機で読み取った原稿データが外部に流出するおそれがあります。
こうした背景から、複合機はプリンターというよりも「ネットワーク機器」「情報システム」の一部と考え、包括的な情報漏えい対策を行うことが不可欠です。
複合機から情報漏えいが起きた場合の主な影響:
複合機は日々進化しており、オフィス内だけでなくリモート環境やインターネット経由で利用できる機種も増えています。国内ではIPA(情報処理推進機構)がデジタル複合機向けのセキュリティ要件を公表しており、国際標準に基づいた対策の重要性が指摘されています。
もし現在、パスワード管理やアクセス制御、ログ管理などの基本的な対策が十分でない場合は、まず自社の複合機の利用状況と設定を棚卸しし、放置されがちなリスクから順に対策を始めることが重要です。
複合機まわりのセキュリティリスクは、大きく分けると6つのパターンに整理できます。
どれも「よくある使い方」の延長で起こりやすく、ひとたび事故になると取引停止や賠償対応など、ビジネスへの影響が長期化する点が厄介です。
ここではまず、代表的な6つのリスクの全体像を確認してから、起こり方と事例を見ていきます。
ネットワーク接続された複合機は便利な一方で、インターネット経由の不正アクセスや盗聴・改ざんの入口にもなり得ます。
最近の複合機はPCやスマホ、クラウドと連携してデータの送受信ができるため、設定次第では社外から管理画面にアクセスされたり、通信途中の情報を盗み見られたりするリスクがあります。
特に、管理画面のID・パスワードを初期値のまま使っていたり、「000000」「password」といった推測しやすい文字列にしていたりすると、外部から簡単にログインされてしまう可能性があります。
【事例】管理パスワード未設定で企画書データが流出
セキュリティと聞くとまず「ウイルス感染」を思い浮かべる方も多いでしょう。
複合機の制御にはメーカー独自のOSが使われることが多く、一般的なPCに比べると狙われにくい側面はありますが、ファームウェアの脆弱性を突いた攻撃が報告されているのも事実です。
また、複合機そのものが標的にならなくても、複合機に搭載されたサーバ機能を「踏み台」にして社内PCへ侵入されるリスクがあります。
【事例】複合機サーバの脆弱性が入口となり社内PCが感染
複合機のウイルス対策については、以下の記事も参考になります。
FAX機能付きの複合機は電話回線とつながっているため、設定や機種によっては電話回線側から不正アクセスされるリスクがあります。
悪意ある第三者に乗っ取られると、国際電話への不正発信で高額請求を受けたり、FAX経由で社内ネットワークに侵入されたりする可能性があります。
現在販売されている主要メーカーの製品は、FAX回線から社内LANに直接アクセスできないよう配慮されていますが、古い機種や詳細不明な中古機を使っている場合は注意が必要です。
【事例】FAX回線の悪用で高額な国際電話料金が発生
社内の人しか触らないからといって油断していると、操作パネルからの不正操作で機密情報が簡単に閲覧・持ち出しされてしまう場合があります。
ユーザー認証や機能制限を行っていない複合機では、誰でも保存ボックスやアドレス帳にアクセスできてしまい、本来権限のない社員が機密文書をコピー・FAX送信することも技術的には可能です。
【事例】誰でも使える状態の複合機から社内機密が持ち出された
多くの複合機にはHDDやSSDといった記憶媒体が搭載されており、そこにスキャンデータや印刷ジョブ、FAX履歴などが保存されます。
もし何らかの形で記憶媒体が持ち出されたり、廃棄・返却時に中身が消去されていなかったりすると、保存されていた顧客情報・社内資料がまとめて漏えいする危険があります。
【事例】返却時にHDD初期化を怠り、顧客データが流出
もっとも身近で、発生頻度が高いのが「紙からの情報漏えい」です。
印刷した資料をトレイに置きっぱなしにしたり、一時的に席を外したりすると、その隙に第三者に見られたり、写真を撮られたり、最悪そのまま持ち去られたりする可能性があります。
【事例】トレイ放置の顧客リストが第三者に盗み見された
最後は、システムの脆弱性ではなく「人の操作ミス」が原因となるリスクです。
FAX番号や宛先を1桁間違えただけでも、本来送るはずのない相手に機密情報を送信してしまうことがあり、回収不能な形で情報が外部に出てしまう点が大きな問題です。
【事例】FAX番号1桁の打ち間違いで取引条件が第三者へ流出
前章で、複合機まわりに潜む6つのリスクを整理しました。ここからはそれぞれに対して、「現実的にまず何をすればいいのか」という視点で対策をまとめていきます。
【複合機の6つのセキュリティ対策】

複合機を社内ネットワークに接続している以上、「どこから誰がアクセスできるか」をコントロールすることが最優先です。
ネットワーク対応複合機は、PCやサーバと同じようにIPアドレス(識別番号)を持っています。
これを活用して、「このIPからのアクセスだけ許可する」というIPフィルタリング設定を行うことで、想定外の端末からの通信をシャットアウトできます。
ファイアーウォールは、インターネットからの不正アクセスやサイバー攻撃をブロックする「防火壁」の役割を担う機能です。
複合機単体で備えている場合もありますが、ファイアーウォール機能付きルーターやゲートウェイを導入し、社内ネットワーク全体を守る構成にしておくと安心です。
UTM(Unified Threat Management)は、ファイアーウォール・IDS/IPS・アンチウイルスなど、複数のセキュリティ機能を1台に集約した機器です。
ウイルス・不正侵入・スパム・DoS攻撃などを包括的に監視・防御できるため、複合機だけでなく社内PCもまとめて守りたい場合に有効です。
複合機の管理画面やスキャンデータ共有機能には、ユーザー名+パスワードでログインさせる認証機能が用意されています。
複合機のログ(利用記録)には、印刷・スキャン・送信の履歴やアクセス元などが残ります。
ログを定期的に確認・保管しておけば、トラブル発生時に原因を追跡しやすくなるほか、「記録されている」という事実自体が不正利用の抑止力になります。
FAX機能付きの複合機は電話回線につながっており、古い機種や設定次第では、ここが思わぬ侵入口になることがあります。
基本的に、現在の主要メーカー製品はFAX回線から社内LANに直接アクセスできない設計になっていますが、古いモデルをお使いの場合は次の点を確認しましょう。
IP電話網を使うFAX機能(インターネットFAXなど)の場合は、ネットワーク側のセキュリティ(ファイアーウォール・UTMなど)もセットで見直しておくと安心です。
操作パネルからの不正操作は、「社内の誰でも自由に使える状態」であるほど起こりやすくなります。
権限のない社員が機密文書にアクセスできないよう、複合機側のアクセス制御を必ず設定しておきましょう。
社員証や交通系ICカードなどを使って、ICカードをかざした人だけが複合機を操作できるようにする方法です。
ユーザー名とパスワードでログインさせ、ユーザーごとに使える機能や保存ボックスを制限することも有効です。
複合機のICカード認証機能については、以下の記事も参考になります。
複合機内部のHDD/SSDには、印刷ジョブ・スキャンデータ・FAX履歴など、さまざまな情報が一時保存されます。
ここからの情報流出を防ぐには、「運用ルール」と「機能設定」の両面で対策することが重要です。
機密文書を扱うときは、印刷や送信が終わったデータを複合機内に残さない運用を徹底します。
具体的な複合機のデータ消去方法をあらかじめ把握し、誰が消去作業を行うのかも決めておくと運用がスムーズです。
記憶媒体に蓄積されるデータを暗号化+上書き消去しておけば、万が一HDDが持ち出されても簡単には内容を復元できません。
主要メーカーはハードディスク暗号化や残存データの自動上書き機能を提供しているため、導入時に「有効になっているか」を必ず確認しておきましょう。
記憶媒体を取り外すには、本体を物理的に操作する必要があります。
そのため、次のような「物理的なセキュリティ」も有効です。
紙からの情報漏えいは「今日からすぐにでも対策できる」分野です。
印刷運用と複合機の機能を組み合わせて、放置・盗み見・持ち出しを防ぎます。
操作パネルでパスワードを入力した人だけが印刷を実行できる機能です。
ジョブだけ先に送信しておき、本人がパネル操作をするまで紙は出てこないため、トレイに放置されることがなくなります。
複合機の置き場所や日常の使い方を少し工夫するだけでも、紙からの情報漏えいリスクは大きく減らせます。
「出力した紙を長時間放置しない」「共有スペースに机置きしない」といった基本ルールを、社内規程や研修で繰り返し周知し、実際の運用に落とし込んでいきましょう。
FAX誤送信は、システムの問題ではなく「人のうっかり」から起こるため、ゼロにすることは難しいリスクです。
そのぶん、ミスを前提にした仕組みづくりが重要になります。
送信履歴から選ぶと楽な一方で、似た名称の取引先を誤って選ぶリスクもあります。
重要度の高い文書については、履歴ではなくアドレス帳や手入力+確認で送るなど、運用ルールを決めておくと安心です。
最近の複合機には、次のような誤送信対策機能が搭載されているものもあります。
FAXの利用頻度が高い場合は、メール+暗号化ZIPやクラウドストレージなど、より安全な手段に徐々に切り替えていくことも、中長期的な対策として検討する価値があります。

こうしたお悩みがある企業さまは、オフィス機器とセキュリティに強い「OFFICE110」にぜひご相談ください。
OFFICE110は、複合機だけでなくUTM・ルーターなどのセキュリティ機器も扱うオフィスインフラのトータルパートナーです。販売から搬入・設置、設定、保守までワンストップで対応し、「印刷環境」と「ネットワークセキュリティ」をまとめて設計できます。
OFFICE110が選ばれる理由:
「どこまで対策すれば十分なのか」「今の環境で足りないところはどこか」など、漠然としたご相談でも大丈夫です
専門スタッフがヒアリングのうえ、予算とリスクに合わせた現実的な対策プランをご提案します。複合機の選定からセキュリティ設計まで、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。

複合機は、単なる「印刷機」ではなく、社内ネットワークにつながる情報機器です。セキュリティ対策を怠ると、外部からの不正アクセスや、紙・HDD・FAXなどを経由した情報漏えいにつながるおそれがあります。
複合機セキュリティで押さえておきたいポイント:
情報漏えいが起きてからの対応は、信用・コスト・時間のすべてで大きな損失につながります。リスクが顕在化する前に、自社の複合機環境を一度棚卸しし、必要な対策を早めに打っておきましょう。


お問い合わせ後、
内容のヒアリング

見積書・保守契約の説明
各種資料の提出

納品日の日程調整

設置工事~完了

ご納得頂けるまで何度で
も対応いたします。

中古は新品同様までクリ
ーニングをしたS級品。

工事費も業界最安値で
ご提示します。

各種お支払い方法をご
用意しました。