オフィスのLANケーブルをすっきり整理!上手な配線のコツを解説
スタッフの増員や機器の増設により、たくさんのLANケーブルを敷設した結果、オフィス内の配線が乱雑になってしまうことは少なくありません。
しかし業務に支障はないからと放置しているオフィスも数多く見受けられますが、乱雑になったLANケーブルは思わぬ事故につながる危険性があるため、配線整理が必要不可欠です。
そこで本記事では、LANケーブルの配線整理について以下の4点をわかりやすく解説します。
- オフィスでLANケーブルの配線整理が必要な理由
- LANケーブルをスッキリ綺麗にまとめるためのコツ
- オフィスの配線の悩みを解決できる根本的な悩み
- LANケーブルの配線は自分で可能なのかどうか
自社で対応できることと、専門業者に依頼すべき工事についても解説しますので、失敗なく配線整理をしてオフィスをすっきりさせたい方は最後まで必見です。
監修者
登 雄三
(のぼり ゆうぞう)
保有資格:工事担任者(AI・DD総合種)/電気工事士
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国各地でビジネスフォン・複合機・防犯機器などのOA機器の販売や電話工事、電気工事、LAN配線工事、VPN構築を主に手掛ける。2023年には名古屋へ拠点進出。
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国各地でビジネスフォン・複合機・防犯機器などのOA機器の販売や電話工事、電気工事、LAN配線工事、VPN構築を主に手掛ける。2023年には名古屋へ拠点進出。
オフィスでLANケーブルの配線整理が必要な理由
スタッフの増員や機器の増設などによって、どんどん増えていくLANケーブル。
オフィス内の配線が乱雑になったまま、「業務が忙しい」を理由にそのまま放置にしてしまうケースは少なくありません。
しかし、オフィスのLANケーブルを乱雑なまま放置しておくことには、見栄えが悪いだけでなく思わぬ事故のリスクもあるため注意が必要です。
ここでは、オフィスでLANケーブルの配線整理が必要な理由を解説します。
見苦しい配線はオフィスの景観を損ねる
LANケーブルの配線整理が必要なのは、見苦しい配線はオフィスの景観を損ねるからです。
オフィス内のケーブルが床の上でぐちゃぐちゃになっていたり、壁に垂れ下がっていたりすると、どうしても見栄えが悪くなります。
乱雑に放置された配線ケーブルは、来客があった場合に会社のイメージに悪い影響を与えます。
整理整頓ができていないとだらしない印象を与えて信頼を失ったり、営業機会を失ったりするリスクも考えられるでしょう。
さらにオフィスで働くスタッフも、配線がごちゃごちゃとした環境だと気持ちよく仕事に打ち込めずに、ストレスを生む原因になるかもしれません。
以上より職場環境を快適にするには、配線整理を含む整理整頓が不可欠です。
転倒や断線、破損につながる恐れがある
オフィスでLANケーブルの配線整理が必要な2つ目の理由は、従業員の転倒やケーブルの断線、破損につながる恐れがあるからです。
配線が床にむき出しになっている状態だと、従業員がケーブルに足を引っ掛けて転んでしまう可能性があり、大変危険です。(厚生労働省「STOP!転倒災害プロジェクト」)
またケーブルに足を引っ掛けると、パソコンなどの機器が落下して破損につながる恐れや、ケーブルの劣化・断線につながる恐れもあるため、綺麗に整理整頓をしておくべきです。
埃が溜まるとショートや発火の危険性がある
オフィスでLANケーブルの配線整理が必要な3つ目の理由は、ケーブルや差し込み口に埃が溜まるとショートや発火の危険性があるからです。
ケーブル類の配線はデスクの下など掃除しにくい場所にあることが多く、LANケーブルの差し込み口の周りに埃が溜まってショートし、最悪の場合には機器が故障する恐れがあります。
LANケーブルだけでなく、電話線などさまざまな配線が乱雑に放置されている場合、溜まった埃が電源コードに干渉するなどして発火する可能性もゼロではないでしょう。
通信障害時に原因の切り分けが難しくなる
オフィスでLANケーブルの配線整理が必要な4つ目の理由は、ケーブルが乱雑になっていると通信障害時に原因の切り分けが難しくなるからです。
たくさんのケーブルやコード類で配線がぐちゃぐちゃになっているオフィスでは、どこが原因で通信障害が起きているのか判別するのに時間がかかり、復旧が迅速に進まないことがあります。
また通信障害時だけでなく、機器の入れ替えや増設の際にも、どれがどのケーブルなのか1本1本元を辿る必要があり作業が滞ったりと、非効率になってしまう点も大きな懸念点です。
乱雑にケーブルをまとめると干渉や通信不良の恐れがある
オフィスでLANケーブルの配線整理が必要な5つ目の理由は、乱雑にケーブルをまとめると干渉や通信不良の恐れがあるからです。
LANケーブル同士を束ねるとケーブルがお互いに干渉し、「エイリアンクロストーク」という現象によりノイズ(速度低下や接続不良)が発生する恐れがあります。
また家電製品のケーブルとLANケーブルが隣り合っていたり近くにあったりすると、家電製品から発生したノイズがLANケーブルに伝わり、ノイズが電流になって通信速度が遅くなったりと不安定になる可能性もあるのです。
よってLANケーブルは乱雑にまとめるのでなく、計画的に配線整理することが重要になります。
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オフィスのLANケーブルをすっきりまとめるコツ4選!
オフィスのLANケーブルを配線整理して、すっきりまとめるコツは以下の4つです。
- オフィス環境や用途に適切なケーブルを使う
- モールの活用でケーブルを保護・配線を隠す
- 結束バンドやスパイラルチューブで束ねる
- 束ねたケーブルは床から浮かせて固定する
ここでは、それぞれのコツを具体的に解説します。
業者に依頼しなくても自社でできる作業は数多くありますので、ぜひ参考にしてください。
①オフィス環境や用途に適切なケーブルを使う
オフィスのLANケーブルをすっきりまとめるコツのひとつは、オフィス環境や用途に適切なケーブルを使うことです。
LANケーブルには、大きく以下の3種類の形状があります。
(画像引用:LD-TWS/BU1 ELECOM) スタンダードケーブル |
(画像引用:LD-TWSS/BU1 ELECOM) スリムケーブル |
(画像引用:LD-TWSF/BU1 ELECOM) フラットケーブル |
スタンダードケーブル | 一般的に使用される丸型のLANケーブルで、何かしらの理由がない限りスタンダードケーブルを選べば問題ありません。 |
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スリムケーブル | 極細のケーブルで、スタンダードケーブルと比較して取り回しがしやすいのが特徴。 デスクの下など狭い場所での配線に適しているものの、通信の安定性は劣ります。 |
フラットケーブル | 平型のケーブルで、カーペットの下やドア・窓の隙間などの配線に適しています。 長い距離で配線するとノイズの原因になるケースがあるため注意が必要です。 |
このようにそれぞれのケーブルには特徴がありますので、配線する場所や用途に応じて、適した形状のLANケーブルを選びましょう。
その際にあわせて重要なのが、適切な長さのLANケーブルを使用することです。
例えばルーター周りの配線で、ルーター近くで1mもケーブルが余ると邪魔になります。
「念のために長めのケーブルを買っておこう」と考える方は多いですが、長すぎるケーブルは見苦しい配線につながるため、配線の距離を測った上で適切な長さのケーブルを選びましょう。
なお使っていない機器があれば、それを繋いでいる無駄なケーブルを撤去するだけでも配線がスッキリするため、使用機器の見直しを行うのもおすすめです。
②モールの活用でケーブルを保護・配線を隠す
オフィスのLANケーブルをすっきりまとめる2つ目のコツは、「モール」の活用でケーブルを保護・配線を隠すことです。
モールと床や壁などにケーブルを固定するためのもので、ケーブルをすっぽりと覆うように取り付けるため、配線が目立たなくなる上にケーブルの保護もできます。
なおモールの種類は、大きく分けて以下の2つです。
- 壁面配線用モール(角型)
- 床面配線用モール(丸型)
壁に固定するための角型のモールで、コーナー部分は「曲がり」を使ってまとめます。
ケーブルが壁に垂れ下がった状態では、ブラブラと揺れたり壁と異なる色だったりして目立ちますが、壁と同系色のモールを使えば見た目を大幅に改善できます。
床に配線する際に利用する丸型のモールで、薄型で傾斜の緩いものが一般的です。
デスクとデスクの間が離れている場合でも、床面配線用モールを使用することで、人が通ってもつまずく心配はありません。
また台車が通る環境でも、ケーブルを傷つけることがないのがメリットです。
上記以外にも、床と壁・壁と壁の間のコーナーにぴったり設置できるモールなどもあるため、配線ルートに適したものを選ぶとよいでしょう。
③結束バンドやスパイラルチューブで束ねる
(画像引用:オーム電機 リピートタイ) | (画像引用:スパイラルチューブ) |
オフィスのLANケーブルをすっきりまとめる3つ目のコツは、「結束バンド」や「スパイラルチューブ」で束ねてスッキリとまとめることです。
結束バンドはケーブルを束ねてまとめたり、柱に配線を留めるときなどに使われるもので、最近では繰り返しで使えるリピートタイプやマジックテープタイプもあります。
スパイラルチューブはらせん状のスリットが入ったチューブで、まとめたいケーブルを一つに束ねられるだけでなく、ケーブルに巻きつけて保護し摩耗を防ぐことも可能です。
なおLANケーブルを束ねる際に強く締めすぎると、ケーブル内部の芯線が折れ曲がり、断線や通信障害の原因になる場合があるので注意しましょう。
④束ねたケーブルは床から浮かせて固定する
オフィスのLANケーブルをすっきりまとめる4つ目のコツは、束ねたケーブルは床から浮かせて固定することです。
せっかくケーブルを束ねても、そのまま床に置いたままにしておくと、踏んづけてしまったり蹴ったりしてケーブルにダメージを与えたり、埃が溜まりやすくなってしまいます。
そこでワイヤーネットやフック、配線トレーなどを活用して床から浮かせて固定すれば、そのようなトラブルを防ぐことができますし、床やデスクの掃除もしやすくおすすめです。
LANケーブルの配線方法について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
オフィス移転や環境改善にあわせて根本的な対策も
オフィスの移転や、ネットワーク・配線などオフィス環境を全体的に見直したい場合は、以下のような対策も可能です。
- OAフロアの導入で床下に配線する
- ネットワークを無線化して配線を減らす
ここでは、上記2つの対策のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。
OAフロアの導入で床下に配線する
オフィスの移転やオフィス環境の見直しをする際は、『OAフロア』の導入でケーブルを床下に配線することも検討してみてはいかがでしょうか。
OAフロアとは、床下に配線のためのスペースを設けた二重構造の床のことで、「フリーアクセスフロア」とも呼ばれます。
OAフロア導入のメリットは、LANケーブルをはじめ全ての配線類を床下に隠して収納できるため、見た目が美しく快適なフロアに仕上がることです。
壁を貫通させて配線を隠す従来の電気工事も不要になるため、賃貸オフィスの場合も「原状回復の義務」を心配することなくデザインや働きやすさを重視したオフィスづくりが可能です。
一方のデメリットとしては、配線を変えるには都度床を開けての工事が必要なため、大規模なレイアウト変更には向かない点が挙げられるでしょう。
ネットワークを無線化して配線を減らす
オフィスの移転やオフィス環境の見直しを機に、ネットワークを無線化して配線を減らすことを検討するのもおすすめします。
LANケーブルを使わない無線LANに切り替えると、配線がなくなるためオフィスがスッキリしますし、「フリーアドレス」の働き方も導入できて業務効率向上が期待できるでしょう。
ただし無線LANのデメリットとして、有線LANと比較して通信速度が劣る可能性があることと、有線と比べるとセキュリティリスクが高いことに注意しましょう。
もしも完全に無線LANに切り替えるのが心配であれば、はじめは有線LANと無線LANを組み合わせて使い、段階的に切り替えていくのもひとつの方法です。
LANケーブルの配線整理は自分でできる?可能な範囲とは
LANケーブルの配線整理は自分でできるのか、気になっている方も多いのではないでしょうか?
結論からお伝えすると、LANケーブルの配線は自分で対応できる箇所がありますが業者に依頼が必要なケースも多いため、配線整理の内容に応じて検討する必要があります。
そこで次に、「LANケーブルの配線整理で自分でできる作業」と「業者に依頼した方が良い作業」をわかりやすく解説しますので、ぜひお役立てください。
デスク周りのLANケーブルの配線は自分で可能!
LANケーブルの配線整理で自分で可能なのは、デスク周りなどの簡単な作業です。
例えばLANケーブルが長すぎる場合に適切な長さのケーブルに交換して接続したり、結束バンドで束ねたり、配線トレーに収納するような作業なら自分でおこなっても問題ありません。
なおLANケーブルを接続し直す際には、必ず各機器の電源を切った上で作業しましょう。
ルーターからデスクまでの配線は業者がおすすめ
ルーターからデスクまでの配線は自分でもできないことはありませんが、なるべく業者に依頼することをおすすめします。
オフィスの規模にもよりますが、ルーターから各デスクまでの配線や、ケーブルを複数の機器へ繋げるのはただの単縦作業ではなく、知識や経験のある者に依頼した方が安心。
一度ひととおり配線してしまうと、失敗したり見た目が悪くなったりしてもなかなか引き直しができなかったりするリスクがある点にも注意しなければなりません。
また費用を抑えるために自社で対応しても、かえって手間や費用がかかるケースも多いため、特別な事情がない限りルーターからデスクまでの配線は業者に依頼すると良いでしょう。
ルーター周辺は業者に配線工事を依頼すべき
ルーター周辺に関しては、基本的には自分ではさわらずに業者に配線工事を依頼しましょう。
もしもネットワークの知識がないまま、ルーター周辺のLANケーブルを抜き差しした場合、インターネットが全く繋がらなくなる(全不通になる)危険性があります。
また2台のハブを2本のLANケーブルで接続してしまったりと、ケーブルの接続先を間違えた場合には「ループ」が発生して広範囲でネットワーク障害が起こるリスクもあるのです。
このループは、ちょっとしたミスでも発生しやすいネットワーク障害ですが、業種によっては被害が大きくなるため、ルーター周辺の配線作業には知識・経験・慎重さが求められます。
万が一ネットが使えなくなると、業務がストップしたりと深刻な被害が出るため、ルーター周辺のLAN配線は業者に工事を依頼しましょう。
配線工事からオフィス環境の見直しまでOFFICE110へ!
LANケーブルの配線工事や、オフィス環境の見直しを検討している場合は、『OFFICE110』までご相談ください。
『OFFICE110』は、全メーカーのオフィス機器販売および工事において全国12万社以上の取引実績を誇り、LAN工事に関しては以下のような特徴があります。
- 業務効率化を徹底的に考えたLAN配線
- さまざまなOA機器に精通したLAN有資格者が担当
- 好評の「配線スッキリサービス」実施中
- 適切な配線や設置で働きやすい環境に
経験豊富なプロの工事人が対応しますので、仕上がりはもちろん、各種配線工事から社内ネットワーク関連・セキュリティ対策まで幅広くオフィスの悩みを改善いたします。
「オフィスの配線をすっきりキレイにしたい」「よりよいオフィス環境を構築したい」など、オフィスのお悩み・ご相談は『OFFICE110』までお気軽にお問い合わせください。
まとめ
オフィスで配線整理をすべき理由や、LANケーブルをすっきりまとめるコツをご紹介しました。
乱雑な配線を放置していると、オフィスの景観を損ねるだけでなく思わぬ事故のリスクもあるため、早急な対応が必要です。
本記事でご紹介した以下の4つの方法で、LANケーブルをすっきりさせましょう。
- オフィス環境や用途に適切なケーブルを使う
- モールの活用でケーブルを保護・配線を隠す
- 結束バンドやスパイラルチューブで束ねる
- 束ねたケーブルは床から浮かせて固定する
OAフロアや無線LANの導入など、根本的な対策も検討できるでしょう。
自社で対応できる作業もありますが、ルーターからデスクまでの配線やルーター周辺の作業はリスクも伴うため、業者に依頼するのが安心です。