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複合機のファイアーウォール対策では、ネットワーク側の防御と、複合機本体の通信制限を組み合わせることが基本です。
現在の業務用複合機は、パソコンからの印刷やスキャン、FAX、クラウド連携などで社内ネットワークに接続して利用します。そのため、コピーや印刷をするだけの機器ではなく、パソコンやサーバーと同じようにネットワークセキュリティを意識する必要があります。
ただし、ファイアーウォールを導入すれば、すべての不正アクセスや情報漏えいを防げるわけではありません。通信の制限に加えて、管理者パスワードや利用者認証、ファームウェアなども適切に管理することが大切です。
この記事では、ファイアーウォールの基本から複合機に必要な理由、設定方法、設定時の注意点、あわせて行いたいセキュリティ対策まで分かりやすく解説します。
監修者
千々波 一博(ちぢわ かずひろ)
保有資格:Webリテラシー/.com Master Advance/ITパスポート/生成AIパスポート/個人情報保護士/ビジネスマネジャー検定
2004年から通信業界で5年間営業として従事。その後、起業して他業種に進出。OFFICE110に営業で入社し、月40~60件ほどビジネスホン・複合機・法人携帯などを案内。現在は既存のお客様のコンサルティングとして従事。
ファイアーウォールとは、ネットワークを出入りする通信を確認し、設定したルールに応じて通信を許可・拒否する仕組みです。
外部ネットワークから社内ネットワークへ入ってくる通信を制御する「防火壁」のような役割を持ち、不正アクセスや不要な通信を防ぐために利用されます。機器として設置するものだけでなく、ルーターやソフトウェアに組み込まれているものもあります。
複合機の場合も、社内LANを守るルーターやファイアーウォールだけでなく、機種によってはIPアドレスやMACアドレスを基準に、複合機本体への通信を制限できる機能が用意されています。
つまり、複合機のファイアーウォール対策では、ネットワーク全体を守る仕組みと、複合機本体へのアクセスを制限する仕組みを分けて考えることが大切です。
現在の複合機は、パソコンやサーバー、クラウドサービスなどと接続して使用するネットワーク機器の一つです。
印刷だけでなく、スキャンデータの送信やFAX、Webブラウザーからの設定変更などにもネットワークを利用するため、適切に通信を管理していないと不正アクセスなどのリスクが高まります。
ここでは、複合機にファイアーウォール対策が必要な3つの理由について解説します。
ファイアーウォール対策が必要な理由の一つは、外部ネットワークから複合機への不正なアクセスを防ぐためです。
業務用複合機には、パソコンから印刷したり、スキャンデータをサーバーへ送信したりする機能があります。また、Webブラウザーから本体の状態を確認したり、各種設定を変更したりできる機種もあります。
こうした機能は業務を効率化できる一方、外部から必要のない通信まで受け付ける状態では、不正アクセスを受ける可能性があります。
ネットワークの入口で通信を確認し、業務に必要のないアクセスを遮断することで、複合機へ直接到達できる経路を減らせます。
ファイアーウォールは、すべての通信を遮断するためのものではありません。重要なのは、業務に必要な通信を許可し、それ以外の不要な通信を制限することです。
たとえば、複合機を利用するパソコンやサーバーがある程度決まっている場合は、それ以外の機器から簡単にアクセスできないよう設定する方法があります。
複合機本体にIPアドレスフィルターなどの機能が搭載されていれば、特定のIPアドレスからの通信を許可・拒否することも可能です。
接続元を必要な範囲に限定すれば、社外からのアクセスだけでなく、社内ネットワーク内から不要な接続が行われるリスクも抑えやすくなります。
複合機を利用する際は、インターネットから不特定多数が直接アクセスできる状態を避けることが重要です。
通常のオフィスでは、ルーターやファイアーウォールなどで保護された社内ネットワークの中に複合機を設置し、プライベートIPアドレスを利用する方法が基本となります。
外出先などから複合機へアクセスする必要がある場合も、誰でも接続できる状態にするのではなく、必要なIPアドレスだけに限定したり、VPNを利用したりするなど、接続経路を限定することが大切です。
ファイアーウォールを設置していても、複合機自体が外部へ直接公開されていれば十分な対策とはいえません。まずは、現在どのようなネットワーク構成で複合機を利用しているかを確認しましょう。
※出典:富士フイルムビジネスイノベーション「デジタル複合機のセキュリティー対策」
複合機のファイアーウォール設定では、複合機本体だけではなく、ルーターやUTMなどを含めたネットワーク全体を確認することが重要です。
本体側の通信を厳しく制限しても、ネットワーク側に問題があれば十分な対策にはなりません。反対に、必要な通信まで遮断すると、印刷やスキャンなど日常業務へ影響する可能性があります。
ここでは、複合機のファイアーウォールを設定するときの基本的な3つの手順について解説します。
最初に、複合機がどのネットワークに接続され、外部との通信がどの機器を経由しているかを確認します。
一般的なオフィスでは、インターネットと社内LANの間にルーターやファイアーウォールがあり、その内側にパソコン・サーバー・複合機などを接続します。
UTMを導入している場合は、ファイアーウォール機能だけでなく、不正侵入対策やウイルス対策など複数のセキュリティ機能をまとめて管理しているケースもあります。
まずは複合機のIPアドレスとネットワーク構成を確認し、外部から複合機へ不要な通信が通る状態になっていないかを確認してください。
次に、複合機本体にIPアドレスフィルターなどの通信制限機能があるか確認します。
たとえばキヤノンの一部機種では、IPv4・IPv6アドレスを利用して、指定した機器との通信を許可または拒否する設定が可能です。送信と受信を分けて設定できる機種もあります。
設定画面では、「設定/登録」からネットワークのファイアーウォール設定へ進み、IPアドレスフィルターや送信・受信フィルターなどを設定します。
ただし、設定項目や操作画面はメーカー・機種によって異なります。別機種の設定方法をそのまま適用せず、使用中の機種の取扱説明書やメーカー情報を確認してください。
※出典:キヤノン「IPアドレスでファイアウォールを設定する」
ファイアーウォールを設定するときは、セキュリティを高めることだけを考えて通信を遮断しすぎないよう注意が必要です。
複合機では、パソコンからの印刷だけでなく、スキャンデータの送信、クラウドサービスとの連携、遠隔保守など、複数の通信を利用する場合があります。
必要な通信まで遮断すると、「印刷できない」「スキャンデータを送れない」「クラウドにつながらない」といったトラブルにつながります。
利用している機能を確認したうえで、業務に必要な接続先や通信だけを許可することが、セキュリティと使いやすさを両立するポイントです。
ファイアーウォールは、設定を厳しくすればよいというものではありません。
必要な通信まで遮断すると業務に支障が出る一方、通信トラブルを解消するために設定を無効化したままでは、本来のセキュリティ対策が機能しなくなります。
ここでは、複合機のファイアーウォールを設定・変更するときに注意したい3つのポイントについて解説します。
ファイアーウォールを設定したあとに印刷やスキャンができなくなっても、原因を確認せずにファイアーウォール全体を無効にすることは避けましょう。
通信できない原因は、ファイアーウォールだけとは限りません。複合機やパソコンのIPアドレス、ネットワーク設定、接続先、利用している機能などに問題がある可能性もあります。
まずは、どの機能が使えないのかを確認し、その通信に必要な設定だけを見直します。一時的に無効化して動作確認を行った場合も、原因を特定したあとは必要なセキュリティ設定へ戻してください。
IPアドレスフィルターなどを利用するときは、実際に複合機を利用するパソコンやサーバーなど、必要な接続元を整理してから設定します。
「念のため」と許可する範囲を広げすぎると、本来アクセスする必要のない機器からも接続できる状態になり、通信制限の効果が弱くなります。
反対に、必要なIPアドレスを登録し忘れると、利用者が印刷できなくなるなどの問題が起こります。設定前に利用端末や接続先を確認し、必要な範囲だけを許可しましょう。
複合機のネットワーク設定を変更するときは、現在どの機器・サービスと通信しているかを確認してから作業することが大切です。
オフィスによっては、複合機がパソコンだけでなく、ファイルサーバーやNAS、メールサーバー、クラウドサービス、遠隔保守サービスなどと接続している場合があります。
ネットワーク構成を把握しないまま設定を変更すると、一見関係のない機能まで利用できなくなる可能性があります。
社内にネットワーク管理者がいる場合は事前に確認し、構成が分からない場合は保守会社や機器の販売会社へ相談したうえで設定を変更すると安全です。
複合機のセキュリティ対策では、ファイアーウォールの有無だけでなく、現在のネットワーク環境や利用する機能に合った複合機を選ぶことも重要です。
たとえば、IPアドレスによる通信制限やユーザー認証などの対応状況は、メーカーや機種によって異なります。また、クラウド連携やスキャン送信などを利用する場合は、必要な機能を維持しながらセキュリティを確保する必要があります。
そのため、複合機を新しく導入・入れ替えする際は、価格や印刷速度だけでなく、現在のネットワーク環境と必要なセキュリティ機能まで整理して比較することが大切です。
自社に必要なセキュリティ機能や複合機の選び方が分からない場合は、OFFICE110へご相談ください。利用人数や印刷枚数、必要な機能、ご予算などを確認したうえで、新品・中古から業務に合う複合機をご提案します。
さらに、OFFICE110では対象の新品コピー機が最大80%OFF、中古の複合機が大特価になるキャンペーンを実施しています。ファイアーウォールやIPアドレス制限など、必要なセキュリティ機能を備えた複合機を自社の利用環境に合わせて比較したい方は、お気軽にご相談ください。
ご相談・見積依頼
ファイアーウォールは、ネットワークを出入りする通信を制御し、複合機への不要なアクセスを減らすための重要なセキュリティ対策です。
複合機では、ルーターやファイアーウォールなどネットワーク側の対策に加えて、IPアドレスフィルターなど複合機本体の通信制限を組み合わせることで、アクセスできる範囲を絞りやすくなります。
ただし、適切な設定は複合機のメーカー・機種やネットワーク環境によって異なります。通信を制限しすぎれば印刷やスキャンが使えなくなるため、現在利用している機能を確認したうえで設定することが大切です。
また、ファイアーウォールを設定していても、パスワードの管理不足や古いファームウェアなど、別の原因からセキュリティリスクが生じる場合があります。ネットワーク・複合機本体・運用の3つをあわせて見直すことが、安全に利用するためのポイントです。
複合機の入れ替えを検討している場合は、印刷速度や価格だけでなく、必要なセキュリティ機能まで確認し、自社の利用環境に合う機種を選びましょう。
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