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ゼロトラストセキュリティとは?仕組み・具体例・導入手順を解説

ゼロトラストセキュリティの仕組み・具体例・導入手順を示すイメージ

ゼロトラストセキュリティとは、社内・社外といった場所だけで信頼を決めず、アクセスする人・端末・状況を確認し、必要な範囲だけ利用を許可する考え方です。

ゼロトラストは特定の製品名ではありません。また、従来のファイアウォールやVPNをすべて不要にする仕組みでもありません。ID管理、多要素認証、端末管理、アクセス制御、ログ監視などを組み合わせ、変化するリスクに応じて継続的に確認します。

この記事では、ゼロトラストの意味、従来型の境界防御との違い、企業での具体例、構成要素、メリット・注意点、段階的な導入手順を解説します。

この記事でわかること
  • ゼロトラストセキュリティの意味と基本原則
  • 企業での具体例と主な構成要素
  • 無理なく進めるための導入手順と注意点
この記事の目次
  1. ゼロトラストセキュリティとは?
  2. ゼロトラストの7つの基本原則
  3. 企業でのゼロトラストの具体例
  4. ゼロトラスト導入を支える主な構成要素
  5. ゼロトラストのメリットと注意点
  6. ゼロトラストを導入する5つの手順
  7. ゼロトラスト導入の相談はOFFICE110へ
  8. ゼロトラストセキュリティに関するよくある質問
  9. まとめ

ゼロトラストを含む企業のセキュリティ対策全体を確認したい方は、以下の総合案内もご覧ください。

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ゼロトラストセキュリティとは?

ゼロトラストセキュリティは、「社内ネットワークだから安全」「会社の端末だから安全」と最初から信頼せず、資源へアクセスするたびに条件を確認して制御する考え方です。

米国国立標準技術研究所(NIST)の「SP 800-207」は、ネットワーク上の場所や資産の所有関係だけでは暗黙の信頼を与えず、利用者と端末の認証・認可を行ってから資源へのセッションを確立する考え方を示しています。守る中心をネットワークの内外ではなく、データ、アプリケーション、サービスなどの「資源」に置く点が特徴です。

境界防御との違い

まず、境界防御とゼロトラストの違いを全体像で確認します。ゼロトラストでは、社内・社外という場所だけで信頼を決めず、アクセスごとに利用者・端末・状況を確認し、必要な資源だけを許可します。

従来型の境界防御とゼロトラストのアクセス制御の違い
比較項目従来型の境界防御ゼロトラストの考え方
信頼の基準社内・社外などネットワークの場所を重視利用者、端末、資源、状況を都度確認
アクセス範囲一度社内へ入ると広い範囲へ届く構成もある業務に必要な資源だけへ最小権限で許可
確認のタイミング入口での認証に依存しやすいアクセス時と利用中の変化を継続的に確認
守る対象ネットワークの境界データ、アプリ、サービス、端末などの資源

ただし、ゼロトラストは境界防御を一律に捨てる考え方ではありません。ファイアウォール、VPN、ネットワーク分離なども、資源を守る構成要素として必要に応じて併用します。

ゼロトラストは製品ではなく考え方

「ゼロトラスト製品を1つ導入すれば完成」というものではありません。
ID、端末、ネットワーク、アプリ、データ、ログの管理を、自社の重要資産とリスクに合わせて段階的に整えます。導入後も設定や権限を見直す運用が必要です。

ゼロトラストの7つの基本原則

NIST SP 800-207が示す考え方を、企業の実務で理解しやすいように整理すると、次の7点です。

ゼロトラストの7つの原則
  1. データやサービスも含めて資源として守る:端末だけでなく、アプリ、API、データなどを保護対象にする
  2. 通信経路にかかわらず保護する:社内・社外の場所だけで安全性を決めない
  3. アクセスはセッション単位で許可する:一度の認証で広い権限を与え続けない
  4. 状況に応じたルールで判断する:利用者、端末、資源、時間、場所、異常の有無を考慮する
  5. 端末の状態を把握する:会社所有かどうかだけでなく、更新状況や安全性を確認する
  6. 認証と認可を継続的に行う:アクセス前だけでなく、利用中のリスク変化にも対応する
  7. 情報を収集して改善する:認証、端末、通信、アプリのログを活用し、方針を見直す

これらは製品の必須機能一覧ではありません。自社の資産、働き方、既存システムに合わせて、複数の仕組みと運用を組み合わせるための原則です。

企業でのゼロトラストの具体例

ゼロトラストは抽象的に聞こえますが、実務では「誰が、どの端末から、何へ、どの条件でアクセスできるか」を細かく整える取り組みです。まず、代表的な5つの場面と制御の概要を確認します。

場面制御の概要
クラウドサービスへのログイン多要素認証を行い、通常と異なる場所や端末からのアクセスを追加確認する
社外からの業務OS更新、暗号化、端末管理への登録など、決めた条件を満たす端末だけ許可する
重要データへのアクセス部署・役職・業務に必要な範囲だけ許可し、持ち出しや大量取得を監視する
社内システムへの接続ネットワーク全体へ入れるのではなく、利用者ごとに必要なアプリへ接続させる
管理者作業通常アカウントと管理者権限を分け、作業時だけ昇格し、操作ログを残す

クラウドサービスへログインする場合

たとえば営業担当者が社外から顧客管理システムへログインする場合、IDとパスワードだけでなく、多要素認証、利用端末の登録状況、接続場所や時間帯などを確認します。普段と異なる場所や未登録端末からのアクセスでは、追加認証を求める、または接続を拒否するといった制御が考えられます。

認証後も、営業担当者に必要な顧客情報だけを許可し、管理設定や他部署の情報まで一律に開放しないことが重要です。ログインの成功・失敗やアクセス先を記録し、通常と異なる操作がないか確認できるようにします。

社外から業務を行う場合

テレワーク中の従業員がノートパソコンから業務アプリを利用する場合は、本人確認に加えて、端末管理への登録、OSやソフトウェアの更新、ディスク暗号化、セキュリティ機能の稼働状況などを確認します。会社が定めた条件を満たす端末だけを業務へ利用させる考え方です。

条件を満たさない端末は、すべての社内資源へ接続させるのではなく、更新や修復を促したうえで再確認します。私物端末を許可する場合も、閲覧できる情報、ダウンロード、保存、コピーなどの範囲を業務上必要なレベルへ制限します。

重要データへアクセスする場合

顧客情報、人事情報、設計資料などの重要データは、社内からのアクセスであっても、所属部署や担当業務だけで一律に許可しません。利用者の役割、端末の状態、アクセスするデータ、利用目的に応じて、閲覧・編集・ダウンロードなどの権限を分けます。

短時間での大量取得や、普段アクセスしない情報への操作があった場合は、記録を確認し、必要に応じて追加認証や一時停止を行います。異動・退職・担当変更時に不要な権限を残さないよう、定期的な見直しも必要です。

社内システムへ接続する場合

支店や社外の作業場所から社内システムへ接続するときは、認証に成功した利用者を社内ネットワーク全体へ入れるのではなく、業務に必要なアプリやサーバーだけへ接続させます。端末の状態や利用者の役割に応じて、到達できる範囲を分ける方法です。

たとえば経理担当者には会計システムを許可しても、サーバー管理画面までは許可しません。万一アカウントや端末が侵害された場合も、不要なシステムへ被害が広がりにくい構成にします。

管理者権限を利用する場合

システム担当者が設定変更や保守を行う場合は、普段の業務アカウントと管理者アカウントを分け、必要な作業を行う時間だけ管理権限を付与します。多要素認証や承認済み端末など、一般利用より厳しい条件を設定することも重要です。

作業後は権限を解除し、誰が、いつ、どの設定を変更したかを記録します。管理者権限を常時付与したままにしないことで、認証情報が漏れた場合や操作を誤った場合の影響を抑えやすくなります。

たとえばVPNの仕組みは安全な通信経路を作るうえで有効ですが、VPNへ接続した利用者へ社内資源を広く許可するだけでは、認証情報が盗まれた場合の被害を抑えにくくなります。多要素認証、端末確認、最小権限、ログ監視を組み合わせることが重要です。法人向けVPNを比較・選定する段階では、VPNサービスの選び方も確認してください。

ゼロトラスト導入を支える主な構成要素

  • ID・認証:アカウントの一元管理、多要素認証、条件付きアクセス、特権ID管理
  • 端末管理:端末の登録、更新状況、暗号化、EDRなどによる状態確認
  • アクセス制御:業務に必要なアプリやデータだけへ接続させる最小権限
  • ネットワーク制御:セグメント分離、通信の可視化、必要に応じたVPNやZTNAの利用
  • データ保護:分類、アクセス権、暗号化、持ち出し制御、バックアップ
  • 監視・分析:認証、端末、通信、クラウドのログを集約し、異常を検知する

利用する技術や製品は企業ごとに異なります。仮想デスクトップ、テレワークのセキュリティ対策、クラウドサービスの基礎も、必要な構成を検討する際の参考になります。

ゼロトラストのメリットと注意点

ゼロトラストを導入すると、場所だけに依存せず、利用者・端末・資源・状況を共通の考え方で確認しやすくなります。期待できる主な効果は次のとおりです。

  • クラウドやテレワークを含む多様な接続を同じ方針で管理しやすくなる
  • 認証情報が盗まれた場合も、端末や状況を確認して不正利用を抑えやすくなる
  • 最小権限によって、侵害されたときの到達範囲を狭めやすくなる
  • 利用者・端末・資源の状態やアクセス状況を可視化しやすくなる

一方、導入前には既存システム・端末・アカウントの棚卸しが必要です。導入後も、業務を止めないための例外・復旧手順、権限やルールの見直し、複数製品の連携、ログを確認する運用体制を整える必要があります。

ゼロトラストを導入しても、事故や侵入を完全に防げるわけではありません。
認証の回避、設定ミス、権限の付け過ぎ、端末侵害などは起こり得ます。検知、初動、バックアップ、事業継続も含めて対策してください。

ゼロトラストを導入する5つの手順

段階導入の進め方
  1. 守る資産と利用経路を把握する:重要なデータ、アプリ、利用者、端末、接続先を洗い出す
  2. 現在の弱点を確認する:共有アカウント、過大な権限、管理外端末、未取得ログなどを整理する
  3. 小さな範囲から始める:重要なクラウドサービスや管理者アカウントから多要素認証と条件付きアクセスを導入する
  4. アクセスと端末の条件を広げる:最小権限、端末管理、アプリ単位の接続、ネットワーク分離を段階的に適用する
  5. ログを見て改善する:拒否・例外・異常の記録を確認し、業務影響とリスクの両方を見ながらルールを更新する

最初から全社・全システムを一度に切り替えると、業務影響や設定不備を見つけにくくなります。対象、成功条件、例外対応、担当者、確認するログを決め、検証範囲を広げていく方法が現実的です。

ゼロトラスト導入の相談はOFFICE110へ

OFFICE110のスタッフ

ゼロトラストを進めるときは、認証製品だけでなく、ネットワーク、端末、クラウド、権限、ログ、既存システムを一緒に確認する必要があります。自社に必要な構成は、拠点数、テレワークの方法、扱う情報、利用中のサービスによって変わります。

OFFICE110では、法人向けVPNをはじめ、オフィスのネットワークや情報セキュリティに関する相談を受け付けています。現在の環境と課題を整理し、どこから段階的に見直すか検討したい場合はご相談ください。

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  • 原則即日対応

ゼロトラストセキュリティに関するよくある質問

ゼロトラストの意味や、導入を検討するときによくある疑問に回答します。

ゼロトラストセキュリティとは何ですか?

社内・社外という場所だけで信頼を決めず、アクセスする人・端末・状況を確認して必要な範囲だけ許可する考え方です。
特定の製品名ではなく、ID管理、端末管理、アクセス制御、ログ監視などを組み合わせて実現します。

ゼロトラストを導入すればVPNは不要になりますか?

VPNが一律に不要になるわけではありません。
VPNは安全な通信経路を作る構成要素として使われます。多要素認証、端末確認、最小権限、ログ監視などと組み合わせることが重要です。

ゼロトラストは1つの製品を導入すれば完成しますか?

1つの製品だけで完成するものではありません。
守る資産と利用経路を把握し、ID、端末、ネットワーク、アプリ、データ、ログの管理を段階的に整えます。

中小企業でもゼロトラストを導入できますか?

重要なアカウントやクラウドサービスなど、範囲を絞って始められます。
多要素認証、不要アカウントの削除、端末管理、権限の見直しなど、リスクの高い箇所から段階的に進めます。

ゼロトラスト導入は何から始めればよいですか?

最初に、重要なデータ・アプリ・利用者・端末・接続経路を洗い出します。
そのうえで弱点と優先順位を決め、多要素認証や最小権限などを小さな対象から導入し、ログを見ながら範囲を広げます。

まとめ

ゼロトラストセキュリティは、社内外の場所だけで信頼を決めず、利用者、端末、資源、状況を確認して必要なアクセスだけを許可する考え方です。単一製品を導入して完成するものではなく、ID、端末、ネットワーク、アプリ、データ、ログの管理を組み合わせます。

まず重要な資産とアクセス経路を把握し、多要素認証、端末管理、最小権限、ログ監視などを小さな範囲から進めましょう。導入後も業務影響とリスクを確認し、継続して見直すことが大切です。

ゼロトラストを含む企業向けセキュリティ全体は、以下の総合ページで確認できます。

法人向け情報セキュリティ対策を詳しく見る|OFFICE110
次にGoogleでセキュリティについて調べるとき、 OFFICE110の関連情報を見つけやすくできます。

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