光回線乗り換えに工事は必要?内容・費用・日数を徹底解説【ケース別】
光回線の乗り換えを検討していて、「工事」が必要なのか知りたい方は必見です。
本記事では、大きく分けて『NTT東西(フレッツ光)』『光コラボレーション事業者』『NTT以外の独自回線を持つ光事業者』の3つを主軸に、光回線を乗り換える際に工事が必要なのかわかりやすく解説していきます。
具体的には、光回線の切り替えと工事の関係について以下の点をまとめました。
- 光回線の種類
- 派遣工事が必要なケースと不要なケース
- 派遣工事の手順/費用/所要時間
- 光回線を乗り換える場合の注意点
- 乗り換え時のチェックポイント
「工事なしですぐに乗り換えたい」「工事費用など無駄なコストをかけずに乗り換えたい」という方に向けて、知っておくべき情報を網羅的にまとめているため、最後まで必見です。
監修者
登 雄三
(のぼり ゆうぞう)
保有資格:工事担任者(AI・DD総合種)/電気工事士
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国各地でビジネスフォン・複合機・防犯機器などのOA機器の販売や電話工事、電気工事、LAN配線工事、VPN構築を主に手掛ける。2023年には名古屋へ拠点進出。
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国各地でビジネスフォン・複合機・防犯機器などのOA機器の販売や電話工事、電気工事、LAN配線工事、VPN構築を主に手掛ける。2023年には名古屋へ拠点進出。
光回線の提供事業者とは?知っておくべき事前知識
まずはじめに光回線を提供する事業者には、主に以下の5種類があります。
どの事業者に乗り換えるかで工事の有無が異なるため、事前に確認が必要です。
- NTT東日本・西日本(フレッツ光)
- 光コラボレーション事業者
- NTT以外の独自回線を持つ事業者
- 電力系の事業者
- ケーブルテレビの事業者
では早速、各事業者の特徴を詳しく見ていきましょう。
なお「回線事業者」と「プロバイダ」は似ていますが、異なるものなので注意が必要です。
- 回線事業者:インフラ面(回線そのもの)を提供する回線事業者
- プロバイダ:利用者の回線をオンターネットに繋げる接続事業者
NTT東日本・西日本(フレッツ光)
NTT東日本・西日本が提供する『フレッツ光』は、光回線の代表的存在です。
フレッツ光はサービス提供範囲がもっとも広く、日本全国でサービスが展開されています。
「最初に光回線を契約したとき、フレッツ光からはじめた」という方は少なくないでしょう。
通常のプランでは、光回線の契約とプロバイダ契約が分かれています。
回線契約はNTT東西と結び、プロバイダ契約は別の事業者と結ばなければなりません。
なお選べるプロバイダ事業者は数百社あり、プロバイダごとに特典や料金、サービス内容が異なるため、契約前に比較検討が必要です。
ちなみに『プロバイダパック』というプランを選べば、2つの契約の申し込みや請求だけはまとめられます。
光コラボレーション事業者
光コラボレーション(光コラボ)事業者とは、NTT東西から光回線の卸売を受けて、自社サービスとセットで光回線サービスを展開しているプロバイダ・携帯キャリアの総称です。
例えば以下のような事業者が光コラボのサービスを提供しています。
- ソフトバンク(=ソフトバンク光)
- ビッグローブ(=ビッグローブ光)
- GMOインターネットグループ(=GMOとくとくBB光)
- ニフティ(=@nifty光)
- TSUTAYA(=TSUTAYA光)
光コラボではNTT東西の回線を使うため、回線品質はフレッツ光と同じです。
その上、本家のフレッツ光より月額料金が安い、回線とプロバイダを1つの契約で利用できる、といったメリットがあります。
また光コラボ事業者は、独自のお得な特典をつけて回線とプロバイダサービスを提供します。
例えば、ソフトバンクならソフトバンクのスマホ料金割引、U-NEXTなら映画購入に使えるポイントを付与…といった具合です。
光コラボ事業者はこのように、NTT東西の光回線と自社サービスを上手に組み合わせて販売することで販路を拡大しています。
- なぜ「光コラボレーション」という事業が存在するのでしょうか?
NTT東西は、自社の光回線をわざわざ光コラボ事業者に貸す必要はないと思うのですが…
- 光コラボ事業者に回線を貸すと、NTTは回線利用料をもらえる上に、フレッツ光の営業・サポートのコストを削減できるからですよ。
光コラボは、NTT東西にとっても光コラボ事業者にとっても、そして価格面ではユーザーにとっても嬉しい仕組みなんです!
NTT以外の独自回線を持つ事業者
光回線を提供する事業者の中には、NTT東西の回線インフラを使わない事業者が存在します。
代表的なのが、以下2つの事業者(サービス)です。
- KDDI(=auひかり)
- ソニーネットワークコミュニケーションズ(=NURO 光)
まずKDDIは、「独自回線(自社回線)」と「ダークファイバー※」の2種類の光回線を使ってサービスを提供しています。
関東の一部地域では独自回線を活用し、それ以外の地域ではダークファイバーを用います。
一方のソニーネットワークコミュニケーションズは、「ダークファイバー」のみでサービスを提供します。
これらの事業者で契約するメリットは、比較的利用者が少ないため通信混雑が起きにくく、快適にインターネットを利用できる可能性が高いこと。
しかしNTTエリアや光コラボ事業者と比べると、日本全国どこでも利用できるわけでなく、サービスの提供範囲が限られるのがデメリットです。
※ダークファイバーとは?
通信事業者などが敷設した光ファイバーのうち、光信号が通っていない・稼働されていない芯線のこと。
かつては放置されていたが、これを利用して通信事業に参入したり、通信事業者間で貸し借りされたりと、活用されるようになってきた。
電力系の事業者
電力系の事業者は、NTT東西のように独自回線で光回線を運用しています。
現在提供されている主な電力系光回線サービスは、以下の5つです。
- コミュファ光(中部電力系)
- eo光(関西電力系)
- MEGA EGG(中国電力系)
- Pikara(四国電力系)
- BBIQ(九州電力系)
電力系の事業者のサービスも、NTT東西と比較すると利用者が少ないことから、通信混雑が起きず通信速度が速い傾向にあります。
また、auのスマホの月額料金が安くなる『auスマートバリュー』や、アンテナなしで各種テレビ放送を楽しめるサービスなど、さまざまな特典が用意されているのが特徴です。
デメリットというと、サービス提供エリアが電力会社の管轄エリアにより限定されることですが、快適なインターネット環境を構築できます。
- 電柱を管理する電力会社は、もともと光回線と相性が良い会社です。
かつて東京電力は『TEPCOひかり』というサービスを提供していましたが、現在はKDDIへ事業が譲渡されて『auひかり』が登場したんですよ。
ケーブルテレビの事業者
ケーブルテレビ会社経由でも、光回線を契約できます。
ただし提供される光回線は独自のものではなく、他社の回線をベースにしているのが主流です。
- 超速ネット光(J:COM):auひかりの光回線を利用している
- ギガにらい光(沖縄ケーブルネットワーク):フレッツ光回線を利用している
ケーブルテレビ会社の中には、光回線と同軸ケーブルを併用したサービスを展開するところもあります。
これは、「ケーブルテレビ局から特定のポイントまでは光回線、そこから建物までは同軸ケーブル」というように、2種類のケーブルをつなぐ方法です。
ケーブルテレビ会社の光回線のメリットは、ケーブルテレビの多彩な番組を楽しめたり、テレビや電話と請求を一本化できることですが、料金は少し割高なイメージがあります。
光回線の乗り換えで工事が必要・不要なケースを解説
光回線を提供する各事業者について詳しく解説してきましたが、気になるのが乗り換えで工事は必要なのかどうか。
「できれば工事なしですぐに導入したい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
ここからは、光回線を乗り換える際に、工事が必要なケースと不要なケースをご紹介します。
工事が不要なケース
工事が不要になるのは、主に以下のケースです。
- フレッツ光から光コラボに転用する場合
- 光コラボ同士で事業者変更する場合
では早速、各ケースについてわかりやすく解説していきます。
※ここでいう工事は、作業員が実際に訪問して回線を引き込む「派遣工事」を指します。
一方、作業員が派遣されず、NTTなど事業者側の設定のみの工事は「無派遣工事」と呼びます。
フレッツ光から光コラボに転用する場合
現在NTT東西のフレッツ光を契約しており、新たに光コラボ事業者に乗り換える場合、工事は不要です。
なおフレッツ光から光コラボ事業者への乗り換えは、「転用」と呼ばれます。
転用では、どちらも同じ光回線を利用するため、新たに光ファイバーを建物内に引き込む必要がなく、派遣工事がいらないのです。
ただし例外として、「品目変更※」などがあるケースでは工事が行われることもあります。
工事の有無については、あらかじめ乗り換え先に確認するようおすすめします。
※品目変更とは?
現在敷設されている光回線の種類や環境を変えること。
品目変更が必要な場合は工事が必要になり、工事費が発生します。
光コラボ同士で事業者変更する場合
現在光コラボ事業者と契約中で、別の光コラボ事業者に乗り換えたい場合も工事は不要です。
光コラボ事業者から別の光コラボ事業者への乗り換えは、「事業者変更」と呼ばれます。
転用の場合と同じく、このケースでも利用する光回線は変わらないため派遣工事はありませんが、転用と同じく、「品目変更」で工事が必要なケースもあります。
工事が必要なケース
続いて光回線の乗り換えで工事が必要なのは、以下のケースです。
- フレッツ光・光コラボとその他事業者で乗り換える場合
- フレッツ光・光コラボ以外の事業者間で乗り換える場合
それぞれのケースを具体的に解説します。
フレッツ光・光コラボとその他事業者で乗り換える場合
現在、NTT東西のフレッツか光コラボ事業者と契約している方が、NTT東西の光回線インフラを使わない事業者に乗り換える場合、工事が必要です。
具体的には以下のようなケースが挙げられます。
- フレッツ光からauひかりへの乗り換え
- フレッツ光からNURO 光への乗り換え
- 光コラボ事業者から電力系への乗り換え
このようなケースだと、転用や事業者変更とは異なり、使用する光回線のタイプが変わります。
新たに光ファイバーの引き込み工事が必要なため、派遣工事が必要です。
ただし例外があり、乗り換え先の光回線を過去に使ったことがあり、その設備が撤去されずに残っている場合は工事は不要です。
(例)
auひかりから光コラボに乗り換え(※auひかりの設備はそのまま)
↓
光コラボからauひかりに乗り換え
この場合は既にauひかりの設備があるため、派遣工事なしで再契約できる可能性があります。
基本的に、派遣工事は光回線を建物内に引き込む作業のため、設備がすでにある場合は状況が変わるのです。
フレッツ光・光コラボ以外の事業者間で乗り換える場合
フレッツ光と光コラボのどちらにも該当しない事業者同士で乗り換えする場合も、工事は必要になります。
- auひかりからNURO 光へ乗り換え
- コミュファ光からauひかりへ乗り換え
- NURO 光からBBIQへ乗り換え
このように、NTT系の回線以外の光回線間で乗り換えする際も派遣工事は必要です。
なおこのケースでも、既に乗り換え先の設備がある場合は工事は必要ありません。
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光回線の乗り換え方法まとめ|手順・費用・所要時間
ここからは、光回線の乗り換えで必ず押さえておくべき重要なポイントを解説します。
以下3つのケースについて、手順・費用・所要時間を詳しくまとめました。
- フレッツ光から光コラボへの転用の場合
- 光コラボ同士で事業者変更する場合
- 回線が違う事業者に乗り換える場合
3つのケースのうち、工事が必要なのは③のみです。
③については工事の内容もご紹介しますので、参考にしてください。
①フレッツ光→光コラボへの転用の場合
はじめに、転用する場合は基本的に工事は不要です。
ただし、例外的に契約者の立ち会いが必要な場合もあるため、詳しくは乗り換え先の事業者に確認するようおすすめします。
乗り換えの手順
転用の手順は以下のとおりです。
- NTT東西のサイトで転用手続きをするページにアクセスする(or電話する)
- NTT東西から「転用承諾番号」を受け取る
- 乗り換え先の光コラボ事業者に転用承諾番号を伝えて転用申し込みをする
- レンタルしている機器を返却する
転用手続きのページには、以下のリンクより入れます。
【NTT東日本/NTT西日本】
電話で取得する際は、以下よりお問い合わせください。
NTT東日本:0120-140-202
NTT西日本:0120-553-104
受付時間:午前9:00~午後5:00(年末年始除く)
乗り換えにかかる費用
転用での乗り換えにかかる費用は以下のとおりです。
- 契約事務手数料:乗り換え先の光コラボ事業者に支払うお金
- フレッツ光のプロバイダ違約金:プロバイダ変更で発生する可能性がある費用
- 工事費の残債:契約中の事業者の残債が残っている場合にかかる費用
乗り換えタイミングにかかわらず、契約事務手数料は通常3,300円かかります。
プロバイダ違約金は、契約時期や乗り換えタイミングにより、支払いの有無が変わります。
契約の日付や乗り換えタイミングなど状況しだいで変わるため、詳しくはプロバイダ事業者に問い合わせましょう。
フレッツ光違約金は通常、2年など定期契約していて契約期間終了前に解約すると発生します。
しかし、転用の場合は申し込みのタイミングにかかわらず発生しないため、ご安心ください。
またフレッツ光の工事費の残債がある場合、転用後も支払い義務は残ります。
乗り換えの所要時間・日数
転用の手続きにかかる時間ですが、スムーズにいけば20分前後で終わります。
申し込んでから乗り換えが完了するまでの日数は、2週間前後を見ておけば十分でしょう。
転用は同じフレッツ光回線を使うため、新規契約と比べて、所要時間が短いです。
なお手続きに関して覚えておきたい点として、転用承諾番号には15日間の有効期限があり、申し込みの時点で10日以上有効期限が残っていなければなりません。
番号取得後は、できるだけ早く乗り換え手続きを進めてください。
②光コラボ同士で事業者変更する場合
光コラボ事業者間での乗り換えは「事業者変更」です。
事業者変更の場合も、転用と同じく工事不要です。
ただし乗り換え費用は転用時と多少異なるため、ご紹介する情報を参考にしてください。
乗り換えの手順
事業者変更における乗り換え手順は以下のとおりです。
- 契約中の光コラボ事業者のサイトにアクセスする(or電話する)
- 「事業者変更承諾番号」を取得する
- 乗り換え先の光コラボ事業者へ「事業者変更承諾番号」を伝えて申し込む
- レンタルしている機器を返却する
おおまかな流れは、転用のときと同じです。
乗り換えにかかる費用
事業者変更にかかる費用は以下のとおりです。
- 契約事務手数料:乗り換えの事務手続きにかかる費用
- 契約中の光コラボ事業者への違約金:事業者への支払いが必要な可能性がある費用
- 工事費の残債:契約中の事業者の残債が残っている場合にかかる費用
契約事務手数料は、契約中の光コラボ事業者と、乗り換え先の事業者へそれぞれ3,300円支払うケースが一般的です。
ただ例外として『楽天ひかり』のように、1,980円と安く設定している会社もあります。
違約金は、契約更新月に乗り換えれば発生しませんが、そうでなければ数千~数万円かかるケースがあるため、乗り換えはなるべく契約更新月まで待った方が良いでしょう。
また契約中の光コラボ事業者で工事費の残債があるなら、その支払いがあることも忘れないようにしましょう。
乗り換えの所要時間・日数
所要時間はおおよそ20分前後です。
また乗り換え完了にかかる日数は、1~2週間くらいを見ておきましょう。
事業者変更承諾番号についても、15日間の有効期限があります。
有効期限が過ぎると、再度番号の発行が必要のため、番号取得後は早めに手続しましょう。
③回線が違う事業者に乗り換える場合
いままで使ったことがない新しい光回線事業者に乗り換える場合、転用でも事業者変更でもなく「新規契約」扱いです。
そしてこのパターンでは工事が必要になり、全体の流れも転用や事業者変更とは異なるためご注意ください。
乗り換えの手順と工事内容
乗り換え手順はおおむね以下のとおりです。
- 乗り換え先の光回線を契約する
- 現在契約中の光回線を解約する
- レンタルしている機器を返却する
ここで重要なのは、先に乗り換え先で契約してから今の回線の解約手続きをすること。
先に現在の契約を解約すると、新しい回線が開通するまでに時間がかかる場合、インターネットを使えない空白期間が乗じる可能性があるので注意しましょう。
なおオフィスビルに光回線を敷設する工事では、以下のような作業が行われます。
- 主配電盤室(MDFまでの光ファイバー引き込み
- 光ファイバー分岐装置(PT盤)への接続
- 各フロアのスプリッタ(PD盤)への配線
- 光コンセントの設置
- ホームゲートウェイおよびONUの設置
簡単にまとめると、電柱からオフィスの共用スペースへ光ファイバーを引き込み、そこから該当フロアへまわして、通信機器に接続します。
一方オフィスが戸建ての場合は、共有スペースではなく、直接該当フロアへ引き込む流れです。
乗り換えにかかる費用
乗り換えにかかる費用は以下のとおりです。
- 契約事務手数料:乗り換えの事務手続きにかかる費用
- 契約中の光回線・プロバイダ事業者への違約金:事業者によっては必要になる費用
- 工事費の残債:契約中の事業者の残債が残っている場合にかかる費用
- 設備撤去費:光回線設備の撤去が必要な場合にかかる費用
契約事務手数料は、1,000円を切るところもあれば3,300円かかるところもあり、事業者によって異なります。
また契約更新月以外のタイミングで解約すると、回線事業者とプロバイダの双方に違約金が発生する恐れがあるため、なるべく更新月に乗り換えましょう。
乗り換え先の工事費については、1~4万円前後かかります。
例として、フレッツ光の集合住宅向け『光クロス オフィスタイプ』は税込1万6,500円です。
auひかりは、『auひかりマンション』が税込3万3,000円です。
特殊な費用として、設備撤去費がかかることがある点にご注意ください(詳しくは後述)。
乗り換えの所要時間・日数
光回線の工事自体は、30分~2時間程度かかるのが一般的です。
開通までの時間は、事業者や契約内容により異なりますが、転用などとは違い、新しい光回線を敷設することになるため時間がかかります。
2週間~2ヶ月ほどを見ておくとよいでしょう。
一般的には、戸建てよりも集合住宅(オフィスビル)のほうが、日数が短いといわれています。
光回線の乗り換えで押さえておくべき注意点
光回線を乗り換える場合、以下の点にご注意ください。
- 契約更新月以外だと違約金が発生する
- 撤去工事とその費用が必要になる場合がある
- 光電話の番号を引き継げないケースがある
- 独自回線の事業者は利用エリアが限られる
それぞれの注意点について解説します。
契約更新月以外だと違約金が発生する
光回線のサービスには2年や3年の「定期契約プラン」があり、契約期間を満了せずに解約すると、違約金が発生するため注意しましょう。
2022年の電気通信事業法では違約金が引き下げられましたが、それでも数千~数万円、平均すると1万円ほどの違約金がかかると考えておきましょう。
違約金なしで解約できるのは、「契約更新月」の間だけです。
契約更新月は、契約が満了するタイミングの前後2~3ヶ月間に設定されています。
例えばフレッツ光の2年契約プランの場合、利用期間が満了した月と翌月・翌々月の3ヶ月間が契約更新月です。
よって違約金を払わないためにも、契約更新月を確認しそのタイミングで乗り換えましょう。
- やむを得ない事情があって、どうしても契約更新期間以外に乗り換えなければならない場合は、違約金負担キャンペーンなどがあるサービスを選ぶと良いでしょう。
撤去工事とその費用が必要になる場合がある
光回線の設備を撤去するかどうかは一般的に任意ですが、撤去が求められることがあり、その場合は撤去工事費がかかります。
工事費は、状況によって1~3万円前後と比較的高額です。
例えばauひかりは税込1万1,000~3万1,680円かかります。
なお撤去工事が求められるのは、以下のようなケースです。
- 特定の時期に契約した場合:2018年3月1日~2022年6月30日に申し込んだ場合(例:auひかり)
- 回線事業者が撤去の指示をする場合:契約書に撤去の旨が書かれている場合など
- 建物のオーナーや管理会社が撤去を要求する場合
撤去が任意の場合は、そのまま設備を放置しても問題ありません。
設備を残しておけば、将来その回線事業者と再契約する際に役立つかもしれません。
光電話の番号を引き継げないケースがある
光回線を利用する電話サービス「光電話」を契約している場合、現在の電話番号を引き継げないケースがあります。
電話番号にはいくつか種類があり、引き継げる番号と引き継げない番号が存在するからです。
【電話番号の引き継ぎができる場合】
- NTTの加入電話やISDN回線で利用中の番号(NTTで発番された電話番号)
- 別の光電話サービスを使っているが、もともとNTTが発番した番号
- NTTのひかり電話専用番号(転用と事業者変更の場合のみ引き継ぎ可能)
【電話番号の引き継ぎがでない場合】
- NTT以外の通信事業者が発番した番号(KDDIが発番した番号など)
- NTTのひかり電話専用番号(転用と事業者変更以外へ乗り換えする場合)
現在の番号を引き継げないと、顧客や取引先に新しい番号を周知したり、古い番号が記載された印刷物を変えたりと、手間がかかります。
番号が変わると困る方は、引き継ぎ可否について乗り換え先に確認するようおすすめします。
独自回線の事業者は利用エリアが限られる
NTT系以外の光回線事業者で、独自回線を使っている場合、エリア未対応で契約できない場合があります。
例えば電力系の光回線は、以下のエリアに限定されています。
電力会社 | 対応エリア |
---|---|
eo光 | 大阪府、兵庫県、京都府、奈良県、滋賀県、和歌山県、福井県の一部 |
コミュファ光 | 愛知県、静岡県、岐阜県、三重県、長野県 |
Pikara | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 |
MEGA EGG | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 |
BBIQ | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県 |
いざ契約しようと思っても、エリアが未対応で契約できない場合があるため、事前に必ず確認しておきましょう。
光回線の事業者選びで失敗しないためのポイント
ここまでの解説で、光回線の乗り換えと工事の関係が整理できたかと思います。
この時点である程度どの回線事業者を選ぼうかイメージが湧いてきたかもしれませんが、最後に、乗り換えで失敗しないための選び方のポイントを解説します。
回線速度が速く安定した事業者を選ぶ
通信速度にはプロバイダが大きく関係しますが、回線事業者の設備や利用状況によっても左右されます。
例えば先ほど軽く触れたとおり、独自回線やダークファイバーを使う事業者の場合、利用者が少ないため通信状況は比較的良好です。
利用者が多いフレッツ光や光コラボでも、著しく低速なわけではありません。
しかし、利用者の多さや設備の問題(光ファイバーの分岐が多いなど)などが原因で、回線が混雑する場合もあるので注意が必要です。
そこで光回線事業者を選ぶときは、以下のようなポイントを参考にしてください。
- IPv6 IPoE方式対応の事業者を選ぶ
- 通信速度に関する口コミ情報を参考にする
IPv6 IPoE方式は次世代の通信規格で、従来のIPv4と比べて通信速度が速いです。
この方式に対応した事業者を選び、対応するルーターを導入することで、通信速度の底上げを図れます。
注意点として、同じIPv6ではあっても、「IPv6 PPPoE方式」だと速くないため、混同しないようご注意ください。
ユーザーの口コミを聞くと、実際の通信速度に関するヒントが得られます。
例えば『みんなのネット回線速度』では、地域や事業者ごとの実測値を公開していて参考になります。
実質月額料金を比較し安い事業者を選ぶ
光回線の乗り換えを考えている方の多くは、コストを抑えたいと思っていることでしょう。
光回線のコストには、工事費や契約事務手数料などの初期費用に加え、月額利用料金やオプションサービスなどのランニングコストがかかります。
乗り換え先を選ぶときは、利用予定期間にかかる費用を総合的に計算することが大切です。
月額利用料金のみを比較すると他社より安く思えても、工事費やキャンペーンなどをトータルで考えると、実は割高になるケースもあります。
例えば、月額料金が最安なものの工事費が3万円かかる事業者Aと、Aより月額料金が高いものの工事費がキャンペーンで無料の事業者Bでは、最終的にBのほうが安いかもしれません。
あるいは、1年目の月額料金が安くても、2年目以降は他社より高くなるプランがある場合、2年3年と継続利用すれば高くつくこともあるでしょう。
お得なキャンペーンがある事業者を選ぶ
光回線の事業者を選び際には、お得なキャンペーンを実施していないかチェックしましょう。
例えば、以下のようなキャンペーンを実施している事業者がいます。
- 工事費無料キャンペーン
- キャッシュバックキャンペーン
- 乗り換え元への違約金負担キャンペーン
このようなキャンペーンを利用すると、工事が必要な場合や、契約更新月以外のタイミングで乗り換えする場合などでも、費用を抑えられます。
ただし前述のとおり、コストについては総合的に考えることが大事です。
キャンペーンで大量のキャッシュバックをもらえても、そもそもの月額料金が高ければ、さほど得しないかもしれません。
キャンペーンだけでなく、初期費用やランニングコストもあわせて検討しましょう。
サポート体制が整っている事業者を選ぶ
乗り換えすると契約相手が変わります。
例えば、フレッツ光から光コラボに転用した場合、問い合わせ先は全て光コラボ事業者に変更されます。
そのため、サポートが充実している事業者を選ぶことが肝心です。
具体的には、以下のような事業者をおすすめします。
- 電話窓口がある
- 年中無休で対応してもらえる
- 設定や機器故障などに対応してもらえる
通信設備や機器に詳しい人材がいる場合は別として、なにかトラブルや分からないことがあったときに、丁寧なサポートがあると助かります。
光コラボをはじめ光回線に関するご相談は『OFFICE110』へ
「光回線の乗り換え先を選ぶのが難しい」
「光電話を使っているけど、番号が変わらないか心配…」
光回線に関するお悩みごとや疑問がある方は、ぜひ『OFFICE110』へご相談ください。
OFFICE110は光回線の手配をはじめ、オフィス機器の販売・設置工事までトータルサポートしております。
全国対応で、これまで12万社以上のお客様のオフィス環境改善をサポートしてまいりました。
弊社はもともと工事専門会社としてスタートしているため、高い工事品質をお約束できます。
また、万が一トラブルがあっても1ヶ月間の無償対応があり安心です。
さらにOFFICE110では、光コラボレーションサービス『OFFICE110光』もご提供。
月額料金が安く今よりもコスト削減できる可能性が高い上に、請求をはじめ様々な窓口を一本化できる点が魅力です。
光コラボ事業者への転用・事業者変更を考えている方や、光回線について相談したい方は、ぜひ公式サイトをご覧のうえ、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
光回線を乗り換える場合は、事業者の種類や特徴について知り、工事の有無を確認しましょう。
工事があるかないかでコストが大きく変わるほか、所要時間・日数も左右されます。
現在フレッツ光や光コラボ事業者と契約している場合は、転用もしくは事業者変更にすると、よりスムーズかつ低コストで乗り換え可能です。
光コラボ事業者は独自の特典を提供しているケースが多いため、お得に乗り換えできる可能性が高いです。
本記事でご紹介した、乗り換えに関する注意点やポイントを参照のうえ、ニーズに合った事業者を選んでください。
光コラボを含め光回線に関して分からないことがあれば『OFFICE110』へご相談ください。
どんなささいな質問にも、丁寧に回答させていただきます。