漏電とは?危険?原因・症状・対処法を徹底解説【完全版】
- なんだか最近、ブレーカー落ちる頻度が増えた気がする…
- そんなに電気を使っていなのに、電気料金が急激に高くなった…
それ、もしかすると「漏電」が原因かもしれません。
漏電が起こると、最悪の場合には『漏電火災』や感電による『死亡事故』につながる恐れがあるため、放っておくと大変危険です。
そこで今回は、漏電の危険性や起こる原因、漏電しているときによく見られる症状を徹底解説。
さらに漏電しているか調べる方法や、未然に防ぐための対策も詳しくご紹介していきます。
繰り返しますが、漏電は死亡にもつながるリスクがあり、大変危険です。
本記事で漏電に関する正しい知識を身につけて、思いもよらぬ事故から守りましょう。
監修者
登 雄三
(のぼり ゆうぞう)
保有資格:工事担任者(AI・DD総合種)/電気工事士
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国各地でビジネスフォン・複合機・防犯機器などのOA機器の販売や電話工事、電気工事、LAN配線工事、VPN構築を主に手掛ける。2023年には名古屋へ拠点進出。
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国各地でビジネスフォン・複合機・防犯機器などのOA機器の販売や電話工事、電気工事、LAN配線工事、VPN構築を主に手掛ける。2023年には名古屋へ拠点進出。
漏電とはどんな現象?簡単に解説
漏電とは、電気が本来通るべき経路から外れ、予期せずに周囲の物質(例えば、地面や建物の構造部分)へと流れ出す現象です。
これは主に、電線の損傷や絶縁体(電気を通さない物質)の劣化、不適切な電気設備の取り付けなどのさまざまな原因によって引き起こされます。
またこの後詳しく解説していきますが、漏電は『感電』や『火災』のリスクを高めるため、非常に危険な現象とされています。
漏電したらどうなる?危険性とは
漏電すると、以下のようなトラブルが発生することがあります。
- 感電により死亡事故につながる
- 漏電火災が発生する
- 電気設備が故障する
では早速、それぞれのトラブルについて詳しく解説します。
感電により死亡事故につながる
漏電が起きると、関電により死傷事故につながる恐れがあるため大変危険です。
電気はごく少量であれば「ピリッ」と感じる程度ですが、以下のように、容量が増えるとそれだけ人体に大きな影響を与えてしまいます。
- 1mA:ピリッと感じる
- 5mA:強い痛みを感じる
- 20mA:呼吸困難が発生し筋肉が硬直する
- 50mA:わずかな時間で命を落とす
厚生労働省の資料「労働災害発生状況」によると、令和2年度には感電による死傷件数が92件もあり、その内6件が死亡事故でした。
漏電によるものとは限りませんが、電気の危険性を示すデータとしては十分です。
実は、漏電による死亡事故は「まさか」と思えるような状況でも起こり得ます。
身近な例でいうと、スマホの充電中にケーブルからの漏電で亡くなった事故も多数あります。
一見危険性がないように思える充電ケーブルからの漏電ですら死亡事故に至ることを考えると、漏電は絶対に放置してはならないとわかるでしょう。
漏電火災が発生する
漏電は、火災を引き起こす可能性がある危険な現象です。
漏電によって生じるスパークが周りの可燃物に触れると、その火花から火がつき、火災が発生することがあります。
漏電した電流により物体が加熱され、炭化して最終的に火災に至ることも少なくありません。
分電盤に設置されている漏電ブレーカーは、0.03アンペア(A)以上の漏電を感知してくれますが、0.01Aの微小な漏電でさえ火災の原因となる場合があるため、漏電ブレーカーだけに頼るわけにはいきません。
実際、1955年に新潟で起きた大火災は、漏電が引き金となり約1,000軒の家が失われました。
この事例からもわかるように、小さな漏電でも大規模な災害を引き起こす可能性があります。
さらに、AIG損害保険が扱った火災事故の約30%は「電気系統」の問題が原因だったことを考慮すると、電気系統の安全管理がいかに重要かがわかります。
電気設備が故障する
漏電は電気が予定された経路から逸脱し、予期せず周囲の物質や空間に流れ出る現象です。
この不正な電流の流れは、電気設備に重大な影響を与え、故障の主要な原因となります。
漏電が発生すると、電気器具や配線系統に過剰な熱が生じ、絶縁体の劣化を加速させます。
結果として、電気設備内部の部品がダメージを受け、性能が低下することがあるのです。
なお電気設備が漏電により故障すると、修理や交換が必要となりこれには時間とコストがかかるため、漏電の早期発見と対策が不可欠です。
漏電が起こる5つの原因
漏電が起きてしまう原因はさまざまですが、代表的なものとしては以下の点が挙げられます。
- 水濡れ、雨漏り
- コードやプラグの劣化・破損
- 電化製品の劣化・故障
- 電流の容量オーバー
- ネズミなどの小動物被害
では次に、それぞれの原因について詳しくチェックしていきましょう。
水濡れ、雨漏り
漏電の一般的な原因は、電気設備が水に濡れることです。
雨漏りや飲み物のこぼれる事故など、さまざまな状況で電気設備に水分が付着すると、漏電のリスクが高まります。
水分が電気設備の絶縁体を通過すると、電気が不適切な経路で流れるようになるため、外に漏れ出てしまうという仕組みです。
電気設備が濡れる原因は多岐にわたりますが、主に雨漏りやエアコンの室外機への水侵入が挙げられます。
もしもあなたの建物やオフィスが老朽化している、または電気設備が水に濡れやすい場所にある場合は、漏電のリスクを把握し、適切な対策を講じることが重要です。
コードやプラグの劣化・破損
コンセントに挿すプラグや電気コードの劣化・破損も漏電を引き起こしかねません。
これらはあくまでも消耗品であり、経年劣化あるいは頻繁な抜き差し・取り回しなどによって、徐々に状態が悪くなります。
例えば電気コードなら、内部の金属線を保護している絶縁材料が徐々に弱まり、最終的に金属線が露出する可能性があります。
コードが不自然に曲がっていたり、束ねられて熱を持ちやすくなっている場合、劣化が加速しやすいため十分に注意が必要です。
以上より、絶縁材料が適切に機能しなくなると漏電が発生しやすくなり、その結果、電気設備の安全性が損なわれ、感電や火災のリスクが高まるのです。
電化製品の劣化・故障
コードやプラグの場合と似ていますが、電化製品の劣化・故障も漏電の原因になりえます。
長期間同じ電化製品を使い続けると、次第にあちこちが劣化してきますが、それは絶縁部分についても同様で知らぬ間に老朽化しています。
外見上は問題なく機能しているように見えても、内部では、絶縁部の劣化によりいつでも漏電が起こりうる状態になっていることがあるのです。
このような状態は、使用者が直接異常に気付くのが難しいため、漏電防止には定期的な点検やメンテナンスが重要だと言えるでしょう。
電流の容量オーバー
電流の過負荷は漏電の隠れた原因の一つです。
コンセントや延長ケーブルには、例えば「最大15アンペア(A)」といった、扱える電流の最大量が指定されています。
しかし、複数の電気機器を同時に使用する「たこ足配線」などにより、これらの設備に設定された電流容量を超えてしまうと、過負荷状態に陥ります。
この状態が続くと、電気設備や機器の劣化を早め、最終的に漏電を引き起こすのです。
過負荷は、設備の安全性を損なうため、使用する電気機器の数や種類に注意し、指定された容量を超えないよう管理することが重要です。
ネズミなどの小動物被害
小動物による漏電は意外と一般的な問題です。
特に、ネズミがオフィスの中に侵入し、電気コードをかじって絶縁体を破壊することがよくあります。
同様に、家庭内のペットである猫や犬も、電気コードを噛んだり引っ掻いたりして、漏電の原因となることがあります。
動物による電気コードの損傷は、予期せぬ漏電を引き起こし、機器の故障や安全上の問題につながるため、害獣やペットの行動には常に注意を払うことが重要です。
漏電しているときによく見られる症状
漏電が起きているときは、以下のような症状が起きやすくなります。
- 頻繁にブレーカーが落ちる
- 電気代が急に高くなる
- 金属部分に触れるとピリピリする
具体的にどのようなサインなのか、各症状について詳しく見ていきましょう。
頻繁にブレーカーが落ちる
漏電が発生すると、その安全機構として分電盤の漏電ブレーカーが働きます。
このブレーカーは漏電を感知した瞬間、事故を防ぐために回路を遮断し電気の供給を停止するため、頻繁にブレーカーが落ちるようになるのです。
漏電ブレーカーが作動すると、一般的には建物全体や特定の区域の電気が全て停止します。
これは、漏電の正確な位置を特定してその部分だけを遮断できるわけではないためです。
よって漏電が疑われる場合、速やかに漏電の原因を探り、対応策を講じることが重要です。
後に紹介される漏電のチェック方法や対処法を利用して、漏電箇所を迅速に見つけ出し、修理することが推奨されます。
電気代が急に高くなる
漏電は電気が不必要に外部に流出する状態を指し、これが原因で余分な電力が消費されます。
結果として、実際に使用している電力よりも総消費電力が増え、電気代が不当に高くなることがあります。
特に、電気代が急激に上昇した場合、漏電が原因である可能性が高いため注意が必要です。
このような状況に遭遇したら、専門の業者に依頼し、漏電の調査や修理を行いましょう。
また定期的な点検と適切なメンテナンスを行っておけば、漏電による無駄な電力消費とその結果生じる高額な電気代を防ぐことができます。
金属部分に触れるとピリピリする
漏電が発生しているときは、電気が予定された経路から逸れ、金属部品などを通じて外部に流れ出しています。
この状態で金属部分に触れると、ピリピリとした感覚や小さなショックを感じることがありますが、これは、すでに感電のリスクが存在しており、非常に危険な状態です。
さらに、金属部分に蓄積されたほこりが湿気などと反応し、漏電の原因になることもあります。
このような場合、ほこりが発火し、最悪の場合、漏電火災に発展する危険性があるため、速やかに専門の電気工事業者に相談し、適切な対策を講じることが重要です。
漏電しているか調べる方法・対処法
漏電が起きているか、定期的にチェックしておくことで被害を未然に防げます。
漏電の調べ方としては、以下のようなやり方が挙げられます。
- ブレーカーで確認する
- テスターで確認する
- 業者に調査を依頼する
3つの方法について、対処法を交えつつ詳しく解説していきます。
ブレーカーで確認する
分電盤に備え付けられたブレーカーを用いることで、漏電が発生しているかどうかを確認することが可能です。
漏電を検出するための漏電ブレーカーは、電気の漏れを感知すると自動的に電源を遮断してくれるもので、この機能を利用して漏電の有無をチェックする方法は以下の通りです。
- 安全ブレーカーをすべてOFFにする
- 漏電ブレーカーもOFFにする
- 漏電ブレーカーをONにする
- 安全ブレーカーを一つずつONにして漏電ブレーカーが落ちないか調べる
ある安全ブレーカーをONにしたときに漏電ブレーカーが落ちたら、その安全ブレーカーが該当する電気回路に問題があるかもしれません。
この場合、異常がある回路の安全ブレーカーをOFFにしたまま、後述する方法で漏電箇所を探るか、専門業者を呼んで調査を依頼しましょう。
ちなみに分電盤が古いと、漏電ブレーカーが付いていない場合があります。
この場合、自分で漏電のチェックが行えない上に、常時安全装置が機能しないリスクがあるため、新しいものへの交換を推奨します。
テスターで確認する
漏電のチェックには、クランプメーターやメガーといった専用の計測器が有効です。
クランプメーター (画像引用:ACクランプメーター) |
メガー(絶縁抵抗計) (画像引用:絶縁抵抗計) |
クランプメーターは、電流の漏れを検出するために使用されるテスターで、疑わしい電気コードをこの器具で挟むことにより、漏れ電流の有無を確認できます。
これにより、漏電が発生している特定の箇所を特定することが可能になります。
一方メガーは、絶縁抵抗を測定するテスターで、漏電が疑われる箇所の絶縁状態を調査します。
安全ブレーカーがOFFの状態で、露出した配線同士をショートさせてから分電盤のアース端子と接続し、メガーの測定ボタンを押すと、漏電しているかどうか確かめることが可能です。
漏電が確認されたら、接続されている電気機器を一つずつ取り外し、再度測定を行います。
これにより、問題の原因が特定の機器にあるのか、もしくはコンセントや配線自体にあるのかを判断できるため、専門の電気工事業者に連絡して、適切な修理や対策を依頼しましょう。
業者に調査を依頼する
もしテスターを持っていなかったり、漏電の場所を迅速かつ正確に特定したい場合は、専門の業者に調査を依頼することをおすすめします。
プロの業者なら、漏電の有無や具体的な漏電箇所を速やかに特定してくれます。
一部の業者では、サーモグラフィー調査を用いて漏電や配線問題を熱画像で視覚化するサービスを提供しており、漏電や配線の異常を明確に検出できます。
電気設備の点検はリスクを伴う作業ですから、安全を最優先に考え、プロに依頼することが望ましいです。
無料の漏電調査サービスを提供する電気保安協会などもありますが、これらのサービスでは漏電の確認は可能ですが、修理までは対応していません。
漏電調査を電気工事会社や専門業者に依頼する場合、費用は約7,000円から3万円程度が目安。
調査から修理までワンストップで対応してくれるため、一連の問題をスムーズに解決できる利点があります。
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漏電を防ぐためにやるべき4つの対策
漏電を発見することも大切ですが、より理想的なのは、あらかじめ防止策を講じることです。
- アース線をつなげる
- 機器やコードの水濡れを防ぐ
- たこ足配線をしない
- 電気設備周りを清掃する
電気知識がなくてもすぐに実践できる防止策として、4点をご紹介していきます。
アース線をつなげる
アース線は、電化製品から不要になった電気を安全に地面に流すための線です。
この線があることで、もし電化製品から電気が漏れても、その電気を地面に逃がし、感電するリスクを減らすことができます。
さらに、雷が落ちた際に電化製品に流れ込む大量の電流による漏電の危険も減少します。
これらの理由から、電化製品を使用する際はアース線の接続が非常に重要です。
もしアース線が装備されていない、または使用しているコンセントにアース端子がない場合は、電気工事の専門業者にアース工事を依頼することをお勧めします。
機器やコードの水濡れを防ぐ
水分は漏電の一般的な原因のため、電気設備や電子機器の近くに水がないように注意することが大切です。
例えば、デスク周りに飲み物を置く際は、電気機器から距離を保ち、水分が電気機器にかからないようにしてください。
また加湿器などの水分を発生させる機器は、電線やコンセントの近くへの設置は避けましょう。
さらに手が濡れている時は、コンセントに触れないようにすることも重要です。
そのほか、もしも建物に雨漏りなどの水周りの問題があれば、速やかに修理を行うことが漏電リスクを減らす鍵となります。
たこ足配線をしない
電源タップや三角タップなどを使用して多重に接続する、「たこ足配線」は漏電の危険性を増加させる可能性があります。
一つのコンセントから供給可能な電流の最大容量は15アンペア(A)に制限されています。
たこ足配線を行うと、この限度を超えて電流を消費するリスクがあり、これによりコンセントや電線が過熱し、最悪の場合、漏電や火災の原因となることがあります。
安全を確保するためには、電源タップの過度な使用を避け、複数の電気機器を一箇所で同時に使用することを控えることが重要です。
電気設備周りを清掃する
定期的な電気機器とコンセントの周囲の清掃は、安全に使用する上で非常に重要です。
ほこりが蓄積され、そこに湿気が加わると電気が通りやすくなって漏電のリスクが高まります。
多くの場合、電気機器そのものはこまめに掃除していても、コンセントの周辺や電気コードの清掃は見落としがちです。
これらのエリアも定期的に掃除して清潔に保つことで、ほこりが溜まることによる漏電や電気火災の危険を軽減できます。
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まとめ
漏電とは、電線や配線などが老朽化して電気が流れ出ている状態です。
漏電には深刻なリスクがあり、放っておくと惨事を招きかねません。
本記事でご紹介したとおり、漏電の原因はさまざまですが、いつどこで発生してもおかしくないほど身近な問題です。
ブレーカーの頻繁な作動や電気代の突然の高騰など、少しでも電気周りで違和感を持った場合は、すぐに調査するようおすすめします。
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電気に関するどんな質問にも丁寧にお答えいたします。