ビジネスフォンの故障でよくある症状!原因と対処法を徹底解説
ビジネスフォンは耐久性が高く、比較的壊れにくい機器ではありますが、予期せぬ故障が起こる可能性も否定できません。
故障や不具合が生じた際、簡単な問題なら自分で解決できる場合もあります。
しかし、ビジネスフォンの取り扱いには専門知識が必要なため、多くのケースではメーカーや専門業者への依頼が必要です。
ビジネスフォンの故障は、会社の業務に大きな影響を与える可能性があるため、迅速な対応が欠かせません。
本記事では、トラブルに遭遇した際の対処法を4つの重要なポイントに絞って解説します。
- よくある故障の症状
- 主な故障の原因
- 故障時の対処法
- 修理費用の目安
これらの知識を身につけておけば、問題が起きても慌てずに対応できるでしょう。
ビジネスフォンの故障でお困りの方、トラブルへの対処法を知りたい方は、ぜひ本記事をご参考ください。
監修者
登 雄三
(のぼり ゆうぞう)
保有資格:工事担任者(AI・DD総合種)/電気工事士
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国各地でビジネスフォン・複合機・防犯機器などのOA機器の販売や電話工事、電気工事、LAN配線工事、VPN構築を主に手掛ける。2023年には名古屋へ拠点進出。
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国各地でビジネスフォン・複合機・防犯機器などのOA機器の販売や電話工事、電気工事、LAN配線工事、VPN構築を主に手掛ける。2023年には名古屋へ拠点進出。
ビジネスフォンの故障でよくある症状
ビジネスフォンは業務用に設計されており、家庭用電話機よりも耐久性も高く、長期間使い続けられるのが特徴です。
とはいえ、経年や外部からの衝撃など、使用状況によっては故障してしまう可能性もあります。
ビジネスフォンの主な故障例として、以下の4つが挙げられます。
- 電話機の電源が入らない
- 通話できない・聞こえない
- モニターが表示されない
- 通話中に雑音が入る
ここでは、それぞれの症状について詳しく解説していきます。
電話機の電源が入らない
まず、ビジネスフォンの故障で考えられるのが、電源そのものが入らないケースです。
電話機の電源が入らない場合、すべての機能が使用できなくなり、ディスプレイが表示されずに通話の受発信もできません。
ただし、この場合には単なる接続不良、例えば「コンセントが外れている」ことが原因である可能性も。
もし、コンセントに正しく接続しているにもかかわらず電源が入らない場合は、機器の故障が考えられます。
- また、一部の古い電話機では電話線から電源を供給するため、コンセントがない場合もあります。
通話できない・聞こえない
通話に関する問題が発生した場合、電話機や周辺機器自体に問題がないことがあります。
これは、通話中の不具合が電話機本体ではなく、他の要因によって引き起こされている可能性があるためです。
たとえば、内線や外線が通じない、片方だけ声が聞こえないなどのケースが考えられます。
これらは、ディスプレイなどの電話機や周辺機器には異常がないにもかかわらず発生することがあります。
したがって、通話の不具合がある場合は、電話機以外の要因も含めて原因を特定することが重要です。
ビジネスフォンが繋がらないトラブルでお困りの方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
モニターが表示されない
続いて、モニターが表示されない不具合もビジネスフォンの一般的な故障例の一つです。
液晶モニターの不具合は、ビジネスフォンの操作に直接影響を与えるため、業務に支障をきたす可能性があります。
具体的には「液晶モニターに何も表示されない」「ディスプレイの表示が薄くなる」といった問題が発生することがあります。
そのため、モニターの不具合が見られた場合は、早急に原因を特定し、修理や交換を検討することが重要です。
電話機の液晶が表示されない原因や対処法を知りたい方は、以下の記事をご参考ください。
通話中に雑音が入る
ビジネスフォンを使用中、様々な要因で通話中に雑音(ノイズ)が入ることがあります。
雑音は通話品質を著しく低下させ、円滑なコミュニケーションを妨げます。
これは単なる不便さだけでなく、ビジネス上の重要な情報の伝達ミスや、顧客満足度の低下につながる可能性があります。
通話品質の向上は、スムーズなビジネスコミュニケーションの実現に不可欠です。
雑音の問題に気づいたら原因を特定し、適切な対策を講じることが重要です。
定期的なメンテナンスや専門家による点検を行い、高品質な通話環境を維持し、ビジネスの効率化と顧客満足度の向上につなげましょう。
通話中の雑音でお悩みの方は、以下の記事をぜひご参考ください。
ビジネスフォンが故障する主な原因
ビジネスフォンが故障する原因として、以下のような点が挙げられます。
- ホコリの侵入や詰まり
- 主装置(ユニット)の劣化・障害
- ローゼットの不良やケーブルの断線
それぞれの原因について詳しく解説します。
ホコリの侵入や詰まり
ホコリはビジネスフォンの故障の原因となる場合があるため、注意が必要です。
微細なホコリは、ビジネスフォンの表面だけでなく内部にも侵入し、様々なトラブルを引き起こす可能性があります。
例えば、ホコリがボタンの隙間に入り込むと接触不良を起こしたり、電流が異常に発生して火災の原因になる場合も。
特に、ホコリが多く舞う場所に設置されている電話機では、これらのリスクが高まります。
ビジネスフォンを適切に管理するためには、定期的な清掃を行い、ホコリの侵入を防ぐことが重要です。
必要に応じて、防塵カバーを利用することもおすすめです。
主装置(ユニット)の劣化・障害
続いて、主装置(ユニット)の劣化や障害は、ビジネスフォンの故障の主な原因のひとつです。
主装置はビジネスフォン全体の司令塔として機能し、外部からの固定回線や各電話機と配線され、受発信全体をコントロールしています。
そのため、常に稼働している精密機器であり、故障のリスクが高いです。
主装置の内部には「ユニット」と呼ばれる基板がいくつか設置されており、これらのユニットは電源供給や受発信管理、留守番電話設定など、さまざまな役割を担っています。
これらのユニットの劣化や障害が発生すると、ビジネスフォン全体の機能に影響を与える可能性があります。
ビジネスフォンの安定した運用を維持するためには、主装置の劣化や障害に注意し、定期的なメンテナンスや必要に応じた交換を行うことが重要です。
ローゼットの不良やケーブルの断線
ビジネスフォンが故障する3つ目の理由が、ローゼットの不良やケーブルの断線によるビジネスフォンの故障です。
ローゼットは、主装置と電話機を接続する際に使用する中継機器です。この部分に不良があると、電話機の正常な動作が妨げられます。
また、ケーブルの断線は、データのやり取りを阻害し、電話機の機能を停止させる可能性があります。
ローゼットにホコリや湿気が溜まったり、経年劣化が進むことで接触不良を起こし、電話機の動作に支障をきたします。
さらに、ケーブルが踏まれたり引っ張られたりして断線すると、通信が途絶えてビジネスフォンが使用できなくなります。
- ビジネスフォンの安定運用のためには、ローゼットやケーブルの状態を定期的に点検し、必要に応じて交換やメンテナンスを行うことが重要です。
ビジネスフォンの故障修理・交換の費用相場
ここでは、ビジネスフォンの故障する場合の修理や買い替え(交換)の費用相場について解説します。
ビジネスフォンの故障修理の費用相場
購入したビジネスフォンが保証対象外の場合や保証が過ぎている場合、修理や交換に費用がかかります。
故障の種類によって費用は変わりますので、以下の相場を参考にしてください。
【修理費用の目安】
■電話機本体の故障
・修理費:3,000〜5,000円
・液晶表示不良、電源が入らない など
■ケーブル関連の故障
・修理費:10,000〜20,000円
・技術者派遣費:15,000円
※配線全体に問題がある場合、大規模な修理が必要になる場合があります。
電話機の台数や交換部品、工事内容によって異なりますが、派遣費を含めると、総額25,000〜35,000円程度が相場です。
少しでも、修理費ようを抑えるためにも、中古品の保証の有無を購入時に確認しましょう。
また、故障の種類や規模によって費用が大きく変わります。大規模な修理の場合、新規購入との費用対効果を比較検討しましょう。
修理を検討される際は、専門業者に相談し、見積もりを取ることをおすすめします。
ビジネスフォンの交換(買い替え)の費用相場
ビジネスフォンの買い替え(交換)にかかる費用は、電話機の台数や主装置の機能、機器の状態(中古か新品か)によって大きく異なります。
特に、中古品を利用することで、通常よりも大幅にコストを削減できる可能性があります。
導入時の主な費用は、ビジネスフォンシステムの中核となる主装置と電話機です。
主装置と電話機の価格相場は以下の通りです。
■主装置の価格相場
・新品:約10~30万円
・中古品:約4~15万円
■電話機の価格相場(1台あたり)
・新品:約2~3万円
・中古品:約5,000~15,000円
ビジネスフォンの買い替え(交換)を検討する際は、必要な機能と予算を明確にし、新品と中古品のバランスを考慮することが重要です。
ビジネスフォンが故障したときに確認すべきこと
ビジネスフォンがうまく動作しない場合、以下の4点を確認しましょう。
- 使えない電話機は何台あるか
- 内線通話・外線通話はできるか
- 画面表示はどうなっているか
- いつから使えないか
ここからは、上記を確認する際のポイントについて解説します。
1. 使えない電話機は何台あるか
ビジネスフォンの故障を特定する際には、使えない電話機の台数を確認することが重要です。
故障している電話機が1台だけの場合と複数台の場合では、以下のように問題の原因が異なる可能性が高いからです。
- 1台だけ故障している場合:その電話機自体の問題である可能性が高い
- 複数台が使えない場合:共通する機器やケーブルに問題がある可能性がある
1台だけが故障している場合は、その電話機の電源やディスプレイ表示を確認して、個別の問題を探ります。
一方、複数の電話機が故障している場合は、ローゼット、ハブ、ケーブルなどの共通する部品を調べ、全体のシステムに異常がないかを確認します。
故障の原因を迅速に特定するには、まずは使えない電話機の台数を確認し、適切な対策を講じることが重要です。
これにより、個別の問題とシステム全体の問題を切り分けて対応できます。
2. 内線通話・外線通話はできるか
次に、内線通話と外線通話の受発信が正常に行えるかを確認しましょう。
内線通話と外線通話のどちらに問題があるかを確認することで、以下の通り、故障の原因を特定しやすくなります。
- 内線のみが不通の場合:主装置の内線ユニットでの問題の能性
- 外線のみが不通の場合:主装置の外線ユニットや外線回線での問題の可能性
外線通話だけができない場合は、主装置の外線ユニットや外部回線の接続に問題があり、外部との通話ができなくなります。
また、問題が出ている電話機の台数を確認することで、共通の機器に原因があるかどうかを判断しやすくなります。
内線と外線における通話状況の確認は、故障の原因を特定し、適切な修理を行うための重要なステップです。
これにより、迅速に問題を解決し、ビジネスフォンの安定した運用を維持できます。
3. 画面表示はどうなっているか
ビジネスフォンが故障した際は、ディスプレイの表示で状態を判断できる場合があります。
ディスプレイに表示される情報は、電話機の状態を把握するための重要な手がかりとなります。
表示に異常がある場合、液晶の故障や経年劣化が原因である可能性が高いです。
また、エラーメッセージが表示されている場合は、具体的な問題を示していることがあります。
以下の流れで原因を特定していきます。
- 通常時と同じようにディスプレイが「正しく表示されているか」「液晶が薄くなっていないか」を確認する
- 「文字が抜けている」「文字が薄くなっている」など表示に異常がある場合、液晶の故障や経年劣化が考えられる
- ディスプレイにエラーメッセージが表示されている場合は、取扱説明書を参照して対応策を確認する
このようにディスプレイの表示状態を確認することで、ビジネスフォンの故障原因を迅速に特定し、適切な対策を行えます。
表示の異常やエラーメッセージに注意を払い、必要に応じて対応を行うことが重要です。
4. いつから使えないか
故障が発生した時期を正確に把握することは、原因を特定し、適切な対策を講じるために重要です。
故障の発生時期を知ることで、原因の絞り込みが容易になります。
一時的な問題か、それとも継続的に発生している問題か。
また、外部で起こった出来事や、環境の変化が故障の原因となっている可能性を特定可能です。
故障の発生時期を正確に把握することで、問題の性質や原因をより迅速かつ正確に把握できます。
- これにより、効果的な対策を講じることが可能となり、機器やシステムの早期復旧につながるでしょう。
ビジネスフォンが故障したときの対処法【台数別】
ビジネスフォンが故障した場合、異常が発生している電話機の台数によって対策が異なります。
- パターン① 電話機が1台だけ使えない場合
- パターン② 電話機が複数台使えない場合
- パターン③ 電話機が全台使えない場合
ここからは、電話機が正常に動作しなくなった時の対処法を、パターン別に解説します。
パターン① 電話機が1台だけ使えない場合
電話機が1台だけ使えない場合、まず電話機本体と配線の状態を確認し、適切な対処を行うことが重要です。
1台のみの故障は、その電話機固有の問題である可能性が高いです。
具体的には、ケーブルの接続状態や電話機の故障、配線やケーブルの異常などの観点から原因を特定できます。
具体的な確認方法は、以下の通りです。
- ■ケーブルの接続確認
・モジュラーケーブルを奥まで差し込む
・LANケーブルの金色部分がしっかりはまっているか確認 - ■電話機の交換
・故障している電話機を別の電話機と交換
・正常に作動すれば、元の電話機本体の故障と判断 - ■配線やケーブルの確認
・亀裂や折れ曲がり、被膜の破れがないか確認
・端子部の摩耗をチェック
・問題があれば新しいケーブルに交換して動作確認
これらの手順を踏むことで、故障の原因を特定し、適切な対処を行えます。
ただし、問題が解決しない場合は、専門家に相談することをおすすめします。
パターン② 電話機が複数台使えない場合
複数台の電話機が使えない場合、主装置や中継機器の問題が考えられます。
状況を把握するには、主装置の再起動とローゼットやスイッチングハブの確認を行いましょう。
主装置はビジネスフォン全体をコントロールする重要な機器のため、負担が大きく不具合が起きやすいです。
また、ローゼットやスイッチングハブなどの中継機器には複数の電話機が接続されているため、これらに問題があると複数台の電話機に影響が出ます。
それぞれの具体的な確認方法は、以下の通りです。
■主装置の再起動
主装置の電源を切り、再度入れることでシステムをリフレッシュします。これにより、軽微な不具合が解消される可能性があります。
■ローゼットやスイッチングハブの確認
・ケーブルの接続状態を確認。この際、機器の腐食がないか点検します。
・電源が必要な機器の場合、電源が入っているか確認。特定の中継機器に接続された電話機のみに問題がある場合、その機器の異常を疑います。
・スイッチングハブの場合、ループ(配線問題によるデータの異常な巡回)が発生していないか確認します。
複数台の電話機に問題が生じた場合は、まず主装置の再起動を試みて、それでも解決しない場合は中継機器の確認を行いましょう。
これらの手順を踏むことで、問題を解決できるケースも多くあります。
パターン③ 電話機が全台使えない場合
電話機が全台使えない場合、主装置やONU(回線終端装置)などの共通機器に問題がある可能性が高いです。
全ての電話機が使えない状況は、個々の電話機の問題ではなく、システム全体に影響を与える機器の異常を示す場合が多くなります。
主装置はビジネスフォンシステム全体を制御し、ONUは光回線を終端する重要な装置です。
そのため、これらの不具合がシステム全体の機能停止につながる可能性があります。
電話機全台の故障が疑われる場合、以下の操作を行なってみましょう。
■主装置の再起動
主装置の電源を切り、再度入れることでシステムをリセットします。
これにより、ソフトウェアの不具合や一時的な動作異常が解消される可能性があります。
■ONU(回線終端装置)の再起動
ひかり電話を使用している場合、ONUの電源も切って再起動します。
ONUは光回線と電話システムを接続する重要な役割を果たすため、この再起動で回線関連の問題が解決することがあります。
■通信会社の障害情報の確認
主装置やONUの再起動で改善されない場合、固定電話回線に障害が発生している可能性があります。
通信会社のホームページで障害情報をチェックし、広域的な問題が発生していないか確認します。
これらの手順を踏むことで多くの場合、システム全体の問題を特定し、解決への道筋を作れるでしょう。
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まとめ
ビジネスフォンは耐久性の高いオフィス機器ですが、突然故障が発生することもあります。
不具合が生じた場合、まずは故障した台数や機能の動作状況をチェックし、原因を特定することが大切です。
- 使えない電話機は何台あるか
- 内線通話・外線通話はできるか
- 画面表示はどうなっているか
- いつから使えないか
問題のある電話機の台数に応じて、これまでにご紹介した方法を試し、改善が見られるか確認してみましょう。
それでも大きな問題がある場合は、専門業者やメーカーに修理を依頼するか、買い替えを検討することをおすすめします。
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