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「固定電話が廃止されると聞いたけれど、会社の電話も使えなくなるのだろうか」と不安を感じていないでしょうか。
結論からいうと、固定電話が直ちにすべて廃止されるわけではありません。2024年に完了した局内設備のIP網移行と、2035年頃までに進められるメタル回線の移行は、対象も必要な対応も異なります。
本記事では、電話番号やビジネスフォン、FAXなどへの影響を整理し、企業が今から確認すべきことを解説します。
固定電話の移行先や自社に合う回線を整理したい方は、OFFICE110の電話回線サービスもあわせてご確認ください。
監修者
登 雄三(のぼり ゆうぞう)
保有資格:工事担任者(AI・DD総合種)/電気工事士
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国各地でビジネスフォン・複合機・防犯機器などのOA機器の販売や電話工事、電気工事、LAN配線工事、VPN構築を主に手掛ける。2023年には名古屋へ拠点進出。
固定電話廃止についての結論
固定電話が直ちにすべて使えなくなるわけではありません。2024年に完了したのは、加入電話・INSネットを提供する局内設備のIP網移行です。INSネットは2028年12月31日にサービス終了予定で、メタル設備を利用する加入電話は2035年頃までに光回線またはモバイル回線を用いたサービスへ段階的に移行する方針が示されています。
出典:NTT東日本「固定電話のIP網移行」、NTT西日本「INSネットのサービス終了について」、NTT西日本「今後の固定電話サービスについて」|確認日:2026年8月10日
固定電話について「2024年に廃止された」「2035年にすべて使えなくなる」といった情報を見かけますが、実際には複数の出来事が同じ「廃止」という言葉で表現されています。何が終了し、何が継続しているのかを分けて考えることが重要です。
現在使用している固定電話が、ある日突然すべて停止するわけではありません。2024年には、NTT東日本・西日本が加入電話やINSネットを提供する局内設備を、従来のPSTNからIP網へ切り替えました。
この切り替えでは、一部サービスの終了や仕様変更、固定電話向け通話料金体系の変更が行われました。対象となる利用者については、原則として手続きや宅内工事は不要で、電話番号や電話機も継続利用できると案内されていました。ただし、この条件は2024年の局内設備切り替えについての説明です。
このほか、利用者自身が契約を解約・休止・中断することも「固定電話を廃止する」と表現されます。公式の設備移行と、自社判断による契約終了は分けて考えましょう。
「固定電話がすぐ使えなくなる」と不安をあおり、不要な契約や工事を急がせる勧誘には注意が必要です。即断せず、現在契約している通信事業者の公式窓口へ確認してください。
家庭では、主に電話番号、電話機、FAXの継続利用を確認します。一方、企業では代表番号やダイヤルイン、ビジネスフォンの主装置、警備・決済端末など、電話回線へ接続されている設備全体を確認しなければなりません。
電話が1台使えるかだけで判断するのは、建物の入口だけを見て内部設備を確認しないようなものです。店舗、医療・介護施設、工場などでは、電話回線が通報装置や決済端末に利用されていることもあります。
固定電話をめぐる主な節目は、2024年、2028年、2035年頃です。対象となる設備やサービスが異なるため、時系列で整理すると必要な対応を判断しやすくなります。
2024年に行われたのは、加入者宅までのメタル回線を一斉撤去する工事ではなく、NTTの局内設備をPSTNからIP網へ切り替える取り組みです。
固定電話から固定電話への通話料金は距離に依存しない体系へ変更されましたが、携帯電話などへの通話は全国一律化の対象外です。また、INSネットのディジタル通信モードや一部の付加・割引サービスが終了しました。
INSネット64、INSネット64・ライト、INSネット1500は、2028年12月31日にサービス提供を終了する予定です。2024年に終了したディジタル通信モードだけでなく、音声通話を含むINSネットサービス全体の移行準備が必要です。
企業では、電話だけでなく、POS、決済端末、受発注システム、警備装置などにINSネットを利用していないか確認してください。
ISDN終了の背景と代替方法もあわせて確認すると、移行対象を整理しやすくなります。
NTT東日本・西日本は、利用減少と設備の老朽化を背景に、メタル設備を利用する加入電話について、2035年頃までに光回線またはモバイル回線を用いたサービスへ段階的に移行する方針を示しています。
固定電話という利用形態をなくすのではなく、電話サービスを支える回線設備を変更する取り組みです。提供可能なサービスは地域や建物の設備状況によって異なるため、案内を受けた際は工事範囲、番号、機器、停電時の利用条件まで確認してください。
NTT西日本は、代替サービスへの移行について、2026年4月から一部地域で先行的な取り組みを開始しています。これは全国の加入電話が2026年中に一斉終了するという意味ではありません。
NTT西日本が案内している主な代替サービスは、光回線電話、ワイヤレス固定電話、ひかり電話です。企業が独自に電話環境を見直す場合はクラウドPBXも選択肢になりますが、NTTの加入電話利用者が一律に変更する移行先ではありません。
固定電話に関連するすべてのサービスが同時に終了したわけではありません。加入電話の基本的な音声通話は継続していますが、INSネットや一部の通信・付加サービスには終了時期があります。
2024年のIP網移行では、INSネットのディジタル通信モード、マイライン関連サービス、一部の割引・付加サービスなどが終了または変更されました。さらに、INSネット自体も2028年12月31日に終了予定です。
加入電話の基本的な音声通話は、2024年のIP網移行後も継続しています。110番や119番などの緊急通報を含め、電話としての基本機能が2024年に一斉廃止されたわけではありません。
ただし、INSネットの音声通話は2028年末のサービス終了対象です。加入電話とINSネットを同じ「固定電話」として一括りにせず、請求書や契約書で回線種別を確認してください。
電話サービスが継続していても、接続している機器が移行先の回線へ対応しているとは限りません。ビジネスフォンの主装置、FAX、警備装置、決済端末などは機器ごとに確認が必要です。
企業では、電話番号の継続可否だけでなく、主装置や周辺機器を含めて影響を確認する必要があります。電話回線につながっている設備を一覧にし、確認先を分けることが失敗防止につながります。
会社の代表番号を維持できるかは、回線種別、番号の発番元、移行先、所在地などによって異なります。複数番号を使うダイヤルインや部署別番号は、移行後のサービスで同じ構成を再現できるか確認が必要です。
ビジネスフォンは、電話機単体ではなく、主装置、回線、配線、設定が組み合わさって動作します。主装置のメーカー・型番、外線ユニット、電話機台数、同時通話数、保守状況を確認してください。
IP電話サービスでもFAXを利用できる場合がありますが、すべての回線・機種で従来と同じ動作が保証されるわけではありません。複合機の機種名、FAX規格、接続方法を確認し、業務上重要な場合は電子FAXなどの代替手段も準備しておきましょう。
電話回線には、警備装置、火災通報装置、エレベーター非常電話、インターホン、決済端末、検針機器などが接続されている場合があります。回線事業者だけでなく、機器メーカー、警備会社、決済会社、建物管理会社にも確認してください。
失敗を防ぐポイント:電話機だけを確認して回線を切り替えると、警備や決済端末が利用できない可能性があります。社内の接続機器一覧を作成し、機器ごとに確認先を決めておきましょう。
停電時に電話を使えるかどうかは、回線、ONUやルーター、主装置、電話機、電源構成によって異なります。IP電話やクラウドPBXは通信機器への給電が必要なため、停電時には利用できなくなる場合があります。
災害時に電話が重要な企業は、UPS、携帯電話、モバイル回線、複数キャリアなどを組み合わせ、単一の通信手段へ依存しない構成を検討してください。
現在の回線種別や主装置の型番、電話・FAX・警備装置の利用状況が分かれば、移行時に確認すべき影響範囲を整理しやすくなります。自社だけで判断が難しい場合は、分かる範囲の情報をお伝えください。
ご相談・見積依頼
電話番号と電話機は、同じ条件で継続可否が決まるわけではありません。一般電話機を継続できても主装置や周辺設備の確認が必要な場合があり、電話機を流用できても番号が変わる場合があります。
固定電話番号を継続できるかは、現在の回線、番号を発行した事業者、移行先、所在地などによって異なります。同じ番号を希望する場合は、現在の回線を解約する前に、移行先の事業者へ番号ポータビリティの可否を確認してください。
詳しい条件は、固定電話番号を変えずに乗り換える方法もあわせて確認してください。
移転先が現在の番号を利用できる区域外である場合や、利用するサービスが現在の番号を受け入れられない場合は、番号が変わる可能性があります。利用休止後の再開でも、以前と同じ番号を利用できない場合があります。
NTTが案内する代替サービスでは、現在の一般電話機を継続利用できると案内されています。一方、ビジネスフォンでは、主装置や外線ユニット、配線、FAX、警備装置などを含む設備構成の確認が必要です。
番号を引き継ぎたい場合、移行手続きが完了する前に現在の回線を解約しないでください。先に解約すると、番号ポータビリティを利用できなくなる可能性があります。
移行先は、料金だけではなく、光回線の提供状況、電話機の流用、拠点数、働き方、停電対策などを含めて選びます。
以下は公式情報と一般的な利用傾向を整理した比較であり、具体的な提供条件は各サービスで確認してください。
光回線電話は、光回線を利用して固定電話サービスを提供する選択肢です。利用可否や工事範囲は、地域や建物の設備状況によって異なります。
ワイヤレス固定電話は、モバイル回線を利用して固定電話を提供するサービスです。光回線を引きにくい地域や建物で案内される場合がありますが、電波状況や接続機器、停電時の利用条件を確認する必要があります。
ひかり電話は、フレッツ光などの光回線と組み合わせて利用するIP電話サービスです。月額利用料だけでなく、光回線契約、対応機器、付加サービスなどを含む総額で判断してください。
ひかり電話の仕組みや従来の固定電話との違いを確認しておくと、光回線電話やクラウドPBXとの違いを判断しやすくなります。
クラウドPBXは、従来オフィスに置いていたPBXの機能をクラウド上で提供する仕組みです。対応サービスでは、スマートフォンやパソコンを内線端末として利用できます。
多拠点やテレワークとの相性がよい一方、インターネット回線の品質、対応端末、アプリ、セキュリティ、障害時の代替手段を確認する必要があります。IP電話の仕組みと導入時の注意点もあわせて確認してください。
ここからは、NTTによる設備移行ではなく、利用者自身が固定電話契約をやめる場合の手続きを説明します。以下はNTT西日本の加入電話などに関する案内をもとにした整理です。契約地域とサービスに応じて、NTT東日本または契約事業者の最新条件も確認してください。
廃止・解約は、固定電話契約を終了する手続きです。別サービスへ番号を引き継ぐ予定がある場合は、移行手続きが完了する前に解約しないでください。
利用休止は、電話の利用を止め、加入権を一定期間預ける手続きです。NTT西日本では再開時に電話番号が変わると案内されています。同じ番号を残す目的だけで利用休止を選ばないようにしましょう。
一時中断は、契約を残したまま電話の利用を停止する手続きです。NTT西日本では、同じ場所で再開する場合は同じ電話番号を利用できると案内されていますが、中断中も回線使用料が必要です。
クラウドPBXは固定電話の代替候補の一つですが、すべての企業に適しているわけではありません。働き方、拠点数、既存設備、回線品質を踏まえて判断します。
FAX、警備装置、決済端末、構内放送など、電話回線へ接続する設備が多い企業は、従来型の主装置や固定電話サービスを残した方が運用しやすい場合があります。
クラウドPBXの通話品質は、インターネット回線、社内LAN、Wi-Fi、端末などの影響を受けます。通信の暗号化、管理者認証、端末紛失時の制御、アクセス権限、通話履歴の保管方法も確認してください。
クラウドPBXは、クラウド側が正常でも、オフィスのインターネット回線や電源が停止すると利用できない場合があります。有線回線の障害時にモバイル回線へ切り替える、特定の携帯電話へ着信を転送する、ONUやルーターへUPSを設置するなどの対策を検討してください。
移行先を比較したり見積もりを依頼したりする前に、現在の電話環境を整理しておくと、不要な機器や工事を減らしやすくなります。
機器の型番が分からない場合は、正面だけでなく側面や底面の銘板も撮影しておくと、施工会社へ相談しやすくなります。
固定電話の移行方法は、現在の回線、電話番号、主装置、周辺機器、今後の働き方によって変わります。従来に近い電話環境を残す方法と、クラウドPBXで運用を見直す方法を比較し、自社の業務に合う構成を検討しましょう。
OFFICE110で相談できること
現在の回線サービス、残したい電話番号、主装置・FAX・周辺機器、希望する切り替え時期をお伝えいただければ、確認すべき条件を整理できます。固定電話を残すか別の回線へ移行するか迷う場合もご相談ください。
固定電話が直ちにすべて廃止されるわけではありません。2024年に完了したのはNTTの局内設備のIP網移行で、INSネットは2028年末に終了予定、メタル設備を利用する加入電話は2035年頃までに代替サービスへ段階的に移行する方針です。
企業は、電話番号だけでなく、ビジネスフォンの主装置、FAX、警備・決済・通報装置、停電時の連絡手段まで確認する必要があります。現在の契約や設備が分からない場合は、請求書、契約書、主装置の型番、接続機器の一覧から整理を始めましょう。
自社が守りたい番号や業務は何か、そして今後どのような働き方を実現したいのか。その答えを基準に移行先を選ぶことが、切り替え後のトラブルを防ぐ第一歩です。
固定電話の移行先となる回線の種類や選び方を確認したい方は、OFFICE110の電話回線サービスをご覧ください。
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