図解|ダイヤルインとは?仕組み&メリット&費用を分かりやすく解説
「ダイヤルイン」は、ビジネスフォンの便利なサービスのひとつです。
少ない回線契約で多くの電話番号を利用できるため、業務の効率化やコスト削減に役立ちます。
そこで本記事では、ダイヤルインについて図解を交えて詳しく解説します。
- ■本記事の内容
- ビジネスフォンに関する基礎知識
- ダイヤルインの仕組みや種類
- ダイヤルインの費用
「仕組みが複雑で理解しづらい」と感じている方にも、わかりやすく説明していきます。
ダイヤルインの導入により、効果的なコミュニケーションを手に入れるためにも、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

監修者
千々波 一博
(ちぢわ かずひろ)
保有資格:Webリテラシー/.com Master Advance/ITパスポート/個人情報保護士/ビジネスマネージャー検定
2004年から通信業界で5年間営業として従事。その後、起業して他業種に進出。OFFICE110に営業で入社し、月40~60件ほどビジネスホン・複合機・法人携帯などを案内。現在は既存のお客様のコンサルティングとして従事。
2004年から通信業界で5年間営業として従事。その後、起業して他業種に進出。OFFICE110に営業で入社し、月40~60件ほどビジネスホン・複合機・法人携帯などを案内。現在は既存のお客様のコンサルティングとして従事。
ダイヤルインとは?基本知識を解説
「ダイヤルイン」を導入すれば、電話業務が効率的になり、コスト削減につながります。
そこで基本知識として、まずダイヤルインの概要を解説。
また、一緒に使われることの多い「代表組」と呼ばれるビジネスフォンの機能についても紹介していきます。
ダイヤルインとは:1つの回線に電話番号を追加するサービス
ダイヤルイン
「ダイヤルイン」とは、1つの電話回線に複数の電話番号を追加できる便利なサービスで、会社の電話業務を効率化する役割を果たします。
通常、1つの電話回線には1つの電話番号が付与されますが、ダイヤルインを利用することで、複数の番号を事前に設定して利用可能です。
これにより会、社内の様々な部署においても、それぞれ異なる番号で外部から直接着信を受られるようになります。
例えば、会社の代表番号と営業部番号を別々に設定したい場合、ダイヤルインを活用して各部署に異なる番号を割り当てられます。その結果、顧客や取引先から直接必要な部署に電話がかかり、効率的なコミュニケーションが実現します。
このように、ダイヤルインは会社内で複数の電話番号を使い分け、電話業務をスムーズにするための重要なサービスとなります。
- さまざまな部署のニーズに合わせて番号を設定することで、コスト効率よく業務の効率化を図ることができるでしょう。
※「ビジネスフォンってそもそもどんな特徴があるの?」という方は、以下の記事で基本情報をご覧ください。
電話回線の数、番号の数、そしてチャネル数は混同されることがありますが、以下の通り、全て異なるものです。
電話回線の数 | NTTなどの通信会社と契約してオフィスに引かれる電話線の本数 |
---|---|
電話番号の数 | 契約する電話回線にもとづいて与えられる電話番号の数(通常は1つだがダイヤルインで追加可能) |
チャネル(ch)の数 | チャネル(ch)の数:同時通話ができる台数(2チャネルなら、2台の電話機まで同じタイミングに通話できる) ※以降は「チャネル」。 |
チャネル数は、回線の種類により最大値が決まっています。
- アナログ回線:最大1チャネル
- ISDN回線:最大2チャネル
- 光回線:最大2~300チャネル
チャネル数について知っておくと、ダイヤルインや、続いてご紹介する「代表組」について理解しやすくなります。
代表組とは:1つの代表番号で複数の電話回線をグループ化
「代表組」とは、ダイヤルインと関連するビジネスフォンの機能で、複数の電話回線を1つの代表番号で一本化できます。
なお代表組は、複数の番号を共有し、同時通話や通信を効率的に行うために活用されます。これにより、電話回線のチャネルを有効に活用できます。
例えば、2つの電話回線を別々に使用すると、同時通話が制限され「話し中」になることがあります。しかし、代表組を使用すると、複数の番号を一本化して同時通話が可能となり、通信の柔軟性が向上します。
代表組は、複数の電話回線を一本化し、チャネルを有効に使うことができる便利な機能です。家族のマイルを合算して特典航空券を得るのと同様に、代表組は電話通信を効率的に改善します。
ダイヤルインの仕組みと種類
ここからは、ダイヤルインの詳しい仕組みについて解説します。
少し専門的な内容になりますが、知っておくとビジネスシーンでの便利な使い方がより分かるようになるので、参考にしてください。
ダイヤルインの仕組み
先述しましたが、通常、1つの電話回線を契約すると、1つの電話番号しか付与されません。
なお、電話回線にひも付いたこの番号は「契約番号」と呼ばれます。
一方、ダイヤルインを利用すると追加できるサブ番号は「追加番号」と呼ばれます。
追加番号は電話回線と直接ひも付いているわけではなく、あくまでバーチャルの番号というイメージです。
ダイヤルインを使った電話対応の仕組みは以下のとおりです(NTTの例)。
- 契約番号にかける場合
- 追加番号にかける場合
その番号がひもづいた電話回線を通って、該当する電話機に着信
いずれかの回線を通り着信→NTTが着信情報を主装置に通知→主装置が該当電話機を鳴らす
ダイヤルインで追加番号を使う場合、NTTとビジネスフォン主装置が情報をやり取りして、最終的に設定した電話機を鳴らします。
例えば、「電話回線が2つ」と「契約番号が2つ」、そして「追加番号が3つ」あるケースです。
このケースだと、以下のような流れで電話対応がされます。
03-5423-1867(契約番号) に発信 |
回線Aを通って該当する電話機に着信 |
---|---|
03-5423-6455(契約番号) に発信 |
回線Bを通って該当する電話機に着信 |
03-5423-4968(追加番号) に発信 |
NTTが回線AかBより主装置に着信情報通知 →主装置が該当電話機を鳴らす |
03-5423-6461(追加番号) に発信 |
NTTが回線AかBより主装置に着信情報通知 →主装置が該当電話機を鳴らす |
03-5423-7815(追加番号) に発信 |
NTTが回線AかBより主装置に着信情報通知 →主装置が該当電話機を鳴らす |
- ここまで、主に着信時の説明をしてきましたが、同様に社内から複数の番号で外部への電話もできます。さらに契約しているメインの番号だけでなく、追加番号からも発信が可能です。
ダイヤルインの種類
ダイヤルインと呼ばれるビジネスフォンの仕組みには、以下の種類があります。
- 代表ダイヤルイン
- 追加ダイヤルイン
なお、これまでの説明と関連するのは「代表ダイヤルイン」です。
「追加ダイヤルイン」は、ダイヤルインという言葉がついていますが、ダイヤルインサービスを申し込まずに、電話回線に番号を追加する方法です。
それぞれの機能について詳しく見ていきましょう。
代表ダイヤルイン
「代表ダイヤルイン」とは、代表組とダイヤルインを組み合わせた便利な方法で、効率的な通信環境を構築する手段のひとつです。
代表組は、チャネル数を共有して電話回線を最適に活用する機能です。一方ダイヤルインは回線を追加せずに複数の電話番号を利用できるサービス。
なお、それぞれ個別では以下のようなデメリットがあります。
- 代表組では契約番号を取得できない
- ダイヤルインではチャネル数の制限がある
ただし代表ダイヤルインでは、代表組とダイヤルインを組み合わせることで、適切なチャネル数を確保しながら複数の番号を運用できます。
例えば、4つの電話回線を保有し、代表組を使用して4つの契約番号を1つに統合。
そして、ダイヤルインを利用して番号を4つ追加することで、バランスの取れた通信環境を確立できます。
- 代表ダイヤルインは、代表組とダイヤルインの良い点を組み合わせた電話通信を、効率的かつ柔軟に管理する仕組みです。多くの企業がこの方法を利用し、最適な通信環境を実現しています。
追加ダイヤルイン
追加ダイヤルインは、通常のダイヤルインサービスとは異なりますが、効果的な内線着信を実現する方法です。
通常のダイヤルインは、通信会社のサービスを利用して設定が必要です。
しかし、追加ダイヤルインはサービス申し込みが不要で、主装置の設定で内線番号を組み合わせて着信を行えるので、手軽で効果的な内線着信が実現されます。
また、ビジネスフォンの子機には内線番号が割り当てられており、追加ダイヤルインではこれらの内線番号を会社の代表番号と組み合わせて着信可能です。
なお、サービス申し込みが不要なため、手間を省きながら内線着信を効果的に行えます。
このように追加ダイヤルインは、簡単な設定で効果的な内線着信を実現する手段なので、通常のダイヤルインとは異なる特徴を持っています。
実際の使用方法は、以下のような流れとなります。
- 発信者が代表番号にかける
- 主装置が内線番号の案内をする
- 発信者が案内に沿って内線番号を選ぶ
- 設定された電話機に着信する
追加ダイヤルインは、代表ダイヤルインのように一度で目的の電話機に着信せず、内線番号を入力してもらう手間かかります。ただし、ダイヤルインに申し込まない分、月額料金が発生しないのがメリットといえるでしょう。
追加ダイヤルインについて詳しくは、以下記事の「ビジネスフォンには”追加ダイヤルイン”という考え方も」を参照ください。
ダイヤルインのメリットと活用法
ここからは、ダイヤルインのメリットと活用法を解説します。
すでにダイヤルインや代表ダイヤルインの基本は把握できたと思いますが、利便性を具体的に見ていきましょう。
コストを削減できる
ダイヤルインを導入すると、不必要に電話回線を増やさず追加番号が得られるため、コスト削減につながります。
なお、ダイヤルインを利用せずに追加の電話番号を必要とする場合は、電話回線を新たに増やさなければなりません。
電話回線のコストについては、以下のとおりです。
月額利用料金 (事務用) |
アナログ電話 | ISDN回線 | ||
---|---|---|---|---|
加入電話 | 加入電話・ライトプラン | INSネット64 | INSネット64・ライト | |
3級取扱所:2,750円 2級取扱所:2,640円(プッシュ回線)/2,585円(ダイヤル回線) 1級取扱所:2,640円(プッシュ回線)/2,530円(ダイヤル回線) |
3級取扱所:3,025円 2級取扱所:2,915円(プッシュ回線)/2,860円(ダイヤル回線) 1級取扱所:2,915円(プッシュ回線)/2,805円(ダイヤル回線) |
3,883円 | 4,158円 |
※料金は税込。
契約回線がアナログ電話かISDN回線か、またライトプランかどうかなどで費用は変わりますが、毎月最低2,530円かかります。
一方、ダイヤルインの場合、1番号追加するのに税込880円しかかかりません(基本プランの場合)。その差は1,650円もあります。
このように、ダイヤルインは月々のコストを抑えるのに有効です。
回線を増やしたほうが、チャネル数を増やせる分、ダイヤルインよりは便利です(追加番号ではチャネル数は増えない)。
しかし、チャネル数がそこまで多く必要ないのであれば、ダイヤルインのほうがコストパフォーマンスは高いでしょう。
またダイヤルインの費用については、次章で詳細を解説します。
直通電話を設定できる
ダイヤルインを導入することで、特定の電話機へ直接電話をかけることができるようになります。
企業にとっては、複数の電話番号を持つことで多くのメリットが得られます。
各部署やグループごとに専用の番号を割り当てられるので、組織内のコミュニケーションを効率的に行えます。
例えば、「営業部」「総務部」「人事部」など、各部署ごとに直通電話を用意すれば、受付を通さずに相手と直接通話ができます。これにより、受付業務の手間が軽減され、スムーズなコミュニケーションが可能となります。
- ダイヤルインの導入により、組織内外のコミュニケーションが円滑化され、効率的な業務運営が実現できるでしょう。
ダイヤルインの導入費用と月額コスト
ダイヤルインには2種類のプランがあります。
- 『ダイヤルイン基本プラン』:大量に追加番号がいらない場合のプラン
- 『ダイヤルインエコノプラン』:大量の追加番号が必要な場合のプラン
それぞれの導入費用と月額コストは以下のとおりです。
『ダイヤルイン基本プラン』 | 『ダイヤルインエコノプラン』 | |
---|---|---|
対応回線種類 | 『加入電話』 『加入電話・ライトプラン』 『INSネット64』 『INSネット64・ライト』 『INSネット1500』 |
|
工事費用 | 交換機等工事費:770円/1契約者番号または1追加番号 基本工事費: 1,100円/1工事 端末設定費用:2万2,000~3万3,000円 |
|
月額料金 | 880円/1契約番号、1追加番号ごと | 500番号まで 5万5,000円 501番号から 110円/1番号 ※登録料1,100円 |
※料金は税込表記。
『ダイヤルインエコノプラン』は、必要な追加番号が少ない場合には向いていません。
なぜなら、このプランでは500番号をまとめて購入する必要があります。ただし、番号を63以上追加する場合は『ダイヤルイン基本プラン』よりも経済的になります。
例えば『ダイヤルイン基本プラン』を選んだ場合、63番号を追加すると5万5,440円かかります。その後も1番号増えるごとに880円ずつ追加料金が発生します。
一方で、『ダイヤルインエコノプラン』を選ぶと、最初の500番号までは5万5,000円の定額となります。その後は1番号追加するごとにわずか110円しかかかりません。
もし、大量の追加番号が必要になる可能性がある場合は、『ダイヤルエコノプラン』がおすすめです。このプランを選ぶことで、経済的で効率的な番号追加が可能です。
参考までに『ダイヤルイン基本プラン』を契約する場合の月額料金シミュレーション例をご紹介しましょう。
- アナログ回線3(1級取扱所/ダイヤル回線):2,530円×3=7,590円
- 追加番号9:880円×9=7,920円 【合計1万5,510円】
(例1)
- 『INSネット64』回線3:3,883円×3=1万1,649円
- 追加番号10:880円×10=8,800円 【合計2万449円】
(例2)
ダイヤルインを設定する際の注意点
ダイヤルインを設定する際には、以下の注意点を意識してください。
- 回線数を制限しすぎない
- 電話回線の市内局番を統一する必要がある
それぞれの注意点について解説します。
回線数を制限しすぎない
ダイヤルインを設定する際は回線数を制限しすぎずに、適切な数を保つことが重要です。
追加の電話番号を増やせる点がメリットのダイヤルインですが、過度なコスト削減で回線数を制限するのは得策ではありません。
回線を制限しすぎると、同時通話に対応できず、顧客満足度やビジネスチャンスの損失に繋がる可能性があります。
例えば、ISDN回線にダイヤルインで複数の番号を追加した場合、ISDN回線のチャネル数が2つなら、同時に通話できる電話機も2台までと限られます。
多くの着信がある場面で、同時に対応できなければ、顧客満足度が低下し、ビジネスの機会も逃してしまうかもしれません。
- 回線数は、ビジネスのスケールや通信ニーズに合わせて慎重に判断し、適切な数を保つことが重要です。十分なチャネル数を確保することで効率的な通信環境を維持し、ビジネスの成功につながるでしょう。
電話回線の市内局番を統一する必要がある
代表ダイヤルインを構築する際には、電話回線の市内局番を統一する必要があります。
ただし、市内局番が同じ番号同士でなければ、代表ダイヤルインの構築はできません。市内局番は、市外局番に続く一定の桁数の番号であり、これが異なると代表ダイヤルインが組めないためです。
例えば、市内局番が同じである以下の番号は代表ダイヤルインを構築できます。
- 03-5423-1111
- 03-5423-2222
市内局番が共通しており、下4桁が異なるため、代表ダイヤルインを設定できます。
一方、市内局番が異なる以下の番号では代表ダイヤルインを組むことができません。
- 03-5423-1111
- 03-4893-2222
このように電話回線を引く際には、市内局番を統一することが重要です。
ビジネスフォンのお困りごとは『OFFICE110』へご相談ください!
「複数の電話番号を効率的に管理したい」
「顧客対応を向上させたい」
「柔軟な通信環境を構築したい」
このように、現在、電話環境を見直し考えている方には、ダイヤルインの導入をおすすめします。
ビジネスフォンには、一般の家庭用電話機にはない便利な機能が搭載されています。
ダイヤルインや代表組などのサービス・機能を活用することで、業務効率化やコスト削減が可能となります。
また、導入に関する疑問や不安、「どのくらいの回線数やチャネル数が必要かわからない」といったお悩みがある方は、ぜひ『OFFICE110』にご相談ください。
『OFFICE110』では、ビジネスフォンの販売・設置・設定など、トータルでサポートいたします。ダイヤルインだけでなく、ビジネスフォンの適切な導入方法や子機の増設、回線工事まで幅広く対応可能。
また、ひかり電話などの同様のサービスも取り扱っており、あなたのニーズに合った最適なサービスをご提案いたします。
もし現在の電話環境を改善したいとお考えの場合は、「OFFICE110」までお気軽にお問い合わせください。
まとめ
「ダイヤルイン」は、電話回線を増やさずに電話番号を追加できるサービスです。
代表組と組み合わせて「代表ダイヤルイン」として利用することで、チャネル数を有効活用しつつ、低コストで必要な電話番号を割り振れます。
また、電話回線を不必要に追加せず、部署ごとに直通電話を作りたい方にとって最適なサービスです。
ビジネスフォンにはダイヤルインをはじめ、活用することで業務効率化を図れるさまざまな機能があります。
- 現在の電話環境を改善したい方は、どんな些細のことでも構いませんので、ぜひ一度『OFFICE110』にご相談ください。

サービス対応エリア

北海道 | 北海道(札幌) |
---|---|
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関東 | 茨城、栃木、石川、富山、群馬、埼玉、東京、千葉、神奈川県(横浜)、横浜 |
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四国 | 香川、徳島、愛媛、高知 |
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