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IP電話について調べると、「050番号」「ひかり電話」「クラウドPBX」など、似た言葉がいくつも出てきます。
どれもインターネット技術を利用しますが、それぞれが指すものや役割は同じではありません。
IP電話とは、音声をデジタルデータに変換し、IPネットワークを通じて送受信する電話サービスです。従来型の固定電話と比べて通話料金や設備費を抑えやすく、スマートフォンや複数拠点とも連携しやすい一方、停電、通信品質、緊急通報、FAXなどには注意が必要です。
本記事では、「IP電話の仕組みや種類」、「固定電話・ひかり電話・クラウドPBXとの違い」、「具体的な料金」、「メリット・デメリット」、「法人で導入する際の確認ポイント」までわかりやすく解説します。
IP電話を含む法人向け固定電話回線のプランや料金をまとめて比較したい場合は、法人向け電話回線サービスのプランと料金体系も参考にしてください。
監修者
登 雄三(のぼり ゆうぞう)
保有資格:工事担任者(AI・DD総合種)/電気工事士
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国各地でビジネスフォン・複合機・防犯機器などのOA機器の販売や電話工事、電気工事、LAN配線工事、VPN構築を主に手掛ける。2023年には名古屋へ拠点進出。
IP電話とは、話した声をデジタルデータに変換し、IPネットワークを通じて相手へ届ける電話サービスです。
IPは「Internet Protocol」の略称で、パソコンやスマートフォンなどがネットワーク上でデータをやり取りするための通信ルールを意味します。
IP電話では、受話器やスマートフォンのマイクが拾った音声をデータに変換し、細かな単位に分けて送信します。相手側へ届いたデータは、再び音声へ戻されます。
このように、IPネットワークを使って音声を送受信する技術は「VoIP」と呼ばれます。
従来型の加入電話は電話網を使って音声を届けますが、IP電話は光回線やインターネット網などのIPネットワークを利用します。ただし、「インターネット環境さえあれば、どの会社でもすぐ使える」という意味ではありません。
サービスや構成によって、光回線、ONU、ルーター、VoIPゲートウェイ、IP電話機、スマートフォンアプリ、社内LAN、Wi-Fi環境などが必要になる場合があります。
既存設備を利用できれば工事負担を抑えられる可能性があります。しかし、回線開通、LAN配線、電話機設定などが必要になるケースもあります。
IP電話は、利用する電話番号や接続方法によって、主に「0ABJ番号型」「050番号型」「電話番号を使わないアプリ型通話」に分けられます。
それぞれ利用目的が異なるため、料金だけでなく、番号の信頼性、緊急通報、通話品質、番号継続の条件まで確認することが重要です。
0ABJ番号型は、「03」「06」などの市外局番から始まる電話番号を利用するタイプです。
0ABJとは、日本の固定電話番号の形式を表す呼び方です。「0」の後に地域を示す番号が続くため、電話番号からおおよその地域が伝わります。
地域性や対外的な分かりやすさを重視する会社、店舗、事務所の代表番号として選ばれやすいタイプです。
光回線を使う「ひかり電話」も、IP電話サービスの一種です。NTT東日本は、ひかり電話を光ファイバーを利用する光IP電話サービスとして案内しています。出典:NTT東日本「ひかり電話 月額利用料」(確認日:2026年8月10日)
ただし、市外局番を使えるサービスであっても、現在利用している電話番号を必ず引き継げるとは限りません。
番号継続の可否は、現在契約している電話回線、電話番号を取得した地域、移転先の住所、切り替え先の事業者、番号ポータビリティの対応状況によって異なります。
050番号型は、「050」から始まる11桁の電話番号を利用するIP電話です。
市外局番のように特定地域との結びつきがないため、場所に左右されにくく、個人事業主、小規模事業者、補助的な業務番号などに使われています。一方で、050 IP電話では、110や119などの緊急通報へ発信できないサービスがあります。
0120・0800・0570なども、IP電話事業者、利用機器、着信側の契約条件によって発信できない場合があります。
会社の主回線として利用する場合は、緊急時に携帯電話などから発信できる体制を整えておく必要があります。
メッセージアプリやWeb会議サービスには、利用者同士で音声通話ができる機能があります。
これらもIPネットワークで音声を送りますが、一般的な固定電話番号を使うIP電話とは利用目的が異なります。
利用者同士の連絡には便利ですが、会社の代表番号として顧客から着信を受ける、一般電話へ発信する、緊急通報を行うといった用途には対応できない場合があります。
IP電話と従来型固定電話の大きな違いは、音声を運ぶ通信方式です。
IP電話はIPネットワークを利用するため、料金や拡張性にメリットがある一方、電源や通信環境の影響を受けやすい特徴があります。
IP電話の通話品質は、利用する回線、ルーター、LAN環境、Wi-Fi、同時通話数などに左右されます。
回線が混雑している場合や、Web会議・大容量通信と同じネットワークを使っている場合には、音切れ、遅延、通話切断などが起きる可能性があります。
一方、従来型の加入電話は電話網を利用するため、比較的安定した通話が期待できます。
IP電話は、ONU、ルーター、VoIP機器、電話機などに電源を必要とします。そのため、停電で機器への電源供給が止まると、通話できなくなる場合があります。
NTT東日本も、ひかり電話について、停電時には緊急通報を含む通話ができないと案内しています。出典:NTT東日本「ひかり電話は停電の場合も通話できるのですか?」(確認日:2026年8月10日)
なお、従来型固定電話も、コードレス電話機やビジネスフォンの主装置など、電源を必要とする設備を使っている場合は停電時に利用できないことがあります。
IP電話は通話サービス、ひかり電話はIP電話サービスの一種、クラウドPBXは内線や転送を管理する電話交換システムです。
IP電話との関係や、ひかり電話の仕組み・料金を詳しく知りたい方は、IP電話とひかり電話の違いも確認してください。
ひかり電話は、光回線を利用するIP電話サービスです。
市外局番を使えるプランがあり、一般的な固定電話に近い感覚で発着信できます。
ただし、ひかり電話の基本料金だけで利用できるわけではありません。フレッツ光の契約が必要で、インターネットも利用する場合はプロバイダー契約も必要です。
PBXは「Private Branch Exchange」の略称で、日本語では構内電話交換機と呼ばれます。
会社にかかってきた電話を各電話機へ振り分けたり、内線、保留、転送、代表着信などを制御したりする設備です。
クラウドPBXでは、こうした電話交換機能をクラウド上のシステムとして利用します。
対応サービスと組み合わせることで、スマートフォンで会社番号を発着信する、離れた拠点を内線化する、代表電話を複数人で受けるといった運用が可能になります。
IP電話機は、IPネットワークへ接続して通話する電話端末です。
IP電話・ひかり電話・クラウドPBXのどれが自社に合うか迷う場合は、現在の電話番号、利用人数、必要な同時通話数、スマートフォン利用の有無をお知らせください。既存設備を残せるかも含め、比較に必要な条件を整理できます。
ご相談・見積依頼
IP電話には、通信費を見直しやすい、スマートフォンや複数拠点と連携しやすい、増員や移転へ対応しやすいというメリットがあります。
IP電話は、距離による料金差が小さいサービスや、同一サービス間の通話が無料になるサービスがあります。
遠距離への発信、固定電話への発信、複数拠点間の通話が多い会社では、通信費を抑えられる可能性があります。
ただし、電話サービスだけでなく、光回線、プロバイダー、電話機、工事、保守、オプションを含めた総額で比較することが重要です。
クラウドPBXや対応するIP電話サービスを利用すれば、スマートフォンから会社番号で発着信できる場合があります。
外出先やテレワーク中でも代表電話へ対応できるため、電話の取りこぼしや折り返しの遅れを減らしやすくなります。
クラウド型の構成では、電話機や物理回線を増やす代わりに、アカウントやライセンスを追加して利用者を増やせる場合があります。
ただし、社内LANが整備されていない、IP電話機を新設する、既存主装置と接続する、FAXを継続利用するといった場合には、配線工事や機器設定が必要です。
「IP電話は工事不要」ではなく、「構成によって工事や設備の負担を抑えられる」と考えるのが適切です。
IP電話は便利な一方、停電、通信障害、発信制限、既存機器との相性などを確認せずに導入すると、業務へ支障が出る可能性があります。
IP電話は、ONU、ルーター、主装置、電話機などに電源が必要です。
停電対策として、UPS、携帯電話、予備回線、無条件転送、緊急連絡網などを組み合わせましょう。
同時通話数が多い、Web会議や大容量通信が多い、Wi-Fiだけで運用するといった環境では、音切れや遅延が発生する可能性があります。
050 IP電話では、110・118・119などの緊急通報へ発信できないサービスがあります。
0120・0800・0570・171・国際電話などへの発信可否も、契約前に確認してください。
FAX、警備システム、決済端末、エレベーター通報装置などは、アナログ回線を前提としている場合があります。
電話回線を変更する前に、機器メーカー、保守会社、電話工事業者、IP電話サービス事業者へ確認しましょう。
現在の電話番号を継続できるかどうかは、番号の種類、取得地域、契約回線、移転先、切り替え先サービスによって異なります。
法人利用では、強固なパスワード、多要素認証、管理者権限の制限、退職者アカウントの削除、端末紛失時の停止、発信制限、履歴監視などが重要です。
IP電話の料金は、ひかり電話の基本プランなら月額550円から、法人向けのひかり電話オフィスタイプなら3チャネル・1番号で月額1,430円からが目安です。
ただし、これらは電話サービス部分の基本料金です。実際には、光回線料金、プロバイダー料金、対応機器、電話工事、オプション料金などが加算される場合があります。
金額はすべて税込、2026年8月10日確認時点です。出典:NTT東日本「ひかり電話 月額利用料」、NTT東日本「ひかり電話オフィスタイプ 料金」
すでに光回線を契約している小規模オフィスで、ひかり電話オフィスタイプ、追加番号1つ、ボイスワープ、4チャネル対応機器を利用する例では、電話サービスと対応機器の固定費は次の計算になります。
1,430円+110円+550円+1,100円=月額3,190円+通話料
この金額には、光回線料金、プロバイダー料金、ビジネスフォン本体、LAN配線、電話工事、保守契約、ナンバー・ディスプレイ、録音、音声ガイダンスなどは含みません。
出典:NTT東日本「ひかり電話 初期費用」(確認日:2026年8月10日)
フレッツ光を新しく契約する場合は、ひかり電話の工事費とは別に、光回線の契約料や工事費が必要です。
建物の設備、工事内容、休日工事の有無などによって金額は変わるため、申し込み前に公式料金と見積もりを確認してください。
クラウドPBXを利用する場合は、電話番号や回線料金だけでなく、利用者数や端末数に応じたライセンス料金がかかることがあります。
料金比較では、光回線料金、電話サービス基本料、番号・チャネル料金、利用人数分の料金、通話料、機器、保守、オプションを合計してください。
IP電話は、テレワーク、複数拠点、増員などへ柔軟に対応したい会社に向いています。
既存のビジネスフォンや電話回線を残しながら、一部だけクラウドPBXやスマートフォンへ移行するハイブリッド構成も選択肢です。
IP電話の導入では、最初にサービスを選ぶのではなく、現在の電話環境と必要な運用を整理することが重要です。
利用中の電話会社と回線、代表番号、FAX番号、電話機台数、主装置、同時通話数、内線・保留・転送、インターネット回線、社内LANなどを確認します。
電話機の台数と同時通話数は同じではありません。始業直後、昼休み前後、繁忙期などに同時に何本の通話が発生するか確認しましょう。
市外局番が必要なら0ABJ番号型、地域番号が不要なら050番号型、スマートフォンを内線化したいならクラウドPBX対応サービスなど、用途に応じて選びます。
料金だけでなく、通話品質、番号継続、緊急通報、FAX、スマートフォン対応、録音、セキュリティ、障害対応、保守受付時間、最低利用期間まで比較してください。
外線発着信、内線、保留、転送、FAX、発信者番号通知、スマートフォンアプリ、停電時の代替連絡などを確認します。
旧回線を解約するのは、必要なテストが完了してからにしましょう。
IP電話を選ぶ際は、以下の内容を確認してください。
ビジネスフォン、IP電話、クラウドPBXは、どれか一つだけを選ぶものではありません。
従来型のビジネスフォンが向いている企業は以下です。
クラウドPBXが向いている企業は以下です。
ハイブリッドの構成が向いている企業は以下です。
IP電話へ切り替える際は、月額料金だけでなく、電話番号、同時通話数、主装置、LAN配線、FAX、停電対策まで確認しましょう。
OFFICE110では、ビジネスフォンとひかり電話、050 IP電話、クラウドPBX、スマートフォン内線、既存設備を残すハイブリッド構成などを比較してご案内します。「現在の電話料金が適正か確認したい」「IP電話とクラウドPBXのどちらが合うか整理したい」という段階でも、ご相談・お見積もりは無料です。
IP電話への切り替えを検討している場合は、現在の回線種別、電話番号、電話機台数、FAX・警備機器の有無を分かる範囲でお伝えください。番号継続や機器対応、必要な回線構成を確認できます。
IP電話とは、音声をデジタルデータへ変換し、IPネットワークを使って通話する電話サービスです。
IP電話は、通話料金を抑えやすく、スマートフォンや複数拠点と連携しやすい一方、「停電」、「通信品質」、「緊急通報」、「FAX」、「番号継続」などには注意が必要です。
電話設備は、会社の神経網のようなものです。月額料金の安さだけで急いで切り替えると、導入後に「FAXが使えない」「番号を引き継げない」「停電時に連絡できない」といった問題が起こりかねません。
自社に必要なのは、電話設備をすべて入れ替えることでしょうか。それとも、今の電話環境を活かしながら、必要な部分だけを変えることでしょうか。
料金だけでは導入方法を決めきれない場合は、現在の電話環境と今後の運用希望をご相談ください。IP電話・ひかり電話・クラウドPBXのどれを選ぶか、既存設備を活かせるかを整理できます。
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