コピー機（複合機）の匂い「オゾン臭」とは？人体へ影響はないの？【お役立ち情報】 | OFFICE110

コピー機（複合機）で大量にコピー・印刷したとき、匂いを感じることはありませんか？

コピー機（複合機）で発生する匂いは一般的に「オゾン臭」と呼ばれ、生臭い魚のような匂いと表現されることも。
ただし、最新の機種ではオゾン臭対策が施され、外部に匂いが漏れるのを防いでいます。

そこで今回は、コピー機（複合機）で発生する「オゾン臭」とは何なのか、人体には影響がないのかなど簡単にご説明いたします。

• そもそも「オゾン臭」とは？人体への影響は？
• コピー機（複合機）でオゾン臭が発生する要因
• まとめ

そもそも「オゾン臭」とは？

オゾンといえば、地球温暖化でも問題になっている「オゾン層」が頭に浮かんできますよね。

そのオゾン（Ozone）は化学式では「O3」となり、酸素原子3つから構成される分子。大気中にとても低い濃度で存在しています。
通常、やや青みがかった色の気体で特有の臭気を発生する特徴があり、「青臭い特有の刺激臭」と表現されているようです。

人体への影響は？

そこで気になるのが人体に悪影響がないのかということ。
低濃度のオゾンであれば、医療や食品、農業、畜産といった分野で利用されるなど有効利用されていますが、高濃度のオゾンを吸引してしまうと人体に悪影響が出てしまいます。吸引する量によっては生死にかかわる影響がでるとのこと。

基本的にオゾンの作業環境基準値は、0.1 ppm（0.2 mg/m3）（日本産業衛生学会）
しかし、通常利用しているコピー機（複合機）は、この数値を超えることはまずありません。

また、オゾン臭の感じ方は人それぞれ。
他の匂いでも言えることですが、敏感な方はちょっと匂いがいるだけで不快になり、逆に鈍い方は気にもならないですよね。
敏感な方は0.01ppm、普通の方でも 0.04ppm程度で爽やかなオゾン臭を感じますが、しばらくすれば慣れてきます。

ただし、0.1ppmになれば明らかに臭気があり、人によっては喉や鼻に刺激を感じる濃度。それが50ppmと高濃度になれば、1時間で生命の危険がおよびます。

コピー機（複合機）でオゾン臭が発生する要因

コピー機（複合機）を換気の悪い部屋や狭い部屋で、大量のコピー・印刷するとき匂いが発生し、それが「オゾン臭」です。
なぜコピー機（複合機）からオゾンが発生するのか疑問がありますよね。

これは、コピー・印刷するときの過程で発生する「コロナ放電」がよるもの。
一般的なオフィスで利用されるコピー機（複合機）はカラーレーザー機が使われ、このレーザータイプの機種でオゾン臭が発生します。

レーザーコピー機（複合機）でコピーや印刷する仕組みは以下の通り。
➀帯電：複合機やレーザープリンターの感光ドラム（感光体）の表面全体に均一に静電気が発生
➁露光：レーザー光やLEDで、印刷データのパターンを帯電した感光ドラムに画像を描写
➂現像：トナーが感光ドラムに近づくと、静電気のない部分にだけトナーが付着
➃転写：感光ドラム表面に用紙を密着させ、用紙裏側からプラス電荷をかけることにより、感光ドラム上のトナーを用紙に転写
➄定着：トナーが転写された用紙に熱と圧力を加える方式や光を当てて融着させる方式で、トナーが用紙に定着

この過程の中で、➀帯電の段階で静電気を発生させるために「コロナ放電」が行われ、その副産物としてオゾンが発生しているのです。

そのため、コピー機（複合機）内部の排気ファンの手前にオゾンフィルターを設置し、オゾン濃度を低くする対策が施されています。
基本的に、先程説明したオゾンの作業環境基準値0.1 ppm（0.2 mg/m3）を超えることはなく、人体への影響は一切ないので安心してご利用ください。ただし、匂いに敏感な方はオゾン臭を感じることはあっても、しばらくすれば慣れて感じなくなります。

ちなみに、オゾンが発生するのはレーザータイプのコピー機（複合機）で、インクジェットタイプの機種では発生しません。

まとめ

今回は、コピー機（複合機）の匂い「オゾン臭」について説明しました。オゾン臭という言葉自体知らなかった方も多いですよね。

コピー機（複合機）はオゾン臭対策が万全に施されているので、匂いを感じることはほとんどありません。
現在では各メーカーで「オゾンフリー設計」の機種の開発が進められ、オゾンを測定するのが困難なレベルまで軽減しています。

ただし、コピー機（複合機）の排気が人体に影響がないといっても、排気風が直接人に当たらない場所に設置しましょう。
また、オゾン臭を感じるときは適宜換気するようにしてください。

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