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複合機・コピー機は、購入・リース・レンタルといった導入方法や減価償却の扱いによって、適用する勘定科目や仕訳の考え方が変わります。
特に購入時は、本体価格によって「その年に経費として処理できるのか」「固定資産として減価償却するのか」が変わるため、金額ごとの違いを整理しておくことが重要です。
リースやレンタルの場合も、契約内容や適用する会計基準によって処理方法が異なります。カウンター料金や運搬・設置費、修理費など、本体以外に発生する費用についても確認が必要です。
この記事では、複合機(コピー機)を「購入」「リース」「レンタル」する場合の代表的な勘定科目と仕訳に加え、周辺費用の処理方法まで分かりやすく解説します。
監修者
千々波 一博(ちぢわ かずひろ)
保有資格:Webリテラシー/.com Master Advance/ITパスポート/生成AIパスポート/個人情報保護士/ビジネスマネジャー検定
2004年から通信業界で5年間営業として従事。その後、起業して他業種に進出。OFFICE110に営業で入社し、月40~60件ほどビジネスホン・複合機・法人携帯などを案内。現在は既存のお客様のコンサルティングとして従事。
複合機(コピー機)まわりの費用は、金額や契約形態によって使う勘定科目が変わりますが、おおまかには次の7種類に分けて考えられます。
どの勘定科目で処理するかによって「経費としてすぐに落とせるか」「資産として何年かに分けて計上するか」が変わります。まずは、複合機に関する代表的な勘定科目と、それぞれの扱い方を一覧で押さえておきましょう。
ここでは、複合機(コピー機)の仕訳に使う代表的な勘定科目と、処理方法の基本を解説します。
上記は、複合機に関する代表的な勘定科目と処理方法の例です。どれに該当するかは「本体を買ったのか/借りているのか」「金額がいくらか」「本体か周辺費用か」といった観点で判断していきます。
なお、本体を固定資産として計上する場合は、運搬費や設置費などの付随費用も取得価額に含めて処理するのが原則です。
ただし、購入方法や購入金額などによって使用する勘定科目は異なるため、自社の場合はどれに当てはまるのかをあらかじめ整理しておくことが重要です。
複合機・コピー機を購入した場合は、購入金額によって経費として処理できるか、固定資産として減価償却するかが変わります。
基本的には、10万円未満であればその年の経費として処理でき、10万円以上の場合は固定資産として扱います。さらに、10万円以上20万円未満であれば「一括償却資産」を選択できるなど、購入金額に応じて処理方法が分かれます。
また、一定の条件を満たす中小企業者等には、通常とは別に少額減価償却資産の特例があります。
ここでは、まず「購入時の基本的な考え方」を整理したうえで、10万円未満/10万円以上の場合の仕訳例と、使える特例について解説します。自社の複合機購入がどのパターンに当てはまるのかをイメージしながら読み進めてみてください。
複合機の取得価額が10万円未満の場合は「少額の減価償却資産」に該当し、「消耗品費」などでその年の経費として一括計上できます。
税法上、取得価額が10万円未満の資産は「少額の減価償却資産」に該当します。そのため、複合機であっても10万円未満で購入した場合は、固定資産にせずその年の費用として処理できます。
たとえば、5万円の複合機を現金で購入した場合は、次のような仕訳になります。
引用先:国税庁「No.5403 少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示」
複合機の取得価額が10万円以上の場合は、原則として「工具器具備品」として資産計上し、法定耐用年数5年を基準に減価償却します。
10万円以上の複合機を購入した場合は、原則としてその年に全額を経費計上せず、いったん「固定資産(工具器具備品)」として計上し、耐用年数5年を基準に減価償却していきます。
たとえば、15万円の複合機を購入した場合、購入時と決算時には次のような仕訳が想定されます。
【購入時】
【決算時(減価償却)】
引用先:国税庁「No.2100 減価償却のあらまし」
上記は取得価額15万円を5年間で均等に配分した場合の単純な仕訳イメージです。実際の減価償却額は、償却方法や取得時期などによって異なります。
なお、複合機の減価償却については、こちらの記事で詳しく解説していますので、合わせて確認しておくと理解が深まります。
複合機の取得価額が10万円以上20万円未満の場合は、「一括償却資産」として3年間で均等に損金算入する方法を選ぶこともできます。
一括償却資産を選択すると、取得価額を3年間で均等に損金算入できます。たとえば15万円の複合機であれば、毎年5万円ずつ3年間計上するイメージです。
通常の減価償却(耐用年数5年)と比べると、費用計上の時期を早められる点が特徴です。
一方で、3年以内に複合機を処分・譲渡した場合でも、3年間の償却は継続する必要がある点はデメリットです。途中で買い替える可能性が高い場合には、この点も踏まえて選択する必要があります。
一定の条件を満たす中小企業者等は、2026年4月1日以後に取得等する40万円未満の減価償却資産について、「少額減価償却資産の特例」によりその年に全額損金算入できます。
一定の要件を満たす中小企業等であれば、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例を利用して、複合機の取得価額を全額損金処理できるケースがあります。
特例を受けられる事業者や金額の条件は、概ね次のとおりです。
引用先:国税庁「令和8年度 法人税関係法令の改正の概要|主な中小企業税制の見直し」
2026年3月31日までに取得等した資産と、2026年4月1日以後に取得等した資産では取得価額基準などが異なるため、取得日を確認して判断する必要があります。
この特例を適用できれば、複合機を購入した年に取得価額の全額を損金算入できるため、資金繰りや節税の面で大きなメリットがあります。
なお、この特例で損金処理できる金額は年間合計300万円までという上限があるため、複合機以外の設備投資も含めて、適用金額を管理しておくことが大切です。
複合機(コピー機)をリースした場合は、契約内容や適用する会計基準によって使う勘定科目や仕訳の考え方が変わります。
従来のリース会計では、リースの種類を大きく「ファイナンスリース」と「オペレーティングリース」の2種類に分けて処理してきました。同じリース契約でも、固定資産として計上するケースと、賃貸借と同じように費用処理するケースに分かれます。
ここでは、従来の「ファイナンスリース」と「オペレーティングリース」の考え方を中心に、複合機をリースしたときの勘定科目と仕訳を解説します。
従来のリース会計では、ファイナンスリースの場合、複合機を「自社の資産」とみなして固定資産計上し、「リース資産」「リース債務」を使って減価償却するのが原則です。
ファイナンスリースとは、借主が選んだ複合機をリース会社が代わりに購入し、一定期間貸し出す契約のことです。実質的には購入と近い取引であるため、会計上はリース資産(資産)とリース債務(負債)を計上し、減価償却費として費用化していく方法が原則となります。
従来のファイナンスリースは、次の2種類に分かれます。
所有権移転ファイナンスリースは、リース期間終了後に複合機の所有権が自社に移転するタイプで、固定資産と同じように耐用年数に基づき減価償却します。
所有権移転ファイナンスリースでは、最終的に複合機が自社のものになるため、会計上はほぼ「分割払いで購入したのと同じ扱い」になります。勘定科目としては、所有権移転外ファイナンスリースと同様に「リース資産」「リース債務」を用いますが、減価償却は複合機の法定耐用年数にもとづいて行います。
たとえば、現金購入した場合の取得価額が300万円の複合機(新品)を、リース期間5年(60ヶ月)、毎月の利息3,000円で契約したケースの仕訳は次のようになります。
【取得時】
【支払い時】
【決算時】
※計算例:300万円 ÷ 5年(複合機の法定耐用年数)= 60万円/年
所有権移転外ファイナンスリースは、リース期間終了後に複合機を返却するタイプです。
所有権移転外ファイナンスリースでは、リース期間終了後に複合機を返却しますが、経済的には購入に近い取引とみなされるため、会計上はやはり「リース資産」「リース債務」を計上します。
主な勘定科目のイメージは次のとおりです。
決算時には、所有権移転外ファイナンスリース専用の償却方法である「リース期間定額法」を使って減価償却費を計算します。
リース期間定額法の計算式
減価償却費 = リース資産 ÷ リース期間の月数 × 事業年度におけるリース期間の月数
例として、現金購入時の取得価額が300万円の複合機をリース期間5年(60ヶ月)、毎月の利息3,000円で契約した場合の仕訳は次のようになります。
※計算例:300万円 ÷ 60ヶ月 × 12ヶ月 = 60万円/年
従来の会計基準では、オペレーティングリースは通常の賃貸借取引に準じ、支払いの都度「賃借料」などで費用計上するのが基本です。
オペレーティングリースとは、事業で使う複合機などを一定期間だけ借りる契約のことで、実務的には「レンタル契約」とほぼ同じイメージです。ファイナンスリースのようにリース資産・リース債務を計上するのではなく、会計上は通常の賃貸借と同じ方法で処理します。
そのため、ファイナンスリースと異なり、取得時や決算時に特別な会計処理を行う必要はありません。支払いが発生したタイミングで、「賃借料(支払リース料など)」として経費に計上するのが基本です。
新しいリース会計基準でも、短期リースや少額リースについては、一定の条件を満たす場合に使用権資産・リース負債を計上せず、リース料を費用処理できる簡便的な取扱いがあります。
引用先:企業会計基準委員会「企業会計基準第34号 リースに関する会計基準」
どの会計処理が適用されるかは、契約内容や自社が適用する会計基準によって異なります。契約書を確認したうえで、判断に迷う場合は税理士・公認会計士などの専門家へ確認してください。
なお、複合機のリース契約や導入方法で迷っている方は、機種選びから費用のご相談までOFFICE110にご相談ください。
複合機をレンタルする場合は、原則として月々の支払いをそのまま経費にできるため、会計処理は比較的シンプルです。
複合機をレンタルした場合に使用する勘定科目は、「賃借料」です。リースと異なり、レンタルでは複合機本体を固定資産として計上せず、減価償却も行いません。
そのため、支払いが発生したタイミングで「賃借料」として仕訳するだけで処理が完了します。具体的には、支払った金額の全額を「賃借料」として経費計上します。
一例として、1ヶ月2万円の複合機をレンタルした場合の仕訳は次のとおりです。
「本体は所有せず、必要な期間だけ借りたい」「会計処理をシンプルにしたい」といった場合には、レンタル契約が検討しやすい選択肢になります。
複合機本体だけでなく、保守料金やトナー・用紙代、運搬・修理費などにも、それぞれ適した勘定科目があります。
複合機は、導入後もカウンター料金やトナー・用紙代、運搬・設置費用、修理・メンテナンス費など、さまざまな支出が発生します。これらの支出を正しい勘定科目で処理しておくと、経費の内訳が分かりやすくなり、税務上の判断もしやすくなります。
この章では、複合機まわりで日常的によく使う勘定科目と、その仕訳例を整理して解説します。
複合機のカウンター料金やトナー・用紙代は、「消耗品費」などで処理する方法があります。
日常的に補充する用紙・トナーは、「消耗品費」で処理するのが一般的です。カウンター料金については、消耗品費など自社で継続して使用している勘定科目に合わせて処理します。
たとえば、カウンター料金として3,000円を普通預金から支払った場合の仕訳例は次のとおりです。
トナー・用紙・カウンター料金など、同じ性質の費用について毎期同じ勘定科目を使用しておくと、複合機の運用コストを管理しやすくなります。
複合機を固定資産として計上する場合、運搬費や設置費は原則として取得価額に含めて処理します。
複合機を新規導入する際には、運搬や設置作業が必要になります。本体を固定資産(工具器具備品など)として計上する場合、運搬費や設置費といった「取得に直接かかった費用」も、取得価額に含めるのが原則です。
一方、すでに使用している複合機を別の場所へ移動するための費用は、新規取得時の付随費用とは性質が異なります。移設費をどの勘定科目で処理するかは、作業内容や自社の経理方針に応じて判断します。
ここでは、移設などにかかった運搬・設置費5万円を、自社の会計方針に基づいて「消耗備品費」で経費処理する場合の仕訳例を示します。
クレーンでの引き揚げ作業など、複合機の運搬に付随する作業費用についても、一律に勘定科目を決めるのではなく、作業内容や請求明細、自社の会計方針を確認して処理します。
なお、複合機・コピー機の引越しや運搬について詳しく知りたい方は、次の記事も参考になります。
複合機の修理・メンテナンス費用は、基本的に「修繕費」で処理します。
複合機の故障対応や部品交換、定期的なメンテナンスのうち、性能を維持・回復するための費用は、一般的に「修繕費」として処理します。日常的な修理やメンテナンスは経費として扱われ、支払いが発生した年度の費用になります。
たとえば、複合機の修理費として5万円を普通預金から支払った場合の仕訳例は次のとおりです。
ただし、単なる修理ではなく、複合機の価値を高めたり使用可能期間を延長したりする支出は、資本的支出として資産計上が必要になる場合があります。
修理・メンテナンス費が増えてきた場合は、「修繕費がかさむ古い機種を使い続けるより、新しい複合機に入れ替えたほうがトータルで得かどうか」を一度見直してみるのもおすすめです。
複合機の勘定科目は、購入・リース・レンタルといった導入方法や取得価額を確認することで、基本的な考え方を整理できます。
ただし、実際の会計・税務処理は企業の条件や契約内容、適用する会計基準によって異なるため、最終的な仕訳や税務判断については税理士・公認会計士などの専門家へ確認する必要があります。
一方、複合機そのものの購入・リースといった導入方法や、機種選定、月々の費用、入れ替え条件で迷っている場合は、OFFICE110へご相談ください。
印刷枚数や利用人数、設置環境、必要な機能、予算などを確認したうえで、自社の運用に合った複合機と導入方法をご案内します。
複合機の購入・リース・入れ替えで迷っている場合は、現在の利用状況や予算を踏まえ、自社に合った機種や導入方法についてOFFICE110へご相談ください。
ご相談・見積依頼
複合機の会計処理では、導入方法と取得価額、支出の内容を確認し、それぞれに合った勘定科目で処理することが基本です。
購入する場合は、取得価額によって処理方法が変わります。0万円未満は1「少額資産」として経費処理でき、10万円以上20万円未満では、1「一括償却資産」を選択できるなど、金額に応じて適切な方法を判断する必要があります。
リースやレンタルについても、契約内容や適用する会計基準によって仕訳方法が異なります。また、カウンター料金やトナー・用紙代、搬入・設置費、修理費などは、本体とは分けて支出の目的や性質に応じた勘定科目を選ぶことが重要です。
こうした費用を適切に整理しておけば、日々の経理処理が分かりやすくなるだけでなく、複合機にかかる実際のコストを把握し、今後の導入方法や入れ替えを検討する際の判断材料にもなります。
会計・税務上の最終的な処理は税理士等へ確認しつつ、複合機の購入・リース・入れ替えを検討している場合は、OFFICE110で機種選定から導入・設置・保守までご相談いただけます。
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