納品日:2019-12-26
都道府県:東京
メーカー:FUJIFILM
機種名:DocuCentre-VI C2264
コピー機や複合機を使っていると、作動中にツンとした独特のにおいが気になることはありませんか?その正体は多くの場合、印刷時に発生する「オゾン臭」です。
「このにおいを長時間吸っていて大丈夫なのか」「頭痛やだるさと関係していないか」「換気以外にできる対策はないのか」──そんな不安や疑問を抱えたまま、なんとなく我慢して使い続けているオフィスも少なくありません。
そこで今回は、コピー機のオゾン臭について、においの正体・身体への影響・具体的な対策をまとめて解説します。
この記事でわかること:
この記事を読めば、「どこまで気にすべきか」と「何から対策すればよいか」が整理でき、オゾン臭に悩まされにくい快適な職場づくりのヒントが手に入ります。

監修者
千々波 一博
(ちぢわ かずひろ)
保有資格:Webリテラシー/.com Master Advance/ITパスポート/個人情報保護士/ビジネスマネージャー検定
2004年から通信業界で5年間営業として従事。その後、起業して他業種に進出。OFFICE110に営業で入社し、月40~60件ほどビジネスホン・複合機・法人携帯などを案内。現在は既存のお客様のコンサルティングとして従事。
2004年から通信業界で5年間営業として従事。その後、起業して他業種に進出。OFFICE110に営業で入社し、月40~60件ほどビジネスホン・複合機・法人携帯などを案内。現在は既存のお客様のコンサルティングとして従事。
コピー機の「ツンとした独特のにおい」の多くは、印刷時に発生する微量なオゾンが原因です。
同じオフィスでも、ほとんど気にならない人もいれば、頭痛や不快感を訴える人もいて、感じ方には大きな個人差があります。特に、窓が少ない部屋やコピー機の台数が多いフロアでは、においがこもりやすく不安を感じやすい環境になりがちです。
ここでは、コピー機から発生するオゾン臭の正体とにおいの特徴、人体への影響や安全基準の考え方をわかりやすく整理します。
コピー機のオゾン臭は、印刷時の静電気で発生するオゾン(O₃)が空気中に放出されることで生じるにおいです。
コピー機(複合機)は、トナーを紙に定着させる際に感光体などへ静電気を発生させます。このとき、空気中の酸素(O₂)が電気的な作用によって分解・結合し、酸素分子がオゾン(O₃)に変化します。その微量なオゾンが排気と一緒に外へ出て、独特の「ツンとした」匂いとして感じられます。
オゾン自体は自然界にも存在する身近な物質で、雷雨のあとや森林などの清浄な空気にも微量に含まれています。適切な濃度であれば、「ただちに健康被害が出る」ような危険なものではありません。
近年のコピー機は、オゾンフィルターや排気構造が改良されており、旧型機に比べると発生量は大幅に抑えられています。それでも、印刷枚数が多い・設置場所が狭い・換気が悪い場合は、においが気になりやすくなります。
オゾン臭の感じ方には、嗅覚の敏感さや体調、体質による個人差があります。同じ濃度でも「気にならない人」と「強く不快に感じる人」がいるのはこのためです。
とくに、アレルギー体質の方・呼吸器に持病がある方・妊娠中の方などは、においに対して敏感になる傾向があります。オフィスで一部のスタッフだけが強い不快感を訴えている場合は、「本人の気にしすぎ」と片付けず、環境面の見直しも検討しましょう。
オゾン臭は、人によって次のように表現されることが多いです。
オゾン臭のよくある表現:
一般的なレベルのオゾン臭であれば、換気や設置場所の工夫で不快感をかなり軽減できます。
一方で、「いつもと違う焦げ臭さ」「突然においが強くなった」などの変化があれば、機械の異常や過熱が隠れている可能性もあるため、保守担当者やメーカーへの相談をおすすめします。
オゾンの安全性については、厚生労働省や日本産業衛生学会、WHO(世界保健機関)などが、科学的な根拠に基づいて管理濃度や指針値を定めています。
| オゾンの安全基準(8時間平均の一例) | ||
|---|---|---|
| 基準設定機関 | 基準値(濃度) | 適用条件 |
| 厚生労働省 | 0.1ppm | 作業環境の管理濃度(8時間加重平均) |
| 日本産業衛生学会 | 0.1ppm | 許容濃度(8時間作業) |
| WHO | 0.05ppm | 大気質ガイドライン(8時間平均の参照値) |
これらの数値は、「一日中その濃度の空気を吸っても健康に影響が出ないと考えられる目安」として設定されています。
一方で、一般的なオフィス用コピー機から放出されるオゾンは、通常0.01〜0.03ppm程度と言われており、多くの場合は上記の基準値の約1/3〜1/10程度の低いレベルに収まります。
ただし、これらの基準はあくまで「平均的な人」にとっての目安であり、においによる不快感や頭痛・だるさなどは、基準値以内でも起こり得る点に注意が必要です。
オフィスでできる対策としては、次のようなポイントを押さえておくと安心です。
オゾン臭が気になるときの基本対策:
基準値を過度に恐れる必要はありませんが、「においでつらい」と感じている人がいる環境を放置するのも好ましくありません。数値だけで判断するのではなく、社員の声もあわせて確認しながら、こまめな換気と設置環境の見直しを進めていきましょう。
コピー機のオゾンは、印刷工程で使われる静電気とコロナ放電によって、空気中の酸素がオゾンに変化することで発生します。
印刷速度や電圧、設置環境によって発生量は変わるため、湿度や温度の管理・排気の流れを整えるだけでも体感は大きく変わります。
ここでは、オゾンが生まれる仕組み・影響する要因・抑えるための考え方を順に解説します。
レーザープリンター方式のコピー機では、高電圧による静電気とコロナ放電が原因でオゾンが発生します。
コピー機の中でもレーザープリンター方式の機種は、印刷時に高電圧を使うためオゾンが発生しやすい構造になっています。インクを噴き出すインクジェット方式とは違い、レーザー方式は感光ドラムに静電気で画像を「焼き付け」、そこにトナーを吸着させて紙へ転写します。
このとき、ドラムや転写部には数千ボルトレベルの電圧がかかり、空気中でコロナ放電と呼ばれる現象が起こります。コロナ放電によって酸素分子(O₂)がいったんバラバラになり、別の酸素分子と結びつくことでオゾン(O₃)が生成されます。これがコピー機特有のツンとしたにおいの正体です。
レーザープリンター方式の印刷は、おおまかに次の流れで進みます。
レーザー方式コピー機の主な印刷工程:
コロナ放電はこの「帯電」「転写」の工程で発生しやすく、印刷枚数が多いほどオゾンも一時的に増えやすい傾向があります。大量印刷が続くときは、合間に換気を行うだけでも体感のにおいを抑えやすくなります。
レーザー方式のコピー機では、「高電圧+静電気+コロナ放電」という仕組み上、こまめな換気をセットで考えておくと安心です。
オゾンの発生量は、静電気のかけ方だけでなくトナーの種類や内部部品の状態にも影響を受けます。
トナーはメーカーや世代ごとに組成が異なり、「画質」「省エネ」「低オゾン」など、重点を置いている性能も少しずつ違います。どのトナーを採用しているかによって、必要な電圧や帯電の安定性が変わり、結果としてオゾンの発生具合も変わってきます。
代表的なトナーのタイプと傾向を整理すると、次のようになります。
トナーのタイプと一般的な傾向:
また、帯電ローラーや感光ドラムが摩耗していたり、内部に紙粉やトナーがたまりすぎていたりすると、同じ電圧でも放電の仕方が変わり、においが強く感じられる場合があります。さらに、湿度が低い環境では静電気が逃げにくく、コロナ放電が起こりやすくなります。
「湿度が低い時期だけにおいが気になる」「清掃後は少し軽く感じる」といった場合は、トナーの種類だけでなく、部品の劣化や内部の汚れ、湿度条件の変化も合わせて疑ってみるのがおすすめです。
オゾンの発生量は機種ごとに異なりますが、最近のモデルほど低オゾン設計が進んでおり、従来機より大幅に抑えられています。
一般的には、小型プリンターよりも高速出力が可能な大型複合機のほうがオゾンの発生量は多くなる傾向があります。ただし、どの機種も国内外の規制値を超えないよう設計されており、通常のオフィス利用で健康被害が出るレベルにはならないよう配慮されています。
| 機種分類ごとのオゾン発生量のイメージ | ||
|---|---|---|
| 機種分類 | オゾン発生量の目安 | 特徴 |
| 小型プリンター | 0.005〜0.015ppm程度 | 低電圧設計で、発生量は少なめ |
| 中型複合機 | 0.010〜0.025ppm程度 | 一般的なオフィス向けでバランス型 |
| 大型複合機 | 0.015〜0.030ppm程度 | 高速印刷と引き換えに発生量はやや多め |
最新機種では、次のような低オゾン化の仕組みが組み込まれています。
低オゾン化のための代表的な技術:
一方で、設置環境が悪いと、こうした対策があってもにおいがこもりやすくなります。目安としては、室温15〜25℃・湿度40〜60%・定期的な換気が保たれている状態が理想です。
環境要因とオゾン臭の関係(イメージ):
「においが強い」と感じるときは、機種の性能だけでなく、台数・設置場所・換気状況などオフィス全体の環境をセットで見直すことが大切です。機種選定やレイアウト変更も含めて相談したい場合は、オフィス機器に詳しい専門業者に一度環境を見てもらうと安心です。
オゾン臭が気になるときは、いきなり機種の入れ替えを検討するのではなく、まず「換気」と「設置場所の見直し」から始めるのがおすすめです。
そのうえで、必要に応じてフィルターや空気清浄機を追加すると、コストを抑えながらにおいを段階的に軽減しやすくなります。
このセクションでは、すぐにできる基本対策から、専用機器の活用、異常時のチェックポイントまでをコンパクトに整理します。
最初に取り組みたいのは、換気とコピー機の置き場所の見直しです。
この2つを整えるだけでも、体感のにおいが大きく変わるケースは少なくありません。
換気では「風の流れ」と「排気の向き」を意識します。コピー機の排気が人のいる方向に向かないようにしつつ、窓や換気扇へ空気が抜けるルートを作りましょう。
設置環境の目安は次のとおりです。
オゾン臭を抑えやすい設置環境の目安:
窓+換気扇を同時に使い、コピー機の排気が外側へ流れるようにレイアウトすると、短時間でもにおいが軽くなりやすくなります。
基本的な換気やレイアウト調整を行ってもまだ気になる場合は、専用フィルターや空気清浄機を併用することで、においをさらに抑えられます。
代表的なアイテムは次のとおりです。
オゾン除去に使われる主なアイテム:
配置のポイントは、コピー機の排気口から1〜2メートル以内に置くことです。
また、フィルターやカートリッジは交換時期を過ぎると性能が落ちるため、取扱説明書に記載された交換サイクルを守りましょう。
| オゾン除去の主な手段とイメージ | ||
|---|---|---|
| 製品タイプ | 効果のイメージ | 向いている環境 |
| 活性炭フィルター | ★★★☆☆ | 小〜中規模オフィス |
| 光触媒フィルター | ★★★★☆ | 中規模スペース |
| オゾン分解触媒 | ★★★★★ | 中〜大規模拠点 |
| マイナスイオン発生器 | ★★★☆☆ | 個室・小会議室 |
| 専用空気清浄機 | ★★★★★ | 人の出入りが多い大部屋 |
「いつものオゾン臭」と明らかに違うにおいを感じた場合は、そのまま使い続けず、いったん使用を止めて確認することが重要です。
まずは、においの種類ごとに緊急度を切り分けましょう。
におい別・緊急度の目安:
自分でチェックするときは、次のステップで整理すると状況を把握しやすくなります。
自分で確認するときの基本ステップ:
次のようなケースに当てはまる場合は、自己判断にこだわらず、保守窓口や専門業者に早めに相談することをおすすめします。
専門業者への相談を検討すべきケース:

オフィスのコピー機・複合機の導入から入れ替え、運用まで、私たち「OFFICE110」にまとめてお任せください。
OFFICE110は、複合機をはじめとするオフィス向け機器の販売から設置・工事、保守サポートまで一貫して対応するOA機器総合販売店です。印刷・スキャン・FAXなど日々の業務を効率化したい企業さまに向けて、機種選定から導入後の運用まで丁寧にサポートします。
OFFICE110を利用するメリット:
さらに、ビジネスフォンやネットワーク機器、セキュリティ対策、電気工事など、オフィスまわりの設備をまとめて相談できるのもOFFICE110の強みです。コピー機だけでなく、オフィス全体の環境を見据えたご提案が可能です。
複合機の導入や入れ替えをご検討中の方は、ぜひOFFICE110にお気軽にお問い合わせください。お客様の業種や印刷ボリューム、予算に合わせて、コストと性能のバランスに優れた1台をご提案します。

2in1印刷とは、1枚の用紙に2ページ分のデータを縮小してまとめて印刷する方法です。「2アップ印刷」「割付印刷」「集約印刷」と呼ばれることもあり、用紙の節約や資料のコンパクト化、情報の比較のしやすさなど、さまざまなメリットがあります。
メーカーやファイル形式によってボタン名や画面構成は異なりますが、「コピー機側のページ集約機能を使う方法」と「Word・Excel・PDFなどアプリの印刷設定で2ページ/枚を指定する方法」という基本的な考え方は共通です。本記事でご紹介したステップを参考に、まずは少量の資料から2in1印刷を試してみてください。
2in1印刷や4in1・8in1印刷を上手に組み合わせることで、印刷コストの削減と資料の見やすさ向上の両立が期待できます。運用の中で「どの資料には2in1を使うか」「どこまで縮小しても読みやすいか」を社内で決めておくと、より安定した運用につながります。
複合機の設定や運用方法まで含めて見直したい場合は、OFFICE110にご相談ください。複合機に精通したスタッフが、印刷環境の最適化や機種選定まで一緒にサポートします。


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