複合機（FAX）に内線を割り当てるメリット・デメリット！発信する流れ

「複合機の基礎知識」記事一覧 更新日: 2025年11月5日

複合機（FAX）に内線を割り当てるメリット・デメリット！発信する流れ

複合機（FAX）は、現在でも業務に欠かせない重要なツールです。特に契約書や請求書など、機密性が高い書類のやり取りに使われています。

とはいえ、FAX専用回線を1本用意するのは、コスト面で少しもったいないかもしれません。通話料が発生するのは仕方ないとしても、回線の基本料金はできるだけ抑えたいところです。

そこで提案したいのが、 複合機（FAX）に内線番号を割り当てること です。内線番号であれば、回線を1本しか使わず、FAXの通話料が実質無料になるため、非常にお得です。

この記事では、複合機（FAX）に内線番号を割り当てるメリット・デメリットを解説し、実際に内線番号に発信する流れを簡単にまとめています。これを参考に、自社の運用方法を見直してみましょう。

まずは、次の疑問を整理してみてください。

これらのポイントを押さえた上で、 運用コストの削減とミスの減少 を同時に実現できる方法をお伝えします。

複合機（FAX）を内線に組み込みメリット

この章では、内線化によって得られる主なメリットを解説します。

PBX配下で回線を共有すれば、基本料金を抑えやすくなります。複合機（FAX）を内線として組み込むことは、それほど難しくありません。

では、複合機（FAX）に内線番号を割り当てるメリットについて詳しく見ていきましょう。

電話回線の本数を節約できる

結論として、内線化は必要回線数の圧縮に直結します。

複合機（FAX）に内線番号を割り当てることで電話回線の“本数を節約”できます。

本来、電話回線は1機器ごとに1本ずつ用意する必要があります。電話機と複合機（FAX）があれば2本の電話回線が必要です。

その点、“ビジネスフォン”を活用すると少ない回線数を多くの機器で共有できます。電話機と複合機（FAX）を1本の電話回線で共有したり、電話機2台と複合機（FAX）を2本の電話回線で運用したりできます。

3本や2本は必要だった回線数を、より少なくできるので回線の基本料金を節約しやすくなります。運用に合わせて過不足なく設計しましょう。

代表的な設計例を挙げてみましょう。

これらを参考にして、実際の回線数と使用状況に合わせて設計を検討してみてください。

FAXへの誤着信を予防できる

要点として、誤着信をPBXのルールでFAXに振り分けられることです。

複合機（FAX）は発信番号を間違えるとFAXは届かないのが一般的です。しかし、間違えた番号が別のFAXに接続されることもあり、“情報漏洩”のリスクもあります。

実は、ビジネスフォンによっては誤着信（FAX信号）を自動的にFAXに割り当てる機能があります。電話機は1111、FAXは2222と内線番号が分かれているとします。1111に誤着信があっても、ビジネスフォンがFAX信号を感知すると2222に割り振ります。

これにより、「FAXを送ったはずですが…」と取引先と行き違いになる危険を回避でき、受信漏れを防げます。

運用上、次のポイントに注意するとさらに効果的です。

これらの設定を導入することで、業務における誤送信やミスを大幅に減らすことができます。

誤着信してもFAXに転送できる

結論として、自動対応が難しい環境でも手動転送で受信を確保できます。

複合機（FAX）に内線番号を割り当てることで、誤着信しても“FAXに転送”できます。自動でFAXに割り当てる機能は対応機のみに限られます。一般的には誤着信すると着信音が鳴らない、または着信音が鳴るだけで何もできません。

ビジネスフォンには“転送機能”があり、手動で電話機からFAXに転送できます。例えば、電話機は1111、FAXは2222の内線番号を割り振るとします。1111に誤着信があっても、電話機から2222に転送すればFAXを受け取れます。

これらの方法を事前に周知することで、業務中のFAX受信の取りこぼしを防ぐことができます。

内線同士ならFAXが無料になる

要点は、内線間のFAXは社内通信として課金対象外です。

内線同士なら“FAXが無料”になるのも、複合機（FAX）に内線番号を割り当てる利点です。複合機（FAX）の発信は“外線発信”なので基本的に通話料（FAX料）が発生します。具体の料金は契約回線やプランで異なります。

一方、ビジネスフォンであれば内線同士の発信はすべて“内線発信”なので通話料はかかりません。FAX1に1111、FAX2に2222と内線番号を割り振っているとします。FAX1からFAX2に100枚発信しても、内線であれば実質無料で運用できます。

これにより、社内でのFAXのやり取りが効率よく、コスト削減にもつながります。

この章の要点は、内線化で「回線数の削減」「誤着信の防止」「社内連携の低コスト化」を同時に実現できることです。

複合機（FAX）を内線に組み込むデメリット

基本料金を節約できるなど、複合機（FAX）に内線番号を割り振ることのメリットは大きいですが、注意すべきデメリットもあります。

この章では、複合機（FAX）を内線に組み込む際に知っておきたいポイントを解説します。

内線として工事が必要になる

複合機（FAX）に内線番号を割り振ることで、内線用パッケージの導入と配線工事が必要となります。

ビジネスフォンの主装置から複合機（FAX）への配線工事が必要で、工事には一定の期間と費用がかかります。

特に、大規模なオフィスでは、工事の段取りや業務中の影響を考慮する必要があります。例えば、主装置とFAXの距離が長い場合は、配線工事のために数カ月かかることもあり、その間業務が滞る可能性もあります。

もし、既存の設備を活用できるのであれば、それによって費用と工事期間を大幅に短縮できる可能性もあります。

問題に対して対処が難しくなる

内線番号を割り当てた場合、複合機（FAX）に問題が発生した際に、対応が難しくなることもあります。電話回線、ビジネスフォン、複合機（FAX）それぞれに異なる業者が対応するため、どこに依頼すべきか迷うことがあります。

例えば、電話回線に問題があっても、複合機（FAX）の設置業者に依頼しても解決できません。また、業者によってはたらい回しにされることもあり、その間に費用が発生しても問題が解決しないこともあります。

問題発生時には、原因を迅速に把握できるようにし、必要な業者に適切に依頼することが重要です。

主装置が故障するとFAXは使えなくなる

複合機（FAX）に内線番号を割り振ると、主装置が故障するとFAXを含むすべての電話機が使用できなくなるリスクがあります。主装置は電話の発着信を管理するため、これが故障すると、FAXの送受信にも影響を与えます。

ビジネスフォンに影響されない運用を希望する場合、複合機（FAX）だけで独立した回線を用意する方法もあります。この方法では、主装置が故障してもFAX機能に影響を与えません。

主装置の冗長化やクラウドPBXなどの導入を検討し、より安定した運用を目指しましょう。

複合機（FAX）で内線番号に発信する方法

複合機（FAX）に内線番号を割り振るメリットとデメリットについてご理解いただけたと思います。

では、次に複合機（FAX）で内線番号に発信する方法について、基本的な流れと注意点を説明します。

複合機（FAX）で内線番号に発信する流れ

複合機（FAX）で内線番号に発信する流れを以下にまとめました。

内線番号に発信するには、代表番号の後に内線番号をダイヤルするだけで発信ができます。ただし、機種によって操作方法が異なるため、分からない場合はマニュアルを確認することをお勧めします。

「0発信」の必要がある複合機（FAX）に要注意！

基本的には先述した流れで、複合機（FAX）から内線番号に発信できますが、外線発信に「0発信」が必要なビジネスフォンの場合は注意が必要です。ビジネスフォンによっては、外線発信の際、ダイヤルの先頭に「0」や「9」を付けることが必要です。

例えば、内線番号1111に発信する際、0-1111とダイヤルしなければならないことがあります。これを忘れると誤発信につながる危険があります。万が一、誤発信先がFAXだと、機密情報が漏洩する可能性があるため、ダイヤルルールを確認し、周知徹底しておきましょう。

まとめ

今回は複合機（FAX）に内線番号を割り当てるメリットとデメリットについてまとめてみました。

内線番号を割り当てるメリットは4つあります。

一方で、内線番号を割り当てるデメリットも3つあります。

複合機（FAX）に内線番号を割り当てることで、コスト削減や効率化が図れますが、導入時や運用時にはいくつかの注意点もあります。上記のポイントを踏まえ、最適な運用方法を選んでください。

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