WAFとは?仕組みや導入メリットを初心者にも分かりやすく解説!
- 自社でセキュリティ対策に力を入れたいと思い、「WAF」というものを知ったのですが、WAFがあると何ができるのでしょうか?
- 「WAF(Web Application Firewall)」とは、Webアプリケーション層の脆弱性を狙ったサイバー攻撃から守るセキュリティ対策です。
WAFがあればウェブ上で不正にデータが盗まれることを検知できるため、脆弱性を突いたサイバー攻撃から守ることができます。
「自社のセキュリティ対策が万全かどうか不安」
「WAFが効果的だと聞いたものの仕組みや機能が分からない」
「他のセキュリティ対策との違いが分からない」
・・・このような疑問や不安をお持ちの方は必見です!
今回は、WAFの基本知識から他のセキュリティ対策との違い、導入するメリット・必要性について徹底解説します。
初心者へ向けてわかりやすく説明しますので、WAFを簡単に理解したい方は最後まで必見です。
WAFとは?意味や基本知識を徹底解説
WAF(Web Application Firewall、ワフ)とは、「Webアプリケーション層」の脆弱性を狙ったサイバー攻撃から守るセキュリティ対策です。
Webアプリケーションの脆弱性を狙った攻撃を受けた場合、顧客情報やクレジットカードの情報が抜き取られるといった被害が発生します。
そのような被害から自社の情報を守るために、まずはWAFの概要から仕組みや種類を解説し、理解を深めましょう。
Webアプリケーションとは?
ウェブの仕組みを利用したアプリケーションソフトウェア。
身近なサービスとしては、「YouTube」「Gmail」「Skype」などが挙げられる。
そもそもWAFの仕組みは?
WAFは、「シグネチャ」を用いて自社のWebアプリケーションにアクセスしようとしている通信が不正かどうかを検知してくれます。
このシグネチャとは、ウイルスデータや不正な通信情報、攻撃手法などの不正なアクセスパターンをまとめた『リスト』のようなものです。
では続いて、WAFの不正検知の方法を大きく分けて2種類ご紹介します。
①ブラックリスト方式
「ブラックリスト方式」は、想定される不正な攻撃パターンをシグネチャに定義し、そこに一致するとアクセス拒否を行う方式。
あらかじめ指定したアプリケーションやプログラムの実施を阻止できるため、その対象からの危険な攻撃を未然に防ぐことが可能です。
ブラックリスト方式のメリットは、既に知られている脅威を未然に防げることと、複数のWebアプリケーションに導入できるため手間がかからないこと。
一方のデメリットは、シグネチャに定義していない新しい攻撃手法を防げないことです。
サイバー攻撃の手法は日々進化しているため、定期的なリスト内容のアップデートが必要です。
- ただ最近のWAFはクラウド型が主流になっており、クラウド提供側が定期的なシグネチャのアップデートをしてくれるようになりました。
②ホワイトリスト方式
ブラックリスト方式は危険な対象を定義して防ぐ反面、「ホワイトリスト方式」は『安全な対象』を定義し、それ以外の実行をブロックしてサイバー攻撃を防ぐ方式です。
つまりホワイトリスト方式なら、許可されていないアプリケーションやプログラムの実行を弾くため、未知の攻撃を防ぐことができる点がメリット。
よって、ホワイトリスト方式の方がセキュリティが強固だと言えるでしょう。
一方のデメリットは、許可するアプリケーションやプログラムを事細かに指定しなければならず、シグネチャを生成するのに工数や人的・運用コストが大きくなる点。
またシグネチャに定義する内容は複雑なので、専門的知識をもつ技術者が欠かせません。
- ホワイトリスト方式を活用した身近な例としては、特定のサイトへのアクセスに関して制限を設ける「IP制限」が挙げられますね
WAFの種類は大きく分けて3種類
WAFには代表的な3種類があり、それぞれ導入にかかるコストや工数も異なります。
- 1.ソフトウェア型
- 2.アプライアンス型
- 3.クラウド型
まずはそれぞれの特徴を理解し、自社に最適なWAFはどれなのか把握しましょう。
①ソフトウェア型
ソフトウェア型WAFは、利用しているWebサーバー・Webアプリケーションサーバーに直接インストールして利用する方法。
ネットワークの構成がそのまま使えるので、新規サーバーを購入する必要がありません。
例えば大規模なシステムで複数のWebサーバーを設置している場合は、その一つ一つにインストールしなければならないため、規模が大きいほどコストがかかります。
またインストールするにも、Webサーバー内に十分な容量やメモリが必要。
導入するWAFの容量が重いと、アプリケーションの動作に影響することもあります。
②アプライアンス型
アプライアンス型WAFは、あらかじめWAFの機能が入った専用のハードウェア(機器)を外部ネットワークとWebサーバーの間に設置して利用する方式です。
独立した機器を社内に設置するため、サーバーの台数に依存しないところがアプライアンス型の魅力。
よって低コストで運用できる上に、アプリケーションへの最小限に抑えることが可能です。
ただ設置には専門的な知識が必要なため、専門の技術者へ依頼するコストが発生します。
またクラウドでネットワークの環境を構築している場合は、機器の設定はできません。
③クラウド型
クラウド型WAFは、AWSなどのクラウドサービスを利用し、物理的なサーバーを設置せずクラウド上でWAFを使用する方法です。
現代のWAFの中で最も主流な方法となります。
クラウド型は専用機器が不要で、サービスの利用料金は通信リクエストの量や利用するURLの数によって決まるため、コストの調整が簡単。
またシグネチャの定期的な更新にも対応しており、常に最新の状態でWAFを利用することができるため、専門のエンジニアも必要ありません。
ただし通信はサービスを提供するベンダーに依存するため、ベンダー側で障害が発生すると利用者も影響を受けます。
またサービスによって品質が大きく左右するため、業者選びは慎重に行う必要があることも意識しましょう。
WAFと他のセキュリティ対策との違いは?特徴を比較
WAF以外にもセキュリティ対策はたくさんありますが、WAFとその他のセキュリティ対策の違いはどこにあるのでしょうか。
ここでは代表的なセキュリティ対策として「Firewall」、「IPS/IDS」と比較しながらWAFとの違いを徹底解説します。
Firewallとの違い
Firewall(ファイアウォール)は、送信元と送信先の通信間でIPアドレスやポート番号などを参照してアクセスを制限するソフトウェア・ハードウェア。
社内のセキュリティ対策の定番ともいえる、ネットワーク層を対象としたセキュリティ対策です。
つまり防御できるのは社内ネットワークなどが対象で、外部アクセスが対象となる、Webアプリケーションのネットワークを防御することはできません。
Webアプリケーション層への対策はWAFの導入が必須となります。
IPS/IDSとの違い
IPS(Intrusion Prevention System、不正侵入防止システム)は、OSやWebサーバーのミドルウェア層を対象としたセキュリティ対策です。
ネットワークやWebサーバーを監視して、不正アクセスを検知した時点でネットワークを遮断します。
IDS(Intrusion Detection System、不正侵入検知システム)は、不正アクセスを検知する機能であり通信を遮断することはできません。
そのため、セキュリティレベルはIDSよりIPSの方が高いです。
IPS/IDSはFirewallに比べて、大量アクセス攻撃で負荷をかけるDDos攻撃などを防ぐことができますが、Webアプリケーション層自体の脆弱性は検知できません。
日々巧妙化されていくサイバー攻撃を防ぐには、WAFの導入が適切です。
WAFを導入するメリットは「事前対策」と「事前対策」
- WAFの仕組みや種類は理解できましたが、導入するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
- 主な導入のメリットは、サイバー攻撃を未然に防ぐ「事前対策」と攻撃を受けた際に被害を抑える「事後対策」が可能なことです!
ここでは、WAF導入のメリットを詳しく解説していきます。
メリット①サイバー攻撃を未然に防ぐことができる
従来のセキュリティ対策では、Webアプリケーション側で起こるサイバー攻撃を防ぐことができませんでした。
しかしWAFがあれば、サイバー攻撃を事前に検知し、被害発生を未然に防ぐことが可能です。
通常であれば、Webアプリケーション開発とその後のメンテナンスで、十分なセキュリティテストを行う必要があります。
しかしサイバー攻撃の複雑化などにより、Webアプリケーションそのものだけでは十分な対策ができません。
WAFは、日々のネットワークや通信を監視し、Webアプリケーションの脆弱性への攻撃から未然に防ぐことができると頭に入れておきましょう。
メリット②サーバー攻撃が起きても事後対策・被害拡大の防御が可能
WAFを導入すると、実際にサイバー攻撃が発生したときの対策ができることもメリットの一つ。
一度攻撃されると、連続してサイトへの攻撃が起こり、被害発生に気づいた時点では収集がつかないこともあります。
しかしWAF導入をすると、未知の攻撃が発生しても、システム障害や動作不良が発生する前にWAFが検知して対処することが可能です。
WAFは、万が一の際の事後対策の手段として優れている点も押さえておきましょう。
WAFを導入する必要性とは?企業におけるニーズ
WAFの基本知識やメリットをご紹介しましたが、「本当にWAFを導入する必要があるの?」と疑問に思っている方も多いのではないのでしょうか。
そこで次に、企業がWAFを導入する必要性を2つのポイントから徹底解説します。
セキュリティが万全なWebアプリケーションはない
世の中には、セキュリティが完璧なWebアプリケーションは存在しません。
日々新しいサイバー攻撃の脅威が登場している現代では、定期的なセキュリティ更新や最新手口のキャッチアップが必要不可欠で、そのためのエンジニアが常駐している企業もあるほどです。
また最近では、Webアプリケーション上でサービスを提供する企業も増えています。
Webアプリケーションがビジネスで欠かせなくなっている今こそ、WAFの導入が必要です。
Webアプリケーション層の防御はWAFのみ
何度もお伝えしますが、Webアプリケーション層を狙った攻撃を防げるのはWAFだけです。
最近では大規模なネットワークやOSに対して攻撃を行うよりも、小規模で開発しているWebアプリケーションの脆弱性を狙った手口が急増しています。
そのため、FirewallやIDSの防御領域ではカバーしきれないことが多くなりました。
WAFは、Webアプリケーションへの攻撃を防ぐことを目的としたセキュリティ対策。
自社のWebアプリケーションを守るためにはWAFしかありません。
まとめ:WAFを導入して万全のセキュリティ対策を!
今回は「WAF(Web Application Firewall)」の概要から仕組み、メリット・必要性まで徹底解説しましたが、いかがでしたか。
WAFは、Webアプリケーション層の脆弱性を狙ったサイバー攻撃から守るセキュリティ対策でした。
セキュリティ対策は、たった一度で十分なわけではありません。
Webアプリケーションは、巧妙になっていくサイバー攻撃の危険性にさらされており、日々対策が必要なのです。
本記事を参考に、ぜひWAFを導入するための必要な仕組みの理解をしていき、自社サービスのセキュリティ向上をしていきましょう。
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