メールセキュリティ対策の必要性とは?攻撃の脅威と企業がすべき6つの対策
- 自社では、メールのセキュリティ対策を特にしていません。被害を受けたこともありませんが、本当に対策をしないままでいいのか不安です。
- メールは業務に欠かせないツールなだけあって、年々メールを利用したサイバー攻撃が増加しています。もしも対策をしていなければ、情報漏えいやマルウェア感染、不正アクセスなどの被害に遭う恐れがあり大変危険ですよ。
- なるほど、やはりメールのセキュリティ対策は必要なのですね。ですが、何から対策を始めたら良いのか分かりません…。
- 外部からの攻撃だけではなく、内部からの情報漏えいにも注意が必要ですよ。それでは今回は、企業に必要なメールのセキュリティ対策を分かりやすく解説しますね。
この記事では、メールのセキュリティ対策の必要性や企業がすべき対策を徹底解説します。
情報漏えい被害から自社を守るために、具体的に何をしたら良いのかチェックしましょう。
メールセキュリティ対策強化の重要性とは
企業にとって、メールセキュリティ対策の強化は重要な取り組みのひとつです。
なぜなら、メールを狙ったサイバー攻撃による被害があとを絶たないためです。
メールは、多くの企業で日常的に利用されています。
そのためターゲットとなる企業母数が多く、サイバー攻撃の対象になりやすいのです。
実際に情報処理推進機構(IPA)の調査結果によると、「情報セキュリティ10大脅威」の中で、ビジネスメール詐欺による金銭被害が8位になっています。
この結果から、メールによるサイバー攻撃被害が頻繁に起こっていると予想できます。
場合によっては、企業経営を脅かすほどの被害に発展する可能性もあるでしょう。
Gmailにもメールセキュリティ対策は必要
Gmailは、データの暗号化やTLS(Transport Layer Security)、2段階認証機能などにより、高いレベルのセキュリティで守られています。
そのためビジネスでもGmailを利用している企業は多いでしょう。
しかし安全性が高いといわれるGmailでも、利用している企業が多い分、不正アクセスなどの標的になりやすいのでセキュリティ対策が必要不可欠です。
例えば、なりすましメールなどでGoogleアカウントのIDやパスワードを盗もうとする、悪意ある第三者もいます。
また添付ファイルにウイルスなどのマルウェアを仕込み、アカウントの乗っ取りを狙われているかもしれません。
繰り返しになりますが、いくら安全性が高くてもメールセキュリティ対策は必須です。
メールによるサイバー攻撃の脅威と被害|よくある問題とは?
メールのセキュリティ対策が重要といっても、実際にどのような脅威があるのかイメージしにくい方も多いでしょう。
そこでメールによるサイバー攻撃として、主に5つの脅威が挙げられます。
- 1.迷惑メール
- 2.フィッシングメール
- 3.標的型攻撃メール
- 4.マルウェアの送受信による感染
- 5.メールの誤送信
①迷惑メール
メールによるサイバー攻撃として、代表的なものが迷惑メールです。
中でも、広告や宣伝メールが大量に送られてくるメールを「スパムメール」と呼びます。
無差別で大量にメールが送られてくるため、受信ボックスの容量が圧迫されるといった被害に。
また大量のメールに埋もれ、取引先からの重要なメールを見落としてしまうこともあるでしょう。
さらに、ウイルス感染を目的としたファイルを添付しているものや、情報を盗むフィッシングメールなども迷惑メールに分類されます。
何かしらアクションしてしまうと、情報漏えいや不正アクセスなどの被害に繋がる可能性もあるため、たかが迷惑メールと思わずに警戒が必要です。
②フィッシングメール
フィッシングメールとは、公式サイトを装った偽サイトに誘導し、情報を盗み出そうとする詐欺メールのことです。
分かりやすいものだと、Amazonや楽天などのECサイトを装い、アカウント情報を盗もうとしてきます。
他にも、ユーザーが利用している銀行になりすまし、口座番号と暗証番号を入力させ、情報を盗むことも。
もし口座情報を盗まれてしまうと、知らないうちに口座にあるお金をおろされてしまいます。
企業の場合は、自社で利用しているクラウドサービスの公式サイトを装う可能性もあります。
ログインIDとパスワードを盗むことで、企業の機密情報を盗み見られるリスクもあるでしょう。
③標的型攻撃メール
標的型攻撃とは、特定の企業や団体を装い、個人情報や機密情報などを盗み、悪用しようとするメール攻撃です。
特定の企業や団体を狙って攻撃されるため、サイバー攻撃が成功しやすい手法です。
よくある標的型攻撃メールは請求書や問い合わせメールなどで、具体的には業務連絡メールを装い、添付ファイルやURLを送ってきます。
この場合、添付ファイルやURLを開いた瞬間にウイルスに感染します。
パソコンを乗っ取られたり、指定の情報を入力させたりと、情報漏えいにつながりやすいサイバー攻撃です。
④マルウェアの送受信による感染
メールによるサイバー攻撃で、「マルウェア」の送受信による感染があります。
マルウェアとは、悪意のあるソフトウェアの総称です。
上記のように幅広い悪意あるソフトウェアが該当し、標的型攻撃メールでも使われる手法です。
その中でも、近年「ランサムウェア」と呼ばれるマルウェアによる被害が増えています。
ランサムウェアとは、悪意ある第三者が感染させたパソコンのファイルを暗号化などによって利用不可能な状態にし、ファイルを元に戻す代わりに金銭を要求してくる不正プログラム(身代金要求型ウイルス)です。
実際に情報処理推進機構(IPA)の調査結果では、ランサムウェアによる被害が2021年で1位になっています。
それだけ、マルウェアによるサイバー攻撃被害が拡大しています。
⑤メールの誤送信
どれほどシステムやソフトウェアで対策しても、人が操作している以上、ヒューマンエラーは避けられません。
その代表例が、「メールの誤送信」です。
ビジネスメールでは、頻繁に個人情報や機密情報のやり取りが行われます。
普段は注意していても、誤って送るべきではない相手に送ってしまうこともあるでしょう。
こうしたメールの誤送信が機密データや顧客情報を漏えいを引き起こし、最悪の場合、損害賠償問題や社会的信用の低下につながる恐れがあります。
メールセキュリティ対策を強化する方法|組織におけるセキュリティ対策の重要性
メールによるサイバー攻撃には、さまざまな脅威があると分かりました。
では実際にどのようなメールセキュリティ対策があるのか、具体的な対策が知りたいですよね。
メールセキュリティ対策を強化する方法は、6つあります。
- 1.ウイルス対策ソフトのインストール
- 2.スパムメールのフィルター設定
- 3.メールの暗号化
- 4.添付ファイルの暗号化
- 5.メールの誤送信防止
- 6.標的型攻撃メールの訓練
メールセキュリティ対策を強化することは、重大な情報漏えい事件の防止につながります。
ここからは企業が行うべき、メールセキュリティ対策強化の方法を紹介します。
対策①ウイルス対策ソフトのインストール
まず行うべきは、「ウイルス対策ソフトのインストール」です。
もしパソコンがマルウェアに感染しても、ソフトを導入していれば、マルウェアを除去してくれたり、他のパソコンに被害が広がるのを防ぐことができます。
メールに添付ファイルが含まれている場合、添付ファイルを開く前にウイルススキャンして、安全かどうかを調べてくれます。
これにより、ウイルス感染を防ぎつつ安全な状態で添付ファイルを開けます。
またウイルス対策ソフトは、常に新しいパターンファイルを更新することで、新しく生まれたマルウェアにも対応可能。
企業のメールセキュリティ対策の基本として、ウイルス対策ソフトのインストールは必須です。
対策②スパムメールのフィルター設定
「スパムメールのフィルター設定」は、今すぐにでもできる必須の対策。
設定することで、スパムらしきメールを自動で判定し、受信しないようブロックします。
スパムメールのフィルター設定は、一般的に「メールサーバー」側で行います。
そうすることで、サーバー全体でメールを受信する前にスパムかどうかを判定し、スパム認定したメールを受信しないようにしてくれます。
しかしフィルターは完璧ではないため、一部のスパムメールを受信してしまうことも。
その場合は、メールを利用しているユーザー側で受信拒否や迷惑メールフォルダへの振り分けなどの対策が有効です。
メールサーバー側とユーザー側の両方で、スパムメールをそもそも開かないように設定すれば、より高い安全性を確保できます。
対策③メールの暗号化
何の対策もせずにメールを送信すると、悪意ある第三者にメールの内容を盗聴されるリスクがあります。
ビジネスでは個人情報や機密情報、Web会議のURL、パスワードなどを送ったりするため、盗聴されると大変危険です。
そこでおすすめなのが、「メールの暗号化」です。
メール自体を暗号化してプライバシーを保護することで、万が一第三者にメールの内容を見られても、解読されないため安心です。
一般的に利用されるのがSSL・TLS方式です。
簡単にいうと、SSL証明書をサーバーに導入することで、通信を暗号化できます。
対策④添付ファイルの暗号化
「添付ファイルの暗号化」は、メールの誤送信対策にも役立つメールセキュリティ対策です。
添付ファイルを暗号化することで、パスワードを入力しないと相手はファイルを開くことができません。
通常は添付ファイルをそのまま送ると、送り先を間違えたとき、添付ファイルを簡単に見られてしまいます。
しかし添付ファイルを暗号化すると、パスワードが分からなければ相手は添付ファイルを開けません。
もしパスワードを送る時点で送り先を間違えたことに気づければ、相手に削除依頼ができます。
重要な情報を誤って拡散させないためにも、添付ファイルの暗号化を行いましょう。
対策⑤メールの誤送信防止
メールの誤送信は人の操作によるものですから、いくら注意しても防ぎきれません。
そのため、セキュリティシステムによる「メールの誤送信防止対策」が重要です。
たとえば重要な情報を含むメールが送られるとき、注意喚起メッセージをポップアップで表示させることも可能です。
毎回ポップアップで表示されるのは面倒に思えますが、メール送信する人に対して、都度意識づけできます。
前述した添付ファイルの暗号化も、メールの誤送信防止のひとつ。
少しでもヒューマンエラーを減らすためにも、セキュリティシステムでメール誤送信を減らしましょう。
対策⑥標的型攻撃メールの訓練
どれだけメールセキュリティ対策を意識しても、慣れてくると意識は薄くなってしまうものです。
そこで、定期的に標的型攻撃メールの訓練を行うのが有効です。
標的型攻撃メールの訓練とは、添付ファイルやURLをクリックするよう誘導する疑似メールを配信する訓練です。
訓練後には種明かしメールを配信し、実際のクリック率の開示や注意喚起を実施します。
定期的に訓練することで、社員のメールセキュリティ意識を高めることが可能。
不審なメールを開かないようにできれば、自社のメールセキュリティ対策は強化されます。
無料のメールセキュリティソフトでは十分な対策はできない!
ここで気になるのが、メールセキュリティ対策は無料のソフトでも十分なのか、それとも有料のものを使うべきなのかでしょう。
中には無料のメールセキュリティソフトも数多くありますが、おすすめできません。
理由は、万が一トラブルが起こったとき、保証してくれないことが多いためです。
そんな無料メールセキュリティソフトに、企業の重要なセキュリティを任せるのは不安が大きいでしょう。
また無料のメールセキュリティソフトは、有料と比べて機能が劣っていることもあります。
添付ファイルが暗号化できなかったり、誤送信対策ができなかったり、企業のメールセキュリティ対策の強化には不向きです。
企業として組織的にメールセキュリティ対策をしたいなら、無料のメールセキュリティソフトは使わないようにしましょう。
メールセキュリティ対策には『NISG6000Std』がおすすめ!セキュリティ対策にお困りならOFFICE110へ
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UTM「NISG6000Std」のセキュリティ機能紹介
- 1.ファイアウォール
内部ネットワークへの不正アクセスを遮断します。 - 2.アンチウィルス
メール受信やファイルダウンロード時にウイルスやマルウェアを検知、駆除します。 - 3.アンチスパム(迷惑メール排除)
メールにタグ付けし迷惑メールを防御、フィルタリングします。 - 4.IDS/IPS(不正侵入検知/不正侵入防御)
不正アクセスをリアルタイムで検知し、問題があれば遮断します。 - 5.広告ブロック
特定のURLの広告をブロックし、表示を制限します。 - 6.アプリケーション制御
業務などに関係ないもアプリの利用を制限します。 - 7.SSLインスペクション
ウェブサイトでやりとりする内容やデータをチェックし、暗号化して送信します。 - 8.Web・URLフィルタリング
不適切なのWebサイト・URLをフィルタリングし、閲覧を制限します。
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まとめ|メールセキュリティ対策は企業にとって必須のセキュリティ対策
今回は、メールセキュリティ対策の必要性や企業がすべき対策について説明しました。
メールを狙ったサイバー攻撃による被害が、あとを絶ちません。
メールは日常的に利用するため、どうしてもターゲットになりやすいのです。
そのためメールセキュリティ対策を強化しなければ、いつかは重大な情報漏えい被害に遭ってしまうでしょう。
日常的に利用するメールだからこそ、セキュリティ対策の強化が必要です。
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