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DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、データやデジタル技術を活用して、事業・業務・組織などを変革し、企業価値の向上につなげる取り組みです。
単に紙の作業をデジタル化したり、新しいITツールを導入したりするだけではDXとは限りません。IT化を手段として、業務の進め方や顧客への価値提供、組織のあり方まで見直していく点が大きな特徴です。
この記事では、DXの意味や定義、IT化との違いから、企業がDXに取り組むメリット、日本企業の現状・課題まで、初心者にもわかりやすく解説します。
監修者
千々波 一博(ちぢわ かずひろ)
保有資格:Webリテラシー/.com Master Advance/ITパスポート/生成AIパスポート/個人情報保護士/ビジネスマネジャー検定
2004年から通信業界で5年間営業として従事。その後、起業して他業種に進出。OFFICE110に営業で入社し、月40~60件ほどビジネスホン・複合機・法人携帯などを案内。現在は既存のお客様のコンサルティングとして従事。
DXは、デジタル技術を導入すること自体を目的とするものではありません。データやデジタル技術を活用し、事業や業務、組織などを変革して、新たな価値や企業価値の向上につなげることが中心となります。
DXは「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略称で、直訳すると「デジタルによる変革」といった意味になります。
企業に置き換えると、これまで人が行っていた作業をシステムへ置き換えるだけでなく、データやデジタル技術を使って商品・サービス、業務プロセス、働き方、組織などを見直し、企業活動そのものを変えていくことを指します。
たとえば、紙で管理していた顧客情報をデータ化するだけなら業務のデジタル化ですが、そのデータを分析して顧客ごとの提案や新しいサービスにつなげるところまで進めると、DXにつながる取り組みと考えやすくなります。
DXは「最新のITツールを導入すること」ではなく、デジタルを使って何を変え、どのような価値を生み出すのかまで考えることがポイントです。
経済産業省は2024年に「デジタルガバナンス・コード3.0」を策定し、DX経営による企業価値向上を中心に、経営ビジョンやDX戦略、組織・人材、ITシステムなどの考え方を整理しています。
ここで押さえておきたいのが、DXとIT化は目的と範囲が異なるという点です。
ただし、IT化とDXは切り離されたものではありません。業務のIT化やデジタル化は、DXを進めるための手段や土台になることがあります。
そのため「どのITツールを導入するか」から考えるのではなく、「どの経営課題や業務課題を解決したいのか」「どのような価値を生み出したいのか」から考えることが重要です。
日本でDXが広く注目されるきっかけの一つとなったのが、経済産業省が2018年に公表した「DXレポート」です。
DXレポートでは、既存システムが事業部門ごとに構築されていることや、長年の追加開発によって複雑化・ブラックボックス化していることが、データ活用や事業変革を難しくする課題として示されました。
システムを新しくすることだけが目的ではなく、既存の業務やシステムを見直し、必要なデータを活用できる環境を整えることがDXを進めるうえでの大きな論点です。出典:経済産業省「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開~」
「2025年の崖」とは、2018年のDXレポートで示された、既存システムの複雑化・老朽化などの課題を解消できない場合に想定された将来リスクを表す言葉です。
同レポートでは、こうした課題を克服できない場合、2025年以降に最大12兆円/年の経済損失が生じる可能性があるとの試算が示されました。
「最大12兆円/年」は2018年時点で示された可能性の試算です。2025年に実際に12兆円の損失が発生したという意味ではありません。
2025年を過ぎたからといって、DXレポートで指摘された課題が自動的に解消されたことを意味するわけではありません。
2026年現在は、「2025年という期限に間に合ったか」だけを見るのではなく、自社のレガシーシステムや技術的な課題を把握し、事業に必要な部分から継続的に見直していくという考え方が現実的です。
DXとあわせて使われる言葉に「デジタイゼーション(Digitization)」と「デジタライゼーション(Digitalization)」があります。
いずれもデジタル技術に関係する言葉ですが、対象となる範囲が異なります。
実務では必ずしも、この3つを決まった順番で進めるわけではありません。自社の目的や課題に応じて、必要なデジタル化から取り組み、事業や組織の変革へつなげていくことがポイントです。
DXではさまざまなデジタル技術が活用されます。代表的なものには、次のような技術や基盤があります。
ただし、これらの技術はDXそのものではありません。自社の課題や目標に対して、どの技術をどのように活用するのかを考える必要があります。
DXを実際にどのような手順で進めるか知りたい方は、DXの進め方・プロセスを解説した記事も参考にしてください。
DXの目的は、デジタル化すること自体ではありません。業務やデータの活用方法を見直し、「生産性」、「顧客への提供価値」、「変化への対応力」、「事業継続性」などの向上につなげることに意味があります。
DXを進めるメリットの一つが、業務プロセスの改善による生産性向上です。
たとえば、複数の部署で同じ情報を個別に入力している業務を見直し、システム間でデータを共有できるようにすれば、重複作業や入力ミスを減らせる可能性があります。
さらに、蓄積したデータを分析して意思決定や商品・サービスの改善に活用できれば、単なる効率化にとどまらず、競争力の強化や新しい価値の創出にもつなげられます。
ただし、ITツールを導入するだけで効果が出るわけではありません。既存業務をそのままシステムへ置き換えるのではなく、業務そのものを見直す視点も必要です。
商品やサービスの選ばれ方が変化するなか、顧客の行動やニーズを把握し、提供する価値を継続的に見直すこともDXの重要なテーマです。
Webサイト、EC、営業活動、問い合わせ履歴などから得られるデータを適切に活用できれば、顧客が何を求めているかを把握し、商品・サービスや対応方法の改善に役立てられます。
これまでの経験や担当者個人の感覚だけに依存せず、データを判断材料として使える仕組みを整えることで、市場や顧客の変化にも対応しやすくなります。
DXは、従業員の働き方や業務負荷の見直しにもつながります。
紙書類の電子化、クラウドサービスによる情報共有、定型作業の自動化などを組み合わせることで、場所や特定の担当者に依存していた業務を見直せる場合があります。
リモートワークもその一例ですが、リモートワークを導入しただけでDXが完了するわけではありません。情報共有や承認、顧客対応などを含めて業務プロセスを見直し、働き方の改善につなげることが大切です。
デジタル技術の活用は、BCP(事業継続計画)を検討するうえでも有効な選択肢になります。
たとえば、データのバックアップ、クラウドを利用した情報共有、場所に依存しにくい業務環境などを整えておけば、災害や設備トラブルなどで通常のオフィスを利用できない場合にも、代替手段を確保しやすくなります。
ただし、クラウド化やテレワーク環境を整えただけでBCPが完成するわけではありません。通信障害やサイバー攻撃なども想定し、業務の優先順位、代替手段、復旧方法まで含めて設計する必要があります。
日本企業でもDXへの取り組みは進められていますが、企業によって成熟度には差があります。ここではIPAの自己診断結果を参考に現状を確認したうえで、DXを進める際に直面しやすい4つの課題を整理します。
IPAが公表した「DX推進指標 自己診断結果 分析レポート(2025年版)」では、2025年1月から12月までに提出された1,164件の自己診断結果が分析されています。
提出企業の全指標における現在値の平均は1.98で、現在値の平均がレベル4以上だった企業は3%でした。IPAは、多くの企業のDX推進が「一部での散発的・戦略的実施」にとどまっていると整理しています。
なお、このデータは日本企業全体を網羅した統計ではなく、DX推進指標の自己診断結果をIPAへ提出した企業を対象とした分析です。
また、2025年版の分析レポートは2026年6月に集計方法の不備を修正して差し替えられているため、本記事では現在公開されている修正版を基準としています。出典:IPA「DX推進指標 自己診断結果分析レポート」
なお、DX推進指標そのものは2026年2月に改訂されています。経済産業省とIPAは、デジタルガバナンス・コード3.0を踏まえて設問や成熟度レベルを見直しています。出典:経済産業省「DX推進指標を改訂しました」
DXを進める際は、「AIを導入する」「業務をクラウド化する」といった個別施策から始めるのではなく、経営として何を実現したいのかを明確にし、DX戦略と具体的な施策をつなげることが重要です。
たとえば、売上拡大、顧客満足度の向上、業務効率化、新しいサービスの開発など、目指す成果によって必要なデータやシステム、取り組む優先順位は変わります。
経営層だけで方針を決めるのではなく、実際の業務を担う部門やIT部門と課題を共有し、成果を確認しながら施策を見直せる体制を整えることも必要です。
データを活用して業務やサービスを変えていくためには、その土台となるITシステムの整備が欠かせません。
部門ごとにデータの形式や管理方法が異なっていたり、システム間で情報を連携できなかったりすると、必要な情報を集めるだけでも多くの時間がかかります。
すべてのシステムを一つに統一すればよいわけではありません。既存環境や業務の優先度を確認し、必要な部分から連携・刷新していく方法もあります。
DXは情報システム部門だけで完結する取り組みではありません。経営や営業、管理、生産など、それぞれの部門が自社の課題を理解し、デジタル技術をどう活用するかを考える必要があります。
そのため、専門的なITスキルを持つ人材だけでなく、業務を理解したうえで、データやデジタル技術を改善へつなげられる人材を社内で育てていくことも重要です。
自社だけで必要な知識をそろえることが難しい場合は、外部の専門家やベンダーを活用する方法もあります。ただし、すべてを任せきりにせず、自社側でも目的や判断基準を持って進めることで、継続的な改善につなげやすくなります。
長年使用してきたシステムが複雑化している場合、新しいサービスとの連携やデータ活用が難しくなり、DXを進めるうえでの障壁になることがあります。ただし、レガシーシステムへの対応は「すべてを一度に新しくする」ことだけではありません。
既存資産を活用しながら段階的に新しい環境へ移すモダナイゼーションや、システム・データを別の環境へ移行するマイグレーションなど、現在のシステム構成や業務への影響を考慮して方法を選びます。
まずはIT資産や業務を整理し、どのシステムが事業上の課題になっているのかを把握することが出発点です。
DXを進めるうえでは、すべての業務を一度に変える必要はありません。日常的に利用している業務環境のなかから、負担が大きい部分や場所・設備に縛られている部分を見直すことも、デジタル活用を進める一つの方法です。
その具体策の一つが、会社の電話業務をクラウド化する「クラウドPBX」です。
OFFICE110が提供するクラウドPBX「OFFICE PHONE」では、インターネットを利用して会社の電話環境を構築します。スマートフォンやパソコンなどを活用し、オフィスの外から会社の代表番号で発着信したり、離れた場所にいる社員同士で内線通話したりすることが可能です。
特に「外出中に会社の電話へ対応できない」「拠点やテレワーク先との電話連携を見直したい」といった課題がある場合は、電話環境のクラウド化を検討する価値があります。
現在の電話番号を継続できるか、必要なID数や端末、既存の電話設備との併用などは利用環境によって異なります。詳しくは、クラウドPBX「OFFICE PHONE」をご確認いただくか、OFFICE110へご相談ください。
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DXとは、単に新しいITツールを導入することではなく、データやデジタル技術を活用して、事業・業務・組織などを変革し、企業価値の向上につなげる取り組みです。
そのため「何を導入するか」を先に考えるのではなく、自社が抱えている課題や、今後実現したい事業・業務の姿を整理することが出発点となります。
DXの進め方は企業によって異なります。まずは現状を把握し、優先度の高い課題から取り組み、効果を確認しながら改善を続けていきましょう。
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