電話回線の種類|特徴・料金・おすすめを初心者向けに解説
「電話回線」に関して、以下のような疑問をお持ちではありませんか?
- 電話回線にはどのような種類があるの?
- 電話回線ごとの料金はどのくらい違う?
- 電話回線は実際どれがおすすめ?
結論からいうと、電話回線は「アナログ回線」「ISDN回線」「光回線」の3種類です。
現在は「光回線」が主流になりつつありますが、昔ながらのイメージのある「アナログ回線」「ISDN回線」も根強い人気があり、どの回線が最適かは状況やニーズによって異なります。
そこで本記事では、3つの電話回線の特徴やメリット・デメリット、料金をわかりやすく解説した上で、中でも特に「光回線」をおすすめする理由をご紹介します。
オフィスの電話回線新設あるいは見直しを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
監修者
登 雄三
(のぼり ゆうぞう)
保有資格:工事担任者(AI・DD総合種)/電気工事士
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国各地でビジネスフォン・複合機・防犯機器などのOA機器の販売や電話工事、電気工事、LAN配線工事、VPN構築を主に手掛ける。2023年には名古屋へ拠点進出。
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国各地でビジネスフォン・複合機・防犯機器などのOA機器の販売や電話工事、電気工事、LAN配線工事、VPN構築を主に手掛ける。2023年には名古屋へ拠点進出。
電話回線の種類とは?特徴を分かりやすく解説
電話回線には、大きく分けて以下の3種類があります。
- アナログ回線(NTTの加入電話など)
- ISDN回線(NTTの『INSネット』など)
- 光回線(NTTのひかり電話など)
いずれの電話回線も通話品質は高いものの、特徴が異なります。
それでは早速、各電話回線の特徴とメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
種類①アナログ回線
アナログ回線とは、メタル線(銅線)を使って音声のやり取りをする電話回線です。
アナログ回線のなかで最も一般的なのは、NTTが提供する「加入電話」です。
加入電話には、電話加入権(施設設置負担金)が必要なタイプと不要なタイプがあるほか、家庭用と事業用など、いくつかの契約種別があります。
また、電話番号を伝達する方式により、以下の2種類に分かれています。
- ダイヤル回線:ダイヤルした数字に応対するダイヤルパルス信号が発信される
- プッシュ回線:ダイヤルした数字に応対するプッシュ信号が発信される
両者は、異なるタイプの信号を発信していると把握しておけば問題ありません。
ダイヤル回線・プッシュ回線についてさらに詳しくは、以下の記事をご覧ください。
- なお、アナログ回線は「廃止される」と言われていますが、現状はまだ利用者も多く需要があるため、すぐには廃止されないでしょう。
アナログ回線のメリット
アナログ回線には以下のようなメリットがあります。
- 通話音質が高い
- 停電しても使用できる
- 障害の不安が少ない
昔からあるアナログ回線は、一部のIP電話などと比べて通話の途切れや雑音が少ないため、スムーズに会話できます。
アナログ回線の電話機には、黒電話のようにコンセント不要のタイプがあります。
このタイプは通信事業者の局から電力が供給されるため、停電時にも使用可能です。
アナログ回線はモデムなどの機器を使わないシンプルな仕組みであり、通信障害が少ないとされています。
アナログ回線のデメリット
アナログ回線には以下のようなデメリットがあります。
- 同時通話数(チャネル数)が少ない
- 通話料金が高い
一本の電話回線で、同時に二人以上は通話できません(=1チャネルのみ)。
着信が多いオフィスにとっては不十分であり、複数回線を契約しなければなりません。
NTT加入電話は、通話料金が距離や時間帯により変動し~88円/3分ほどです。
ソフトバンク『おとくライン』など直収電話の通話料金は安いのですが、昔ながらの加入電話だと、長電話しづらいでしょう。
なお後述しますが、2024年1月から通信網が新たに整備されて通話料金が変わるので、ぜひあわせてチェックしてください。
種類②ISDN回線
ISDN回線は、アナログ回線と同じく銅線(メタル線)を使って電話ができる回線です。
アナログ回線との違いは何かというと、『データの変換方式』です。
- アナログ回線:音声データを銅線にそのまま載せて伝送する
- ISDN回線(デジタル回線):音声データを0と1のデータに変換して伝送する
ISDN回線のうちもっとも一般的なのは、NTTが提供する『INSネット』です。
INSネットはアナログ回線同様、電話加入権の有無で2タイプに分かれており、家庭用と事業用との契約種別があります。
またINSネットは「通話モード」と、64~128kbpsのデータを通信する「デジタル通信モード」とに分かれており、デジタル通信モードは2024年1月から段階的に終了します。
ISDN回線のメリット
ISDN回線には以下のようなメリットがあります。
- 音声品質がアナログ回線よりも高い
- 停電時にも使える
- 1つの回線で2チャネル使える
アナログ回線も十分高いのですが、音声データをデジタル化することでノイズが少なくなり、より高音質となります。
アナログ回線同様、停電時にも通話可能です。
ただし、バックアップ機能をサポートした通信機器を利用している必要があります。
アナログ回線の同時通話数(チャネル数)は1ですが、ISDN回線では2です。
つまり2台の電話機で同時に通話ができるため、着信が多い場合、アナログ回線よりもオフィス向きといえます。
ISDN回線のデメリット
ISDN回線には以下のようなデメリットがあります(NTTのINSネットの場合)。
- 月額基本料金がアナログ回線よりも高め
- 通話料金が高め
加入電話よりも千数百円ほど料金が高くなります。
たとえば加入電話(事務用・2級取扱所)は税込2,585円ですが、INSネット(64タイプ・事務用)では、3,883円です。
NTTの加入電話と同じく、INSネットでは通話料金が距離や時間帯により変動するため、料金が高くなることがあります。
種類③光回線
光回線は、光ファイバーを経由して電話やインターネットを利用できる回線です。
アナログ回線やISDN回線とは異なり、銅線は使用しません。
光回線を使った電話の仕組みとしては、NTTの『ひかり電話』がもっとも有名です。
※『ひかり電話』はNTTのサービス名で、その他の事業者のサービスは「光電話」と呼び分けることがあります。
光電話には、一般家庭向けのプランやオフィス向けのプランがあります。
一般的に、光電話はインターネット利用込みで契約しますが、電話回線のみのサービスを契約することも可能です。
光回線のメリット
光回線には以下のようなメリットがあります。
- 通話料金が全国一律で安い
- 通話品質が良い
- 同時通話数が多い
- インターネットを高速で使える(インターネットの契約とセットの場合)
距離や時間帯に関係なく、全国一律料金で電話をかけられるほか、税込8.8円/3分(NTTの場合)の安さです。
従来の固定電話と変わらない通話品質を確保しています。
NTTのひかり電話にはいくつかのタイプがあり、通常タイプでは最大2チャネル『オフィスA』なら最大300チャネル利用できます。
光回線の通信速度は高速のため、重いファイルのやり取りやビデオ通話など、データ通信が大容量になる場合は圧倒的に有利です。
光回線のデメリット
光回線には以下のようなデメリットがあります。
- インターネットも利用すると月額料金が高くなる
- 停電時は利用できない
- 使えない電話番号がある
インターネットを使う場合、たとえばNTTではフレッツ光の契約が必要です。
この場合、ひかり電話の月額料金に加えてフレッツ光の料金もかかるため、7,000円以上かかってしまうでしょう。
ひかり電話にはルーターが必要ですが、停電時はルーターに電力を供給できないため、電話を使えません。
ただしUPSなど非常電源を供給できる装置があれば、この限りではありません。
114(話中調べ)や106(コレクトコール)など、一部電話番号を利用できません。
アナログ回線・ISDN回線・光回線の料金比較
ここからは、アナログ回線・ISDN回線・光回線それぞれの料金を比較します。
NTTのサービスを例に、月額基本料金と通話料金に分けて解説しますので、コストにどれくらいの違いがあるのか知りたい方は参考にしてください。
月額料金を比較
まずはじめに、アナログ回線・ISDN回線・光回線の月額料金を比較します。
※アナログ回線は「プッシュ回線」、ひかり電話は「基本タイプ」「オフィスタイプ」「オフィスA」を例にご紹介します。
アナログ回線(加入電話) | ISDN回線(INSネット64) | ひかり電話 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
加入電話 (加入権必須) |
加入電話ライト (加入権不要) |
INSネット64 (加入権必須) |
INSネット64ライト (加入権不要) |
基本 | オフィスタイプ | オフィスA | ||||
プッシュ回線用 | プッシュ回線用 | 事務 | 住宅 | 事務 | 住宅 | |||||
事務 | 住宅 | 事務 | 住宅 | |||||||
2,640円 1・2級取扱所 |
1,760円 1・2級取扱所 |
2,915円 1・2級取扱所 |
2,035円 1・2級取扱所 |
3,883円 | 3,058円 | 4,158円 | 3,333円 | 550円 | 1,430円 | 1,210円 |
2,750円 3級取扱所 |
1,870円 3級取扱所 |
3,025円 3級取扱所 |
2,145円 3級取扱所 |
総じてひかり電話の基本料金が安いのが分かります。
通話料金を比較
通話料金(税込)の比較は以下のとおりです。
アナログ回線(加入電話) ISDN回線(INSネット64) ※平日昼間(AM8時〜PM7時)にかける場合 |
ひかり電話 | |
---|---|---|
県内 固定電話あて | ・区域内:9.35円/3分 ・隣接/〜20kmまで:22円/3分 ・20kmを超え60kmまで:33円/3分 ・60km超え:44円/3分 |
固定電話あて:8.8円/3分 |
県間 固定電話あて | ・隣接/~20km:22円/3分 ・20km~30km:33円/3分 ・30km~60km:44円/3分 ・60km~100km:66円/3分 ・100km~:88円/3分 |
|
携帯電話 | 17.6円/1分 | |
050IP電話 | 11.55円〜11.88円/3分 |
通話料金については、携帯電話や050IP電話あては同料金ですが、固定電話あての場合、ひかり電話のほうが割安です。
2024年にアナログ・ISDN回線の通話料は一律に!
先述のとおり、2024年1月1日以降、アナログ回線やISDN回線は新しい電話網に移行します。
従来のメタル回線とIPを組み合わせた「メタルIP」回線の提供が開始しますが、これに伴い通話料金が以下のように全国一律となります。
全国一律9.35円/3分
※携帯電話あての料金は現状と同額です。
現状ではひかり電話よりも割高な通話料金ですが、この変更により差額は縮まります。
電話回線は光回線がおすすめ!理由と移行方法
これから電話回線を新たに引く場合、あるいは現在の電話回線を見直したい場合、おすすめなのは『光回線』です。
ここからは、光回線がおすすめの理由と、アナログ回線やISDN回線からの移行方法・費用についてわかりやすく解説します。
なおここでは光回線の例として、NTTのひかり電話にフォーカスしています。
光回線がおすすめの理由
光回線がおすすめの理由には以下のような点が挙げられます。
理由①通話コストを削減できる
ひかり電話の月額基本料金は税込550円~と、アナログ回線やISDN回線よりも割安です。
また通話料金が全国一律であるため、遠方の顧客・取引先との連絡が多い場合や、離れた拠点間同士の通話が多い場合でも通話料がかさみません。
理由②同時通話数や追加可能電話番号が多い
オフィスタイプを契約すると、最大300チャネルを確保できます。
たくさんの着信があるオフィスにおいても、多数のチャネル数を確保できれば、同時に複数の着信があっても対応可能です。
また電話番号はタイプにより最大7,000番号利用できるため、多くの電話番号を社内で使い分けたい場合に役立ちます。
理由③高速インターネット回線が利用できる
いまや多くのオフィスでは高速インターネットがかかせない存在になっていると思われますが、ADSLやISDNのインターネットとは比較にならない速度です。
ADSLの最高速度は50Mbpsほどですが、光回線では理論上1~20Gbpsほどの速度が出ます。
「電話だけしかいらない」場合は別として、Gbps単位の高速通信を利用できるのは、光回線の大きな魅力です。
理由④電話加入権が不要
アナログ回線やISDN回線の電話加入権必須タイプとは異なり、光回線は電話加入権なしで利用できる点もメリットだといえるでしょう。
新しくオフィスを立ち上げる際、できるだけ初期費用をかけたくない場合におすすめです。
光回線に移行する方法・流れ
現在、アナログ回線やISDN回線を利用中で、新たにひかり電話へ移行したい場合のプロセスは、おおむね以下のとおりです。
- NTT東西の公式サイトでサービス提供エリアを確認する
- NTT東西の公式サイトから、フレッツ光とひかり電話を申し込む
- 申込時に加入電話を利用中であり番号移行したい旨にチェックを入れる
- 開通工事に立ち会う
- ひかり電話対応機器を設置する
光回線をオフィスに導入する場合、以下の機器が必要です(「オフィスタイプ」の例)。
- 既存のビジネスフォンを使う場合
- 既存のビジネスフォンを使わない場合
・ONU(回線終端装置)またはVDSL宅内装置
・ひかり電話オフィスタイプ対応アダプタ
・ONU(回線終端装置)またはVDSL宅内装置
・ひかり電話オフィスタイプ対応機能内蔵のビジネスフォン主装置
設置が必要な機器は状況により異なります。
より詳しい状況は、契約する光回線の事業者に問い合わせることをおすすめします。
光回線への移行にかかる費用
NTTのひかり電話へ移行する場合、「フレッツ光」と「ひかり電話」の双方で費用が発生します(インターネット込みの場合)。
はじめに、「フレッツ光」の初期費用は以下のとおりです。
戸建て向け フレッツ光クロス オフィスタイプ フレッツ光ネクスト オフィスタイプ・ファミリー |
集合住宅向け フレッツ光クロス オフィスタイプ フレッツ光ネクスト オフィスタイプ・ マンション |
|
---|---|---|
契約料 | 880円 | |
初期工事費 (標準的な工事) |
2万2,000円 | 2万2,000円 |
※土日祝日の工事はプラス3,000円、年末年始の工事は料金が異なります。
続いて、「ひかり電話」の初期費用は以下のとおりです。
基本工事費 | ・NTTによる派遣工事がある場合:8,250円 ・派遣工事がない場合:2,200円 ※工事費が3万1,900円を超える場合、1工事ごとに3,850円が加算されます。 |
---|---|
交換機等工事費の例 | ・基本機能/1利用回線:1,100円 ・ナンバー・ディスプレイ/1利用回線:1,100円 ・ナンバー・リクエスト/1利用回線:1,100円 ・ボイスワープ/1番号:1,100円 ・複数チャネル(ダブルチャネル)/1チャネル:1,100円 ・同番移行:1,100円(現在使用中の電場番号を引き継ぐ場合) ・加入電話等の利用休止工事費:1,100円(加入電話などを利用している場合) |
機器工事費 | ・設置費用/1装置:1,650円 ・設定費用/1装置:1,100円 |
※フレッツ光とひかり電話の工事を同時にする場合、基本工事費や交換機工事費は減額される場合があります。
- 上記の工事費は一例で、状況によって変動します。例えばひかり電話とフレッツ光の工事と同時にする場合、基本工事費は発生しません。
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まとめ
本記事では以下3種類の電話回線について解説しました。
- アナログ回線
- ISDN回線
- 光回線
各回線には特徴があり、一長一短もあります。
最近の主流は光回線ですが、アナログ回線やISDN回線を新規で契約することも可能です。
「インターネットは使わない」「別のインターネット回線を利用中なので電話だけ欲しい」場合は、アナログ回線やISDN回線。
「インターネットもまとめて使いたい」「チャンネル数が多いほうが良い」場合は光回線。
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