LANケーブルはカバーで隠す!選び方や設置方法をプロが解説
LANケーブルをまとめるためによく使用されるグッズの一つが『ケーブルカバー』です。
適切にケーブルカバーを使用することにより、オフィスの見栄えをきれいにスッキリさせられるだけでなく、思わぬ事故やトラブルの予防にも効果を期待できます。
本記事では、LANケーブルのカバーの使い方や選び方を中心に、ケーブルをスッキリさせるためのポイントをわかりやすく解説します。
ごちゃごちゃとしたLANケーブルの配線整理でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
監修者
登 雄三
(のぼり ゆうぞう)
保有資格:工事担任者(AI・DD総合種)/電気工事士
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国各地でビジネスフォン・複合機・防犯機器などのOA機器の販売や電話工事、電気工事、LAN配線工事、VPN構築を主に手掛ける。2023年には名古屋へ拠点進出。
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国各地でビジネスフォン・複合機・防犯機器などのOA機器の販売や電話工事、電気工事、LAN配線工事、VPN構築を主に手掛ける。2023年には名古屋へ拠点進出。
LANケーブルのカバーとは?
(画像引用:CA-R50GY/サンワサプライ)
ケーブルカバーとは、ケーブルを損傷や断線から保護するためのカバーのことです。
カバーはケーブルの保護だけではなく、ケーブルの整理や場所の固定という役割もあります。
ケーブルカバーにはさまざまな種類があり、耐久性や柔軟性/長さ/色などが異なるため、特定の用途に合わせて選択することが重要です。
LANケーブルのカバーはモールのこと
一般的にいわれる「LANケーブルカバー」は、『モール』のことを指します。
モールは、耐久性が曲げたり折ったりすることもできる性質であり、もともと建築やデザインによく使用されている素材です。
オフィスの床でよく使われるタイルやフローリング、タイルカーペットなどにLANケーブルを配線する場合のLANケーブルカバーの素材はほとんどがモールであり、「モール」がそのままLANケーブルカバーを意味する場合もあります。
LANケーブルのカバーの種類と特徴
LANケーブルのカバーは大きく以下3 つの種類に分けられます。
- 床配線用
- 壁配線用
- コーナー用
それぞれの種類についてご紹介します。
床配線用
床配線用のケーブルカバーは、床面に沿ってケーブルを収納します。
(画像引用:CA-R30/サンワサプライ)
形状 | 人が通行した時につまずきにくい、ゆるやかなラウンド状の形 |
---|---|
特徴 | 強度が高く台車などで荷重がかかっても破損しにくい作り |
最大収容数 | 14本 ※モール横幅75mmの場合の目安 |
壁配線用
壁配線用のケーブルカバーは、壁面に沿ってケーブルを収納します。
(画像引用:CA-KK17/サンワサプライ)
形状 | 角形で「はめこみ」構造 |
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特徴 | カバーが取り付けやすくメンテナンスが容易 |
最大収容数 | 13本 ※モール横幅52mmの場合の目安 |
コーナー用
コーナー用のケーブルカバーは、壁と床などのコーナーに沿ってケーブルを収納します。
(画像引用:LD-GAFC1/ELECOM)
形状 | 壁と床の角にスッキリ設置できる三角の扇形で「はめこみ」構造 |
---|---|
特徴 | カバーが取り付けやすくメンテナンスが容易 |
最大収容数 | 6本 ※モール横幅23mmの場合の目安 |
LANケーブルをカバーでまとめるメリット
LANケーブルをカバーでまとめることには、以下の3つのメリットがあります。
- 損傷や断線からケーブルを保護できる
- 転倒事故を防止できる
- 配線がスッキリして見栄えが良くなる
一つずつ詳しく解説します。
損傷や断線からケーブルを保護できる
ケーブルがむき出しの状態になっていると、足や椅子に踏まれてダメージを受けやすくなりますが、カバーを使うとそれらのダメージから保護することが可能です。
特に、LANケーブルの先端についているLANコネクタのツメの部分は圧力を受けると割れてしまうことがあり、断線や接触不良の原因となりえます。
LANケーブルは、1か所が断線しただけでもネットワーク全体に支障が出る繊細なものです。
そしてネットワークに支障を来すと、甚大な被害が生じかねません。
平常通り業務を遂行するために、適切な強度のあるカバーでケーブルを保護しておくのは大変重要なことです。
転倒事故を防止できる
デスク周りのごちゃごちゃした配線をケーブルカバーで収容することで、スタッフが足をひっかけて転倒するリスクを防止できます。
ケーブルに足をひっかけて転倒する場合は、スタッフが怪我をするリスクにつながるだけでなく、ケーブルに接続されていた機器の転倒や落下により破損や大きな事故の引き金になることも考えられます。
事故のリスクを一つでもなくすことは、リスクケアの観点で非常に重要なポイントです。
配線がスッキリして見栄えが良くなる
LANケーブルカバーによって配線をまとめることで、デスク周りの見た目も良くなります。
ケーブルが煩雑な状態はスタッフ本人のモチベーションにおいても、来客に与える印象の面でもネガティブな効果をもたらすでしょう。
ケーブルが絡まり、絡まった箇所にホコリがたまったりするとさらに印象は悪くなります。
ケーブルをカバーで隠すだけで、オフィスの印象は見違えます。
LANケーブルのカバーの選び方のポイント
LANケーブルのカバーを選ぶ際には3つのポイントがあります。
- 配線場所に適した形状・サイズを選ぶ
- オフィスの内装に合った色・素材を選ぶ
- 簡単・手軽に設置できるタイプを選ぶ
それぞれのポイントを詳しく解説します。
配線場所に適した形状・サイズを選ぶ
ケーブルカバーには床配線用、壁配線用、コーナー用の3タイプがあるため、配置する場所に適した形状やサイズを選ぶことが重要です。
また、ケーブルカバーのサイズによって収容できる本数が異なるため、収納したい本数に適合し、かつ余裕のあるサイズを選ぶと良いでしょう。
なお配線カバーはだいたい1本1メートルですので、配線したい長さに十分足りる本数を用意します。
オフィスの内装に合った色・素材を選ぶ
ケーブルカバーの色を選ぶ際には、オフィスの壁や床の色に合わせるのがおすすめです。
ケーブルカバーのカラーバリエーションは豊富で、白、黒、茶、灰色、アイボリー、木目調などがよく売られています。
一般的に「床なら灰色」、「壁なら白」が多く選ばれるので、迷ったときにはその選択肢でいくのも良いでしょう。
またケーブルカバーの素材にも種類がありますので、使用環境や要件に基づいて最適な材質を選択することが重要です。
例えば、屋内では全般的に塩化ビニル製のものがよく用いられ、工場などの重量物が往来する場所であれば頑丈なアルミ製がいいでしょう。
簡単・手軽に設置できるタイプを選ぶ
自分でケーブルカバーを設置したいなら、手軽に設置できるタイプを選びます。
ケーブルカバーには大抵、両面テープが貼りつけられていますが、付いていない場合には両面テープも自分で購入して貼り付けなければなりません。
また、取り付けた後の清掃のことも考えてメンテナンスがしやすいものを選びましょう。
LANケーブルのカバーを取り付ける方法
ここからはLANケーブルのカバーを取り付ける方法を6つのステップでご紹介します。
作業には工具を使用しますので、怪我がないように手袋をつけておくと良いでしょう。
- けがき作業をして配線の基準の線を引く
- 専用カッターなどを使いケーブルカバーを切る
- ベースの両面テープを台紙から剥がす
- けがいた箇所にケーブルを固定する
- LANケーブルをケーブルカバーの中に入れる
- カバーやマガリを取り付けて完成
それぞれのステップを詳しく解説します。
①けがき作業して配線の基準の線を引く
「けがき」とは建築用語で「罫書き」とも書き、「位置を決めることを目的として建築材料に線を描くこと」です。
つまりケーブルカバーを設置する基準となる場所に、まず『下書き』をしていきましょう。
このひと手間をかけるだけで、設置する時に曲がってしまうのを避けられ、最終的にきれいな仕上がりになります。
②専用カッターなどを使いケーブルカバーを切る
次に、ケーブルカバーを必要な長さにするためにカットします。
モールの長さは基本的に1本1メートルですので、2メートル50センチのように端数が出る場合は、以下のように準備します。
- 1メートルのケーブルカバーを3つ用意する
- 3つのうち1本を約50センチにカットする
- 使用箇所にあわせてケーブルカバーを使用する
切断するときはカッターやハサミなどでは怪我の恐れがあるので、必ず専用のケーブルカッターを使用するようにしましょう。
※ソフトタイプの場合はカッターやハサミも可
③ベースの両面テープを台紙から剥がす
ケーブルカバーに両面テープが貼ってあるかを確認して台紙から剥がします。
両面テープを使用する際には、テープの粘着力が強いと剥がす際に壁紙も一緒に剥がれてしまう恐れがあるため十分に注意しましょう。
効率よく両面テープを貼るために使用できるグッズとして代表的な例は以下のものです。
- 壁紙専用の両面テープ
- マスキングテープ
粘着力の弱いテープだとケーブルカバーが剥がれ落ちてしまうこともあるため、壁紙が剥がれないことと粘着力とのバランスを考える必要があります。
④けがいた箇所にケーブルカバーを固定する
両面テープがついたケーブルカバーを壁に取り付け、少し離れたところから見て、曲がっていないかをチェックしましょう。
床や壁の形状によっては両面テープだけだとはがれてしまうこともあるため、ビスで留めてしっかり固定するのも手です。
⑤LANケーブルをケーブルカバーの中に入れる
複数本のLANケーブルを収納する場合、ケーブルのねじれをとっておくと作業しやすくなります。
LANケーブルがなかなかまとまらない場合は、数か所をテープでひとまとめにしてから収納するのも一つのテクニックです。
⑥カバーやマガリを取り付けて完成
ベースに合わせてカバーを取り付けます。
カバーがはまりにくい場合は軽くたたくとはめやすいですが、強くたたきすぎるとカバーが割れてしまうこともあるため注意が必要です。
最後に、直角に曲がっている部分専用の“イリズミ”や“マガリ”などの接続ユニットを取り付けると、接続部分がきれいに仕上がります。
LANケーブルのカバーに関するよくある質問
ここからはLANケーブルのカバーに関するよくある質問にQ&A方式で答えていきます。
カバーを付けたり外したりする時に参考になるため、ぜひご覧ください。
LANケーブルのカバーの外し方は?
LANケーブルのカバーは、はめ込み構造になっていて簡単に外せないタイプもあります。
対策として、ケーブルを通す空間にドライバーを差し込んで持ち上げると外れます。
その際ケーブルを傷つけないように注意が必要です。
ケーブルカバーのベースを剥がすときには「はがしヘラ」や「スクレーパー」という工具を使って剥がします。
その際にも、床を傷つけないように細心の注意が必要です。
賃貸の壁を傷つけずにカバーを貼る方法は?
賃貸の壁を傷つけずにカバーを貼るには2つの方法があります。
1つ目は、壁紙専用の両面テープを使用することです。
2つ目は、壁にマスキングテープを貼り、その上から両面テープで貼り付けるという方法です。
ただし、いずれの場合においても作業時には細心の注意が必要であるため、慎重かつ丁寧に作業しましょう。
配線カバーは100均のものでも良い?
一般家庭の小規模な配線程度であれば100均で売られているケーブルカバーであっても十分に使用可能です。
ただし100円ショップで販売している配線カバーは簡易的なものであるため、長さやサイズは限られています。
- 長さ:短い(50センチ程度)
- 口径:細め(11~16ミリ程度)
- 材質:塩化ビニル樹脂が多い
したがって、見栄えや耐久性を重視される場合は、100円均ショップで販売されているものを購入する前に専門のネットワーク工事業者に相談しましょう。
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まとめ
この記事ではLANケーブルのカバーについてまとめました。
LANケーブルをカバーでまとめるなら、損傷や断線からの保護・転倒事故の防止・オフィスの見栄えが良くなるなどのメリットがあります。
カバーの種類は、設置場所が床・壁・コーナーのどこなのかによって変化します。
また部屋の雰囲気に合わせた色合いや、設置の手軽さを考えることも大切です。
LANケーブルカバーを自分で取り扱う時には、怪我がないように注意してください。
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