施工要領書とは?施工計画書・作業手順書との違いや読み方も解説
電気工事や配管工事・内装工事など、さまざまな工事に着工するときに作成される文書の一つが、「施工要領書」です。
この施工要領書のおかげで、施工の流れや手順を正確に把握できるだけでなく、工事の品質を担保することが可能で、工事が安全・正確・効率的に進みます。
そこで本記事では、工事に必要不可欠な「施工要領書」に関して、以下のポイントをわかりやすくまとめました。
- 施工要領書の基本情報と記載内容
- 施工計画書や作業手順書との違い
- 施工要領書の読み方やチェックポイント
工事業者に依頼する際に、少しでも状況を把握したいという方は、ぜひご覧ください。
監修者
登 雄三
(のぼり ゆうぞう)
保有資格:工事担任者(AI・DD総合種)/電気工事士
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国各地でビジネスフォン・複合機・防犯機器などのOA機器の販売や電話工事、電気工事、LAN配線工事、VPN構築を主に手掛ける。2023年には名古屋へ拠点進出。
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国各地でビジネスフォン・複合機・防犯機器などのOA機器の販売や電話工事、電気工事、LAN配線工事、VPN構築を主に手掛ける。2023年には名古屋へ拠点進出。
電気工事の「施工要領書」とは?
電気工事などを依頼するときに「施工要領書」という言葉を聞くことがあるでしょう。
施工要領書は、依頼を受けた元請業者が作成する施工計画書をもとに、協力業者(下請け)が作成する書類で、工事の依頼者が必ず目にするものではありません。
しかし、施工要領書の内容を知り、チェックすべきポイントを理解しておくと、工事の状況をスムーズに確認できます。
そこでまず、施工要領書の概要や記載内容などの基本情報を正しく理解しておきましょう。
施工要領書とは
施工要領書とは、協力業者(下請け)が元請けの建築会社に提出する書類のことで、使用材料や施工内容、安全対策などを記載したものです。
簡単にいうと、施工要領書は工事の『説明書』のようなもので、「具体的にこのように工事を進めます」と各作業ごとの流れを事細かに記載します。
工事の品質を担保しつつ、施工の流れや手順を正確に把握し、安全かつ効率的に進めるためのガイドラインとしての役割があるのです。
施工要領書があると…
- 施工内容の詳細が明確にわかる
- 安全対策の指示が詳しく説明される
- 各工程の流れや手順が理解しやすくなる
- 工事の品質を担保できる
- 元請け・下請け間で正確に情報共有できてミスが減る
参考として、「コンクリート打放し仕上げ外壁のひび割れ補修」の施工要領書をご紹介します。
施工要領書に書かれる内容
施工要領書に記載される内容は、一般的に以下のとおりです。
- 工事概要
- 工事業者
- 施工時期
- 施工場所
- 使用する材料や部材
- 使用する機械
- 施工の進め方
- 現場の組織図
- 安全対策
ただし、書式や記載内容は法律で規定されているわけではないため、下請け業者によって大きく異なるという点を押さえておきましょう。
施工要領書が作成される工事の種類
施工要領書は基本的に、どんなジャンルの工事でも必要不可欠な文書です。
- 電気工事
- 配管工事
- 溶接工事
- 空調工事
- 基礎工事
- 内装工事
- 塗装工事
- 左官工事 など
あくまでも例であるため、ここに記載していない工事であっても施工要領書の作成が必要です。
施工要領書と施工計画書の違い
施工要領書とよく似たものに、「施工計画書」があります。
施工要領書と施工計画書の違いをまとめると、以下の通りです。
施工要領書 | 施工計画書 | |
---|---|---|
作成者 | 協力業者(下請け) | 元請けの施工会社 |
目的 | 具体的な作業手順や方法を詳細に定める。 | 全体的な工事計画と方針を定める。 |
内容 | 施工計画書に基づいた具体的な作業手順、方法、安全対策の具体的な実施方法が記載される。 | 工事概要、工期、使用材料、安全対策、仮設材料などの施工条件が記載される。 |
役割 | 施工計画書に沿った具体的な作業の実施方法を明確にする。 | 工事の大枠を示し、発注者や下請け業者に対して工事の方針や概要を伝える。 |
簡単にいうと、「施工計画書」は工事の全体的な計画を示すのに対し、「施工要領書」はその計画に基づいた具体的な作業手順を定めるものです。
施工計画書の具体的な作成例は、以下を参考にしてみてください(外部サイトへ移動します)。
施工要領書と作業手順書の違い
さらに施工要領書とは別に、「作業手順書」が作成される場合もあります。
両者の違いをまとめると、以下のとおりです。
施工要領書 | 作業手順書 | |
---|---|---|
作成者 | 協力業者(下請け) | 施工現場の作業員や現場管理者 |
目的 | 施工の全体的な作業手順・方法を詳細に定める。 | 個々の作業の具体的な手順や方法を詳細に示す。 |
内容 | 施工の流れや大まかな方法、使用材料、安全対策などが含まれる。 | 作業をさらに細分化した人の行動や物の動きを一つ一つ指示する。 |
両者は似ていますが、作業手順書は「安全に作業するための手順書」というイメージで、現場の作業員は、作業手順書を確認して工事するケースが一般的でしょう。
作業手順書の具体的な作成例は、以下を参考にしてみてください(外部サイトへ移動します)。
- 作業手順書は施工要領書をベースに、施工要領書は施工計画書をベースに作成されると覚えておくと良いですね。
施工要領書の記載内容と読み方を解説
施工要領書は基本的に、工事の依頼主が見る機会は少なく、また見たとしても専門的な用語が使われていて難しいと思われがちです。
しかし、施工要領書の見方に関するポイントさえ押さえておけば、工事に関しての重要事項の確認に役立つため、覚えておいて損はありません。
電気工事を例に、施工要領書を読むときのおおまかな流れを見ていきましょう。
ステップ1: 工事の概要を確認する
施工要領書の最初には、工事の概要が記載されています。
どのような種類の工事か、作業範囲・規模はどれくらいか、どの箇所を作業するのか、どれくらいの期間の工事になるのかといった内容を一通り見て、工事内容の大要を確認しましょう。
作業箇所については、簡略的な図面や部品などが記されています。
オフィス内のどの部分に手が加えられるのか知りたい場合は、詳細をチェックしてください。
ステップ2:工事の工程別の作業内容・注意事項を確認する
通常、一つの電気工事には複数の工程や作業内容があります。
施工要領書には、その個々の工事内容について記載されているため、工事の作業内容を都度確認するのに便利です。
電気工事は危険が伴うため、安全に関する規定が詳細に記載されていなければなりません。
具体的には、保護具の着用方法や危険箇所のマーキング方法などが説明されています。
ステップ3:工程表・施工図面を確認する
施工要領書には、工程表や管理図面が記載されています。
ここでは工事の進め方や期間が明確になっているほか、各工程の作業内容も記載されています。
これらの点をチェックして、作業の手順を把握しましょう。
ステップ4:工事後の確認のフローをチェックする
工事が完了すると通常、何かしらの不備がないか、確認の工程があります。
施工要領書に確認の方法や流れが記載されているため、どのようなチェック体制が敷かれているか、概要を見ておきましょう。
施工要領書を見る際のチェックポイント
施工要領書を見るときは、以下のような点をチェックすることをおすすめします。
◆責任の所在
- 元請け業者と下請け業者がしっかり記載されているか
- 現場の責任者(代理人)は誰か
◆工事品質
- 資材について数量や種別などが明確に記されているか
- 施工方法について事細かな説明があるか
- 計画通りに作業が進行するよう工事工程が明確になっているか
◆安全管理
- 記載内容に、安全に作業する意識が読み取れるか
- 緊急時の体制が敷かれているか
このような点をおおまかにでも見ておくと、工事に臨む業者が安全や品質について熟慮しているかチェックできるため、ぜひ頭に入れておいてください。
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まとめ
施工要領書は、工事の下請け業者が元請け業者に提出する書類で、工事の進め方に関する情報を記したものです。
施工計画書をベースに作られ、使用部材や施工時期など工事の内容を把握するのに用いられます。
工事を依頼する側が施工要領書を見る機会はないかもしれませんが、工事の内容を細かく知りたい場合、業者に相談して見せてもらえるかもしれません。
その際は、本記事でご紹介したチェックポイント参考にしてください。
最後に、安心・安全・低コストでの工事が依頼できる業者をお探しの場合は「OFFICE110」もご検討ください。
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