蛍光灯からLEDの交換工事が必要なケースとは?費用も徹底解説
消費電力の低さや製品寿命の長さにより省エネの観点からも注目を集めるLED照明ですが、多くのオフィスでは未だにLED照明ではなく蛍光灯が使用されています。
LED照明器具と比較して単価が安い点など、蛍光灯側にももちろんメリットはありますが、高い電気代にもかかわらず明度が低く、さらに寿命が短いため頻繁に交換が必要です。
こうした点から一般家庭はもちろん、業務効率や生産性が求められるオフィス環境で未だに蛍光灯を使用し続けることは、実は大きなデメリットを生んでいる可能性があります。
また、電気代や交換頻度などは比較的デメリットを実感しやすい項目ですが、実は蛍光灯は赤外線や紫外線を放出するので目に見えない、実感しにくい悪影響も発生させているのです。
今回の記事ではLED照明に変更することによるメリットや、変更するために必要になる工事など、蛍光灯からLED照明に変更をご検討されている方にとって、有用な情報をまとめましたのでご参考にして頂ければ幸いです。
監修者
登 雄三
(のぼり ゆうぞう)
保有資格:工事担任者(AI・DD総合種)/電気工事士
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国各地でビジネスフォン・複合機・防犯機器などのOA機器の販売や電話工事、電気工事、LAN配線工事、VPN構築を主に手掛ける。2023年には名古屋へ拠点進出。
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国各地でビジネスフォン・複合機・防犯機器などのOA機器の販売や電話工事、電気工事、LAN配線工事、VPN構築を主に手掛ける。2023年には名古屋へ拠点進出。
そもそもLED照明と蛍光灯との違いは?
そもそもLED照明の光源である「発光ダイオード」は電気を通せば理論上半永久的に光る装置で、物理的に劣化しづらいため製品としての寿命は一般的な照明よりもはるかに長くなります。
一般的な照明設備とは「蛍光灯」や「白熱電球」のことで、これらはフィラメントとよばれる細い電線に電気を通し、加熱することで光を生み出す仕組みです。
フィラメントを使ってきれいな白い光を出すためには高温が必要となります。そして構造上フィラメントは徐々に劣化し、いずれ焼き切れてしまうのです。
LED照明は、この様に蛍光灯が電気を熱エネルギーに変換して光を生み出しているのとは違い、電気を直接光に変換しています。そのため電力を効率的に光として使用でき、熱によるダメージを受けづらく長寿命という訳です。
LED照明は長寿命
一般的に、LED照明の光源寿命は40000時間程度とされます。これは日本照明工業会のガイドラインによるもので、ガイドラインではLED照明の寿命を「初期の明るさから70%に低下するまでの時間」と規定しています。
なおLED照明の光源である発光ダイオードは、電気を流せば半永久的に発光し続けますが、その他の機構が劣化し、徐々に明度が下がっていくのが一般的です。蛍光灯の様にフィラメントが焼き切れていきなり点かなくなることはありません。
つまり巷で言われているLED照明の寿命40000時間とは、それを過ぎたら点灯しなくなるという訳ではなく、明度は若干落ちるものの、40000時間を超えても使用することは可能です。
一方、蛍光灯の一般的な寿命は6000時間から12000時間ほどとされ、フィラメントが焼き切れるとその後一切点かなくなってしまいます。
LED照明と蛍光灯とでは製品寿命に40000時間対6000~12000時間と大きな差が有りますが、LED照明の製品寿命は明度70%以下になるまでの時間です。40000時間を超え明度が下がり、基準以下とはいえ“実際に照明として使用できる時間”はさらに開きが出る事になります。
- この事からも照明としての寿命を比較すると、LED照明は蛍光灯や白熱電球よりも圧倒的に長持ちと言えるでしょう。
LED照明は電気代が安い
また電気代に関しても、LED照明は蛍光灯と比較し約4割程も消費電力が低く、ランニングコストに優れた照明です。蛍光灯は点灯の直後に最も電力を消費し、タイプによってはこまめにオンオフを繰り返す程フィラメントの寿命が短くなるものも存在します。
電気代を節約しようと小まめに点けて消してを繰り返せば繰り返す程、点灯時に大きな消費電力が発生し製品寿命を縮めてしまう点は、ただでさえ消費電力が大きく製品寿命が短い蛍光灯の大きなデメリットです。
LED照明は高性能な分製品単価が高いというデメリットも存在しますが、製品寿命と消費電力を考慮すれば十分元が取れます。また世界的に電力事情がひっ迫している昨今、日常的に使用する製品であればある程消費電力が少ないという点は大きなポイントです。
企業は当然、経済活動を推進しながらも、社会全体で地球温暖化や環境問題など地球規模の架台に取り組んでいかなければなりません。企業活動で使用する電力を削減することは、社会貢献という意味でも、また余計な経費をかけず利益を拡大する意味でも大きな意味のある事です。
LED照明は熱の排出がほとんどない
LED照明の寿命や消費電力などに関しては、比較的実感しやすいメリットですが、実は蛍光灯からLED照明に変更することは、目に見えにくい大きなメリットが別に存在します。それは蛍光灯が発生させている熱や赤外線・紫外線を、LED照明はほとんど発生させないという点です。
電気を熱エネルギーに変換し光に変える蛍光灯の変換比率は、可視放射25%、赤外放射30%、紫外放射0.5%、残りは熱として放出されます。オフィスでは室温を一定に保つために夏場など常に空調を利用していますが、蛍光灯は自身が熱を持ち室内の温度を上げてしまうのです。
余談ですが大手百貨店などたくさんの人が集まる商業施設では、昔は冬場に暖房をほぼ必要としていませんでした。それはたくさんの人が発する熱がフロアにこもる、という点もそうですが、フロアを照らす蛍光灯が大きな熱を発生させていたことが大きな要因です。
逆に夏場はフロア内の温度コントロールのため、冷房設備を基本的にフル稼働させており毎日大きな電力が必要となります。夏場の空調による消費電力は、商業施設の運営会社にとって大きな悩みの種でした。
LED照明が普及してきた現在はそうした状況にも変化が見られ、従来はほぼ不要であった冬場の暖房が必要になったり、空調による夏場の消費電力が下がったりといった状況になっています。
- もちろんこうした大規模商業施設程ではないにしても、オフィスで未だに蛍光灯を使用していることは夏場に空調をより必要として、大きく電気代をさらに上げている可能性があります。
紫外線の排出が少ないことによる効果
太陽光程強いものではないとはいえ、蛍光灯の発する紫外線は物質を劣化させます。これは紫外線に長時間さらされると分子の結合が弱まるためです。
オフィスにあるプラスチック製品が徐々に劣化しボロボロになりますし、紙も黄色く変色してきたり、印刷された文字が退色して薄くなってくるなどもこの紫外線による影響です。
また物品を劣化させるだけでなく紫外線には虫を呼び寄せてしまう作用もあります。蛍光灯を使っているとオフィスに羽虫が発生し死骸が残ってしまうなど、社員の集中力や美観という意味でもデメリットになるでしょう。
LED照明は、こうした熱や紫外線を発生させないため、目に見えにくいデメリットが積み重なってオフィス環境を悪くしてしまう、ということも防ぐことができます。
オフィス環境を整えるならLED照明への交換はマスト
もちろん一般家庭であっても、こうしたLED照明に交換することによる恩恵は多大なものです。
ですがより1人1人の生産性や業務効率の改善が求められ、さらに紙資料など物品の保存の機会が多く、なにより電力消費=経費節減を進めるという意味で、オフィス環境においても蛍光灯からLED照明への交換はマストと言えるでしょう。
照明設備をLED照明に交換することでオフィス環境を改善することが可能です。
LED照明の交換に工事が必要な場合と不要な場合
蛍光灯からLED照明に交換するためには工事が不要の場合と必要な場合があり、もし工事不要の場合は簡単に交換可能です。では具体的にどのような場合に工事が不要になるのでしょうか。
工事が不要の場合
工事が不要な場合の最も簡単な例が、卓上の小型スタンドや天井への引掛けシーリングローゼット、白熱電球の照明機器である場合です。
卓上スタンドや白熱電球に関しては同形状のLED照明タイプが市販されており、これを従来品と同じ感覚で交換することができます。注意点としては機器とLED照明の接続箇所の形状が違うと当然ですが使用できません。購入時に間違えないようにしましょう。
一方のシーリングローゼットとは照明器具を天井に取り付けるための電源ソケットとプラグのことで、現状の照明がこれを使って天井に付いているのであれば、工事の必要はありません。
角型や丸形のシーリングローゼットが天井に設置されており、蛍光灯を取り外してLED照明をそのまま取り付けるだけで交換することが可能です。
自分たちで天井の照明を蛍光灯からLEDに交換する際に気を付けること
自分たちで蛍光灯からLED照明に交換する際に注意すべき点としては、シーリングローゼットや天井の形状をよく確認することが第一です。
シーリングローゼットや天井の形状によっては、新しいLED照明を取り付けられない場合もあり得ます。周囲に突起物がないか、天井に凹凸がなく平らかどうかを確認しましょう。
もし回りに突起物や天井に凹凸がある場合は、業者による工事が必要なケースを参照下さい。
工事が必要な場合
工事が必要なタイプの蛍光灯の代表例が、オフィスでよく使用されている直管蛍光灯です。
これは既存蛍光灯器具に取り付けられている「安定器」に電気が通らないようにして、LEDに適した電気配線にするための工事で、バイパス工事や安定器がついた器具ごと交換して安定器を取り外す器具交換工事が必要です。
なお安定器の役割は電源と照明の間に抵抗をつくり、流れる電流を一定の値に安定させるというものです。方式には、銅鉄製のスタータ式とラピッドスタート式、半導体部品を主に使用したインバータ式があります。
一部バイパス工事不要の直管型LED照明も販売されていますが、これはついている安定器の種類によって選択しなければならず、素人目には何を選んでよいか全くわかりません。
消費電力も既存の安定器を使う分余分にかかってしまいます。安定器の消費電力だけでも1台約5W程度、電気代に直すと1か月約20円程です。1台だと微々たるものですが台数が増えれば大きな金額になりますし、LED照明の長寿命性も考慮すると工事費用は十分にペイできます。
- そのため省エネ目的でLED照明への交換を検討している場合、早めに工事を実施して導入すれば、長期的なコストダウンにつながることでしょう。
工事が必要な場合でも自分たちでできる?
バイパス工事や器具交換工事自体は、配線し直すか器具の交換だけですので、それ程難易度の高い工事ではありません。ですが自分たちで配線したり器具を取り付けると漏電や火災の原因となり、作業には電気工事士の資格が必要になります。
そのためもし蛍光灯からLED照明へ交換する場合、専門の業者に任せることが一般的です。
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LED照明の交換工事に必要な費用・日数・作業内容
もしLED照明への交換工事を検討している場合のスケジュールや具体的な費用、そして実際の工事内容など気になるのではないでしょうか。続いて、具体的な費用感などご紹介致します。
LED照明交換工事の費用相場
LED照明は、基本的に2本で1つのセットとして扱われており、交換工事の費用相場は、1ヶ所当たり3000円から5000円程です。
この費用の中にはLED照明の本体価格も含まれていますが、LED照明本体は消費ワット数により価格は異なります。20W未満であれば1000円程、100W相当であれば3000円程になります。
数ヶ所の交換は数万円、50ヶ所を変えるなら単純計算で15万円~25万円程度になることもありますので、交換を検討しているオフィスの規模によっても大きく変動すると言えるでしょう。
もちろん広い範囲の工事であればある程費用はかかりますが、蛍光灯からLEDに替える面積も増えますので消費電力も大きく抑えられます。
LED照明交換工事の日数と作業内容
具体的な作業内容としては、
- 蛍光灯を外す
- 安定器につながっている配線をカットする
- 配線を結線し直す
- カバーとLED照明を取り付ける
現在使用している蛍光灯を外します。
LED照明に安定器は不要です。そのため蛍光灯用の安定器を撤去し、安定器につながる配線をカットします。作業自体は難しいものではありませんが、この作業に電気工事士の資格が必要です。
LED照明に必要な配線を結線して取り付けます。こちらの作業も電気工事士の資格が必要です。
LED照明を取り付けて、上からカバーを取り付け工事完了です。
工事当日はこの作業を交換ヶ所でくり返し行います。
1ヶ所15分から20分で完了しますので、工事個所が数ヶ所であれば1日で完了することが多いですが、多い場合は数日間作業になる場合もあります。
LED照明交換の工事業者を選定するポイント
LED照明工事自体は難易度が高い工事ではないため、電気工事が専門で無くても多くの業者が作業を行うことができます。そのためいざ工事依頼先を選定しようとしても、どの業者に任せるべきか、なかなか判断がつかない場合もあるでしょう。
LED照明工事の様な工事であれば、工事実績はもちろんですが照明を交換する環境であるオフィスの理解度の高い、信頼できる業者に依頼するべきと言えます。
過去の実績からLED工事の業者を選ぶポイント
業者を選ぶポイントとしては、まず実績と工事の経験値が高い企業であることです。実績豊富で信頼度の高い会社ほど過去の工事実績を公表したり、HPなどで情報発信を行なっておりますので、インターネット検索で探す際はその業者のHPをチェックするとよいでしょう。
また実際に問い合わせをして担当営業と面談した際など、これまでの導入実績などを聞き出すことも重要です。
もしその業者が大きな工場での交換工事の経験やオフィス、商業施設・店舗など様々な業種・建物でLED照明の交換を行っている場合、単純な件数による経験値だけでなく、条件が異なる場合の対処法など、ノウハウを蓄積させている可能性が高くなります。
オフィス環境を総合的に見直せる業者がおすすめ
もしLEDへの交換を検討しているのがオフィス環境であれば、工事実績に加えてオフィスに詳しい業者であると付加価値を付けることができる可能性が高くなります。
関連業務としてOA機器を扱っていると、工事をオフィス環境に合わせた方法で実施するノウハウも蓄えている場合が多いです。そのため業務進行の邪魔をしない範囲で手早く工事を進めてオフィス業務を停滞させないなど、オフィスに対する業者の理解度が高ければ高い程、工事にプラスアルファの価値を生んでくれるでしょう。
また、照明の交換はオフィスの環境をより良いものにする絶好のチャンスでもあります。例えば蛍光灯は熱を発生させるので、オフィスの空調の風が通りにくい場所は熱がこもり、業務に支障が出てしまうことから、社員の机等を置かず別の用途で使用しているかもしれません。
さらに蛍光灯は製品寿命が短く頻繁に交換が必要になるので、交換しやすいようオフィスの机を配置したり、交換に必要な蛍光灯を保管するスペースもそれなりに必要です。照明が1ヶ所2ヶ所だけならまだしも、照明が何十ヶ所もある場合、それらを解消すればオフィスに新たな価値やスペースを生み出せます。
- その他にも、照明を切り替える際にはあわせてOA機器も見直すとより効果的になりますので、オフィスの工事を全般的に取り扱っている業者に任せることを推奨します。
OFFICE110は電気工事もオフィス環境にも精通したプロフェッショナル
OFFICE110はLED照明工事だけではなく、オフィスに関連するあらゆる工事に精通し、各種OA機器の販売やコンサルティング実績も豊富な、オフィス環境を整えるプロ集団です。
オフィス移転や建物養生、什器組立・解体に間仕切り工事やレイアウト工事、電話・LAN工事といったサービスを行なっており、オフィス関連には深い知見があります。
OFFICE110の強み
OFFICE110はLED照明工事はもちろん、オフィスに関連するあらゆる電気工事に精通しており、企業ごとのオフィス環境に合わせた提案を行うことができます。
例えばオフィスのレイアウト変更など別件で工事のご相談を受けた際、それに合わせたOA機器の選定や電気工事、さらに照明の変更をご提案し、オフィス環境をより良くアップグレードすることが可能です。
なぜこうしたことが可能なのか、それはOFFICE110がオフィスに関連するあらゆる工事に精通し、各種OA機器の販売やコンサルティング実績も豊富な、オフィス環境を整えるプロ集団であるからです。
単にOA機器を販売するだけでなく、オフィスに最もマッチする機器の選定や、オフィスをより良い環境にするために必要な工事内容のご提案が可能です。コスト面を含んだトータルサポートが可能なので、施工後のオフィス環境が劇的に変わることでしょう。
なぜワンストップサービスが有効なのか
OFFICE110の最大の特徴は、オフィス環境をトータルサポートできる総合力の高さにあります。その象徴と言えるものがオフィス移転ワンストップサポートです。
これは、
- 電気工事
- LAN工事
- 設備工事
- 電話工事
- OA機器新規購入・設置
- OA機器の保守・メンテナンス
- OA機器の買取
- 法人携帯の契約
- 回線移転
- LED蛍光灯や照明の工事
- オフィス内装・レイアウト
というオフィス移転時に必要になるほぼすべての業務を、OFFICE110一社で全て請け負うことができるというものです。オフィス移転業務の窓口を一本化することで、移転や新設、引越しなどにかかる時間・経費を削減することができます。
またオフィスの移転で必要になる業務とは、オフィス関連業務で対応すべきすべての業務です。つまりオフィス移転をワンストップでサポートできるOFFICE110は、オフィス移転のみならず、オフィスに関連することであればどんな些細なことでも対応可能な企業と言えます。
オフィス業務のワンストップサービスができる程一貫したサービスは相乗効果を生み、少ない予算で高い効果を生む可能性が高いです。そのためLED照明に交換する際はオフィス環境のアップグレードと併せて行えるOFFICE110がベおすすめと言えるでしょう。
まとめ
シーリングローゼットを使用する家庭の照明をLED照明化することは簡単ですが、オフィスで使用する直管蛍光灯は同様にはいきません。
また工事も難しいものではありませんが、自分たちで行なってしまうと漏電など大事故につながってしまう可能性があり、実施には電気工事士の資格が必要となっています、やはり信頼できる施工業者に任せるのが得策でしょう。
その中でもOA機器にも知見の深いOFFICE110であれば、OAフロア工事のみならずトータルで対応可能です。
LED照明工事によるオフィス環境の改善にプラスして、さらに劇的に改善をすることも可能ですので、もしオフィス関連でお困りの場合は、OFFICE110にご相談してみてはいかがでしょうか。